ニコマートFTNのカメラ修理

今日は27日。。。
27日って何だか嫌な日ですよねぇ~
いろんなものが無情にも口座から引き落とされていく日
。。。というイメージがあるのですが
よくよく考えると今は店舗の家賃とプロバイダ料金くらいでした(笑)
それでも27日がくると「あぁ今月も月末だ」ということを実感します。
8月もラストスパートです、がんばります!

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
「ニコンF」の時代の中級機としてのポジションで発売されたモデルです。
ニコマートは機械制御シャッターの「FT系」と
電子制御シャッターの「EL系」の2モデルに分かれており
それぞれ後の「ニコンFM」、「ニコンFE」の前身となります。
今回は「ニコマートFTN」です。前モデルの「ニコマートFT」に
「開放F値補正操作」を追加し
平均測光から中央部重点測光に改められたモデルです。
「開放F値補正操作」というと聞きなれないですが
ニコン使いの方にはお馴染みの「ガチャガチャ」です。
レンズ装着時に絞りリングを一往復することによって
そのレンズの開放F値を露出計に伝達する操作です。
これ以前のモデルだと開放F値をダイヤルで設定しなくてはいけなかったのですね。
非Aiレンズのニッコールレンズの場合は
いわゆる「カニのツメ」で露出計と連動するのですが
開放F値はカニのツメでは伝達できないためにこの操作が必要となります。

お預かりしている「ニコマートFTN」ですが
「ガチャガチャ」を行っても開放F値がセットされません。
ニコマートの場合はF値がセットされると
マウント部の指標に赤マークで設定値を確認できるのですが
その赤マークがガチャガチャを行っても引っ込んだままで出てきません。
ニコマートでたまに見受けられるトラブルですね。
このままだと露出計の値は全くあてになりません。
ガチャガチャ連動部の清掃・注油を行って修理していきます。
シャッターは非常に丈夫なコパルスクエアなので
今回も動作はしていますが若干の粘りがあるようです。
シャッタースピードが不安定なのでこちらも整備していきます。

それにしてもニコマートは普及クラスのカメラではあるのですが
分解してみても安っぽさが全く感じられません。
非常にマジメに作られた機械といった印象です。
でもそれはそうですよね。普及機といえど
当時はカメラそのものがまだまだ高額で高級品だった時代です。
「F」ほどではないにせよニコマートだって十分に高額なカメラでした。
その高価な値段以上にしっかり作りこまれているからこそ
今でもメンテナンスを行えば
しっかり動作してくれるのはありがたい限りですね。

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ミノルタSRT101のカメラ修理

今日は「即席ラーメン記念日」だそうですよ。
1958年のこの日、世界初の即席ラーメン
「チキンラーメン」が発売されたそうです。
現在でもまだ売っていますよね。
チキンラーメンに限らず
いわゆるインスタントラーメン、袋麺もカップ麺もそうですが
無性に食べたくなるときがありますよねぇ。。。
実はここ数年、インスタントラーメンに限らず
化学調味料のとがった味がちょっと気持ち悪く感じることもあるのですが
それでもインスタントラーメンはちょくちょく食べてますね(笑)
個人的に好きなのは子供の頃から好きな
イトメンの「チャンポンめん」なのですが
西日本のほんの一部でしか売ってないのですよねぇ。。。
確かにこっちでは売れない味だとは思いますが。。。
次点はやっぱり「出前一丁」かな。。。「ごまラー油」がたまりません(笑)

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタは比較的早い時期に電子制御シャッターに
全機種を切り替えたメーカーなので
このSRTシリーズがミノルタカメラの
機械制御シャッター機の代表機種となります。
このブログでの登場回数もおそらく最も多いのではないでしょうか。。。
長期にわたって生産されたヒット作ということもあり
現存している個体数も多いカメラです。
しかしながら何のメンテナンスもされず
息も絶え絶えに動作している個体の多いカメラでもあります。
基本的に頑丈なカメラなので
多少調子が悪くても意外と動作してしまうのですね。
そんな個体を見るたびに
「なんて健気なカメラなんだ」と切なくなることもしばしばあります。

