今日は「冬至」ですね。
北半球では太陽の高さが一年で最も低くなる日となり
そのため一年中で最も昼(日の出から日没まで)が短くなり
夜が最も長い日となります。
季節の変わり目であり
寒さがますます厳しくなる時期でもありますね。
ちなみに日没のの最も早い時期は
今年の東京の場合、12月1日~12月12日頃で
日の出の最も遅い時期は年明けから1月13日頃までです。
自転軸や公転軌道の関係で少しズレるわけですね。
冬至にはユズを浮かべた柚子湯(ゆずゆ)に入り
カボチャを食べると風邪を引かないと言われています。
加えて冬至に関連して今日は「酒風呂の日」だったりします。
日本酒をお風呂に入れる「酒風呂」は
体がよく温まる、お肌がつるつるになる、
リラックスできる、ぐっすり眠れるなどの効果があると言われています。
いずれにしてもゆっくりお湯につかって
しっかり温まりたいですね。
さてさて
本日は「フジカST605Ⅱ」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラです。
フジカSTシリーズは元々はM42ねじ込みマウント機ですが
ST801発売以降はM42マウントレンズを使えつつも
独自機構であるフジカSTマウントレンズを装着することで
開放測光に対応しています。
開放測光対応のSTマウントレンズには位置決め用のピンと
絞り値伝達レバーが追加されています。
ST605は従来、開放測光をあえて省略し
絞り込み測光とした普及機でしたが
「Ⅱ」では開放測光対応モデルとなっています。
SSは「605」同様、B・1/2~1/700となっています。
小型軽量で取り回しの良いカメラです。
お預かりしている「ST605Ⅱ」は
高速シャッターの精度不良にプリズム腐食という
トラブルを抱えています。
STシリーズもプリズム腐食の多いカメラです。
ただ他の多くのカメラのように
プリズム周辺のモルトが起因となるものではなく
プリズムの蒸着自体の劣化によるものが多いと思います。
蒸着の強度が少し弱いのかもしれません。
加えて先幕・後幕の幕速バランスが比較的崩れやすいのも
STシリーズに多く見られるトラブルです。
ただこれは生産から50年経過することもあり
整備調整が必要なのは当然ともいえますが…
構造は比較的シンプルで
整備性は良好…でもないのですよね(苦笑)
難しいわけではないのですが
ちょいちょい手間がかかる部分が多いカメラです。
加えてスクリーン周りのちょっと厄介な部分に
モルトが貼り巡らされているので
その部分のモルト交換は必須です。
放置しているといくら清掃してもファインダー内に
いくらでもモルト屑が入り込んできます。
シャッターに関してはとにかく積年の汚れを除去し
本来の動きの滑らかさが出るように整備を行います。
しっかり清掃して最低限の注油を行えば
あとはわずかな調整で精度は確保できると思われます。
これから本格的に分解整備取り掛かっていきます。
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