キヤノンFTのカメラ修理

今日は「しっかりいい朝食の日」だそうです。
「し(4)っかりいい(11)」。。。の語呂合わせだそうです(笑)
朝ごはんは大事ですよね。
1日のスタートですから
まずはしっかり食べなくては始まりません。
最近、夜8時以降は飲み会とかがない限り
食べないようにしているので
朝起きるとお腹ペコペコです。
(寝る前に既にかなりお腹すかせていますが。。。(苦笑))
食べすぎは良くないとは思うのですが
最近の朝食はお米1合半に何かお肉系のおかずに
(たまに朝っぱらから牛ホルモンとか焼いていますが。。。)
野沢菜。。。というのがパターンです。
朝、しっかり食べる分には意外に太らないみたいです。
その代わり昼と夜はなるべく軽めに済ませるように心がけます
(心がけているだけで
なかなか軽めにはすまないのですが。。。(汗))

さてさて

今日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
少し前までは「FTb」がコンスタントに修理依頼があって
「FT」はめったに依頼はなかったのですが
ここのところFTbよりも頻繁にFTの修理を行っています。
FTは1966年発売開始で
絞込みTTL測光機です。
対応する当時のレンズはFLマウントです。
絞込み測光機なので
セルフタイマーレバーと兼用となっている
絞込みレバーを押すと露出計もオンとなります。
キヤノンお得意のクイックローディングシステムを搭載し
フィルム装填は慣れていない方でも簡単です。
スクリーンの上に配置されている
コンデンサレンズの中にハーフミラーを受けこみ
コンデンサレンズ背後にある受光体で露出を計測します。
構造上、中央部部分測光となり
他の多くのカメラで見られる
接眼レンズ脇に受光体を組み込む方法より
厳密な露出が得られるというのがセールスポイントです。

お預かりしているFTは
全体的に油切れのせいか動きが悪く
高速シャッターのバランスは崩れ
低速シャッターだとミラーアップしたままになってしまいます。
スローガバナも固着気味で
SS1秒だとシャッターが開いたままで
完全に固着してしまいます。
露出計はバッテリーチェックは動作するのですが
絞込みレバーを押しても全く反応しません。
おそらく絞込みレバーに連動する
露出計SW部に問題があるようです。

シャッター周りやミラー周りの整備も
もちろんこれから行うのですが
まずはミラーボックスを取り外して
前板裏側にある露出計SW部をチェックします。
接点の汚れやサビで接触不良を起こしているのかと
予想していましたがSW部接点自体は
全く悪くないようです。
試しにミラーボックスを外したまま
リード線を繋いでみると露出計は普通に動作します。
それなら。。。とそのままミラーボックスを
組み込むと露出計はまた不動となります。
どうやらSW部の絶縁が悪いようで
ミラーボックスを組み込むとショートしてしまうのですね。
原因がある程度はっきりしたので
対処を行いつつ、シャッター周り・ミラー周りの整備を行います。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「瀬戸大橋開通記念日」だそうです。
1988年のこの日に岡山県倉敷市と
香川県坂出市を結ぶ
本州・四国連絡橋の「児島-坂出」ルートが開通しました。
これで四国と本州が橋で繋がったわけですね。
広島にいた頃に一度通ったことがあるだけなのですよねぇ。。。
その後、尾道-今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)も
開通しましたが
これも全線開通前に途中までは何度か行ったことがあるだけです。
神戸・鳴門ルート(明石海峡大橋)は新幹線から
橋を見たことがあるだけですね。。。(苦笑)
どのルートも機会があれば改めて渡ってみたいですね。
ちなみに瀬戸大橋は本州四国連絡橋の中でも
唯一の鉄道道路併用橋で
世界一長い鉄道道路併用橋として
ギネス世界記録に認定されているそうです。
うーん、本四備讃線、乗ってみたくなってきました。。。