今回、お預かりしているSRT101は
ご依頼者様の奥様のご実家から出てきたカメラだそうです。
随分長い間仕舞いこまれていたものと思われます。
残念ながらシャッターはチャージされた状態で
全く切ることができず、電池室も緑青がビッシリ付いており
当然、露出計も動作しません。
付属するMCロッコールPF58mmF1.4は
レンズそのものは比較的キレイで良いのですが
絞り羽根が固着気味でゆっくりとしか動きません。
。。。とはいえ、無茶に動かしたりということがないと思われ
しっかり分解整備してしまえば
スムーズに動作するようになると思われます。

SRT101は1966年の発売ですが
今回の個体は比較的初期のモデルと思われます。
(製造番号からもわかりますが
シルバーボディでSSダイヤルの根元が黒)
初期モデルは巻上が非常に重くなっているものが多いです。
注意しなくてはいけないのは付属している
MCロッコールで種類にもよりますが
特にこのPF58mmF1.4は
内側のコーティングが非常に弱い箇所があり
クリーニングペーパーで軽く拭いただけでも
コーティングが剥がれ落ちキズになってしまいます。
今回はレンズ内にカビはないようなので
最小限の清掃と絞りの整備を行っていきます。

まずはボディ側の整備一式から取り掛かります。

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リコーオートハーフのカメラ修理

今日は「バニラヨーグルトの日」らしいですよ。
バニラヨーグルト。。。日本ルナから発売されている商品ですね。
私、食べたことないのですよねぇ。。。
ちょっと調べてみたら「すごく美味しい!」と評判のようなので
今度、買ってみます。
普通のヨーグルトは比較的頻繁に食べていて
先日、お客様にすごく美味しい蜂蜜をいただいてからは
ヨーグルトに蜂蜜を少し多めにかけて
いただくのにすっかりはまっています。。。
ヨーグルトの酸味と蜂蜜の甘さが
絶妙のコンビネーションです!
あ、そろそろ蜂蜜がなくなるから
いただいたものと同じものを買いにいかなくては。。。

さてさて

本日は「リコーオートハーフ」のカメラ修理を行っています。
オートハーフも基本的な部分はどれも同じですが
色々なモデルが発売されています。
今回は初代オートハーフです。(1962年発売開始)
他モデルとの大きな違いはレリーズボタンが
前面パネル上に配置されていることですね。

オートハーフといえば「オートハーフS」以降の
前面アルマイト板に非常に多くのバリエーションを持つ
デザインの印象が強いですが
初代は前面パネルは一体型で非常にシンプルなデザインです。
ポップで派手なオートハーフももちろん良いですが
初代のこの潔いデザインも良いですね。
当時、発売されてた「L&M」というタバコの箱の大きさを
目指して作られたそうです。
開発者の安宅さんは
「50歳の自分の母親でも簡単に撮れるカメラ」という目標を掲げ
開発されたそうです。
露出は自動露出、ピントも固定焦点のためピント合わせは不要
さらに巻き上げはゼンマイ仕掛けで自動。。。と
フィルムを装填してゼンマイを巻いておけば
あとは構えてシャッターを押すだけ、という非常に簡単なカメラです。
加えてポケットにも入るコンパクトさで
(総金属製のためそれなりに重さはありますが)
ハーフサイズでたくさん撮ることもできる。。。と良いこと尽くめです。
当然、大ヒットしました。
またこれが良く写るのですよねぇ。。。

お預かりしているオートハーフは
上の写真の通り年代を考えると非常にキレイな状態です。
ファインダー・レンズには多少汚れはありますが
清掃でキレイになりそうなレベルです。
心配されるのは毎度のことですが
セレン光電池の劣化です。
今回もオートが全く効いていなく常に絞り開放で露出してしまうので
セレンを第一に疑ったのですが
今回はセレンは比較的キチンと起電しているようです。
問題なのは露出計で内部で完全に断線してしまっています。
そのため全く露出計が動かないので
常に絞り開放になってしまうわけですね。

とりあえず現状を確認するために露出計を取り外したところです。
この露出計は残念ながらもう使えそうにありません。
部品取りの個体から露出計を移植することで対処します。
以前にも書きましたが
オートハーフのシャッターは非常に小さなバネの力で
駆動しているためほんの少しの汚れで簡単に固着します。
まずはこれからシャッターユニットの清掃から取り掛かります。

