リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日はこれといってピンとくる記念日がない日ですね…
で、過去の3/30の出来事を調べてみると
鉄道路線の開業が多い日なのですね。
1990年に京王相模原線・橋本~南大沢が延伸開業
1996年に東京臨海高速鉄道りんかい線・新木場~東京テレポートが開業
2008年に横浜市営地下鉄グリーンラインが開業。
2008年に東京都交通局日暮里・舎人ライナーが開業。
この中で比濁的馴染みがあるのは
りんかい線くらいですかね…
お台場やビッグサイト方面に行くときは利用しますものね。
埼京線から直通なので新宿から1本で直接行くことができます。
埼京線のホームが他路線に比べて南側に遠いのは
いつも「遠いなぁ…」と感じではいますが…
先日もビッグサイトのとある催しに行くことがあって
乗ったばかりです。
都内は本当に電車や地下鉄網が発達していて
どこに行くにも便利で助かります。
移動の足としてのクルマやバイクは本来必要ないのですよねぇ…
でも必要性云々ではなく欲しかったりはしますが…(笑

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスと言えば軽量コンパクトなプレスボディで
ピントギアの二眼レフを真っ先にイメージしてしまいますが
「リコーフレックスダイヤシリーズ」はそれらとは異なり
ダイキャストボディでピント調整はヘリコイド方式です。
シンプルな機能でお求めやすいプレスボディのリコーフレックスに対して
「ダイヤ」は高級機路線のカメラとなります。
「ニューダイヤ」は1956年発売です。
搭載されるシャッターは同時期のミノルタオートコード等でお馴染みの
シチズンMXVでB・1s~1/400をカバーします。
SS、絞りはテイクレンズ両側のレバーで設定しますが
その設定情報はビューレンズ上側の窓に集中表示されます。
構えた状態から確認できるのでこれは本当に便利です。
先述した通りピント繰り出しはヘリコイド式ですが
調節はレンズボード両側のレバーで行います。
どちら側からでも連動してヘリコイドが回り
これも非常に使いやすい構造です。
フィルム装填はスタートマート方式のセミオートマットで
巻き止め解除は巻上ノブの中心を押すことで行います。
残念ながらセルフコッキングまでは搭載しておらず
シャッターチャージはシャッターユニットから出ている
チャージレバーで行います。
搭載レンズは3群3枚リコナー8cmF3.5です。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
かなり長い間仕舞い込まれたままになっていたと思われます。
ボディ本体にスレや傷みもそれなりにありますが
ファインダーやレンズのカビやクモリがかなり深刻です。
ファインダーはスクリーンの清掃や
ミラーの交換で全く問題なくクリアになると思われますが
レンズのくもりはコーティングの変質に関しては
清掃では除去できないと思われます。
大量に発生しているカビは除去できるかとは思います。
シャッターはガバナに粘りはあるものの
高速域では比較的元気に動作しています。
振り子式のピントレバーはやはり少し重くなっていて
ヘリコイドグリスの入れ替えが必要な状態です。

一番の問題はこのレンズですね。
白内障みたいな状態です。
時間をかけてできる限りの処置を行っていきます。
ある程度通常の撮影に支障のない状態にはできるかと思います。

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ヤシカミニスターDのカメラ修理

今日は「作業服の日」だそうですよ。
「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」(作業服)と読む
語呂合わせからだそうです。
冬場は私も寅一の上着を着て作業しています。
それ以外の季節でも比較的汚れても問題ない服装で
前掛けは必須アイテムです。
劣化してベタベタになったモルト
古い油脂類、溶剤等々、普通の服に付着すると
厄介なモノに囲まれて作業しています。
作業服でなくても良いのですが
動きやすくて邪魔にならず汚れてもガシガシ洗濯できる
丈夫な服装は必要ですね。
作業のことを考えた服装でも今はいろいろな選択肢があり
見た目も良いものが多いのでそのあたりもいろいろと
物色し始めるとなかなか楽しくて止まらなくなってしまいます。
道具もそうですがあくまで消耗品なので
こだわり過ぎはよろしくないと考えていますが
使いやすくてコストもかからず
効率の上がるものなら大歓迎ですねぇ

