ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「録音文化の日」だそうですよ。
1878(明治11)年のこの日に
東京大学にお雇い外国人教師として招かれた
イギリスのジェームズ・ユーイングが
持参した蓄音機を使って
日本初の録音・再生の実験を行ったことに由来しているそうです。
録音か…昔は「テープに吹き込む」なんて
言い回ししていましたねぇ(笑
小学生~高校生の頃は欲しいレコードがあっても
なかなか買えないからエアチェックとかにハマりましたねぇ
高校生くらいになるとエアチェックより貸しレコード屋さん通いが
毎日のようになり家にも帰ってはテープに録音していました。
…いや…今でも今度はそのアナログテープやレコードの音源を
デジタル化したり昔録画したビデオテープをDVD化したりとか
似たようなこと未だにやってますね…(笑
録音からはそれますがプリントしか残っていない
写真のデジタル化もちょくちょくやっています…
カメラとか写真もそうですがやっぱ10代に出会ったものって
かなり特別でいつまでも残しておきたいし
たまに反芻しては当時の気持ちに戻ったりするのですよね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
オリンパスOM-1の独壇場だった
「軽量コンパクトな機械制御一眼レフ」というジャンルに
対抗馬として登場したカメラです。
「ペンタックスMシリーズ」の一号機でもありますが
他のすべての「Mシリーズ」のカメラが
電子制御縦走りシャッターで同じような「小型軽量な一眼レフ」であっても
機械制御横走りの「MX」はシリーズの中でも
異端児的な存在です。
それゆえに現在も非常に人気のある一眼レフとなっています。
当店での修理依頼も多いカメラです。

お預かりしている「MX」は
定番ともいえる「ミラーアップしたままになってしまう」という症状を
抱えて当店にやってきました。
1/1000、1/500といった高速シャッターだと症状はあまり出ないのですが
低速シャッターだとほぼ間違いなくミラーアップしたままになってしまいます。
後幕の勢いが足らなくて内部のミラーダウンレバーに
うまくリンクできない状態だと思われます。
加えて今回はミラーそのものの動きも悪く
レリーズしてからミラーアップしていくときに
ミラーのあがる速度が見た目から明らかにゆっくりです。
後幕もそうですが積年の汚れや古い油脂類等が抵抗となって
各駆動部の動きを悪くしてしまっている状態です。
何か破損している…とか故障している…という状態ではないのですが
とにかく汚れを落として本来の動きを取り戻す作業が必要です。

今回の「MX」は適度に使い込まれて良い感じになった
ブラックボディです。シルバーとブラックの2色が存在しますが
どちらもそれぞれ良さがあって両方欲しくなりますよね…
まだ取り掛かり始めの段階ですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
入念に汚れや油脂類を落として最低限の注油を行えば
調整は最小限で済むかと思われます。
いつも書きますがこの時代のペンタックス機は
内部モルトが結構あちこちに使われているので
そこの交換も行っていきます。
劣化した内部のモルト屑があちこちに入り込んでしまうのも
トラブルの原因となります。

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