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ヤシカエレクトロ35CCのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
暑さが峠を越えて後退し始める頃、ということですが
今日も全国的に暑そうです。。。
台風襲来の特異日ともされているようで
そのとおりに今日は西日本は台風の影響を受けそうですね。
個人的には1年で一番好きな時期は晩秋なので
早く涼しくなってくれないかなぁ。。。と
毎朝、照りつける日差しを見ながら思っています。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35CC」のカメラ修理を行っています。
エレクトロ35シリーズは1966年の初代発売開始から
おおよそ10年、色々なモデルを生み出しながら
販売され続けたシリーズです。
電子制御式レンズシャッターを搭載したレンズ固定式の
絞り優先AE機という共通点はあるものの
年々進化し続けてシリーズ後半には随分コンパクトになりました。
そんなエレクトロ35シリーズの中で
唯一の35mm広角レンズを搭載するのが
今回のエレクトロ35CCと後継機主のCCNです。
CCNはマイナーチェンジモデルなのでほぼCCと共通です。
レンズ固定式のレンジファインダー機には
40mm~50mmのレンズを搭載したものがとても多いのですが
もうちょっとワイドなほうが使いやすいのになぁ。。。と思うことも
多々あると思います。
個人的にもやはり35mmあたりが非常に使いやすいとは思いますが
コスト等の関係もありなかなかレンズ固定式のレンズで
広角レンズ搭載のモデルは少ないですね。
その上、目測式ではなく距離計を搭載しているとなれば
私の知っている中では
このカメラくらいしかないのではないかと思います。

CCに搭載される35mmレンズは大口径のF1.8です。
35mmF1.8レンズなんて現在でも高級レンズだと思いますが
この時代であれば(1970年発売)尚のことです。
2枚羽根絞りで絞り形状が独特なため
ボケを楽しむレンズというよりは薄暗いところでも
シャッタースピードの確保ができるというほうが大きいと思います。
ボディカラーはブラックのみの設定で
適度なコンパクトさも合わせて非常に凝縮感もあり
デザイン的にも非常に魅力的な1台です。

お預かりしているエレクトロ35CCは
何の気なしにピントリングを回してみると
最初は普通に滑らかに回っていたのですが
突然2mあたりから無限遠までが回らなくなりました。
何度か確認しているとたまに最後まで
キレイに回るのですがまたすぐに回らなくなるの繰り返しです。
ヘリコイドグリスがどうこうという問題ではなく
何かが引っかかってしまっているのではないかと思われます。
加えてオート露出の制御が上手くいってないようで
全体的にかなりアンダー目な上に非常に不安定です。

ピントリングが回らなくなるトラブルは
やはり鏡胴の部品が一部外れていて
それが引っかかっていました。
原因がわかれば何でもないことなのですが
ここに辿りつくまでに結構苦労しました(笑)
オートの不良は接点の汚れ等が原因のようです。
電子制御シャッターなので
正しい電圧が各基板に送られることが正常動作の基本です。
接点清掃やハンダ付けをやり直すことで
オートの数値も安定してきました。
エレクトロ35シリーズのファインダーは
ほぼどのモデルも青みが強く
少々薄暗いイメージです。
これは元々の仕様なのですが
こちらもできる限り清掃を行った上で
距離計の調整等も行っていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
いわゆる「路面電車」のことですが
「路面電車の日」は6月10日なのですね。
同じもののはずなのですが。。。
私は広島・呉出身なので広島市内を走り回る
「チン電」には馴染みが深いです。
私が生まれる直前までは呉市内にも「チン電」が
走っていたそうです。
地質的に地下鉄を走らせることが難しいらしく
広島市内の「ちん電」は今でも市内の重要な交通機関です。
見ていて楽しいのは最新型の電車もあるのですが
日本中から集まった昔の電車が今も現役で
走っていることですね。
次回、広島を訪れる際には「ちん電」もしっかり写真に
撮ってこようと思います。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
「キャノンAシリーズ」の先陣を切ったカメラですが
時代を大きく変えたと言っていい1台だと思います。
1974年、キヤノンの各部門一丸となって
「新機種X開発計画」としてスタートし
その2年3ヵ月後の1976年、AE-1がデビューしました。
世界初のマイクロコンピュータを搭載したカメラで
1973年発売のEFと同様の露出制御をコンピュータで実現
その上に徹底的な生産の効率かも行われ
従来機種より300点もの部品削減を行ったカメラです。
一眼レフの普及に非常に大きく貢献したカメラですね。
ちなみに自動露出制御という意味で使われる「AE]は
「Automatic Exposure Control 」の略ですが
「AE-1」の「AE」は
「Total Automatic System By Electronic SLR Camera 」の意味を持ち
「1」は電子式カメラにおける頂点を指すそうです。

