ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
気温も上がってきてまさにアイスの美味しい季節到来です!
(いや真冬に暖かい部屋で食べるアイスも最高なのですが。。。)
コンビニやスーパーでもたくさんの種類の
美味しいアイスが食べられますが
やはり「サーティーワン」とかに行って
いろんなフレーバーから選んで食べるのは楽しいですね!
サーティーワンアイスクリームなら
今でもトリプルとかでも食べられそうだな。。。
いや本当は身体的に食べちゃいけないのですが。。。
くどいくらいに甘い「キャラメルリボン」が
昔から大好物です!
こういうときはガツンと強烈に甘いほうが満足度が高いですね!
いかん、妙にテンションが上がってしまいました。
近いうちにヒサビサにサーティーワン行ってきます(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「SP」の後継モデルで
開放測光に対応したモデルです。
もちろん従来のM42レンズでは
絞り情報をボディ側に伝える機構はありませんので
対応した「SMCタクマーレンズ」を使用することで
開放測光に対応します。
従来のM42使用時にはSP同様、絞込測光で対応します。
この時代には絞込測光・開放測光のカメラが混在し
それぞれメリット・デメリットが語られてきたものですが
やはり開放測光のほうがそれは便利です。
絞り込むのはプレビューして確認したいときくらいですものね
当然、絞り込んだままではファインダーは暗いわけですし。。。
しかしながらペンタックスレンズだけにとどまらず
いろいろなM42マウントレンズを使いたいということであれば
従来の絞込測光のみのSPのほうがシンプルで良いかもしれません。
ただSPFでも絞込測光はできますから
使い分けがきちんとできていれば問題ないのですが。。。
(レンズによって開放測光だったり
絞込測光だったりするとかなりややこしいことになりそうです)

露出計に関する部分に限って言えば
SPとSPFは全く別物です。
絞り情報も電気的に露出計に反映しなくてはならないため
配線周りはSPに比べるとかなり複雑になっています。
反対に露出計関連以外の部分は
ほぼSPと共通です。
なのでシャッター関連に関してはSPもSPFの同じような
トラブルが発生します。
SP系で多いのはやはり高速シャッターの精度不良で
一見、普通に動作しているように見えても
未整備の個体ではかばりの確率で問題を抱えていると思われます。
今回もそうですが症状が進んだものだと
高速時にシャッターが途中で閉じてしまう症状が現れ
写真の片側が黒くなってしまうというパターンもよく見かけます。
さらにそれに関連してシャッター幕動作不良に関連して
ミラーアップしたままになるという症状が多発します。

今回お預かりのSPFも1/1000では
ほぼシャッターが開いていない状態で
1/500、1/250でも写真の片側が黒くなったり
暗くなったりする状況です。
先幕の動作不良で後幕に走行途中で追いつかれてしまう状態です。
シャッター幕軸はもちろん
関連するま巻上機構部、ミラ-駆動部等々
各部の清掃整備調整が必要です。

写真は一通りの整備が完了した時点でのものです。
ところで、SPもそうですがSPFも
プリズムの周りにぐるりと遮光用のモルトが貼ってあり
そのモルトが加水分解を起こすことで
プリズムの蒸着を剥離させてしまいます。
いわゆるプリズム腐食ですね。
SPやSPFの場合にはファインダー視野中央より少し下に
横方向に黒い線が見えるようになることが多いです。
今回もプリズムは腐食が見られたので
交換で対応いたしました。
SPやSPFは比較的交換可能な中古プリズムが見つかりやすい状況です。
ただ、注意が必要なのはSPとSPFでは
微妙にプリズムの大きさが異なります。
SPFのほうが少し大きいのです。
それでもSPFは何とかなるのでいいのですが
もはやプリズム腐食に対応できないカメラも結構増えてきているので
いくら古いカメラが比較的メンテナンスが対応しやすいといっても
対応できなくなる日はきっと来るのでしょうね
今のうちにお気に入りのカメラは
しっかり使って楽しんでおいたほうが良いと思います。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「声の日」だそうですよ。
「こ(5)え(Eight)」という語呂合わせです。
なかなか強引ですねぇ(笑)
自分の声って実はちょっと気に入ってたのですが
(普通に話す声も歌う声も含めて)
2月の脳梗塞でこれも少し変化してしまいました。
嚥下(飲み込み)が一時完全に麻痺した影響もあって
声帯がうまく開き切らないようになったような気がします。
声を張ることが少し難しくなったかな。。。
加えて左顔面に少し麻痺もあるから
ほんの少しですが活舌も悪くなっていると思います。
コロナ騒ぎもあって試していないけど
きっとカラオケも以前のようには気持ちよく歌えないだろうなぁ。。。
まぁでもそういうのもリハビリしていかなくてはいけないので
落ち着いたらまずは一人カラオケに行ってきましょう!
(なんだか現実を突きつけられて落ち込みそうな気もしますが。。。)