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
絞り優先AE専用機として発売された「ME」の発展版で
マニュアル露出モードが追加され
シャッタースピードの最高速は1/2000になりました。
さらにファインダースクリーンには
クリアーブライトマットスクリーンが採用され
より明るくピントのキレも良くなりました。
基本的にMX以外のMシリーズは
MEがベースになっていますので
MEもMEスーパーもミラー駆動部周りの
定番のトラブルは同様に多発します。

今回、お預かりのMEスーパーも
数日前に修理を行ったMEと同様に
シャッターは切れないが巻上は何度でもできるという症状です。
原因はやはりミラーチャージロックがかからないためで
ミラーチャージロックがかからない原因は
(シャッターを切ってもロック位置に戻らない)
ミラー駆動部の何箇所かに取り付けられている
ゴムブッシュの劣化が原因です。
対策済みの個体もまれに見かけるのですが
ゴムブッシュではなく
プラスチックのブッシュを入れることにより対応します。
プラスチックもいつかは劣化する可能性がありますが
環境によっては比較的短い確実に劣化し
粘着質になり動きを妨げるゴムよりはかなり良いとは思います。

まずは劣化してベタベタになっているゴムブッシュを
キレイに取り除くことから始めます。
電子制御シャッター機ですが
今回も電子基板関連に問題はないようです。
この時期のペンタックス機なので
内部モルトも多めです。もちろん全て交換します。
未整備のMEスーパーは
このミラー駆動部の問題を抱えている個体が非常に多いですが
きちんと整備してしまえば
コンパクトで使い心地もよく
なかなか良いカメラだと思います。
もう少し評価が高くても良いのでは。。。と思うのですが。。。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は4月8日。。。
お釈迦様の誕生日、「花祭り」ですね。
花で飾った小さなお堂に
生まれたばかりのお釈迦様である誕生仏を安置し、
甘茶をかけて祝います。
クリスマスよりも「花祭り」が
もっと全国的な行事になればいいと思うのですが。。。(笑)
子供の頃、通った幼稚園が
お寺さんだったので
お釈迦様のお話はよく聞かされました。。。
幼稚園か。。。自宅から歩いて20分。。。
子供の足だと30分かな。。。
月曜日から土曜日までで
朝8時半~午後3時までだったかな
水曜日と土曜日はお昼まで。。。
ばあさんが毎日送り迎え(もちろん徒歩)してくれたのだけど
今考えると大変だったろうなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノン初のプロ向け最高級一眼レフですね。
このF-1が出るまではキヤノンは
一眼レフの分野ではかなり出遅れてしまい
最高級一眼レフの分野ではニコンの一人勝ちが続いていた状況でした。
このF-1が発売されたときに
ニコンから発売されていたのはF2です。
ここからその後、延々と続く
フラッグシップ一眼レフ2強時代が始まったといって良いと思います。
ニコンF2もキヤノンF-1も横走りチタン幕シャッターで
最高速は1/2000、ファインダーは着脱式と
スペック的にはかなり近いものでしたが
露出計付きのフォトミックファインダーを装着すると
無骨さが前面に出てしまうニコンF2に対して
露出計を最初からボディ側に組み込んだF-1は
低い構えのアイレベルファインダーの効果もあって
非常にスマートでスタイリッシュなデザインです。
個人的には無骨なF2フォトミックもキライではないですが
やはりF-1はいつ見てもカッコ良いですよねぇ。。。

お預かりしているF-1は
ご依頼者様が新品の頃から使っているものだそうです。
非常に外観もキレイで大切に使われているのがよくわかりますが
巻き上げるとたまにミラーアップしてしまいます。
この状態になってしまうとレリーズは非常に固く
何とか押せたとしても
その場合にシャッター幕は開いていません。
ミラーチャージロックが上手くかかっていないのが原因だと思われます。
ミラーチャージ周りをよくよくチェックしてみると
やはりバネが一部外れていました。
当然、チャージ周りの動きも悪い状態だったので
一緒に整備を行います。
その他、シャッター幕軸周り、巻上げ機構、
露出計、ファインダー等々の整備を一通り行います。