「連写一眼」のキャッチフレーズで
使いやすい上に比較的お求め易い価格設定もあり
とにかく非常に売れたカメラです。
現存台数が多いため現在でも見かけることの多いカメラですが
結構手荒く扱われた個体も多く
未整備のものは何らかのトラブルを抱えているものが多いと思います。

今回、お預かりしている「AE-1」は
ご依頼者様が昔から使っているカメラなので
非常に丁寧に使われている個体ですが
それでも各部に主に経年劣化が原因と見られる
トラブルが見られます。
「Aシリーズ」で有名なのはシャッター鳴きですが
今回はそれはほとんどありません。
もちろん時間の問題で放っておけば出てくるものなので
この機会に予防として対処いたします。
現段階で問題なのは電池室からの電源供給が
どうも不安定なようでシャッターが
切れたり切れなかったりしてしまっています。
加えて露出計が示す値も実際のオート露出も
4段以上オーバーとなってしまっています。
これだけズレていると基板内の調整のみで
何とかなる範囲ではありません。

フィルムカメラだと当たり前なのですが
最新のデジカメだと電子シャッターというと
シャッターそのものが電子式という場合もありますが
フィルムカメラの場合、電子制御式。。。ですから
制御しているのは電子基板ですが
シャッターは機械的に動作しています。
当然、動作部分は定期的に清掃・注油を行わないと
トラブルの元になってしまいます。
今回もシャッター幕軸やミラー駆動部、巻上部等々の
清掃・注油を行っていきます。
露出計、オート露出が大幅にオーバーだった点は
基板周りのハンダ付けの劣化が影響しているようで
怪しいと思われる箇所のハンダ付けをやり直した結果
微調整で済む程度の値に改善されました。

これから組み上げて調整を行っていきます。

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「交通信号設置記念日」だそうですよ。
1931年に銀座で日本初の3色自動信号機が設置された日だそうです。
信号機。。。これ、結構調べると奥が深いのですよね。
赤黄青の意味は変わることはないですが
その設置だったりデザインだったりは結構千差万別で
地域によっても違いがあったりとか。。。
そういえば、私が最初に都内に引っ越してきたときは
都内に多いやたらと「青矢印」で指示する信号に
最初は慣れなかったです(苦笑)
いや、地方にだって右折時に青矢印で指示する信号はありますが
都内の場合はメインの信号は赤の状態で
青矢印が「直進」「右折」「左折」、全て出ているものもよくありますよね。
あの信号、つい止まっちゃいそうになっていました。
(要は反対車線とは時差で青ということを表しているのだとは思いますが。。。)
これはわかりにくい!と当時は思いましたが慣れるものですね。
今は気にせず普通に通過できてしまいます(笑)

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
いわゆる後のOM-1です。
当時、世界最小最軽量の一眼レフカメラで
現在でも大変人気のカメラですね。
最小最軽量も大きな魅力ですが
それ以上にシャリっとした感じの軽快な巻上や
上品なシャッター音等々
使い心地の良さも非常に魅力的なカメラです。

もともと、「オリンパスM-1」で発売開始する予定でしたが
当時、ライカMシリーズを販売していたライツ社(現ライカ社)から
クレームが入り、急遽「オリンパスOM-1」に改名したわけですが
初期ロットには間に合わず最初の5千台ほどが
「オリンパスM-1」として販売されたものです。
OM-1は結構、細かなマイナーチェンジが行われていますが
「M-1」と最初期の「OM-1」は中身は全く同一です。
ネーミングの差だけではあるのですが
やはり数の圧倒的に少ない「M-1」は人気もあり
比較的高値で流通しています。
しかしながら。。。5千台という割には見かける数が多いのですよね。
本当はもっと生産していたのではないかと思われます。
ちなみに黒のM-1も20台ほど生産されたらしいのですが
これはさすがに見たことはありません。。。(苦笑)