さてさて

本日は「ヤシカミニスターD」のカメラ修理を行っています。
ミニスターシリーズは1960年台に発売された
非連動式の露出計を搭載する
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
エレクトロ35が発売される以前のこの分野の
主力製品ですね。
今回の「ミニスターD」は1964年発売で
それまでのミニスターはセレン光電池使用の露出計だったのですが
「D」はCdS露出計を搭載しています。
ミニスターはシリーズを通じて
露出計は非連動式なのですが
露出計表示はLV表示でSS・絞りリングもLV連動となっています。
「絞り優先」あるいは「シャッター優先」的に合わせようとすると
上手く操作できなくて慣れが必要ではありますが
LV連動に慣れてくるとプログラム的に素早く合わせられると思います。
…文章で書くと非常にわかりづらいですね。
こればかりはLV連動リングを使ったことがある方にしか
伝わらないかもしれません。
そこを掘り下げて書いていくと非常に長くなるのでこれ以上は割愛します。
搭載レンズはヤシノン45mmF2.8です。
調べてみるとF1.8レンズ搭載機も存在するようです。

お預かりしている「ミニスターD」は
まず電池室の蓋が欠落しておりこのままでは露出計の確認ができません。
蓋代わりになるもの(プラス側が導通するもの)を探してきて
確認しますがやはり露出計は不動です。
マイナス側の端子がかなり激しく錆びていていて
配線も腐食してしまっているようです。
シャッターは羽根に粘りはほとんどないですが
スローガバナーが固着していてスローで切ると
シャッターが開いたままになってしまいます。
そしてさらにファインダーを覗くと距離計二重像が全く見えません。
二重像を写す四角も見えないのでミラーが脱落していると思われます。

上カバー上の感度設定リングもガチガチに固着していて回りません。
全体的にとにかく普通に動くように清掃整備が必要な状態です。
上カバーを開けてみると距離計二重像のミラーは
単に脱落しているだけでなく粉々に粉砕されていました。
キレイな状態で落下していればよかったのですが
なにか代わりのミラーを搭載して調整を行っていきます。
電池室からの配線はやはり内部も真っ黒に劣化していて
全く電気を通さないような状態です。
これも交換したうえで露出計の調整を行っていきます。
どれも致命的な破損とかではないのですが
あちこちに問題を抱えている状態です。
慎重に一つずつ本来の機能を取り戻す処置を行っていきます。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
都内のソメイヨシノも開花宣言が出たと思ったら
ここ数日の暖かさで一気に開花が進みました。
昨夜、以前住んでいた中板橋の
石神井川沿いの桜もふらっと見に行ってみたのですが
もうかなり見ごろになってきていました。
本当は昼間の明るいうちに行って写真でも撮ってきたいのですが
なかなか予定が合いません…(苦笑)
しかしソメイヨシノって見ごろの時期って
本当に短いですよね。
だからこその儚さも魅力の一つなのでしょうね

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
最近「C35」の修理が多いですね。
何度も書きますがお馴染みの「じゃーに~コニカ」です。
1968年発売のコンパクトカメラです。
このカメラが出るまでは「コンパクトカメラ」と言いつつも
まだまだ大柄で重いカメラが多かったのですが
「C35」が大ヒット商品となってからは
いわゆる「コンパクトカメラ」の小型化が一気に進みました。
同じようなスペックを持つカメラも
各メーカーから対抗馬として発売もされています。
「気軽に持ち歩ける大きさで撮影も簡単なカメラ」という分野を
切り開いたカメラだと思います。

お預かりしている「C35」はこのカメラでよくある
シャッターの粘りもほとんどなく
比較的シャッターは快調に動いています。
露出計も電池を入れれば元気に指針が跳ね上がります。
…いや…元気に跳ね上がり過ぎですね。
普通の明るさのところに向けると露出計指針は
上に振り切ったまま降りてくる気配はありません。
少し薄暗いところに向けても同様です。
「C35」の仕様電池は本来水銀電池(1.3V)で
現在の1.5V電池を入れると多少振り過ぎの傾向
(だいたい1.5段ほどアンダー目になる)のは
わかっていますがそういうレベルではなく
振り切り過ぎです。
試しにCDS受光部を完全に指で覆ってみると
多少は指針は下がってくるものの
それでも「F8・1/250」あたりを指しています。
明らかにおかしいです。

