月別アーカイブ: 2022年3月

ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「漫画週刊誌の日」だそうですよ。
1959(昭和34)年のこの日に
日本初の少年向け週刊誌『週刊少年マガジン』
『週刊少年サンデー』が発刊されたことが由来となっています。
いまだに気に入ったものの単行本コミックは買って読みますが
さすがに週刊誌・月刊誌は読まなくなりましたねぇ
私の子供の頃(小学校低学年)は4大週間漫画全盛期で
(ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオン)
一緒に住んだことがなく週末だけ遊びに行っていた
親父の家に行くと
「おう、ゆきひろ!週間漫画4冊全部買ってこい」と
近所の本屋に走らされたものです。
でも読ませてもらえるから喜んでいくのですが(笑
その頃だったか…ジャンプで「サーキットの狼」とかにハマったのが…
他にもブラックジャックや釣りキチ三平
すすめ!!パイレーツにマカロニほうれん荘やら…
思い出し始めるとキリがないですが
面白いマンガ多かったですよねぇ…
その中でマガジンだけが比較的近年まで読んでいたのですが
段々と読み飛ばす方が多くなってきて
ついには買わなくなったのですよねぇ…
気になるものはその後も単行本で追いかけましたが
さすがにほとんどのものが連載終了しましたねぇ
でもマンガは今でも読みますし
懐かしの名作もいまは電子版で簡単に手に入ります。
場所も取らないし便利な時代になりましたねぇ

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
当時の最高級機、ニコンF2に露出計内蔵の
フォトミックファインダーが装着されたモデルです。
もちろんF一桁機はファインダー交換式なので
ファインダー単体で入手していれば
アイレベルファインダーにしたりフォトミックファインダーにしたりと
シチュエーションによって使い分けができいます。
他にもウエストレベルファインダーや高倍率ファインダー
アクションファインダー等の交換用ファインダーが存在します。
露出計内蔵のフォトミックファインダーだけでも
詳細は割愛しますが5種類存在します。
個人的には今回の依頼品でもある
一番最初に発売されたカニ爪対応の無印のフォトミック
(DP-1・指針式露出計)が一番無難かとは思います。
まずLED式の(S・SB)露出計は
何か故障すると修理できる可能性がかなり低くなります。
Ai対応の(A)も良いのですが
Ai式でもカニ爪があれば対応できて加えて非Aiレンズも対応でき
さらにファインダー内絞り値の見えやすい無印フォトミックが
最も使い勝手が良いと個人的には思います。
流通量も多いですし…
先代のFフォトミックに比べれば随分スマートになりましたが
基本的は構造はそれほど変わっていません。
ただ電池室がボディ側に移動したので
少しは「頭でっかち」感が少なくなりました。
それよりも摺動抵抗の耐久性がかなりよくなったので
トラブルも少なくなりました。
余談ですが先代の「Fフォトミック」は摺動抵抗の劣化が激しく
修理不能なものがほとんどなので
現在、当店ではメンテナンスを行っておりません。
見た目のスマートさであればアイレベルファインダーでしょうが
露出計の搭載はやはり便利ですし
さらにファインダー内でSS・絞りが確認できることがさらに便利です。
そのため個人的にはF2はフォトミックがベストかな…と思います。

お預かりのF2フォトミックはスローが少々不調で
やたら速めに切れてみたり
少々引っかかり気味にやたら遅くなってみたりと安定していません
スローガバナの動作不良かと思われます。
F2の定番トラブルである電池室周りのトラブルは今回はなく
露出計もきちんと動作していますが
精度的にはやはり調整が必要です。
加えてやはり高速シャッターの精度はイマイチです。
大きなトラブルはないものの
全体的に清掃整備は必要な状態です。