で、今回、お預かりのM-1ですが。。。
比較的、状態は悪くはないのですが
さすがに各部経年劣化は進んでいて
OM-1でも定番のプリズム腐食が発生しています。
ファインダー視野下部1/3ほどの範囲に
もやもやと腐食が確認できます。
露出計は比較的良好な状態で動いていて
微調整だけで大丈夫そうですが
高速シャッターは前後の幕のバランスが崩れていて
かなり露光ムラが起きてしまうような状態です。
幕軸清掃の上、微調整で精度を出していきます。

少々余談ですが。。。
M-1もOM-1も共通ですが
プリズム台座からメーター台座、接眼レンズフレームまでが
全て一体のプラスチックで作られています。
おそらく軽量化のためだと思います。
特にM-1や初期のOM-1の場合は
このプラスチックのフレームは経年劣化でかなり脆くなっていて
ネジを緩めるだけでグズっと割れてしまうことがあります。
今回のM-1は比較的状態がよく
しっかりとしていたので良かったのですが
分解時には非常に神経を使います。

これから分解をさらに進めて各動作部の
点検整備を行っていきます。

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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は8/19ということで
「バイクの日」ということです。
私も5年前までは乗ってたのですよ
諸事情あって手放してしまいましたが
また手に入れたいですねぇ。。。
あくまで私の主観ですが
やはり乗って楽しいのはクルマよりバイクです。
便利なのはクルマだとは思いますが。。。
よく考えたら今、自転車すらないのですよねぇ。。。
とりあえず足代わりのバイクでも探そうかな。
撮影に行くにもあれば便利だし。。。

さてさて

本日はヤシカフレックスのカメラ修理を行っています。
ヤシカフレックスとひとくくりに呼びましたが
実はいろいろ種類があります。
それもモデル名はほぼ全てヤシカフレックスだから
わかれいにくい上に似たようなものも多く
見分けるのはなかなか大変です。
搭載されるシャッターユニットや
レンズ前面バヨネットの有無、巻止め、カウンターの方法
外観等々で判断します。

今回、お預かりしているヤシカフレックスは
レンズ前枠にバヨネットがあり
絞り・SSはダイヤルでなくレバー式であることから
いわゆる「C型」かと思われます。
発売は1955年です。
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/300
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマット
巻止めはありますがセルフコッキングはありません。
レンズはヤシコール80mmF3.5です。

お預かりしているヤシカフレックスは
シャッタースピードに関係なく
シャッターを切るとシャッター羽根が
全開に開きっぱなしのまま固着してしまいます。
レンズシャッター機によくある羽根の粘りかと
最初は思ったのですがどうやら違うようです。
シャッターユニット内の油切れで
動きが悪いのかとも思いましたがそうでもないようです。
もちろん、油切れや羽根の粘りもあるのですが
羽根の動きを毎回止めるほどではないのですね。
チャージレバーを軽く押し込むと
とりあえずはシャッターは切れるようです。
何かひっかかっている感じがします。

シャッターユニット前面までを分解し
ユニット内の動きが見えるようにして
何度かシャッターを切りながら観察していると
ようやく原因がわかりました。
シャッター羽根と連携してセルフタイマーと連動する
ステーがあるのですがこれが変形してしまって
シャッター全開のところで他の部品にあたってしまっています。
最初はレリーズレバー近辺かチャージレバー近辺かと思って
シャッターユニット向かって左側ばかり観察してたのですが
原因は右側のセルフタイマー連動部だったので
なかなか気づきませんでした。
しかしこんなところが曲がってしまうのは不思議ですね。。。
考えられるとしたら無理矢理セルフタイマーレバーを
動かない方向に動かしたのかな。。。
確かによく見ればセルフタイマーレバーも少し曲がっています。