露出計振り過ぎの原因はCDSにあるようです。
劣化で抵抗値が変化してしまっていて
受光体に光が当たらない状態でも
抵抗値が低く電気を多く流してしまう状態になっています。
CdSを中古良品に交換した上で
調整で精度を確保していきます。
電池室はキレイだたのですが裏の端子は
緑青もあり劣化も進んでいて今にも断線しそうな状態です
こちらも配線交換を含めて整備を行います。
他、シャッターやレンズ清掃、距離計調整等々
一通りの整備も行っていきます。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「食品サンプルの日」だそうですよ。
日付は「サン(3)プ(2)ル(6)」と読む語呂合わせから。
昔はあちこちの飲食店の店頭で
よく見ましたね。食品サンプル…
大正時代から昭和初期にかけての日本で考案された表現手法で
日本独自の文化だそうです。
最近はさすがに見かけることは少なくなりましたが
近年は一般向けにも販売され始めており
模型やアクセサリー等として拡がり始めているのだそうです。
食品サンプルもそうだと思いますが
精密によくできたミニチュアって
見かけるとついつい欲しくなってしまうのですよね…
思い出がセットでついてくる懐かしの品だとなおさら…
私の場合はミニカーやバイク、鉄道模型なんかがそうですね。
衝動買いしないように気をつけます…(笑

さてさて

本日はミノルタX-7のカメラ修理を行っています。
毎度言いますが宮崎美子さんのCMで一世を風靡したカメラです。
1980年発売のカメラです。
この時代に各社取り揃えていた
「絞り優先オート専用」の一眼レフです。
物品税の関連もあり価格も押し並べて各メーカー
本体40,000円で横並びで
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
そんな中でも「X-7」はCM効果ももちろん絶大でしたが
基本性能の高さとこの頃のミノルタらしい
使い心地のよさで成功を収めたカメラです。
大ヒット商品なので現存数も非常に多く
現在でも見かけることの多いカメラです。
当店でも修理依頼の多いカメラです。

お預かりしていろ「X-7」は
まず定番のプリズム腐食です。
ファインダーを覗くと中心部よりやや下に
太い黒い帯が横方向に伸びています。
視野の1/3近くを占めていて
これではピント合わせはもちろん
ファインダーとしての役目を全く果たせません。
「X-7」に限らずミノルタXシリーズではよくある症状で
プリズムの前面に貼られているモルトが加水分解を起こし
プリズムに浸食して蒸着を剥がしてしまっています。
何の対策も打たれていないとほぼ間違いなく
起こる症状なので現存する「X-7」の多くが
この症状を抱えた状態になっていると思われます。
今回の「X-7」はそれに加えて
電源は入る(ファインダー内露出計は点灯する)のですが
肝心のシャッターが切れないというトラブルも抱えています。
おそらくはレリーズ関連の接点不良かと思われます。

プリズムは中古良品との交換で対応します。
シャッターが切れない原因はやはり接点の接触不良で
こちらも何とかなりそうです。
この年代の電子制御機なので整備性はあまり良くはないですが
それでも「X-7」はまだ手間のかからないほうだと思います。
基本的にはよくできているカメラなのですが
エントリー機ということもありコストの関連もあり
比較的負荷のかかりやすい部分に耐久性の低い
プラ部品が使われている部分等もあり
扱いには注意が必要です・
いつもことですが細心の注意を払って
慎重に作業を行っていきます。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は記念日の制定の少ない日ですね…
しいていえば「お彼岸明け」ですね。
春分の日を中日として前後各3日を加えた
7日間が「(春の)お彼岸」ですが
今年は今日でお彼岸も最終日となります。
子供の頃はお彼岸というと山腹に今でもある
うちのお墓に参ることが恒例行事で
山の中にあることからお弁当を持って
ちょっとした遠足気分で好きな行事でした。
お墓の掃除等が終わったらじいさんが
さらに山道の奥の湧水の湧いているところまで連れて行ってくれて
そこで飲む水がとにかく冷たくて美味しかった記憶が残っています。
さすがに春も秋も「お彼岸」に帰省する予定は立てられないので
彼岸の墓参りは随分ご無沙汰ですが
次回はGWに行ってこようかと思っています。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
今回は1961年に発売された初代キヤノネットです。
キヤノン初のコンパクトカメラです。
(当時はコンパクトといえるほど小さくはないですが)
レンズは45mmF1.9の大口径
シャッターはコパルSVを搭載しB・1S~1/500をカバーします。
セレン光電池使用露出計と連動し
シャッター優先オート露出も装備します。
マニュアル露出も可能ですがその場合露出計はオフとなります。
当然ながら連動距離計搭載です。
当時の家庭用カメラとしては
ほぼ最高の性能を持っていましたが
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望んだことから
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラとして発売されました。
その破壊的な価格設定とスペックの高さが相まって
発売と同時に爆発的大ヒット商品となりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなったそうです。
カメラ業界からはダンピングであるという批判の声も上がったそうです。
キヤノネットの登場はカメラの低額化・高機能化に付いていけなくなった
多くのカメラメーカーが倒産・撤退するきっかけとなったと言われています。