まだ取り掛かったばかりで現状確認くらいしかできていません。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
基本的には初代Fの進化版と言え
基本的構造はFと似通っています。
Fで評価の高かった堅牢性や各部の精度の高さはそのままに
シャッターは1/2000を搭載し
裏蓋やレリーズボタンの配置や電池室等
使い勝手は格段に進化したカメラです。
1/2000を実現するため幕速はかなり速くなっており
それもあってシャッター音はFよりは甲高いものとなっています。
機械制御機としては最後のF一桁機でもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。
発売から50年経過するカメラでもあり
当然ながらそれなりのメンテナンスは必要ですが
非常に丈夫なカメラでもありきちんと整備をすれば
今でも立派に使えるものが多いと思います。
名機であることは間違いないですね。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「財務の日」だそうですよ。
日付は「ざ(3)い(1)む(6)」(財務)と読む語呂合わせと
所得税確定申告の期限である3月15日の翌日に
企業が財務状態を把握して欲しいとの趣旨なのだそうです。
まぁ私はしがない個人事業主なので
財務状態…っていっても…ねぇ
あまり儲かってはいないなぁ…ぐらいですねぇ(苦笑)
確定申告は何かお金の動きがあれば
日頃から会計ソフトに入力しているので
それほど大変ではないほうだと思いますが
1年に1度しかやらないことなので
あれこれした準備もいろいろと必要で
やはりそれなりに負担にはなりますねぇ
それでも毎年2月中には終わらせるようにはしていますが…
こればかりはある程度のことは仕方ないですね
でも確かにこのタイミングでお金の動きは
ある程度確認できます。
1年分集計してみて「えええ?これにこんなに払ってるの???」と
思うこともしばしば…(汗)
何事もどんぶり勘定はダメですね。
丁寧さと几帳面さはやはり仕事の基本です(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
少し前にも書きましたがやはりFTも加えた「ペンF系」は
コンスタントに修理依頼が入っています。
ハーフ判のレンズ交換式一眼レフというだけも稀有な存在ですが
「ペンF」はハーフサイズであることのメリットを
最大限に生かすためにその構造も
一般的な35mm判一眼レフとは全く異なる造りになっています。
その構造ゆえに少々華奢な部分もあり
さすがに登場から60年近く経過する現在では
未整備だとそれなりにトラブルを抱え込むことも多いと思います。
いや、それはペンFだけじゃなくて
この時代のカメラはどれもそうですね

ペンFのトラブルは大きく3パターンあって
プリズムの腐食、ガバナに関連するシャッター制御の問題
そしてミラー駆動部の動作不良によるミラーアップ・巻上ロックです。
今回、お預かりしているペンFはプリズムやガバナには
大きな問題はないのですがやはりミラー駆動部動作不良により
ミラーアップしたままになってしまいます。
その場合、ミラーを少し指で押してやると
シャッターも切れ、ミラーも戻ってくるのですが
もちろんそんな状態では撮影には全く使えません。
このミラー駆動部もペンF系は独特の構造で
スムースに動いているうちは全く問題ないのですが
汚れがたまったり古い油が抵抗になったり
あるいは油切れになってしまうと
かなり高い確率でトラブルが起こります。
やはり定期的にメンテナンスは必要と言うことです。

ペンFはミラー駆動部(前板)を分離すると
バネのテンションが抜け、再組立て時にかならずテンションを
再びかけてやらなくてはいけません。
それももちろん適切なテンションがあって
足りないといくら駆動部の動きが良くても
ミラーアップしてしまいますし
テンションをかけすぎると壊れます。
適切な処置がわかっていれば難しいことではないのですが…
ペンFはフィルム室にはモルトが非常に少なく
上カバーの内側にはたくさん使われています。
今回も開けてみると内側のモルトはボロボロで
その影響でミラーに若干の腐食が出ています。
メインのプリズム側は非常にキレイです。
小さいほうのプリズムはわずかなシミ程度ですが
若干モルト劣化の影響が出ています。
もちろんできる限りの処置を行い
巻上部やシャッターユニットの整備も並行して行います。
やはり動きの悪い部分はいろいろ出てきています。
致命的な破損等はないので
一通りの整備を行えば快適に使える状態に仕上げられそうです。
これから本格的に各部の整備を行っていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「ホワイトデー」なのはまぁおいといて(笑
3.14ということで「円周率の日」です。
関連して「数学の日」でもあり
「パイの日」だそうですよ。
さらに今日の1時59分、15時9分に祝うらしいです。
円周率の上6桁が3.14159だからですね。
「円の面積=半径×半径×円周率」や「円周の長さ=直径×円周率」ですねぇ
最初に習ったのは小学校でしたっけ???
で、中学生になると円周率は「π」に置き換わるのでしたっけ???
もう使わないから忘れちゃったな…(苦笑)
円周率はいわゆる無理数で数字では割り切れない数ですね。
他にも√2や√3とかがそうですね
ややこしいですがさらにその小数展開は循環せず
無理数であるのみならず超越数でもある…と、
このあたりからよくわかりません(苦笑)
数学ってわかる範囲だとなかなか面白いのですけど
ある段階から異様にややこしくなるのですよねぇ
あまり授業以外で勉強するタイプではなかったから
高校生くらいで一気についていけなくなったなぁ(笑