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
おそらくミノルタSRシリーズの中で
最もたくさん生産されたカメラだと思います。
それまでのSRシリーズで組み合わせられるレンズは
いわゆるオートロッコールでしたが
SR-T101と同時に開月発売された
MCロッコールを使用することで開放測光を実現しました。
ミノルタ初のTTL測光機でもあります。
加えて受光素子(CdS)を上下方向に配置することで
上下二分割測光を行います。
ミノルタでいうところの「CLC」という機構で
SR-T以降のいろいろなカメラにも採用されます。
使い心地もよく頑丈で7年間以上にわたって生産され
大ヒットしたカメラです。
もちろん現存数も多いのですが
コンディションの悪いカメラでも何とかシャッターは動くという
個体が多いのも特徴の一つかと思います。
ただ、動きにくい状態の中、健気に何とか動いている個体も多く
精度はもちろん出ていませんし
そのまま使っているともっと大変なトラブルの元にもなります。
家から眠っていたSR-Tが出てきたなら
まずは一通りのメンテナンスを行うことをお勧めします。

お預かりのSR-Tもシャッターは動作しているのですが
先幕と後幕の幕速のバランスが大きく崩れていて
高速シャッターの精度は全く出ていません。
シャッター音や巻上にも油切れの兆候が見られます。
露出計も動作はしていますが
同じ明るさのものを見ていても
指針がふらふらと落ち着きません。
SW部の接触不良、あるいはミノルタ機に多いような気がするのですが
ハンダ付けの劣化が疑われます。

何はともあれ動くところは全て清掃し
必要な部分に必要な分だけの注油を行った上で
動作の調整を行っていきます。
SR-Tですから毎度のことですが
連動糸には細心の注意を払います。
実は同じご依頼者様から全く同じ仕様の
黒SR-T101をもう一台同時に預かっています。
こちらも状況としては1台目と同様で
全体的に動きの悪い状況です。
2台そろって気持ちよく撮影に使っていただけるように
整備を行っていきます。

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ニコンEMのカメラ修理

本日は5月7日ということで
「コ(5)ナ(7)モンの日」とのことです。
「コナモン」とは「粉もの」で
たこ焼きとかうどんとかお好み焼きとかそばやパンのことです。
お好み焼き(私の言う「お好み焼き」は「広島の」お好み焼き)は
大好きですし毎日でも食べたいし
「うどん」も地元の「呉の細うどん」であれば大好物です。
(すみません、東日本特有の汁の色の濃いうどんは
未だに苦手としています
太すぎて硬い(コシのある?)讃岐うどん系も
実はあまり好みではありません(汗))
最近は食べてないですが「たこ焼き」もいいですよねぇ。。。
久しぶりにフワトロで熱々な「明石焼き」も食べたいですねぇ
広い意味で「粉もの」といえば
パスタ等も含んで麺類はほぼ含まれるから
日ごろから食べているものが多いですねぇ。。。
そういえば今年のGW中は呉に帰れなかったから
「お好み焼き」も「細うどん」も「呉冷麺」も食べられなかったし
そうこうしているうちに「元祖・呉の細うどん」である
「一心」は閉店しちゃうし。。。。はぁ。。。
「一心」の閉店はもはやしかたがないとしても
次はいつ地元の美味しいものを食べに行けるかな。。。

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年に発売されたニコンのラインナップの中では
エントリー機にあたるモデルです。
この時代には各メーカー絞り優先AE専用のエントリー機を
取り揃えていてそのどれもがヒットしていました。
ニコンは大体昔から軽量コンパクトなカメラを作ることを
苦手としていますが
このEMは良い意味で「ニコンらしくない」
軽量コンパクトでおしゃれなカメラです。
余談ですがマニュアルフォーカスカメラ時代には
このEMを筆頭とするFGやFG-20を含んだ
「EM系」が非常にコンパクトで使い勝手もよいカメラだったのに
オートフォーカスカメラ時代になると
またエントリー機で迷走しコンパクトで使い勝手の良い一眼レフは
なかなか出てこなくなります(苦笑)
「u」あたりでやっとエントリー機らしいエントリー機になった気がします。
すみません、話がそれました
EMのキャッチフレーズは「リトルニコン」
同じ年にデビューした「スーパーニコン」・「F3」と
並べると親子のように見えますが
どちらもこれまでのニコンとは全く違う
スタイリッシュなデザインが魅力的です。