写真は一通りの整備を終え組み上げた段階でのものです。
レンズは当店のテスト用レンズですが
F-1にはやはりS.S.C(スーパースペクトラコーティング)の赤文字が
入った旧FDレンズが似合いますねぇ。。。
もちろん初期銀枠のFDレンズも似合いますが。。。

こうしてF-1を整備してテストするたびに
「やっぱりF-1はいいなぁ。。。自分用に手に入れようかな。。。」と
一瞬頭をよぎるのですが
「いやいや、これ以上マウント増やしても使わないし。。(汗)」と
我に帰るということを毎回繰り返しているような気がします(笑)

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「歯垢なしの日」だそうです。
歯は大事ですよねぇ。。。
歯や歯茎に問題を抱えていると
美味しく食べられませんし
歯が食いしばれないと力も入りませんものね。。。
歯茎から入った細菌が血流に乗って
全身を巡ることで色々な疾患を引き起こすこともあるそうです。
できるだけ小まめに歯磨きするようにはしていますが
きっと磨き残しも多いのでしょうねぇ。。。
幸い、昔から虫歯にはなりにくい体質らしく
虫歯の治療で歯医者さんに行ったことは
生涯で2回ほどしかないのですが
年齢も年齢ですし、歯は大切にしていかなくてはいけませんね!

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズを代表するモデルと言っていいと思います。
絞り優先AE専用のコンパクトな一眼レフです。
発売は1976年です。
MX以外の「Mシリーズ」は全てこの「ME」がベースとなっています。
電子制御式の縦走り金属羽根シャッターで
シャッターユニットは「セイコーMFC-E」を採用しています。
電子制御シャッター機とはいえ
電子基板そのもののトラブルは比較的少なく
大抵のトラブルはミラー駆動部かシャッターユニット内の
機械的トラブルです。

お預かりしているMEはシャッターが切れません。
レリーズボタンは押せるのですが
押してもうんともすんともいいません。
巻上は何回でも巻き上げることができ
ロックされることがありません。
おそらくミラーチャージロックがかからないため
チャージ完了とならず巻上がロックされないのだと思われます。
ミラーチャージができていないため
レリーズボタンを押しても
まずミラーを跳ね上げることができず
ミラーが跳ね上がらないのでその後の一連の動きは
全く始まらない。。。といったところだと思われます。

とりあえずミラー駆動部を確認するため
ここまで分解しましたが
やはりミラーチャージロックが動作不良のため
全くかからない状態でした。
ミラー駆動周りの整備を行って
ミラーボックス単体での動きを確認して
ボディ側に組み込み連結テストを行ってみると
今度はミラーアップはするものの
シャッターが全く動作しません。
もう一度、ミラーボックスを外して確認します。
今度はシャッターユニットのトリガーを蹴るレバーが
変形のため上手く蹴ることができないようです。
変形を修正して再度組み込んだところ
今度は機械的な部分の動きは一通りストレスなく
動作するようになりました。

これから電気的な制御部分も含めて
露出計やオートの整備調整を行っていきます。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「北極の日」だそうです。
1909年のこの日に
アメリカ海軍の軍人ロバート・ピアリーという方が
世界で初めて北極点に到達したそうです。
北極点は無理ですが。。。
そのうちバイクでも手に入れたら
関東の北のほうには行ってみたいかな。。。(笑)
いえ。。。関東に来てもう長いですが
群馬・栃木に足を踏み入れたことがないもので。。。(汗)
子供の頃は意味もなく
自分の住んでいる市の最北端とか最南端を
地図で探してやたらと自転車で行ってみたりしていました。。。
いや、何があるわけでもないのですが
端っこまで来たという妙な達成感が良かったのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
初代ペン登場の翌年(1960年)に発売された
ペンの高級モデルです。
シャッターは5枚羽根となり
速度も1/8-1/250までの6速となりました。
搭載されるレンズは3cmF2.8で
後に(1965年)2.8cmF3.5のペンS3.5も追加されています。
出計は搭載されていませんが
マニュアル露出できっちり撮れるペンとして
現在でも非常に人気の高いカメラです。
修理依頼ももちろん多いカメラです。