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982発売のマルチモード自動露出搭載カメラです。
絞り優先オート専用機であるエントリー機「EM」をベースに
マニュアル露出、プログラムオートを追加したモデルです。
噂の域を出ませんが
海外では絶好調な売れ行きだった「EM」が
日本国内では「プロ仕様機」のイメージが強い
ニコンのブランドイメージにそぐわず意外と苦戦したため
急遽開発したフルスペック機とも言われています。
実際、機能的にはかなり凝っていて
プログラムオートは絞りを手動で変えると
プログラムシフトが行われシャッター速度優先オート的にも使用できます。
この露出機構のため、自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sレンズが登場しました。
でもニコンらしいのは従来のAiレンズでも自動露出を可能とするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光も搭載されています
このあたりの機構搭載も関連して
FGのシャッター音(正確に言うとミラー駆動音)は
ちょっと独特な感じなのですね
機能的には上位機種でもある「FE」を超えている部分もありますが
あくまでも「FG」はエントリーモデル「EM」の
派生機種のポジションであり
FEに搭載される多重露光機能やマニュアル時のファインダー情報
ファインダー内での絞り値の表示等は搭載されず
シンクロスピードも1/90です。
でもEMに通じる軽快さと取り回しの良さを持ち
それでいて撮影の幅はかなり拡げられるカメラと言えると思います。

ただし。これだけの電子制御を搭載されると
修理・整備する立場としては非常に微妙なカメラです。
正直なところ過去に預かっては見たものの
修理不能でそのまま返品…となることも多いカメラです。

今回は電源が全く入らなくなったということで
お預かりしていますが
電源の問題はSW部接点不良か
電池室裏のハンダ付け劣化や配線腐食かと思われます。
しかしながら電源が入って動作が復活したところで
SSやオートの制御関連にトラブルを抱えていると
かなりの高確率で修理不能となります。

画像は上カバーを開けただけの段階のものですが
いかにも80年代のカメラといった感じで
フレキと電子回路でびっしり覆われています。
この後で実際に分解を進めていくわけですが
電源が入らない直接の原因は電池室裏のハンダの劣化でした。
で、まずは電源が入るようになったものの
今度はLED表示が安定しません
これはフィルムカウンター部のSW(1枚目を感知するもの)の
接点接触不良でした。
このFGもかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものだと思われ
各部の接点や摺動抵抗には汚れで接触不良が
あちこちで起きている状況でした。
さらに機械的にもシャッター羽根基部に汚れがあり
シャッタスピードも不安定でした。
とはいえ、いろいろ細かいトラブルは抱えていたものの
致命的な電子回路トラブルはない模様です。
とりあえずはホッとしました…何とか修理できそうです。
接点や機械的部分を整備の上で
電気的調整もかなり必要なようです。
まずは露出計が2段近くオーバーに表示されていて
それに伴ってオートもかなりオーバー傾向です。

