日別アーカイブ: 2019年10月24日

ニコマートELのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
お菓子作りや料理に使う方も多いとは思いますが
まぁ、一人暮らしのおっさんが使うのはパンに塗るくらいです(笑)
。。。そりゃね、やっぱりバターが美味しいとも思いますが
マーガリンだって十分以上に美味しいし
ある程度、冷蔵庫で保存することを考えたら
やはりマーガリンのほうが圧倒的に使いやすいですよね。
普段、あまりトーストとか食べないのですが
たまに無性に焦げ目のついた焼き立てのトーストに
バカみたいにたくさんマーガリンを塗りたくって食べたくなるのですよねぇ。。。
そのために食パンとマーガリンをたまに買うのですが
数日続けるとブームが終わってまた当分食べないので
マーガリンがそのまま半分以上残した状態で
賞味期限を迎える。。。ということをここ何回か繰り返しているな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
同じニコマートでもFT系の修理はコンスタントに入ってくるのですが
EL系は比較的少ないです。
FTとELは同時期のカメラと思われがちですが
ELはFT系に比べるとだいぶデビューは遅く
最初のFTがデビューしたのが1965年であるのに対して
ELは1972年発売なのですね。
FTnが1967年でFT2が1975年なのでちょうどその間でデビューしたことになります。

ELは初期の電子制御シャッター機ということもあり
修理不能の場合も正直言ってたまにございます。
FT系とEL系は基本的には同じコパルシャッターユニットを使った
兄弟機なのですが制御の違いだけではなく
結構細かい違いもいろいろあります。
電子制御だから当然と言うこともできますが
絞り優先オートを備え、4秒までのスローシャッターが使えます。
(ちなみに非Aiレンズでオートが使えるのはELとELWのみ)
単純に指針を真ん中に合わせるだけのFT系の露出計に比べ
その後、FE系にも引き継がれる露出計は
ファインダー内情報は2針式で
露出計が指す値と現在セットされているSSが
一目で確認できる秀逸なものです。
スクリーンが完全に固定式でスクリーン清掃のためには
プリズムを必ず降ろす必要のあるFT系と異なり
ELはミラー側からコンデンサレンズごと取り出すことができます。
(手馴れていない方が簡単にできるほど楽なアクセス方法ではないですが。。。)
ただ苦心の結果、仕方なくこうなったのだろうなぁ。。。と思うのは
電池室の場所。。。
ミラーボックスの下側に4LR44(4SR44)を格納します。
初めてELを触ったとき教えてもらうまでは
探しても探しても全く電池室が見つけられなかったのが
今でも鮮明に思いだされます(笑)

お預かりしているELは
ご依頼者様のお父さまが使われていたものだそうです。
おそらくここ最近は全く使われていなかったものと思われますが
保存状態は悪くなく一応、一通り動作しています。
オート。露出計共に結構アンダー気味な上に
不安定な挙動を示します。
でもこれだけ動作するようであれば
電気関係上の致命的トラブルはないと考えてよいと思います。
(それでもこの時代の電子制御機は
何が起こるかわからない部分はありますが)
ニコマートはファインダースクリーン枠まわりに
結構な量のモルトを使っていますが
それが既に腐食してボロボロでファインダー内は屑だらけです。
ファインダー内のみならまだ良いのですが
結構あらゆるところに屑が入り込んでいると思われます。
羽根汚れによるシャッター羽根の若干の動作不良もあるようなので
やはり全体的に分解整備が必要な状況です。

まだ現状チェックを行って上カバーを外しただけの状態です。
詳しくは省略しますが上カバーを外す際も
ちょっと一癖あってなんの予備知識も持たずに取り掛かると
それなりに時間がかかることになると思います。
一箇所回しにくいところがあるのですよねぇ。。。
今回もちょっと時間がかかりました。。。
プリズム上に鎮座する電子基板を見ていると
やはり時代を感じますね。
後のFE系とは異なりバルブ露出時にも電気で制御します。
電池がない状態でもシャッターは動作しますが
無条件に1/90で動作します。
これから本格的に分解整備に取りかかり
一通りの点検整備一式を行っていきます。

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