お預かりしているキヤノネットは
ご依頼者様から指摘いただいている点は
巻き上げロックが頻繁にかかったままに
なってしまうというものです。
症状はすぐに再現でき、やはり巻上ロック機構の
粘りが原因と思われます。
加えて露出計がかなり不安定なようで
普通に動作しているかと思えばパタッと
うんともすんとも反応しなくなるようです。
いろいろ試しているとレンズボードが少々ガタついていて
レンズボードが動くたびに断線状態になってしまうようです。
キヤノネットは整備性も非常に考えられていて
レンズボードボディ側の電気的連携は
配線でなく接点で導通しています。
そこの接触が悪くなることが原因かと思われます。

当時の破壊的価格設定が注目されることが多いですが
中身に安っぽさは微塵もなく
非常に効率よく造られたカメラです。
部品もしっかりしたものが使われていて
お求めやすい価格の根本は
効率の良い生産や部品の集大成であることがよくわかります。
整備性も非常に良く
分解して整備調整することを前提に造られています。
心配されるのは劣化すると交換しか術のない
セレンの状態ですが
今回はセレン光電池は非常に元気で問題ないようです。
巻上レバーや巻き戻しクランクが底部に配置されているため
上カバーは非常にシンプルでそこに刻まれた
筆記体の「Canonet」の文字が非常に良い感じです。
これからシャッターユニット、巻上機構、オート機構等々の
清掃整備を一通り行っていきます。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「春分の日」ですね。
それは当然なのでここでは触れずに…
他にも記念日がたくさん制定されています。
そんな中に「LPレコードの日」なんてものがありますね。
1951(昭和26)年のこの日に
日本初のLPレコードがレコード会社の日本コロムビア株式会社から
「長時間レコード」の名前で発売されたことに由来しています。
LPレコードは、毎分約33回転(33 1/3rpm)、
標準は直径12インチ(30cm)で収録時間は片面最大約30分です。
それまでの材質がシェラック(樹脂)のSP盤(Standard Play)に対し
素材がポリ塩化ビニールとなったことで
丈夫で薄く軽くなり高密度で長時間の録音が可能になりました。
さすがにSP盤には縁がないですね。
私の時代にはシングル用のEP盤(ドーナツ盤)7インチ45回転
そしてアルバム用LP盤でした。
(当時(70年代後半から80年代)の
昭和歌謡やニューミュージック(死語)での話)
通常のシングル盤が当時700円、LPが2800円でした。
お小遣い貯めては買いあさりましたし
まだそのほとんどが再生可能状態で手元に残っています。
再生環境も復活したのでたまに針を落としています。
やはりレコードで聴くのは当時の思い出もプラスされて
何とも良い気分です。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年にXシリーズ第一号機である「X-1」が発売されていて
「XE」はそれに次ぐ「Xシリーズ」のカメラとなります。
「Xシリーズ」なので当然ながら電子制御シャッターを搭載します。
「X-1」が布幕横橋りなのに対して
「XE」は金属幕縦走りユニットシャッターです。
このシャッターユニットがライツ、コパルと三社で
共同開発した「コパルライツシャッター」です。
「XE」といえば巻上の滑らかさが有名ですが
それもこのシャッターが搭載されていることが大きく関与しています。
シャッター最高速は1/1000で絞り優先オート露出を装備します。
もちろんマニュアル露出も可能です。
中級機としては少々重くて大柄ですが
巻上だけでなく全体的に使い心地の良いカメラです。

