キヤノンEFのカメラ修理

今日は「菜っ葉の日」ですね。
「な(7)っ(2)ぱ(8)」(菜っ葉)と読む語呂合わせです。
いわゆる「葉物野菜」のことですが
私の生まれ育った実家で「菜っ葉」といえば
「広島菜のお漬物」のことで
かならず食卓の隅にこれがありました。
ご飯には欠かせない一品です。
こちらに住んでいると「広島菜」の入手は少々面倒なので
スーパーに普通に売っている「野沢菜のお漬物」が
代用になるわけですが
私の朝ご飯は大抵の場合が白米とこれです。
最近は水分少し抑えめで固めにご飯を炊くのが好みで
炊き立てのお米のほのかな甘さに
野沢菜のお漬物のしょっぱさが合うのですよねぇ
子供の頃から菜っ葉のお漬物とご飯の組み合わせは
大好きですがいまだにこの組み合わせは
1日の始まりに欠かせません。
ただ…お漬物なので塩分の取り過ぎと
白米食べ過ぎで血糖値の上昇に
注意が必要な歳になってしまいました…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンEF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
分類的には「Fシリーズ」の一員といえるのですが
当時のラインナップの中ではかな異色なカメラです。
「Fシリーズ」中では唯一のオート露出(SS優先)を搭載し
シャッターは電子制御と機械制御の
ハイブリッドシャッター
その中核を担うシャッターユニットもシリーズ中唯一の
縦走りシャッターです。
スペック的にはかなり先進的なカメラともいえますが
本当に先進的なのはこの頃すでに密かに開発中だった
「AE-1」のほうでこの「EF」はそれまでの繋ぎとして
いろいろとそれまでの技術を工夫して搭載してるカメラともいえます。
シャッターが電子制御を行うのは1秒以上のスローシャッターに限ります。
1/2までは普通に機械制御で1/60~1/2は
普通にスローガバナーで制御します。
おもしろいのは1秒以上の電子制御時にもスローガバナを使っていて
例えばSSが4秒の場合だと
3.5秒は電子制御でマグネットで後幕を制御します。
この間、電子制御中であることを示すLEDも点滅します。
そして最後の1/2秒はスローガバナーに制御を渡し
機械制御で作動して完了します。
最後の1/2秒はLEDも点滅しません。
シャッタスピード優先オートも後のAE-1のような
完全電子制御ではなくこの時代によくある
露出計指針抑え式のオート制御です。
もちろん露出計が動作していないとオートは動作しませんが
絞りの制御自体は機械的な制御で行います。
いわゆる過渡期ということもありますが
こうしてみるとなかなか面白い機構のカメラだと思います。

お預かりしている「EF」は一通り動作はしているのですが
少々接触不良があるのか電子制御シャッターが少々不安定なことと
バッテリーチェック時のLED点滅も不安定です。
加えてこちらは機械的な問題ですが
高速シャッターの精度も少々不安定です。
機械的には多少動きが悪く
電気的にはいくつか接触不良が見られるといった状態です。
何か致命的な破損があるわけではありませんが
全体的にリフレッシュが必要な状態といえます。
もちろんモルトはフィルム室やファインダー周りも含めて全滅です。

整備性は少々難解な部分もあり
簡単ではない部類かと思います。
それでも正しい手順がわかっていればまだマシなほうですが…
シャッターユニット自体は他のカメラでも
実績たっぷりのコパルスクエアです。
キヤノンはこのEF以外のモデルは全て横走り機ですし
次世代の「Aシリーズ」もすべて横走り機です。
「EF」の次にキヤノンで縦走り機がでるのは
「Tシリーズ」になってしまうわけですね。
こうして考えるとやはり「EF」は異端児的てなカメラです。
でも端正なデザインは文句なしにカッコよく
実際に使ってみると非常に使いやすいカメラです。
巻上レバー軸上にレリーズボタンがあるのも
キヤノン機では珍しいですね。

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