日別アーカイブ: 2020年8月7日

コニカⅢAのカメラ修理

今日は8月7日ということで
予想通り(笑)
「花の日」や「鼻の日」だったりするわけですが
ちょっとひねって「バナナの日」でもあるそうです。
果物は何でも大好きですし
この季節だと桃に目が向きがちですが
バナナは年中簡単に手に入って
そして安定した美味しさですよねぇ。。。
引き合いに出すのは申し訳ないのですが
例えば桃とかだと個体差で美味しさが
かなり違ってしまうような気がしますが
バナナは安定してどれも同じように
美味しいと思うことが多いと思います。
そして簡単に手で皮が剥けるので
本当に気軽に食べられるのが良いですね!
山登りに良く出かけていた頃には
行動食として2、3本必ずリュックに入れていました。
登山中に食べなくても帰り道に気軽に食べられますし。。。
安くていつでも手に入るから軽く見てしまいがちですが
そう考えてみるとバナナって偉大ですねぇ
とりあえず今日の帰りにスーパーでひと房買って帰りましょう(笑)

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
コニカ(前身の小西六写真工業を含む)は
の日本初の印画紙やカラーフィイルム
商品名の付くカメラとしてはこちらも国産初の
カメラの販売を行うなど
非常に歴史のある老舗メーカーです。
35mm判フィルム使用のカメラは戦後のコニカスタンダードが
最初のカメラとなりますが
その後、コニカⅠ(ほぼスタンダードと同様)、コニカⅡと続き
1956年にコニカⅢが発売されます。
巻上方式が大きく変更され前面に配置された
大きなレバーでダブルストロークで巻き上げます。
フィルム巻上と同時にシャッタもチャージされる
いわゆる「セルフコッキング」となりました。
その後のカメラでは当たり前の機能ですが
この時代は二眼レフやスプリングカメラも含め
チャージと巻上はまだまだ別操作のカメタの多い時代です。
当然、意図しない多重露光や未露光の操作ミスも多かったと思われます。
今回のⅢAはⅢをベースに当時「生きているファインダー」と言われた
パララックス・画角自動修正機能付採光式等倍ファインダーを
装備したモデルです。
今となっていは「生きているファインダー」はちょっと大げさな気がしますが
ピント操作に連動して自動的にブライトフレームの位置が
補正されるといった機能です。
これも後のレンジファインダー機では普通の機能になっていきますが
この時代としては非常に画期的な機能です。
さらに等倍ファインダーのため両眼を開けて
両目の視野の中にブライトフレームが浮きあがって見え
ファインダー視野外も確認しながら撮影できるというのは
見え方に慣れると本当に便利です。
搭載されるレンズはⅢと同じ48mmF2のものと
50mmF1.8搭載のものが存在します。

お預かりしているⅢAは
普通に撮影に使っていたものだそうですが
突然巻上レバーが動かなくなってしまったとのことです。
受付時に確認しましたが
がっちり何かが噛みこんでしまっているような感じで
全くレバーが動きません。
どんなカメラでも同じですがこういうときは無理に
力任せに動かしては絶対にダメです。
単純に何かが挟まっているだけかもしれないものを
無理に動したため部品が破損してしまうことがよくあります。
結果からいうと今回も部品の噛みこみが原因でした。
無理に動かすと余計なトラブルを招き
最悪、修理不能になる可能性もございます。
今回のご依頼者様は
何度もお付き合いさせていただいている方で
古いカメラの扱いもわかっていて
その辺りは私ごときが改めて言うことではないのですが
こういうのも経験がないとわかりませんものね。
実際に無理に動かして破損したカメラが入ってくることも多いのです。

 

でっかいレンズとちょっと頭でっかちなところが
通常のⅢとは全く異なり佇まいも違って見えますね。
先程、少し触れた通り巻上ロックの原因は
ボディ下部のネジの緩みにより一部ギアが外れ
それが噛みこんでしまったためでした。
もちろん正しく組みなおしてネジも締めて
巻上機構全体の整備を行います。
もちろんシャッターやファインダーの整備も
並行して行いました。
シャッターに大きな問題はなかったのですが
自慢のレンジファインダーの
二重像反射面のミラーの状態が悪いためここは交換で対処いたしました。
ちなみにⅢAのファインダーは
よくあるハーフミラーで二重像を映すものではなく
プリズムを使用した贅沢なものです。
通常のⅢはハーフミラーなので
やはりファインダーには相当こだわって作られたカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。