お預かりしているペンSは
巻止めがなかなか止まらず
酷いときにはどこまでも巻き上げられてしまいます。
ペンSのトラブルの大部分は
シャッター羽根の粘りが原因なのですが
この巻止めが止まらない減少も
元を辿ればシャッター羽根の粘りが原因です。
見た目上はシャッターは閉じているのですが
粘りのためきっちりと本来の位置まで戻っておらず
それが原因で巻止めが動作しなくなるわけです。
シャッター羽根をバラしてみると
やはり重なる部分に油シミがかなり付着しています。
このままだと時期にシャッター羽根そのものも
全く動作しない状態になったと思われます。

シャッター羽根、絞り羽根の清掃・調整
レンズ・ファインダー清掃等々の各部点検整備一式を行いました。
巻上も以前より格段にスムーズになりましたし
もちろん巻止めも誤動作なく作動します。
ちょっとめずらしい純正フードが装着されています。
小さくて何ともかわいいですよねぇ。。。
これからの季節、気軽に持ち歩くには
持って来いのカメラだと思います。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「オープンカーの日」だそうですよ。
花粉症でなければこの時期のオープンカーは
気持ちよいですねぇ。。。
実は昔、オープンカーに
4、5年ほど乗っていたことがあるのですが
ヘルメットやウエアに気を使わなくて良い分
バイクよりオープンカーのほうが開放感はあります。
シーテヒーティングのついているクルマで
サイドウインドウだけ上げてしまえば
オープンで真冬でもたいして寒くはないです。
つらいのは冬より真夏でしたね。。。
日差しの強い日中は
さすがに幌を降ろすことはあまりありませんでした。。。
でも気候の良い季節に
海岸や高原をオープンカーで走るのは
何事にも変えがたく気持ちよいものですよ。
私もまた。。。いや。。。もうクルマ買うこと自体がないかな(笑)

さてさて

本日は「じゃーに~コニカ」のキャッチフレーズでお馴染みの
コニカC35のカメラ修理を行っています。
当ブログでの登場回数も多く
ここをご覧になっていただいている方の中にも
所有されている方が多いと思います。
現行品で売られている頃も
テレビCM等の効果もあって
大ヒットしたカメラです。
コンパクトで使いやすく
カメラにさほど詳しくない方でも買ったその日から
撮影が気軽に楽しめる。。。という点がヒットの要因でした。
大ヒットしたカメラなので
現存している個体数も非常に多いのですが
元々お求め易いカメラだったため
酷い扱いをされている個体も多く
これから手に入れる場合はそれなりに注意が必要です。

お預かりしているC35は
無印のC35にフラッシュマック機構が追加された
「C35フラッシュマチック」です。
フラッシュを使わなければ無印のC35とほぼ変わらないモデルです。
C35といえばシャッター羽根の粘りや動作不良が多いのですが
今回も羽根がゆっくりとしか動きません。
毎回、書きますが
C35の羽根粘りは他のレンズシャッター機でありがちな
羽根に付着した油が原因のことは少なく
シャッターを駆動している円盤部品の回転が悪いため
起こることがほとんどです。
今回も同様です。
加えてこの症状の出ている固体は
かなり高い確率で「B(バルブ)」が効かず
シャッターが開きっぱなしになりません。
これも今回も同様です。
他、元々が1.3V仕様のため、LR44で使うと
露出計、オートともに2段近くアンダーになってしまっています。
これももちろん調整します。
モルトは以前、交換されているようなのですが
あまり上手い交換とは言えず
あちこち隙間だらけです。
これではさすがに光線漏れが出てしまうと思われます。
もちろんこれも全て交換します。