ニコンのカメラは生真面目すぎるほど
頑丈で重い部品やダイキャストを使用するので
これまでのカメラは大きく重いものばかりではありましたが
その分、クラスを超えた耐久性・堅牢性があったのも事実です。
EMの場合は良い意味でそのあたりを振り切ったカメラなので
正直、ほかのニコン機に比べると
華奢な部分も多くあります。
今回は問題なかったのですが
非常に多いのが巻き戻しクランクが破損した個体。。。
下手に分解しようとしたり
無理な力を加えるとプラスチックが経年劣化で
脆くなっていることもあり簡単に破損します。
当店在庫の部品取り用EMもほぼすべての個体で
巻き戻しクランクが既に使われてしまっています。
現在、大丈夫なのものでも
巻き戻しクランクの扱いにはお気を付けください。

お預かりのEMはまず電源が入りません。
随分長い間、仕舞い込まれていた個体とのことですが
久しぶりに出してきて
電池を入れて最初の数回はちゃんと露出計も動いたのだそうです。
入れたばかりだという電池を念のため
チェックしてみると電圧がほとんどありません。
おまけに2個のうち1個は微妙に膨らんでいます。
試しに新品のLR44を入れてみて
電源が入らないことを確認しすぐに電池を抜いてみると
電池がほんのり熱くなって
新品なのに電圧も少し落ちてしまいました。
間違いなくどこかでショート(短絡)してしまっているようです。
基盤内ショートであれば正直お手上げですが
可能性が高いのは電池室裏ではないか思います。
まずここを直さないと始まらない状態です。

ショートの原因はおそらく以前にかなり長い間
電池を入れっぱなしにしていたことによる腐食です。
電池室自体は一見キレイだったのですが
電池室周辺は底部基盤の一部も含めて
緑青でびっしり覆われていました。
できる限り落として何とか正常に通電できそうな様子です。
露出計の動きやオート時のシャッター制御も不安定で
各接点を徹底的に清掃していかなくてはなりません。
それでも普通に動作できる状態には何とかなりそうです。
写真には写っていませんが
組み合わされていたレンズは
おわゆるパンケーキタイプのAi-Sニッコール50mmF1.8です。
こちらもカビ・汚れがひどいので清掃を行います。
EM用に発売されたシリーズEのレンズも良いですが
やはりAi-Sのパンケーキが万能で信頼性も高く良いですね。
私も以前は持っていたのですが。。。
パンケーキじゃなくてちょっとレンズの奥まったAi50/1.8でいいから
どこかで手に入れてこようかなと思います。

リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「コロッケの日」であり
さらに「ふりかけの日」らしいですよ
どちらも大好きですが
どちらもたくさんは食べられなくなったなぁ。。。
コロッケ。。。というか揚げ物が
ほんの少ししか食べられなくなりました。
食べてる最中は平気だしとっても美味しいと思っていただくのですが
あとでしっかり「胃もたれ」「胸やけ」に苦しみます(苦笑)
でも熱々のコロッケ売ってたらつい買っちゃいます。
まぁ1個くらいなら平気です!
「ふりかけ」は白米好きな私なので
当然大好きなのですが。。。糖質制限しなくてはいけないことと
先日の入院以来、あまり一度にたくさん食べられなくなったので
(まぁある意味良いことなのですが。。。)
ふりかけ使ってまでご飯を掻き込む。。。なんてことがなくなってしまいました。
。。。でも。。。こうやって書いていると
炊き立てのご飯にふりかけかけて食べたくなってきたなぁ(笑)
これも朝、軽くお茶碗1杯くらいなら許されるかな。。。
明日の朝はふりかけご飯にしましょう!