お預かりしている「XE」は
定番のトラブルですが電源をオンにすると
露出計指針がほぼ明るさに関係なく
上に振り切ってしまいます。
巻き戻しクランク下の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。
精度は調整が必要ですが
シャッターは一通りは動作しています。
「XE」といえば困った問題なのがプリズム腐食ですが
今回の個体はプリズムに問題はないようです。
…と思ったのですが…ファインダーの見えが少々不自然です。
腐食及びスクリーンのキズ等のチェックのため
まずはレンズをつけていない状態で見ていたのですが
レンズをつけて見直してみると
やはり不自然にぼんやりしています。
通常のプリズムや接眼レンズのクモリとも違う感じです。

ちょっとイヤな予感はしたのですが
とりあえずプリズムを降ろしてみるとやはり…
腐食したプリズムの前面の蒸着や塗装はすべて剥がしてあり
その上でミラーが貼り付けてある状態でした。
そのミラーもおせじにも上質なものではなく
粗悪に曇ったモノなので
明らかにファインダーの見えが不自然だったのですね。
現在は既に「XE」の全く腐食のないプリズムは入手困難です。
そのため当店でもプリズムの交換はお断りしている状況です。
さて困りましたね…プリズムの対処は後で考えるとして
まずは露出計のトラブルを含む
通常整備を先に行っていきます。
画像にも写っていますが通常が金ピカに輝く
摺動抵抗が汚れて茶色にくすんでしまっています。
しっかり磨きをかけて通常に反応するようにした上で
調整を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
1839年のこの日に
フランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが
写真機を発明したことが由来となっています。
いわゆるダゲレオタイプ・銀板写真ですね。
この頃の写真機を考えると
スマホで簡単に撮れる今の写真は
魔法のように思えてきますよね。
技術の進歩って本当にすごいモノです…

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた伝説の一眼レフですね。
1959年発売のカメラです。
ほぼ100%のファインダー視野率
ファインダー交換式、ミラーアップ機構搭載、
完全自動絞り等々非常に使いやすいカメラであることに加えて
膨大なレンズ群やアクセサリーで様々なシチュエーションに対応でき
システムカメラとしても完成度が高く
さらになんといっても少々のことではビクともしない
その堅牢さが他のカメラに比べても群を抜いた存在でした。
現在になって中身を見ても
その強固なダイキャストな明らかにオーバークオリティな
部品は60年以上経過した現在も問題なく作動するものがほとんどです。
ただし動作する機械である以上
定期的なメンテナンスは当然ながら必要です。

お預かりしている「F」もかなり長い間
眠らされていた個体かと思われます。
ファインダーには汚れカビが見受けられ
シャッターはさすがに切れるものの
動きはやはり本来のものとは言えず
シャッターの精度も写真が写らないほどではないですが
やはりバランスが崩れています。
そして「F」で定番ともいえるスローガバナーの固着が発生していて
1/8以上のスローシャッターになると
シャッターが開いたまま固着してしまいます。

いつ見ても感心するしてしまうほど
頑丈な部品でできているカメラです。
そしてその強固な部品が非常に高い精度で組み合わされています。
古い油脂や汚れを落として組みなおし
ゆっくり感触を確かめながら巻き上げてみると
その精密さにため息が出るほどです。
今回もしっかり整備して組み上げれば何の問題もなく
快適に使えるように仕上がります。
画像にはありませんがセットされていた
アイレベルファインダーや50mmF1.4レンズも
カビや汚れが酷いので
できる限りの清掃を行っていきます。