これからまずはシャッターユニットの
整備に取りかかります。
ところで、C35は同じ時期に出た同クラスのカメラと比べると
露出の過不足によるシャッターロックが全くないカメラです。
だから電池がなくなっていても
露出計が光不足で振れていなくてもシャッターは切れますが
逆にいうと意外にユーザー側に
ある程度のスキルを求めているカメラだとも言えると思います。
ただ、少々写真が暗くなっても
とりあえずシャッターを切りたいといったときには
重宝しますし、また現在のフィルムであれば
少々の露光不足は何とか救えちゃうことも多いですから
現在であれば余計なシャッターロック機構は
ついていないほうが良いかもしれませんね。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は4月4日。。。
「あんぱんの日」、「どら焼きの日」、「しあわせの日」だそうです。
あんぱんやどら焼きを食べて
しあわせになる日。。。
ということですね(笑)
餡子好きな私にとっては考えただけで
幸せな気分に浸れそうです。
でも、餡子を日常的に食べ過ぎると
あまり幸せでない状況にもなりそうなので
節制しながら美味しくいただきます(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
「EED」はペンシリーズの中でも
ちょっと異端児的なモデルです。
まずはその直線基調のデザインからしてそうですね。
そしてコンパクトさが売りのペンの中では
それほどコンパクトではありません。
32mmF1.7の大口径レンズを搭載し
基本的にはプログラムシャッターで
露出はカメラ任せのオートです。
ペンDシリーズともペンEEシリーズとも全く雰囲気の異なる
佇まいは他のモデルと見間違うことがありません。
でもこの独特の直線基調のデザインが
何とも言えずかっこよく見えるのですよねぇ。。。

お預かりしているEEDは
一見、普通に巻上もできてシャッターも動作しているのですが
実際にフィルムを装填してみると
巻上ダイヤルは回せてチャージもできるのですが
フィルムが送られていきません。
フィルムを装填してない状態では
スプロケットもスプールもちゃんと回っています。
古いカメラをいろいろ見ている方なら
この時点でお気づきかもしれませんが
スプロケットがフリーになったままなのですね。
(要は巻戻しボタンが押された状態)
もちろん、底部の巻戻しボタンは
見た目上はきちんと戻っています。
スプロケットロックが何らかの理由で
フリーのまま固着してしまっているようです。
加えてオート露出がやたらと不安定です。
赤ベロの動作も不安定で
真っ暗な状態でも切れてしまうことが頻繁にあります。
やはり全体的に動きが悪いようです。

スロケットロック切替部の修理はもちろん
シャッターユニット整備、レンズ清掃
ピント調整、オート調整、ファインダー清掃等々
一通りの整備を終えた状態です。
スプロケットロックの件は現在は通常に動作していますが
時間が経過すると元に戻ってしまう可能性もないとはいえないので
数日間様子を見ることにしました。

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キヤノンデミCのカメラ修理

今日は「趣味の日」だそうですよ。
趣味。。。
まぁ、ここをご覧になっていただいている方の多くは
きっと写真やカメラが趣味ということになりますよね。
私の場合はカメラは仕事で写真は趣味。。。になるかな。。。
趣味。。。というと
何だか「気分転換程度のお遊び」みたいな感じがしてしまい
(あくまで個人的主観です)
あまり好きではないのですが。。。
そうですね。。。趣味も真剣に苦しくてもやるものと
本当にストレス発散に特化したもの、
2つあったほうがいいような気がします。。。
そうなるとなかなか時間とお金が大変ですが。。。(苦笑)

さてさて

今日は「キヤノンデミC」のカメラ修理を行っています。
キヤノンのハーフカメラシリーズといえば
「デミシリーズ」ですが今回の「デミC」はちょっと変り種で
初代のデミをベースにレンズ交換を可能としたモデルです。
専用レンズマウントで28mmF2.8と
50mmF2.8の2種類のレンズを使うことができます。

お預かりのデミCは
シャッター・絞りリングと連動する露出計指針の
位置関係がちょっとおかしいようで
適正な露出を得ることができません。
位置関係を正したところ、今度は露出計指示が
相当にオーバー気味なことも判明しました。

