キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ちらし寿司の日」だそうですよ。
酢飯がさっぱりしていていいですね。
季節的にもピッタリなような気がします。
関東だと具に握り寿司に使う生魚を多く使う
「江戸前ちらし寿司」をイメージされる方が多いのですかね?
個人的には「ちらし寿司」と聞くと
「五目寿司」を想像します。
身体に優しそうな気がして時々無性に食べたくなるのですよ。
若い頃にはそれほど好んでまで食べなかったのですが
「ちらし寿司」の話ではないですが
食べ物の好みは本当に年齢によってどんどん変わりますね。
干し椎茸、干瓢の煮しめ、酢蓮根、筍、茹でた海老、焼き穴子…
いろいろな具が思い浮かびますがそれらが混然となって
何とも美味しいのですよねぇ…
…と書いていると何だか無性に「ちらし寿司」が食べたくなってきました。
スーパーとかで売っている出来合いのモノも美味しいのですよね
私、普段は昼食は食べないのですがスーパーまで
ちょっと行ってこようかな…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラで
キヤノンAシリーズ最初のカメラでもあります。
電子制御シャッターのカメラや
シャッタースピード優先オート露出のカメラ自体は
それまでにもありましたが
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラで
来たるべき「AE時代」を開花させた記念碑的カメラだとも思います。
自動露出やシャッター制御を搭載されたコンピュータで集中的に制御し
従来機種より300点以上の部品削減と生産の効率化による
コストダウンを実現しています。
当然ながら大ヒットモデルとなり
低価格化・高機能化についてこれなく中堅メーカーが
このカメラの登場によって淘汰が進んだとも言われています。
こう書くとゴリゴリの電子制御カメラだとも思えますが
その後の時代の電子化に比べるとまだまだアナログな部分も残っていて
内部には連動糸もまだ使われており露出計も指針式です。
これより10年前のカメラに比べるとややこしい部分も多いですが
それでもこの類のカメラとしては整備性も良好です。
電子制御も意外と現在でもトラブルは少なく
経年劣化による接点の接触不良とかはありますが
トラブルの大半は機械的な動作不良だったりもします。

お預かりしている「AE-1」はまずシャッターが切れません。
幕位置から判断してチャージは完了しているようなので
電気的にレリーズができず固着してしまっている状況です。
電源はちゃんと入っていてレリーズボタン半押しで
露出計は反応します。
おそらくはマグネットの汚れ等による固着かと思われます。
このままでは埒があかないので
底部から一度、強制的にシャッターを切ってみたところ
定番ともいえる耳障りな「ギャイン」という
シャッター鳴きも確認できました。
「シャッター鳴き」と言いますが原因はミラー駆動部の
ギアが油切れにより異音を発する現象です。
そのまま放置しておくとミラーの動きが明らかに緩慢になり
シャッターレスポンスが悪くなり
最終的にはミラーが動かなくなり連動してシャッターも切れなくなります。
「AE-1」分解整備の際には症状が有無にかかわら要整備な部分です。

機械的な動作部分の清掃整備注油
電気的接点の清掃整備を行い
もちろん今回のトラブルの要因のマグネット吸着部の
清掃調整も行います。
その上で電気的調整を行い、露出制御等の精度を出していきます。
「AE-1」は当店では比較的修理依頼の多いカメラなので
トラブルの多い個所やチェックポイントはわかっているので
そういう部分も踏まえて修理整備を行っていきます。
意外と丈夫なカメラなのでしっかり整備すれば
また当分の間、安心して快適に使える状態になると思います。

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