ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「虹の日」だそうですよ。
日付は「なな(7)いろ(16)」(七色)と読む語呂合わせと
梅雨明けのこの時期に
空に大きな虹が出ることが多いことからだそうです。
関東地方の梅雨は6月末に明けてしまいましたが
ここのところ梅雨末期のような天気が続いているので
雨上がりに虹が見られるかもしれませんね。
私も近年、虹を見た覚えがないなぁ…
確かにこの時期は大きな虹がかかることが多いですし
二重にかかる虹が見られることが
多いのもこの季節ですね!
そっか…店に籠っていることが多いから
ここしばらく虹を見ることがないのだな…
確かにサラリーマン時代に外回りしているときには
雨上がりの午後に虹を無ることが多かった気が…
滝にかかる虹とか見に行きたいですねぇ~

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
フラッグシップ機であるニコンF2のボディに
露出計内蔵のフォトミックファインダーを組み合わせたモデルですが
「フォトミックA」の「A」は「Ai方式」の頭文字で
その名の通りAiニッコールレンズと連動して
露出計が動作します。
Ai連動爪を格納すればそれ以前の「非Aiニッコールレンズ」の
搭載も可能ですが当然ながら露出計は連動しません。
基本的には無印の「フォトミックファインダー」をベースとしており
露出計も指針式で受光体もCdSです。
ただAi対応になったことによりファインダー内絞り値は
Aiレンズにはレンズ側に刻印されている直読用の
絞り値をミラーで反射して表示します。
この部分に関してはファインダー内の絞り表示盤を表示していた
非Aiのフォトミックファインダーの方が文字が大きくて見やすいです。
Aiの絞り表示はやはり連動爪の陰で(光を通すため穴は開いていても)
少し見えにくい(F5.6周辺)部分もあります。

F2フォトミック系といえばFと異なり電池室がボディ側に
移動したことでファインダーはスタイリッシュになり
「頭でっかち感」は随分なくなったのですが
(それでもいい意味で武骨ですが)
その電池室のマイナス端子基部の樹脂部分が折れてしまう個体が多く
ゆるぎない堅牢さがセールスポイントのF一桁機としては
めずらしくウィークポイントなのですが
今回お預かりの個体はそこの部分は大丈夫で
ファインダー内の汚れはそれなりにあるものの
露出計も精度はともかく一通り動作しています。
ただ本体側のミラー駆動部に問題を抱えていて
シャッターをレリーズするとかなり高い確率で
ミラーが上がる途中で止まってしまいます。
当然ながらシャッターは切れません。
レンズを外してミラーを指で少し押してやると
ミラーは上がり切り連動してシャッターは切れます。
あるいは絞込プレビューボタンを何度か押してやると
それがミラーを後押しすることになり
これでシャッターが切れます。
最初はレンズが装着されて絞込レバーに負荷が少しかかると
アップできないのかと思いましたが
レンズを外して負荷のない状態でもミラーは途中で止まってしまいます。
根本的にミラー駆動部の動作不良が起きてしまっているようです。

まだ分解に取り掛かったばかりの段階です。
これからミラーボックスを降ろして
ミラー駆動部の動作確認を行いつつ
整備を行っていきます。
シャッターは一通り動作はしていますが
スローガバナに若干の粘りがあることと
やはり高速シャッターの精度は出ていないので
幕軸清掃や巻上機構の清掃整備を行って
微調整で精度を出していきます。
ボディ側が終わったらファインダー部の清掃整備も行います。
ファインダー内は内部モルトも結構使われており
モルトが劣化したままだとプリズム腐食の原因にもなるので
清掃を行いつつモルトも全て交換します。
F2なのでショック品や粗悪な分解品でもない限り
キチンと整備すればしっかり精度も出て
安心して使える状態になります。
今回もしっかり仕上げていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。