日別アーカイブ: 2020年1月16日

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「囲炉裏の日」だそうですよ。
囲炉裏のあるような古民家。。。いいですよねぇ。。。
一時期、本当にそういう家に住みたくて
いろいろ調べたこともあるのですが
やはり都会の便利さには勝てませんでした(苦笑)
ましてやこれから体力も落ち
もしかしたら普通に歩くのもしんどくなる日が
そう遠くないかもしれない。。。と思ったら
尚のこと徒歩圏内で生活に必要なものが全て揃う
今の環境からは離れないような気がします。。。
でも山の中の一軒家にはあこがれますねぇ。。。
(瀬戸内の島の一軒家もいいなぁ)
そういえば一時期、囲炉裏のある古民家は無理でも
家に火鉢でも置こうかな。。。と衝動買いしそうになったこともありました(笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
フラッグシップであるF2に露出計内蔵のフォトミックファインダーが
装着されたモデルです。
当時の。。。というかフィルムカメラのフラッグシップ機は
各メーカー、ファインダー交換式なのは
システムカメラとしては必須で
使い方によっていろいろファインダー交換が行えます。
シンプルなアイレベルファインダーに始まり
ウエストレベルファインダーや高倍率ファインダー
アクションファインダーとかもありますね。
これが使う予定もないのに集めたくなるのですね。。。(汗)
私もFやF3のファインダーは何種類か持っています。

話が逸れましたね。。。
F2が出たばかりの頃は
まだ内蔵露出計に対する信頼度が
ユーザー側でまだ高くない時代で
(精度的には問題ないのですが。。。)
高級機には内蔵露出計はいらない。。。という意見もまだ多かった時代です。
。。。とはいえ少しずつ
露出計は内蔵されているのが当たり前。。。という時代に変わろうとしていた頃です。
そのためもありF2のフォトミックファインダーは
時代に合わせ特性の違う4種類のものが存在します。
今回は一番最初に登場した無印のフォトミックファインダーです。
露出計内蔵も重要なファクターですが
絞り値、SS値がファインダー内で確認できることのほうが
個人的にはフォトミックファインダーの利点だと思います。

お預かりしているF2フォトミックは
まず高速シャッターの精度が全く出ておらず
1/2000はほとんど開かない状態です。
先幕と後幕の幕速バランスが崩れていて
先幕に後幕が追いついてしまう状況です。
幕軸やSS調速部の清掃・注油で改善されると思われます。
加えて電池室の端子が少しグラついているなぁ。。。と思い
ミラーボックスを外してみると
やはり電池室端子ステー部が折れる寸前でした。
F2はここがちょっとした弱点ですね。
端子を支えている部分がプラスチックのため
経年劣化で折れてしまうことが多いのです。
折れてしまうと端子の接触不良を引き起こし露出計不動の原因となります。
電池室はボディ側ですがファインダーにも少々問題があり
内部摺動抵抗の劣化が原因で露出計が非常に不安定です。
ここは根治するのは難しい部分なのでできる限りの整備を行います。

ボディ側の整備は既に完了していて
SSの問題はクリアでき問題ない精度が出ています。
フォトミックファインダーの整備中ですが
やはり抵抗の劣化は否めなく
完全な状態には復帰できないと思われます。
それでもお預かり時よりは全然状態は良く
普通に使っていただくには問題ないレベルには持っていけそうです。
この時代の内蔵露出計でCdSの劣化を心配される声も
多く聞くのですがCdSの劣化は多少であれば
調整でリカバーできてそれほど大きな問題ではないのですが
抵抗の劣化のほうが大きな問題になることが多いと思います。
通常の固定抵抗なら置き換えれば済む話なのですが。。。

今回はできる限りの整備・調整を行い
何とか実用に耐える状態にしたいと思います。

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