この類の電子制御機は作業中の静電気に気を使います。
うっかり帯電した手で電子回路を触ろうものなら
一発で回路が壊れることもあります。
特にまだこの季節は帯電しやすいため
細心の注意が必要です。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「青函トンネル開業記念日」なのだそうですよ
1988(昭和63)年のこの日に
本州・青森と北海道・函館を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の
海底トンネル「青函トンネル」が開通しました。
それに伴い、青森県の中小国駅と北海道の木古内駅を結ぶ
JR海峡線(当時の愛称:津軽海峡線)が同日に開業し
それまで、青森駅と函館駅を結ぶ鉄道連絡船として
日本国有鉄道(国鉄)により
青函航路(青函連絡船)が運航されていましたが
青函トンネルの開通により同日に廃止され、80年の歴史の幕を閉じました。
1946(昭和21)年の地質調査開始から42年の歳月がかかり
トンネル本体の建設費は計画段階で5384億円でしたが
実際には7455億円という巨費が投じられました。
また、取り付け線を含めた海峡線としての建設費は
計画段階で6890億円、実際には9000億円に上ったのだそうです。
気の遠くなるような数字が並びますが
それもそのはずで全長53.85km、海底部23.30km、
全長の43%が海底というトンネルです。
長らく世界最長の鉄道トンネルでしたが
2016年6月1日にスイスのアルプス山脈を通る
57.09kmのゴッタルドベーストンネルが開通し
現在は世界2位の長さとなっています。
それでも想像もつかないような長さと大きさですねぇ
2016(平成28)年3月26日には
新青森駅と新函館北斗駅を結ぶ北海道新幹線が開業し
これに伴い、青函トンネルは在来線の海峡線と
北海道新幹線の共用走行を行っています。
まぁ、私は北海道・東北どころか
北関東ですら未踏の地なのですが…(苦笑)
日本は意外と広くて大きいですよねぇ…

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
今回は初代のキヤノネットです。
1961年に発売されたキヤノン初のコンパクトカメラですね。
(この時代ですから大きさ的にはコンパクトではないですが…)
当時の一般向けカメラとして
ほぼ最高の性能を持っていましたが
キヤノンの社員たちが自分たちの月給で買えるカメラを望み開発し
18,800円という性能に比して非常に安価なカメラとなりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなり
カメラ業界からはダンピングであるという批判の声も上がりました。
キヤノネットの登場はまさに価格破壊とも言え
カメラの低額化・高機能化に付いていけなくなった
多くのカメラメーカーが倒産・撤退するきっかけともなったそうです。
搭載されるレンズは45mmF1.9の大口径
シャッターユニットはコパルSVでSSはB・1s~1/500です。
セレン光電池を使用する露出計を搭載し
連動して指針挟み込み方式のSS優先AEを搭載します。
露出計はオフとなりますがマニュアル露出も可能で
まさに一通り何でもできるカメラです。
当時としては非常にお求めやすい価格帯のカメラですが
それは主に部品のユニット化や生産ラインの効率化を
推し進めた結果で構造・素材的には全く安っぽい部分はありません。
当時はまだ少なかった指針挟み込み式のAE制御は
今見ても非常に上手く造られており
シャッターユニット側や絞りとの連動部も
非常に考えられて造られています。
整備性もきちんと考えられており
各部の調整も非常に行いやすくできています。

ただ、さすがに発売されてから60年経過するカメラです。
経年劣化は出てきていて当たり前ですね。
お預かりしているキヤノネットはまずシャッターが全く開きません。
巻き上げできてレリーズボタンも押せて
シャッターが駆動しようとするかすかな作動音も聞こえるのですが
肝心のシャッター羽根はピクリとも動きません。
かんぜんい貼りついてしまっているようです。
マニュアル時には絞り羽根は上手く動作しますが
さらに小さな力で絞り羽根を駆動するオート時には
絞り羽根も上手く駆動できないようです。
こちらも貼り付きまではいかなくても
羽根の動作の粘りは出ているようです。
レンズにはそれなりにはカビがあり
ファインダーはかなり曇っています。
クモリは汚れではなくレンズ・ガラスの劣化もありますので
完全に除去はできませんが
できる限りの清掃を行っていきます。
シャッター・絞り・巻上等の駆動部分は
入念に清掃を行った上で必要に応じて最小限の注油を行い
セレンの劣化もあるものの露出計・オートも
できる限り調整します。
こちらも実用上には問題のないレベルに精度は確保できそうです。