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
「リコーフレックス」というとプレスボディで
ピントリングはギアを回すタイプの軽量コンパクトなタイプを
連想される方も多いとは思いますが
「ダイヤ」シリーズはダイキャストボディを採用した
従来のリコフレに比べると少し高級志向の二眼レフです。
最初の「ダイヤ」は1955年に発売されていますが
見かけるのが多いのは1956年に発売された
「ニューダイヤ」かと思います。
従来の「ダイヤ」との違いで分かりやすいのは
フィルター枠が単純なねじ込みではなく
バヨネットになっていることだと思います。
ダイヤシリーズを通して大きな特徴といえば
レンズボードの左右に飛び出した振り子式のピントレバーです。
素早く大きくピントを変化させたい時とかには
非常に使い勝手の良いピントレバーです。
搭載されるシャッターユニットは基本的には
「シチズンMXV」で最高速は1/400です。
(セイコーシャ搭載モデルも存在します)
設定されたSSや絞り値はビューレンズの上部に表示され
ウエストレベルで構えたまま設定の確認ができます。
オートコードとかと同様ですね。これも非常に重宝します。
レンズはリケノン搭載モデルと
リコナー搭載モデルが存在します。いずれも80mmF3.5です。
ファインダーもフレネルレンズが採用され
従来のリコフレに比べると明るさ・ピントの山の掴みやすさにおいて
やはり上回ります。
フィルム装填はスタートマーク合わせ方式となり。
もちろん巻き止めも自動です。
ここまでくるとセルフコッキングもあってほしくなりますが
そこはまだ未装備で巻上とは別にシャッターをチャージする必要があります。
こうしてみても従来のリコフレに比べると
全く異なる高級志向の二眼レフです。
並行して従来のリコフレも生産・販売されているので
選択肢のひとつとしての高級版といったところでしょうか。。。
でも使い勝手や性能も含めて従来のリコフレとは異なる
非常に魅力的な二眼レフだと思います。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
使われなくなってからおそらく数十年
仕舞い込まれたままのものかと思われます。
レンズ表面には拭き傷も多くそれはどうにもなりませんが
それ以外にもカビ・汚れがひどく
このままではまともに写真が撮れない状態だと思われます。
シャッター羽根には粘りがあり高速時には精度が出ず
スローガバナにも粘りがありすスローシャッター時には
シャッターガ開いたままになり忘れたころにシャッターが閉じる状態です。
スリガラススクリーンやフレネルレンズにもかなり汚れが見られ
二眼レフでは定番ですが
ファインダーミラーは曇りまくりで既に用をなさない状態です。
あらゆるところを清掃したうえで調整して
リフレッシュさせないといけない状態です。
しかしながらきっちり整備を行えば
まだまだ快適に使えるようになる状態だともいえますね。

まずはいろいろと問題のあるシャッターユニットをおろして整備します。
当然、外したテイクレンズは全て後で清掃です。
その後、ヘリコイド周り、巻上機構部の整備を行い
ビューレンズやファインダーの清掃を行います。
ミラーは当然交換です。
ちなみにセルフタイマーはフラッシュ接点がXに設定されている状態で
SSは「B」以外に設定されているときのみ正しく作動する仕様です。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は5月3日。。。
「ごみの日」、「ゴミ片付けの日」、「そうじの日」だそうですよ
どれも「ご(5)み(3)」の
語呂合わせが由来となっている記念日です。
掃除は常日頃から少しずつこまめにやっておいたほうが
効率よいことはわかっているのですが
ちょっと油断すると汚れがたまってから
しかたなく掃除するパターンに陥りがちです(汗)
お店はまだしも自宅がちょっとひどいので
どこにも行かないGW中にしっかり掃除しておきます!
あ、お店のエアコンのフィルターは
昨日、しっかり掃除しました!
いきなり冷房の出番が来そうな
暑さですものねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたカメラです。
前年にミノルタ初の一眼レフカメラ「SR-2」が発売され
(最初なのに「2」。。。数字が大きいほうが上位機種ということからしいです)
SR-2の普及版として追加となったのが
「SR-1」です。普及版といいますが初期のSR-1は
SS最高速が1/500以外はSR-2とほぼ変わりません。
ただ、このSR-1、デビュー以来毎年ののように結構おおがかりな
マイナーチェンジが行われます。
それでもモデル名はSR-1のままなので
同じSR-1でもボディの形から違う。。。なんて現象が起きています。
ボディ形状だけで4種類存在します。
当然中身もそれぞれ細かく異なるので
修理時に部品交換が必要な場合は非常に厄介なカメラです。
(最も交換頻度の高いプリズムはSR-1,2,3共通だから
まだよいのですが。。。)