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キヤノンデミのカメラ修理

今日は「国立公園記念指定日」だそうです。
1934年(昭和9年)のこの日に
内務省が、瀬戸内海・雲仙・霧島の3ヵ所を国立公園に指定し
日本初の「国立公園」(national park)が誕生したことが
由来となっています。
…小学校低学年の頃だったかな…
家の壁に貼ってあった中国地方の地図を眺めながら
「瀬戸内海国立公園」の文字を見て
「海と島しかないところだけど
きっとここにでっかい公園(ブランコや滑り台があるような)が
あるんだなー」と思っていた記憶が…(笑
2020年(令和2年)3月時点で
34ヵ所の国立公園が存在するそうです。
それに加えて国ではなく都道府県に管理を委託される
「国定公園」が58カ所存在しています。
いずれにしても日本の風景を代表する自然の景勝地ですね。
日本の国立公園の面積の約60%が国有地だそうです。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
デミ…「半分」という意味ですね。
その名の通りキヤノンのハーフカメラです。
1963年に発売されたカメラです。
ハーフカメラとしてはめずらしく
プリズムを使用した実像式ファインダーを搭載します。
ファインダー窓もレンズの真上に配置されます。
シャッターユニットはプログラムシャッターの
セイコーシャLです。
プログラムシャッターですが露出は追伸式のセレン露出計を
マニュアルで合致させて設定します。
レンズはSH28mmF2.8を搭載します。
これもハーフカメラでは少数派ですが
巻上はダイヤル式ではなく巻上レバーを装備しています。
加えてこの巻上レバーが非常に滑らかな動作で
ファインダーと合わせて使い心地の非常に良いカメラです。
「ハーフカメラ」といえばやはり「オリンパスペンシリーズ」が
現在でも人気が高く修理依頼も多いのですが
デミEE17等を含めた「デミシリーズ」も
コンスタントに修理依頼のあるカメラです。

お預かりしている「デミ」は正確に言うと
貼り革の色が変更された「カラ-デミ」です。
赤・青・緑の3種類が存在しましたが
お預かりしてるしているのは青い貼り革のモデルです。
初期のデミがベースとなっているのでボディは
真鍮製です。(デミの後期モデルのボディはアルミ製)
心配されるセレンの状態は問題なく
明るいほうにカメラを向けると元気に
露出計指針が反応します。
ただ全くシャッターが切れません。
巻上レバーもロックされたままになっています。
おそらくシャッターの固着だと思われます。
絞り羽根も相当粘っていて油滲みも見られます。
この状態で絞り羽根を無理に動かしていると
羽根を破損する危険性もあるので
プログラムシャッター設定リングは極力動かさず
分解整備に早急に取り掛かります。

画像は取り掛かったばかりの状態のもですが
お馴染みのモナカ構造です。
ここまででシャッターチャージが掛かったままで
レリーズしてもピクリともシャッターが動かず
チャージレバーが戻ってこないことが確認できます。
結構強力に固着しているようです。
無理に動かすことはせずここから分解を進めて
シャッターユニット整備及びシャッター羽根の洗浄を行っていきます。
ここには写っていませんが
せっかくの青い貼り革もかなりくたびれてくすんでいるので
仕上げの段階でできる限り汚れを落としていきます。

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ミノルタハイマチック7のカメラ修理

今日は「靴の日」らしいですよ。
1870(明治3)年のこの日に
実業家・西村勝三が
東京・築地入船町に日本初の西洋靴の工場
「伊勢勝造靴場」を開設したことに由来しているそうです。
靴は大事ですよねぇ
ちゃんと合っている靴を履いているかどうかで
1日過ごす快適度が全然変わってきますものねぇ…
会社員時代には革靴にもいろいろこだわって
小まめに手入れもしていましたし
山に行っていた頃は登山靴には予算も手間も
めちゃくちゃかけていましたが
今は手がかからなくてお安くて
履きやすいスニーカーみたいなものばかりになってしまいました(笑
なんならサンダルの類が非常に多いです(苦笑)
でもしばらく履いて足に馴染んだ履物は
本当に快適で負担がないのですよね
そういえば…ここ数年普段はゆるゆるの履物ばかり使っているせいか
足の形が少し変わったようで
足の甲が少し高くなったのか
新しい革ブーツ履こうとすると足入れが大変で
困ることが多いのです…(笑
いずれにしても用途やシチュエーションによって
いろいろな靴や履物を履きますが
どれもしっかり馴染ませることが大切ですね!