原因さえわかってしまえばあとは対処するだけです。
シャッター羽根の汚れ、スローガバナの油切れ等々も
確認できていますのでシャッターユニット内の整備も
もちろん行います。
それが終わればヘリコイド部、巻上部の整備
レンズ清掃、ファインダー整備へと続きます。
この時代の二眼レフはどれもそうですが
ファインダーミラーは劣化が酷いため
今回も交換で対処します。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「高校野球記念日」だそうですよ。
1915年のこの日に第1回全国中等学校優勝大会が
開会したそうです。当時の出場校は地区予選を勝ち抜いてきた
10校だったそうです。
1948年から全国高校野球選手権大会になったそうです。
今日は準々決勝4試合が行われていますが
準々決勝4試合って一番見応えのあるタイミングだと思います。
ベスト8の学校が1日で全て見ることができるわけですし。。。
今年は広陵が早々と姿を消してしまったので
ちょっと寂しいですが、中四国の斉美と下関国際に
がんばってほしいところです。
高校野球って見始めると止まらないのですよね。。。
やはり1度負けたら終わりのトーナメントだけに
見ているほうにも緊張感が伝わってくると思います。

さてさて

本日はニコンFEのカメラ修理を行っています。
当ブログでトップクラスに登場回数の多いカメラですね。
適度にコンパクトなボディに
信頼性の高いコパルシャッター
絞り優先AEで素早く気軽に撮ることもでき
非常に視認性の高い露出計で
細かな露出も決めやすい。。。良いカメラだと思います。
電子制御シャッターということで
敬遠される向きもありますが
電子基板関連のトラブルは非常に少ないカメラです。
基本的にはニコンらしく丈夫なカメラだとは思いますが
F一桁機に比べるとさすがに少々耐久性の劣るところもあり
(元の価格帯が違うのだから当たり前ですが。。。)
機械的な部分での
トラブルのほうが多いのではないかと思います。

今回、お預かりしているFEは
ミラーの台座の軸部分が外れてしまっていて
ミラーがグラグラになってしまっています。
通常、あまり見かけないトラブルなのですが
ミラー軸はミラーボックス側と
わずかな長さのピンで留まっているだけなので
通常の動きではまず外れることはないかとは思いますが
何かしらの強い力が瞬間的にでも掛かれば
外れる可能性はあるとは思います。

今回のFEは他に問題はないような感じなのですが
(ミラーが外れかかっているのでテストができない)
ミラー軸のピンはミラーボックス裏からでないと
触れないので、ミラーボックス脱着を行います。

露出計も完全に降ろし、基板の配線も大部分外すので
ミラー部分の修理をして終わりというわけにはいかず
各部の整備、再調整、精度出しを当然行います。
FE・FM系はミラーボックスを外すと
再組み立てに結構慣れというかコツが必要なのですが
さすがに数え切れないほど行っている作業なので
そこはスムーズにクリアしていきます。
FMのような糸連動がない分、FEのほうがちょっと楽かもしれません。
(基板周りの複雑さはFEのほうが上ですが。。。)

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ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「盆送り火の日」ですね。
これも宗派や地域でいろいろ異なるのですが
一般的には今日の夕方送り火を焚いて
ご先祖様の霊を送り出す日です。
まぁ、私は今年は墓参りにすら行っていませんが。。。(汗)
子供の頃は仏壇が盆灯篭で飾り立てられたり
親戚が墓参りを兼ねて遊びに来たりで
お盆中ってちょっとしたイベントでした。
一応、お店はお盆休みにしていますが
これといって大した予定もなく
開けておいてもよかったかもしれません(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っています。
XDの登場から半年後の1978年に追加されたモデルで
XDをベースに視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能が追加された代わりに
アイピースシャッターは省略されました。
モデル名の「s」は「Senior」の頭文字を取ったということです。
視力が衰えてきた中高年向けということでしょうか。。。
もう少しポジティブな捉え方のできるネーミングにすればよかったのに(笑)