ここ数日、作業に入るといい具合に集中するせいか
分解時の画像を撮るのを忘れがちです(苦笑)
…というわけで今回も一通り整備の終わった段階での画像です。
レンズは全く問題ないほどにクリアになり
ファインダーは多種のカビ跡とクモリは残りましたが
お預かり時よりは格段にクリアになっています。
シャッター及び絞り制御は非常にスムーズに動作すようになり
露出計もまずまずの精度が出ています。
画像には写っていませんが巻上レバー、巻き戻しクランクは
底部に配置されており
上カバー部にはレリーズボタンとそれを囲む「T」切替リング
フィルムカウンター窓しかありません。
そのすっきりした上カバー部に
筆記体で「Canonet」のモデル名が刻印されていて
何ともオシャレなデザインです。
次モデルでは巻上レバーも巻き戻しクランクも
一般的な上カバー部に配置されるので
この独特の佇まいは初代ならではのものですね
もう少し様子見して動作が落ち着いた頃に
最終テストを行い、問題なければ完成となります。

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ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は3月12日…
「サ(3)イ(1)フ(2)」と読む語呂合わせで
「サイフの日」だそうですよ
私の財布…もう20年近く使ってるのですよねぇ
外が黒革で内側が真っ赤なものなのですが
お札入れも小銭入れももうボロボロです。
あちこち裂けかかってるし…
気に入っている上にちょっと思い入れのあるものだったから
気にせず使っていましたが
ちょっとあまりにもボロボロすぎてふうが悪いかも…(苦笑)
いい加減に買い替えますか…お安いのでいいから…
でも財布って毎日必ず手にするものだし
常に持ち歩くもだから気に入ったものを使いたいですよねぇ
うーん、どんなのにしようかな…
尚、予算はかけられません(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-7」のカメラ修理を行っています。
昨日、コニカオートS2のブログで
オートS2を「世界初のCdSを受光素子に採用した
シャッター速度優先式自動露光カメラ」と紹介しましたが
今回のSR-7は「世界初のCdS素子使用の
外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラ」です(苦笑)
SR-7のほうが1年先に発売されていますね。
要はこの数年にCdS搭載のカメラが世に次々と出てきたわけですね。
それまでのセレン光電池に比べれば低輝度にも強く
反応速度も速いです。ただしセレンと異なり電池が必要です。
セレンの劣化が良く問題になりますが
CdSもやはり経年劣化はします。
ただ、劣化の具合が軽度なものが多いことと
回路上での抵抗の調整等で多少の劣化なら調整ができるところが
セレンとは大きく異なります。
ただ、何度も言いますが電池を必要とするので
ここでも毎度のように記載する「電池室周りのトラブル」が
長い年月の中でかなりの確率で発生します。
これも使わないときに電池を抜いてくれるだけで防げるのですが…

今回のSR-7は電池室周りのトラブルはほぼありません
多少の汚れにより接触不安定な部分はありましたが
簡単な清掃でクリアできる程度です。
ちなみに今回のSR-7は1965年に登場した
「ニューSR-7」です。
機能は従来のSR-7と同じく外光式のCdS露出計を搭載し
変わりませんがダイキャストから変更され
少しボディもコンパクトになっています。
おまけに横走りシャッターもミノルタがこの時期に
試行錯誤していたユニット化はいったん諦め
通常のミラーボックス別体の一般的なものになっています。
(横走りのユニット化は後にX系で見事に復活します)
わかりやすく見分けられる部分は露出計の感度切り替えボタンが
上カバー背面からマウント脇に移設された部分です。
さらに底部のSW周りを見るとかなり見覚えのあるSWが…
そうなのです。このニューSR-7のダイキャストは
次世代のSR-T101とほぼ共通なのです。