デミといえば外側カバーがモナカ構造で
裏蓋部分は大量のモルトで遮光が行われています。
未整備のデミはほぼ間違いなくそうですが
やはりモルトが劣化してボディ側の塗装まで侵食してしまっています。
モルト交換の上、できる限り修復していきます。

他、シャッター羽根・絞り羽根・レンズ清掃
シャッターユニット整備、ファインダー清掃等々
一通りの整備を行いました。
ふんだんにプリズムを利用した贅沢なファインダーは
ハーフ判とはいえやはり見え心地は良いですね。
50mmF2.8が装着された状態でお預かりしていますが
ハーフ判なのでフルサイズだと80mm前後といったところでしょうか。。。
ファインダーは視野全体が28mm用で
内側にあるフレームが50mm使用時に使用するものです。
F2.8のレンズですがF1.8クラスの大口径がついているようです。
なかなかカッコ良いですね。
デミシリーズといえばハーフ判としてはめずらしく
巻上がレバー式です。
またデミのそれは巻上感覚が非常に気持ちよく
これだけでもデミを選ぶ意味があると思います。
余談ですが一通りの整備が終わった後の
フィルムローディングテストで36枚撮りのフィルムで
最後まで巻上げ、巻戻して問題がないかというテストを必ず行うのですが
(ハーフ判だと72枚、現実には74~78枚前後)
ダイヤル式の巻上だと
指がしんどくなってしまって閉口することが多いのですが
デミのレバー式巻上だと70枚を超えても
最後まで快適に巻き上げられます。
2、3セット同じテストをしても何ともなさそうです。
この違いは意外と大きいと思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は4月1日!
新年度のスタートでもあり
後ほど5月からの新元号も発表されますね。
もちろん、エイプリルフールでもあるのですが
あまり実際にウソをついたこともつかれたこともないかなぁ。。。
冗談くらいですぐわかるものなら
若い頃はたくさんあった気がしますが。。。
それから最近は「4月バカ」ってあまり言わないのですよね?(苦笑)
どちらにしても
ウソをついてよいのは午前中のみだそうなので
お考えの方は急いでくださいね(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
世界初のハーフ判一眼レフである「ペンF」の登場から
3年後、1966年に発売されたモデルです。
ペンFをベースにTTL式露出計が内蔵され
セルフタイマーも追加となりました。
巻上はペンFの2回巻上から1回巻上に変更となりました。
2回巻比べると巻上角度がやはり大きくなってしまったのですが
やはり1回巻のほうがわかりやすいのですかね。。。
追加された露出計はペンFだと反射鏡を置いていた部分を
ハーフミラーとし、露出計に光を誘導する形になっています。
ファインダー内にはTTLナンバーといわれる数字を表示し
指針の指すTTLナンバーをレンズ側にもセットすることで
絞りを決定します。
この方法のおかげでレンズとボディの連動はこれまでのままで
開放測光を実現しました。

お預かりしているペンFTは
最大のセールスポイントでもある内蔵露出計の精度が
あまりよろしくなく
1.5V仕様で既に調整済みとのことで
ご依頼者様は購入されたのだそうですが
測定してみると2.5段ほどオーバーになってしまっています。
ちょっと面白いのが
通常ペンFTの露出計はSWがなく
基本的に常にonなのですが
このペンFTはフラッシュ用の接点切替部(X・M)が
露出計のon/offスイッチに改造されています。
他、シャッター等の動きには大きな問題はなさそうですが
一通りの分解整備を行っていきます。
装着されているズイコーオートS38mmF1.8は
絞りが粘り気味で当店に到着して
最初にチェックを行ったときには
完全に固着していました。
加えて絞りの大きさに問題があり
最小絞りで1段以上アンダーになってしまう状態です。
こちらも一通りの整備を行います。

