ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「クリスマスツリーの日」だそうですよ。
1886(明治19)年のこの日に
横浜・明治屋に日本初のクリスマスツリーが飾られたとされているそうです。
実はこれ以前にも日本においてクリスマスツリーが
飾られていたという情報もあるそうですが
はっきりした記録が残っていないようです。
子供の頃は家でクリスマスツリーの飾り付けに
夢中になりましたねぇ
いや…大人になっても若い頃は
結構喜んでやってたな(笑
いまや全く持って縁遠いものになってしまいました(苦笑)
でも街に出ると
あちこちで大きなツリーをみかける季節になってきましたね。
クリスマスを感じる…というのもありますが
「今年ももう年末かぁ…」と思ってしまいますね…
ほんと今年もあっという間に終わりそうです…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
M42マウントのペンタックス機を代表するカメラですね。
いろいろレンズ遊びができる…という点で
現在でも人気が高く使っている方も多いカメラだと思います。
でも現行モデルだった当時の人気はこんなものではなく
雑誌のフォトコンの入選作品のほぼ全てが
SPで撮られたものだった…なんてことも珍しくなかったようです。
絞り込み測光とは言え使いやすいTTL測光の露出計を内蔵し
交換レンズの豊富なM42マウントで
当時としては比較的お求めやすい価格…ということもあり
大ヒット商品となった一眼レフです。
そのため現存している個体数も非常に多いですが
コンディションは千差万別で
整備済みのバリバリに使えるものから
シャッターすら切れずボロボロになったジャンクまで
いろいろなものが市場に溢れています。

今回お預かりしているのはちょっとめずらしいブラック塗装のSPです。
外装はそれなりにスレやキズもありますが
かなりキレイなほうだと思います。
上カバーに比べて底板がかなりキレイなので
ほぼケースに入れて使っていたのではないかと思われます。
シャッターも一応は切れているのですが
低速シャッター時にミラーアップしたままになってしまいます。
ペンタックスM42機ではよくある症状ですね。
毎度書きますがミラー駆動部の動作不良の可能性も多少ありますが
大抵の場合はシャッター幕の走行不良が起因となっています。
後幕がキレイに走り切らないためミラーダウンレバーを
十分な力で蹴れないのが原因です。
先幕の力も借りて勢いのある高速シャッタ時には何とか蹴れても
スロー時にはうまく蹴れなくなる状態です。
そんな状況なので高速シャッターの精度も
当然ながら出ていません。
幕軸の清掃と注油を行い動きを良くしてから調整が必要な状況です。

いずれにしても修理・調整が必要だろうと思って
受付時には露出計のチェックを行っていなかったのですが
整備前に一応現状をチェックしておかなくては…と
まずは電池を入れようとしたら…
電池室の蓋が固着していてビクとも開きません…
これは力任せに無茶をすると蓋側を舐めてしまうので
溶剤と潤滑油を使って時間をかけて開けていくしかありません。
底板は外しておいてその間に他部分から取り掛かります。

SPもプリズム腐食の非常に多いカメラですが
今回はそこの心配は不要でした。
ただしシャッターのみならず
全体的に機械部分の動きが古い油や溜まった汚れで良くありません。
ここからさらに分解を進めて清掃整備を行います。
電池室の蓋はかなり時間がかかりましたが
まずは無事に外れました。
中から真っ黒に腐食した水銀電池が出てくるのではないかと思いましたが
幸運にも中は空でした。
ただし電池室蓋のネジ部にはびっしり緑青が付いていて
これが固着の原因になっていました。
当然ながら電気は通りません。
ここも普通に導通するように処置していきます。
配線にも若干の劣化はあり交換しますが
電池室の状況に比べると全然まともな状態です。
機械的な部分の整備を行った後に露出計の調整も行っていきます。

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