基本的な部分はXDと全く変わりません。
各動作部の使い心地の良さも
アキューマットスクリーンによるファインダーの明るさや
ピントのキレも同様です。
お預かりしているXD-sはご依頼者さまが
数年前にオークションで手に入れたものということです。
まず電池がなくても切れるはずの「B」や「O」を含めて
全くシャッターが切れません。
正確に言うとレリーズボタンが押せない状態です。
原因はレリーズボタンの組位置がズレてしまっているためのようです。
通常、SSダイヤルがしっかり締まっていれば
位置ズレは起きないはずなのですが
妙にシャッターダイヤルがグラグラしてしまっています。
分解してみるとSSダイヤル下にあるはずのワッシャ2枚がありません。。。
どうやら分解品っぽいですね。。。

レリーズができるようになって
さて他の機能はどうかな。。。とチェックしてみると。。。
まず、レンズの絞りツメと連動するボディ側リングが
テンションが全くかかっていなくてグラグラです。
当然、露出計はまともに連動できません。
バネが外れたのか?と思いマウント部を分解してみると
バネそのものが存在しません。。。
これも分解してバネを紛失した状態で組んだものと思われます。
バネは部品取りから調達し、これで露出計はまともに動くかな。。。と
思われたのですが
今度は露出計が基本的に振り切ったままです。
原因は巻き戻しクランクしたの摺動抵抗が
台座から外れていて
ブラシが脱線状態になっているためでした。
あちこちいじられた上に適当に組み上げられた個体のようです。
スクリーンも引っかいたような傷がたくさん入っています。
不幸中の幸いはフレキを外された様子がなく
マウント周りと上カバーを外していろいろやろうとしたのだけど
途中であきらめて適当に組みなおした。。。といった感じです。
分解することをとやかく言うつもりはないですが
中途半端な分解品を普通にオークション等に出すことは
次のオーナーさんが気の毒なのでやめてほしいですね。。。

写真は一通りの分解整備が終わって
あとは電気的な調整を行って
上カバーを閉めれば完成といった状態のものです。
XDは電気的トラブルが現行品の頃から多い個体なので
フレキ周りの処置は慎重に行います。
状況によっては修理不能な可能性もあるかと思っていたのですが
今回は非常に良い状態に戻すことができそうです。
これから安心して長く使っていただけると思います。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日は言わずと知れた終戦記念日ですね。
実は今は亡き私の祖父の誕生日でもあるのです。
お盆の真っ最中でもあり
子供の頃はこの日前後に
いろいろと戦時中のお話を聞かされたものです。
じいさんも生きていれば103歳か。。。
時間は無情にも流れていくものですね。
今となっては私も含め戦争を知らない世代が
今の世の中を担っているわけですが
同じ間違いは二度と繰り返してはいけないと思います。
戦死者は日本のみでも212万人。
第二次世界大戦の犠牲者総数としては5000万人~8000万人だそうです。

さてさて

本日は「コニカオートレフレックスT3」のカメラ修理を行っています。
当時コニカがコンパクトカメラで多く採用していた
露出計指針挟み込みによるシャッタースピード優先AEを
一眼レフに組み込んだカメラです。
オートレフレックスT3は1974年の発売開始ですが
基本的な構造は1965年のオートレックスのものを受け継いでいます。
しかしながら不評だったレリーズの深さ等々
(指針挟み込みのため深いレリーズが必要だった)
使いやすさは随分と進歩していると思います。
シャッターユニットは他のいろいろなカメラでも
おなじみで耐久性の非常に高いコパルスクエアです。
当時既に他メーカーでは「絞り優先AE」のカメラが登場していましたが
絞り優先AEを実現するためには「電子制御シャッター」が必須でした。
機械式シャッターのままAE化できたのは
シャッタースピード優先AEだけです。
数年後にはどちらのAEも電子化されていくわけなのですが
今となってはこういう構造のカメラも貴重ですね。

お預かりしている「オートレフレックスT3」は
このカメラでよく見受けられる
露出計そのものが動かないというトラブルはないのですが
露出計の値が大幅にアンダー目になってしまっています。
加えてスローガバナーが固着気味です。
横走りシャッターの場合はスローガバナが独立しているので
清掃も注油も楽ですが
縦走りのユニットシャッターの場合はスローガバナは
シャッターユニットに組み込まれており
少し注油しすぎるとシャッター羽根にまで油がまわってしまいます。
慎重に清掃・注油を行います。

一通り整備が完了した状態です。
しばらく時間を置いてから最終チェックを行って完成です。

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