お預かりしている「SR-1」は
おそらく1963年のモデルかと思われます。
前年には「SR-7」が登場しており
それに合わせてボディのデザインも変更され
フィルムカウンター窓がそれまでの巻き戻し側から
巻上側に変更されています。
中身もSR-7との共通化が行われています。
こうしてみるともはや初期のSR-1とは別物です。
上位機種は「SR-2」→「SR-3」→「SR-7」と
モデル名も変化しているのに
中身は同様に進化しているのに「SR-1」は
ずっと「SR-1」のままなのです。
比較的後期の63年式とはいえ
もはや60年近く経過しようとしているカメラです。
もちろんそのままで快適に使える状態ではありません。
しかしながらさうがタフなSR系で
とりあえずはシャッターは動作します。
。。。。とはいえ、油切れの状態で一生懸命何とか
とりあえず動いているという状態で
「あぁ、もういいよいいよ、無理しないで!」と言いたくなる状態です。
(自分でシャッターを切っておいておかしな話ですが)
ちなみに1/1000に設定した状態で
1/100程度しか出ない状態です。
後幕の動きが圧倒的に悪いようです。
スローシャッター時にはガバナを引っ張り切れずに止まりそうな状態です。

シャッターもそうですがミラー駆動部、巻上部
駆動部分の動きは全て悪いです。
もちろんファインダー内やレンズ内にも
結構なカビや汚れが見受けられます。
このままでは使える状態ではありませんが
どこかが致命的に破損しているわけではございません。
とにかく分解して古い油や溜まった汚れを取り除き
新たに注油を行い、限られたバネの力で
スムーズに動けるように整備を行います。
その上で微調整を行うと全く問題なく
撮影に使える状態になると思います。
まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「えんぴつ記念日」だそうです。
修理作業のために「鉛筆の粉」を使うことはありますが
筆記具として鉛筆を使うことはさすがになくなりましたね。。。
小学生低学年の頃はまだ鉛筆が当たり前だったかな。。。
高学年になった頃はシャーペンがずいぶん普及して
ほぼシャーペンで書くようになっていましたねぇ
でもそれなりに鉛筆も使っていたし
教室の後ろの棚には必ずでっかい鉛筆削りがありました
(クランクを手で回すタイプのやつ)
家の学習机には電動鉛筆削りが組み込まれていて
ちょっと先が丸くなったらすぐ削ってたなぁ(笑)
後ろに小さな消しゴムが付いた鉛筆も
よく使っていました。。。鉛筆一つでいろいろ思い出しますね。
そういえば今でもダーマト(芯の太い赤鉛筆)は
フィルムのプリント指示とかを書き込むために使いますが
これ子供の頃にも家のいたるところにあって
(じいさんが使っていた)
不必要に糸を引っ張って芯を出しては怒られたなぁ
(使ったことある人しかわからないネタですみません)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
一眼レフの歴史を語る上で決して外すことのできない
伝説の名機ですね。
何がすごいかいうと「これでもか」といわんばかりの頑丈さです。
分解してみるとよくわかりますが
明らかにオーバークオリティな強度の部品が使われていて
普通に使っている限りは壊れることはないのではないかと考えさせられます。
。。。。とはいえ部品そのものは丈夫でも
定期的メンテを行わないと動きが悪くなってしまうのは避けられません。
それでもやはり「F」致命的な部品破損や変形の非常に少ない
カメラだと思います。
加えてその機械的な精度の高さも同時期の他カメラと比べると
やはり明らかにレベルが違います。
当然それだけ頑丈に作られているため
大きく重いのは当然ですが
どんあシチュエーションでも撮影が中断されることのないように。。。という
明確なメーカーからのメッセージが伝わってくるカメラだと思います。

お預かりしている「ニコンF」はアイレベルファインダーの装着された
精悍なブラックボディです。適度に使い込まれた感もありますが
それはそれでよい味を出していると思います。
お預かり時にとりあえずしゃったーは切れているかな。。。と思いながら
SSチェックも行ったのですが
なんと1/60~1/1000まで高速シャッターが全てまったく開きません。
1/30以上のスローガバナが介入するSSにばってやっと開きます。
SSダイヤル下の調速カム周りの動作不良が原因かと思われます。
何とかシャッターの開く低速側も
スローガバナの粘りがあり問題なしとはいきません。
とにかく動作部分にいろいろ動作不良が起きている状態です。
それでもきちんと清掃・注油の上、再調整を行えば
問題なく動作するようになります。