お預かりしているニューSR-7は
電池室や露出計には問題はありませんが
1/1000から1/250の高速シャッターでシャッター幕が開きません。
正確に言うと1/1000,1/500では全く開かず
1/250では一部しか開きません。
さすがに1/250までダメだと通常の撮影でも
かなり機能を限定されてしまいます。
わかっていれば全く撮れないわけではないですが…
結局のところ先幕の動きが悪いため
後幕に追いつかれてしまい
適正なスリットが作れないことが原因です。
1/1000、1/500に至っては適正なスリットどころか
一瞬さえもスリットは作れず
シャッターが閉じたままで
最初から最初まで走ってしまうということです。
シャッター幕軸の清掃と調速カム部分の
清掃を入念の行った上での調整が必要です。
加えて低速シャッター時のスローガバナには
少々粘りが見られます。
いたることろでやはり動きが悪くなっている状態ですね。


これから本カウ的に分解整備に取り掛かります。
この時期のミノルタ機はプリズム抑え(上画像にも写っています)や
プリズム前面の遮光部にモルトではなく
コルクが使われていて加水分解がなく
プリズム腐食の可能性が非常に低く抑えられています。
X系でもこれを維持してほしかった…(苦笑)

画像には写っていませんが一緒にお預かりしら
オートロッコールPF58mmF1.4レンズは
常に絞り開放で絞りリングをどの位置にしても
絞込みレバーを動かしても絞り羽根が全く出てきません。
たたまれた状態でガッチリ固着しているようです。
そういえば以前、明らかな分解品で
絞り羽根が固着で出てこないのかと分解したら
絞り羽根が全て取り外されてて全くないレンズに遭遇して
真っ青になったことがあったなぁ…(笑
あれ以来、絞り羽根が出てこないレンズ(割とよくある)に
遭遇すると「ほんとに羽根はあるだろうな???」と
心配してしまいます(苦笑)
もちろん今回のオートロッコールはちゃんとありました
油まみれではありましたが…
もちろん清掃整備してスムーズに動作するようになりました。

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コニカオートS2のカメラ修理

今日は3.11ということで
記念日も震災に関するものが大部分を占めるのですが
ここで私が当たり前のことを繰り返しても
しかたないので何か他のネタを…
記念日ではないですが
1992年のこの日に自動販売機の缶ジュース類が
100円から110円に値上げされました。
今でもいろいろな理由で100円で売っている自販機もあるのですが
定価として100円ではなくなったのはここからだったのですよねぇ
それまではキリの良い100円だったのが当たり前だったので
かなり違和感を感じた記憶がありますねぇ(笑
ちなみに100円に設定されたのは1984年で
その後、1992年に110円、1997年に120円
2014年に130円と推移しています。
このあたりを見ても物価上昇のバロメーターとも言えますねぇ
これもそのうち200円とかになるのかな…
それ以上に稼ぎが上がっていればまだいいのですが
お金の価値が落ちていくわけですものねぇ…
まぁ貯金も資産もない私にはあまり関係ないのか…(苦笑)

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
コニカオートSシリーズは同時期に発売されていた
「コニカSシリーズ」にシャッタスピード優先AEを搭載したシリーズです。
「S2」の前身となる「S」は
世界で初めてCdSを受光素子に採用した
シャッター速度優先式自動露光カメラとなりました。
その翌年の1964年にCdSを上カバー巻上側前面から
レンズ上部のフィルター枠内に移動して
レンズフィルターによる露光倍数を補正する必要のなくなった
「オートS2」がデビューします。
その際にレンズも変更され47mmF1.9→45mmF1.8となっています。
この時代ですから少し大柄ではありますが
その分ホールディングしやすくガッチリ造られた
距離計連動カメラです。
シャッタユニットは「S」と同じくコパルSVAで
B・1s~1/500のSSとなっています。

お預かりしている「オートS2」は
お約束のシャッター羽根固着はなくシャッターは切れているのですが
絞り羽根が最少絞りで固まったまま全く動きません。
オートS2の絞り羽根はキヤノネットと同じく
リリース状態のときは絞りリングを操作しても
以前の絞り羽根位置のまま動かないのが正常ですが
巻き上げた瞬間に絞りリングで設定した絞りに
設定されます。オートの場合は開放になります。
マニュアルの場合はレリーズすればそのまま切れますが
オートの場合はレリーズしながら露出計の針を挟み込み
その指針位置によってどこまで絞り込むかが決定されます。
いずれにしても非常に小さな力で
絞り羽根を動かすので汚れや油等の付着があれば
簡単に羽根は固着してしまいます。
製造から60年弱…何もしなければ固着しない方が不思議かもしれません。
さらに今回のオートS2は露出計が全く不動です。
電池室は一見キレイなのですが
そのうらの端子部には緑青がびっしり付着していました。
やはり水銀電池から出るガスでやられるのですね
例え液漏れがなくても全く安心はできません。
配線も腐食してしまっているのでそのあたりも交換で対処します。