写真は一通りの整備を行い組み上げた状態のものです。
露出計は指針の初期設定位置がズレていて
それを正しい位置に設定することで
値はかなり改善されました。加えて微調整を行い
現在は問題ないレベルで精度は出ています。
操作系も全体的に軽やかになりました。
レンズ側も絞り羽根の清掃、大きさの調整を行い
問題のない状態になりました。

いつみてもペンF系のこの独特のフォルムは
とても魅力的ですね。
これをぶら下げて歩いているだけで
ちょっとオシャレに見えそうです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

3月31日。。。年度末ですねぇ。。。
まぁ、年度末であることはあまり関係ないのですが
月末で週末だと何かとバタバタしてしまうパターンですね。
3・31ということで
今日は「山菜の日」だそうですよ。
ゼンマイ、ワラビ、たらの芽。。。
身近に見られるものでは
ツクシやタケノコ、フキとかもそうですね。
昔は何が美味しいのか全くわかりませんでしたが(笑)
今ではあのほろ苦い素朴な味わいが
何とも優しくて美味しいですよねぇ。。。
最近は水煮のパックとかで比較的簡単に手に入りますから
ちょっとしたおつまみにも使えそうですね。
あぁ、またこれで酒が進む。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
ここ1年くらいのスパンで見て
修理依頼件数が最も多いカメラだと思います。
同時代の他の一眼レフに比べて圧倒的に軽量コンパクトで
使い心地や質感の非常に高いカメラです。
人気があるのもうなづけます。
発売開始は1972年(最初の10ヶ月はM-1として発売)
「宇宙からバクテリアまで」をテーマとした
膨大なアクセサリー群を含むシステムカメラとして誕生しました。
さすがに発売開始から50年近く経過するカメラでもあり
保存環境や使われ方によって
かなり程度のバラツキのあるカメラです。
本来のOM-1はシャリシャリっとした軽い巻上げに
上品なシャッター音が非常に魅力的なカメラです。

お預かりしているOM-1は
さらに人気の高いブラック塗装のものです。
しかしながら随分長い間放置されていたようで
外装に汚れがかなり目立ちます。
外装も組み立ての際にもちろん清掃するので
それなりには改善できるかと思います。
もともとアクセサリーシューがついていたのですが
これが長い間付けっぱなしで保管されているものだと
シューの裏側のゴム部分が腐食し
ボディ側にもダメージを与えます。
今回も同様で完全にはキレイにできませんでしたが
かなり改善できたかとは思います。

機能的にはまず露出計が全く動きません。
毎度のことですがまず最初に疑うのは
電池室マイナス側端子のハンダ付け部分です。
ここが樹脂ネジの場合は折れていることがほとんどで
樹脂ネジでない場合もハンダが劣化して
断線しているものが非常に多いです。
しかし今回はここに全く問題はありませんでした。
随分以前のことだと思われますが
おそらく配線は一度交換されているのではないかと思われます。
。。。となると次に疑うのはSW部ですが
その前に露出計本体内部で断線していないかチェックしておきます。
メーター内部で断線していると
メーター交換となってしまいその準備も必要になってくるので
上カバーを開けた際に先にチェックしておきます。
今回はメーターに直接電圧をかけると元気に針が動くので
ここも問題ないようです。
。。。ということで今回の不動の原因はSW部の接点不良でした。
少し磨いてしっかり清掃して導通を確保します。
シャッターはやはり3連ギア部及び幕軸に汚れがあるのか
高速シャッター時に妙に不安定で
低速時にはスローガバナが粘り気味で
1秒時には完全に開きっぱなしで固着してしまいます。
このあたりはどのカメラでも同様の対応なので
動作部・駆動部をしっかり清掃していきます。

写真は一通り整備が完了し組みあがった状態です。
少し時間をおいて様子見をしながら最終チェックを後日行います。
操作感覚はOM-1らしい非常に軽やかなものになりました。
SS、露出計の精度ともに問題ございません。
良い季節になってきましたし
是非、ご依頼者さまにもこのOM-1での撮影を
存分に楽しんでいただければと思います。

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