写真は一通り作業の終わった段階で撮ったものです。
しゃったーは全く問題の精度で1秒~1/1000まで動くようになりました。
「F」の唯一の泣き所といえばプリズム腐食で
今回の「F」も目立つほどではないのですが
やはり中央縦方向にわずかながら腐食があります。
これはもう交換用のプリズムが入手不可なので残念ながら現状のままです。
今回くらいであれば全く問題ないレベルではありますが。。。
装着されているレンズはプリセット絞りの
「PCニッコール35mmF3.5]です。
シフトアオリ機能の付いた特殊レンズです。
外装・レンズ共にカビ汚れが酷かったため
できる限りの清掃とヘリコイドグリスアップ
絞り羽根の清掃を行っています。
ボディ・レンズ共に
非常に気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は5月1日。。。
昨年の今日に「令和」に改元されて丸1年
今年は閏年だから「八十八夜」も今日ですね。
「夏も近づく八十八夜♪」と「茶摘み」でも歌われていますが
外は本当に初夏の陽気です。
お店にいても冷房付けたくなるほどです。。。
さらに今日は語呂合わせの記念日も多くて
「語彙の日」、「恋の始まる日」、「鯉の日」
「コインの日」。。。等々
ちょっと変わったところでは「扇の日」。。。
紫式部の『源氏物語』において
女性が光源氏に扇(おうぎ)を贈っていることから、
「こ(5)い(1)」(恋)の語呂合わせで記念日となっています。
紫式部で思い出したけど
入院騒ぎやそれに続く世の中のコロナ禍で
すっかり忘れ去っていましたが
百人一首を覚えようと思っていろいろ2月に資料を集めているのですよ
そろそろそれも時間を作って取り掛かなければ。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ペンFTの修理、コンスタントにありますね。
毎月1、2台はブログに書いているような気が。。。
「ペンF」よりも「ペンFT」の修理依頼のほうが
圧倒的に多いですね。
「F」も「FT」もその独特なミラー駆動部周りや
ロータリーシャッターを制御しているガバナのトラブルは
共通項ですが
「FT」の場合はそれに加えて
何らかの露出計トラブルが加わります
(露出計用のハーフミラー劣化等も含む)
冷静に比べても「FT」のほうが巻上等も含めて
トラブルが多いような気もします。
。。。とはいえ、「ペンFシリーズ」は
他のカメラでは見ることのできない
独特なフォルムや独創的なメカニズム等
非常にたくさんの魅力があるカメラです。
私も昔、個人的に撮影に使っていた時期もありました。
撮影していてもとても楽しいカメラです。

お預かりしている「ペンFT」は
定番の露出計トラブルで非常に指針が不安定です。
電池室~受光体・露出計への配線に接触不良があるようです。
ペンFTの修理で毎回、問題となる
受光体へ光を導くためのハーフミラーですが
今回はめずらしく問題のない状態でした。
ただ、ファインダーは随分曇ってしまっていて
とても快適にピント合わせのできる状態ではありません。
ファインダースクリーンやプリズム、拡大レンズや
ダハプリズム、接眼レンズ、通常の一眼レフに比べると
複雑な経路のファインダー光路にかかわる部分は全て清掃します。

写真は一通り整備を行った後のものです。
今回はシャッターはとりあえず動作はしていましたが
ペンF系はとにかくガバナとミラー駆動部にトラブルの多いカメラなので
予防も含めてその辺りの整備は必ず一通り行います。
今回もその甲斐あってシャッターの動きもスムーズになり
巻上の感触もかなり気持ちの良いものになりました。
そういえば今回、電池室の蓋が妙に締まりにくい症状があり
作業前によくよく調べてみると
おそらく以前に斜めに差し込まれたまま
強引に回して締めてしまったことががあるようで
蓋側も受け側もネジ山が破損してしまっていたので
交換で対応しました。
何事もそうですが力任せで強引なことをすると
たいていがロクなことになりません(笑)
もうひとつ余談ですが
もともとアクセサリーシューが装着されていたのですが
ペンF系のアクセサリーシューは
接眼レンズ枠に引っ掛けて装着するものですが
その接眼レンズ枠がプラスチック製で
経年劣化で脆くなっているものが多く
シューをつけていることによって破損してしまうものが多いのです。
今回も接眼レンズ枠が割れかかっていたので
補修・補強してシューは取り外しておきました。
本当にフラッシュ等を装着するとき以外は
普段から外しておくことをお勧めします。