画像は一通り整備が終わった状態でのものです。
絞り羽根も露出計も問題なく動作し
オートの精度も全く問題ございません。
カビが発生していたレンズも
クモリが酷かったファインダーもできる限りの清掃を行い
かなりクリアになっています。
ボディの大きさに余裕があることもあり
非常に整備性の良いカメラです。
羽根清掃のためにシャッターユニットを単体で降ろすには
それなりに手間もかかりコツも必要ですが
レンズボード脱着までは非常に簡単に行えます。
この後のC35の登場以降は
ポケットに入るくらいのコンパクトなボディが
もてはやされますが
この時代のしっかり造られた少し大柄なボディの
レンズシャッター機はどれも非常に良くできていて
再評価されても良いと個人的には思います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「東海道・山陽新幹線全通記念日」ですね。
1975(昭和50)年のこの日に「ひかりは西へ」の
キャッチフレーズのもと
山陽新幹線・岡山駅~博多駅間が延伸開業し
山陽新幹線が全線開業しました。
これに伴い、東京駅~博多駅間の新幹線が全線開通しました。
「やっと広島にも新幹線が来た!!!」って
当時は盛り上がっていたのをよく覚えています(当時6歳)
じいさんに「新幹線見に行こうよー」と
やたらとねだっていた記憶が…(笑
この年は我らが広島東洋カープが初優勝した年でもあって
春から秋まで広島は大騒ぎだったと思います…
当時の新幹線は当然ながら0系、懐かしいですねぇ
実際に乗ったのはその数年後だったかなぁ…
じいさん曰く「新幹線はトンネルばかりで面白くないぞ」と
言いくるめられてたなぁ(笑
まぁ確かに山陽新幹線の多くのエリアはそうなのですが…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
なんだかんだでSPの修理多いですねぇ
大半がシャッター走行不良に関連するミラーアップで
今回もそのパターンです。
さらに定番のプリズム腐食も抱えており
こちらはプリズム交換で対応します。
シンプルなユニバーサルマウントであるM42マウントを採用し
使えるレンズもペンタックス製スーパータクマー系はもちろん
世界中のメーカーのいろいなレンズが使用可能です。
単純なねじ込みマウントなので
レンズとボディの絞り情報等の交換は一切ありません
そのため世界で2番目の搭載となったSPのTTL露出計は
絞込測光を採用し実際にレンズを絞り込んだ状態で測光します。
当然、F8やF11、F16に絞り込んでいれば
ファインダーはかなり暗くなるので
開放測光に比べれば不便ですが
その構造のシンプルさはトラブルが比較的少なく
経年も考えれば下手な開放測光より良いとも思えます。
SPの場合はマウント脇にある絞込兼用露出計SWで
絞り込み+露出計の起動を行い
シャッターを切ると絞込解除+露出計オフとなります。
(自動絞り対応レンズ使用時であれば)
慣れてしまえば使い勝手は悪くないと思います。
M42レンズにもいろいろあって
自動絞りに対応していない海外製レンズや古いレンズもありますから
その場合にはもう少しややこしいことになりますが
それでもいろいろなM42レンズで
TTL露出計が使えること自体が偉大だと思います。

講釈を並べるのはこのくらいにしておいて
実際の作業に取り掛かります。
とにかく駆動部分は徹底的に清掃して
動きをよくする処置を行っていきます。
プリズムは交換でファインダー内も徹底的に清掃です。
スクリーンやコンデンサレンズは汚れはあるものの
キズやクモリはないのでかなりクリアなファインダーになると思います。
シャッターは動きさえよくしてやれば
安定して高い精度で動作する状態にできそうです。
もともとの構造がシンプルで丈夫なので
本来の状態にしてやればまだまだ快適に使い続けることができるカメラです。

