ニコンFGのカメラ修理

今日は「路地の日」だそうですよ。
日付は「ろ(6)じ(2)」(路地)と読む
語呂合わせからだそうです。
今、住んでる地域では
道路も比較的近年に整備されているようで
それほど昔ながらの細い路地なんてないのですが
私の生まれ育った田舎では
家の間を縫うようにクルマの出入りができない
細い路地がいまだにたくさんありますね。
おまけに平地の少ない土地なので
その路地が階段だらけで急坂だったりするのです。
子供の頃はその路地が格好の遊び場でした。
急坂や階段が多いので
転んだりして怪我することも多かったのですが
クルマの出入りがないことだけは安全だったかな…
いや…今考えると危ないことだらけだった気が…
でもそんなのその頃は普通だったかな…
そういえば小学生の頃
かくれんぼしてて柵のない細い路地を踏み外して
2m位下の別の路地に落ちて
膝を9針縫う怪我とかしていました
あの路地もまだあるのかな
今度帰省した時に行ってみましょう
そんな感じで昔ながらの細い路地を見ると
なんだか懐かしい気持ちになれますね!

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
ニコン初のエントリーモデル「EM」をベースに
機能的なフルスペック化を行ったモデルです。
いわゆるマルチモード機で
自動露出は「プログラムオート」、
「絞り優先オート」を搭載し
「マニュアル露出」も可能です。
これは絞り優先オート専用機で割り切った機能の
「EM」が輸出では好調だったものの
国内での人気があまり出ないため
機能を追加して発売のだと言われています。
機能的には当時の上位機種だった「FE」をも超える機能を持ちますが
ファインダー表示情報や各部の造りは
やはりエントリークラスのクオリティで
そのあたりがこのFGやさらに後に出るFG-20の
独特の雰囲気を出していると思います。
シャッター音もプログランシフトや瞬間絞り込み測光の関係もあり
他のモデルと異なるちょっと独特なものがあり
個人的にはFG-20も含めてかなり好きなモデルです。

お預かりしている「FG」は
それなりに使い込まれたものかと思われますが
おそらく近年は仕舞い込まれたままになっていたものかと思われます。
EM系のカメラはコストの関係もあり
フィルム室の遮光をモルトに頼っている部分が多いのですが
フィルム室のみならずファインダー周りや
内部モルトも含めてモルト関係は全滅です。
おそらくこの状態だと光漏れも起こると思います。
加えて接触不良があるようで電源が安定しません。
ニコンらしく「M90」と「B」は
電池がなくても作動しますが
基本的に電子制御シャッターなので
安定した電圧での電源供給は不可欠です。
電源が不安定なこともありシャッターやオート制御にも
不安定な部分が見受けられます。
他、ファインダー内がカビやゴミでかなり汚れていることや
一部外装品に破損も見られます。
外装部品は中古良品から補充することで対処いたします。

外装部品の破損はよくある巻き戻しクランクの破損ではなく
今回は巻上レバーの破損でした。
EM系の分解整備ではまずはとにかく巻き戻しクランクを
外す際に非常に神経を使います。
年月も経過し固く固着してる場合が多いのですが
力任せに外そうとすると簡単にクランク基部の円盤部品が破損します。
もともと強度のあまりない部品な上に
ここも経年劣化で脆くなっている場合が多いからです。
無駄な力をかけることのないように慎重に外していきます。
FGはEMに比べてかなり機能が追加されている分
整備はなかなか難しいカメラで
さらに電子回路関係でトラブルを抱えていると
修理不可能な場合も多々あるカメラです。
今回は電子回路関連のトラブルはなく
単なる接触不良が発生しているだけなので
そこは対処した上で一通りの機械的整備を行いつつ
各部の清掃整備を行っていきます。

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