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オリンパス35EDのカメラ修理

今日は「図書館記念日」だそうです。
1950年(昭和25年)のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来になっているようです。
ほんの数年前までは結構頻繁に図書館は利用していました。
私は小説や文庫本等はほぼ読まないので
興味の湧く分野の専門書等を借りて読むことが多かったです。
あと貸出禁止のものも多いのですが
その図書館のある地域の文化や歴史を紐解いた資料とかも
よく読んでいました。だから自分の住んでいるところ以外の
図書館も見つけると立ち寄ったりもしていましたね。
こう思い返すとこの仕事始める前のほうが
時間的にも精神的にも余裕があった気が。。。(汗)
そういえば中野区民になってから図書館に行ってない。。。。
今はコロナの影響でもちろん休館中ですが
落ち着いたら行ってみることにしましょう。。。

さてさて

本日は「オリンパス35ED」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは1948年の「35Ⅰ」から続く
歴史あるレンズ固定式コンパクトカメラのシリーズです。
1960年代末あたりからはコンパクト化も進み
様々なカメラがラインナップされます。
結構、種類が多くてわかりにくいのですが
「トリップ35」、「35DC」、「35RC」
「35SP」、「35EC」、「35EC2」、「35ECR」
このあたりが1960年代末から70年代前半に発売された
35シリーズのカメラです。
今回ぼ「35ED」は1974年発売で
35シリーズのカメラとしては最終モデルではないかと思われます。
モデル名が「E」で始まるということで
電子制御シャッター機です。
シャッタユニットはミノルタハイマチック等でお馴染みの
セイコーESFシャッターです。
レンジファインダーを搭載し、レンズはコンパクトな
38mmF2.8を搭載します。
スペック的にはECRの進化版といったところでしょうか。。。

今回お預かりの35EDですが
電池を入れてもシャッターが全く動きません。
電子制御シャッターなので
とりあえずは電源が入らないことには話になりません。
電池室周りの問題だけであれば何とかなるかとは思いますが
シャッターユニット内部まで腐食が進んでいると
もはやお手上げの可能性もあります。

とりあえずはある程度分解してみないと何ともいえません。
かなり長い間、動かないままで眠っていたと思われます。
ご依頼者様のおじさまのカメラと聞いています。
何とか復活させる方向で進めていきたいと思います。
まずは中身の現状をチェックすることから取り掛かります。

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ニューキヤノネット28のカメラ修理

今日は言わずと知れた「昭和の日」ですが
かつての「みどりの日」の関連で
「畳の日」でもあるのですね。
畳の部屋はいいですよねぇ。。。
ばあさんが亡くなって実家を引き払ってからは
本当に縁がなくなってしましたが
風通しの良い畳の和室は
この季節にごろんと寝転がっていると
本当に気持ちが良いのですよねぇ
私は広島県呉市の出身なので
畳のサイズはやはり「京間(本間」が一番なじみ深く
畳の長辺が約190cm、短辺が約95cmというのは
かなり小さなころから覚えていました。
。。。というか、今や畳のサイズが
京間、中京間、江戸間、団地間等々、いろいろあることを
知らない方も多いでしょうねぇ。。。
あぁ、畳の部屋でゴロゴロしたいですねぇ
普通に落ち着いたら山奥の温泉宿ででも
1週間くらいのんびり過ごしたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「ニューキヤノネット28」のカメラ修理を行っています。
キヤノネットの修理と言えば
初代か最終モデルのG-Ⅲが多いのですが「28」は
ちょっと珍しいですね。
「キヤノネット28」にも
1968年に発売されたセレン光電池を使用したモデルと
1971年に登場した「ニューキヤノネット28」の2種類が存在します。
今回は後者ですね。
その名の通りコンパクトになった「ニューキヤノネット系」のカメラで
「ニューキヤノネットQL17」がベースになっています。
「クイックローディング(QL)」を省略し
シャッターは他のニュー系同様コパルではあるのですが
いわゆるプログラムシャッターを採用し
他のキヤノネットのようにSS優先AEではなく
プログラム露出で撮影します。
マニュアル露出も省略されています。
よりシンプルに簡単に使えるように仕上げられたモデルです。
。。。とはいえ、初代28のようにゾーンフォーカスではなく
しっかりパララックス補正機能も付いたレンジファインダーを備え
ファインダー内にSSも表示されます。
レンズは40mmF2.8でキヤノンらしい
メリハリの付いた描写をするレンズです。
気軽に撮り歩くのになかなか良いカメラだと思います。