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7」の
カメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
ハイマチックとしては2代目ですが
初代ハイマチックのOEM製品であったアンスコオートセットが
宇宙船フレンドシップ7号に使用されたことから
それにちなみ名称に「7」が採用されています。
これ以降ミノルタのカメラ製品において「7」の型番は
特別な意味を持つこととなり
SR-7・X-7・X-700・α7000等に引き継がれています。
初代のハイマチックはセレン光電池使用の露出計と連動する
プログラム露出+プログラムシャッター専用機でしたが
「7」となって機能は一新し露出計はCdS使用となりました
オート露出は変わらずプログラムオートですが
マニュアル露出も可能になっています。
シャッターユニットはセイコーLAを搭載し
組み合わされるレンズはロッコールPF45mmF1.8大口径レンズです。
小型化の波が来る前のカメラなので
それなりに大柄ですがその分しっかりホールドでき
非常に使いやすいカメラです。
内部にも余裕があって整備性も良好なカメラです。

お預かりしている「ハイマチック7」は
かなり長い間仕舞い込まれて放置されていた個体かと思われます。
シャッターを切ると作動音はするものの
シャッター羽根は固着していて全く動きません。
当然写真は何も写らない状態です。
露出計も電池を入れても全く動きません。
レンズ・ファインダーにも盛大にカビが発生しています。
とはいえ、どこかが破損しているというわけでもなさそうですので
全体的にリフレッシュしてやれば
普通に動作するのではないかと思われます。

初期のキヤノネットあたりもそうですが
この時代はレンズ固定型カメラでも
ある程度の大きさや重量感がないと
高級感がないと思われていた時代なので
内部には余裕がありますし
部品もしっかりとしたものが使われています。
そして分解して調整することが前提となっている構造なので
先述しましたが整備性は良好です。
積年の汚れや内部のゴミ、劣化したモルトなどを取り除き
本来の動きができるような処置を施していきます。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「3.14」ということで
「円周率の日」だそうです。
関連して「数学の日」や
円周率=「π」(パイ)なので
「パイの日」なんかも制定されています。
「パイ」といえば私の出身地呉に
「エーデルワイス」という洋菓子屋さんがあって
そこの「クリームパイ」が昔から大人気で
むちゃくちゃ美味しいのですよ。
私が近年、いつも呉を訪れたときに利用する
ホテルのすぐ近くに店舗があって
いつも通るたびに「クリームパイ」食べたいなぁ…と思うのですが
大行列だったり既に売り切れだったりで
なかなか手に入らないのです。
昔は焼山店とかでふらっと気軽に買えたのですけどねぇ…
今度、呉に帰った時は(GW)
なんとしても口にしたいと思います!

さてさて

今日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
先日も「C35」の修理を行ったばかりですね。
現在も非常に人気のカメラなので
やはり修理依頼も多いです。
今回の「C35」は1971年に発売された
「E&L」というモデルです。
同じ年に発売された「C35」としては2代目にあたり
「フラッシュマチック」をベースとして
距離計を省略しピントは目測式に変更
セルフタイマーと「B(バルブ)」も省略されています。
フラッシュ撮影時も専用フラッシュによる距離固定方式となっています。
通常の「C35」よりもさらに操作を簡略にし
誰にでも扱いやすくシンプルになった普及機です。
搭載されるレンズやシャッターに変更はなく
露出も通常モデルと同じく露出計連動のプログラムオートです。
ファインダー内には距離計二重像がなくなった代わりに
ピントリングの設定を直読できる小窓が右隅に追加されていて
設定されているピントもファインダーから確認可能です。
さらに簡単に使えてアウトプットされる写真は
通常モデルと同様のモノが得られるというモデルになります。

お預かりしている「C35E&L」は
電池を入れても露出計が全く動きません。
「C35」は余計なシャッターロック等が付いていないので
この状態でもシャッターを切ることはできますが
常にF2.8開放1/30シャッターとなってしまいます。
薄暗いところなら写りそうですが
明るい屋外等だと写真は全て真っ白になってしまいます。
電池の入れっぱなし等で電池室が腐食してるパターンが多いのですが
電池室をチェックするとマイナス側プラス側の端子は
一見腐食もなくキレイです。
それではと電池室を外して裏側をチェックしてみると
プラス側の配線が断線してしまっています。
ハンダを見てみるとやはり腐食してしまっています。
加えてその配線の中身も真っ黒に腐食していて
少し強めに引っ張るとプチプチと切れてしまうような状態です。
プラス側の配線はメーター脇の端子に接続されるのですが
その端子も緑青に覆われていて腐食しています。
端子の修復と配線の交換が必要な状態です。

前回も書きましたが小さなスペースに
コンパクトにまとめられてはいますが
機能がシンプルなこともあり
整備性は非常に良好なカメラです。
露出計関連はもちろんですが
シャッターや巻上の整備を行った上で
露出計やオートの精度を調整していきます。

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