ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「夏風呂の日」だそうですよ。
「な(7)つふ(2)ろ(6)」(夏風呂)と読む
語呂合わせが由来です。
夏に入るお風呂の爽快さを
もっと多くの人に知ってもらうことが目的だそうです。
私の生まれ育った実家には風呂がなかったので
時間帯等の都合で銭湯に行けないときは
この季節は外から見えない勝手口のスペースで
頻繁に行水していました(笑
行水と言えば大きなたらいなんでしょうが
それもありましたがプラスチック製の
大人一人が入れる大きいけど軽い浴槽(?)を出してきて
台所の給湯器から長ーいホースで湯を引っ張って
簡単に風呂代わりにしていました。懐かしいなぁ
明るいうちから行水して夕方を迎えると
妙にさっぱりして気持ち良いのですよねぇ…
その頃を思い出してみるとやっぱり今ほどは
暑くなかったような気がしますね。
もし同じことを今やってもあまりさっぱりしなくって
返って暑苦しくなるような気が…
でも暑い日に少しぬるめのお湯でお風呂に入るのは
良いような気がします。
最近、シャワーのみで済ませがちなので
ゆっくり浸かってリフレッシュしたいですね!

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年に発売された大ヒットモデルです。
ペンタックスのM42ねじ込み式マウント機は
このSP以降のモデルとそれ以前のモデルで大きく二分できると思います。
機能的にもTTL露出計の有無で大きく異なりますが
シャッターや巻上の基本的な構造も
SP以降とそれより前のモデルでは根本的に異なります。
SPはそれ自体が大ヒットモデルでありロングセラーモデルですが
その優れた基本設計故に後のSPFやSPⅡはもちろん
Kマウント化された後のKXやKM、K1000にも基本設計が受け継がれます。
それほど最初の設計が優れていたということだと思われます。
SPは純然たるM42マウント(余計な機能のない)レンズを使用するので
レンズ側からボディ側への絞り情報等の伝達機構はなく
絞り込み測光となります。
絞り込み時にはファインダーが極度に暗くなることも場面によっては多く
露出計の使いこなしには少し慣れも必要ですが
慣れてしまえばそれほど難しくはないと思います。
なんといってもシンプルなM42マウントなので
使えるレンズが多く存在するというのは非常に魅力となります。

基本設計に優れていて丈夫なカメラではありますが
さすがに登場してからほぼ50年が経過するカメラです。
定期的にメンテナンスされていない個体に関しては
いろいろなトラブルを抱えていて当然かとも思われます。
お預かりしているSPはずいぶん昔に整備歴があるものと思われますが
それにしても前回の整備からかなりの時間が空いていることは
ほぼ間違いなくやはりいくつかの問題を抱えています。
まずはシャッター幕軸の動きが悪く高速シャッターの精度が出ていない上に
非常に不安定です。
動作はしているのですがカメラテスターで計測していても
切るたびに極端な値が出て写真に悪影響も出るような値です。
加えて露出計は新しい電池を入れてみても
全くの無反応です。
電池室自体は一見、キレイだったのですが
これも分解してみると電池室裏側の端子や配線は
しっかり腐食が進んでいて全く導通しないような状態です。

心配されるプリズム腐食は今回は大丈夫でした。
以前の整備時にある程度対策がなされていて
それが時間が経過した現在でも問題なく状態を維持しています。
少しばかりの追加の対策とファインダー清掃を行っておきます。
シャッター・巻上等の基本的な機械部分の整備に
露出計周りの修理整備を一通り行います。
元々の状態は悪くない個体のなので
今回の整備でかなり軽快に動作する好調な状態に
仕上げられると思います。

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