お預かりしているニューキャノネット28は
かなり長い間眠っていたようで
いろいろと問題が散見されます。
露出計の値を基にプログラムAEで撮るカメラなのに
電池室の腐食が酷く露出計が動きません。
もはやこの時点で普通に撮影ができる状態ではないですね
さらにレンズにはカビが多く発生しており
ファインダーは曇りまくりです。
さらにピントリングを操作しても
ファインダー内の二重像が全く動きません。
もちろんモルトは全滅です。

まだ、現状確認を行っただけで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
もうひとつ気になるのは
フラッシュモード時にはシャッターは無条件に
切れなくてはいけないはずなのですが
その場合にもレリーズが全く押せません。
まぁどちらにしても動く部分は全部見直す必要がありそうですね。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「駒ヶ根ソースかつ丼の日」だそうですよ。
これがっつり食べたいときには本当に美味しいのですよねぇ。。。
通常のかつ丼と異なりご飯の上に千切りキャベツを敷き
その上に秘伝のソースをくぐらせたカツを乗せた丼なのです。
駒ヶ根では「かつ丼」というとこのソースかつ丼のことを指し
通常の玉子で閉じたかつ丼を頼もうとすると
「卵とじかつ丼」とか「煮かつ丼」とかで特別に頼まないと
出てこないのだそうです。
ところで「駒ヶ根市」といえば
中央アルプス・木曽駒ケ岳の麓ということがその名の由来です。
もう少し範囲を広げれば
駒ヶ根市のある伊那谷では西に中央アルプス・木曽駒ケ岳
東に南アルプス・甲斐駒ヶ岳が鎮座しており
木曽駒を西駒、甲斐駒を東駒と呼ぶことも多いそうです。
「駒ヶ岳」は由緒ある山の名で
全国に駒ヶ岳と名の付く山はたくさんありますが
その代表といえばやはり「甲斐駒ヶ岳」と
「木曽駒ケ岳」ですよね。
もう一度、普通に歩けるようになったら
また登りたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ」修理を行っています。
キヤノンのカメラというと
時代の節目節目でその強力な技術力を持って
その後のカメラ業界の在り方を変えてしまうメーカーという
イメージもあります。
その昔でいえば1961年のキヤノネット
レンズ固定式とはいえ、その当時考えられる
最新の機能をすべて備え、価格はそれまでにないお求めやすさ。。。
社会現象にまでなり一般向けカメラの高機能化・低価格化に
ついていけなくなったかなりの数のメーカーがカメラ生産から
撤退したといわれています。
「AE-1」も同様のインパクトのあったカメラだと思います。
キヤノンが電卓やコピー機等の別分野で培った
マイクロコンピュータ技術を惜しみなくつぎ込んだ
その後続く「Aシリーズ」の最初の1台でもあり
全てのベースともなる1台です。
シャッタスピード優先AEを備えた電子制御機というジャンルは
決してAE-1が最初ではありませんが
露出・SS制御をマイクロコンピュータで行うことにより
300点以上の部品を削減し、
生産の効率化によるコストダウンも大幅に進められたそうです。
もちろんAE-1は発売と同時に大ヒット作となりました。
AE-1の大ヒットにより
カメラの電子化・高機能化・生産効率化はさらに進化することになり
間接的についていけなくなった中堅どころのメーカーは
かなりあったのではないかと思います。

今回、お預かりしているAE-1は
ご依頼者様が以前から持っているカメラなのだそうです。
ただし、ここ十数年は使っていないとのことです。
AE-1はじゃなり荒っぽく使われている個体も多いのですが
今回の個体は外観も非常にキレイで
大切に扱われてきたことがうかがえます。
電池を入れればとりあえずは動作するのですが
シャッターを切ると「ギャイン!」と定番のシャッター鳴きです。
シャッター鳴きとは言いますが正確には
ミラー駆動部のギアの油切れが原因です。
今回もミラーの動きもやはり緩慢です。
シャッター幕軸の油切れもあるようで
高速SSでは全く精度も出ていません。

あ、しまったな。。。鳴きの原因となる
ギア部分をこっちに向けて写真撮ればよかった(汗)
今回はそんなことはないのですが
ミラーボックス中が油だらけになっているのに
肝心のギア部には油が届いてなくて
まともに動けない状態になったAE-1もたまに見かけます。
注油はピンポイントで必要最小限に行いましょう。
マウントネジ穴からのあてずっぽうな注油はトラブルのもとになります。

これからミラー駆動部やシャッター幕軸の清掃・注油
マグネットの清掃等々、一通りの整備を行います。

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