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キヤノネットQL17のカメラ修理

今日は「レコード針の日」なのだそうですよ。
でもこの「レコード針の日」
そもそも誰がどういう由来で設定したのか
調べても全くわかりません(苦笑)
でも昔からある記念日なのだそうです。
私の家ではレコードはまだバリバリの現役で
一時期はCDしか買わない(買えない)時期も
ありましたがトータルで見ると
少しだけレコードの枚数の方が多いかな…
最近はCDでしか出ていなかったものの
アナログレコードでの復刻盤も出たりしていますから
また新たに購入することもたまにありますねぇ
聴くたびに多少手間はかかりますかが
アナログレコードの音は良いですよ
レコード針やカートリッジに凝り始めると
キリがないですし、そこからプレーヤーやフォノイコライザ、
アンプ・スピーカーへと広がっていくのは明白なので
そこはあえてあまり考えないようにしています(笑
しかし、まだVHSデッキもあるし(最近買いなおした)
カセットデッキも現役だし
もはや音源をメディアで持つ時代ではないのに
このあたりは変えられないですねぇ
それ以前に写真がフィルムメインなのも…(笑

さてさて

本日は「キヤノネットQL17」のカメラ修理です。
「QL17」というとニューキャノネット以降の
小さなほうを思い浮かべる方も多いかと思いますが
今回は「ニュー」ではない「QL17」です。
伝説的な価格破壊で大ヒット商品となった初代キャノネットから
巻上レバーを一般的な上部に移動し
露出計受光部をCdSに変更し
他、レンズ等の細かなマイナーチェンジも行った
「キヤノネットS」をベースに
この時代のキヤノンの「売り」でもある
「クイックローディング」を搭載し
フィルム装填を格段に簡略化したのが
今回の「キヤノネットQL17」です。
1965年の発売です。
初期モデルは上カバーの「Canon」のロゴの下に
「QUICK LOADING」の文字が刻印されており
途中から他モデルにも使われる「QL」のロゴに
変更されます。
今回お預かりの個体は「QUICK LOADING」刻印の初期モデルです。

そのお預かりしている個体ですが
いろいろと問題を抱えています。
まずシャッターが開いたままで固着しています。
シャッター羽根固着自体は定番ですが
「開いたままで…」というのは少ないですね
おそらく単なる羽根固着ではないと思われます。
絞り羽根も固着していて
マニュアルだろうがオートだろうが全く動きません。
そして電池室はかなり激しく腐食していて
緑青で埋め尽くされています。
余談ですがキヤノネットQL17は
使用電池も電池室も生産時期によって異なり
電池蓋がねじ込み式の場合は「MR50」を使用し
バヨネットの場合は「MR9」を使用します。
今回はねじ込み式蓋の「MR50」使用です。
「MR50」だと現在のボタン電池で使用するには
形状の問題で一工夫必要ですね。
レンズ・ファインダーにもカビ・汚れがかなり盛大です。
フルコースで修理・整備が必要な状態です。

でもこのカメラは大きさに余裕があることもあって
整備性はかなり良いほうです。
構えた時の安心感や安定度もこの大きさならではの良さがあるので
この後の「ニューキャノネット系」も良いカメラですが
この頃の少し大柄なキャノネットは
もっと評価されても良いと思います。
何はともあれシャッターユニットから
ひとつひとつトラブルを修理しながら各部の整備を行います。
オート制御部とかファインダー指針連動部とか
非常によく考えられて造られていて
動作している様子を見ているとそれだけでも
楽しくなるようなカメラです。

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リコーフレックスダイヤLのカメラ修理

今日は「メンチカツの日」で「さかなの日」だそうですよ。
近年、揚げ物はあまり大量に食べられなくなってきましたが
メンチカツは1個でももう無理みたいです。
昔は好きだったし、今でも食べている最中は
非常に美味しく食べられるのですが
確実に食べた30分以内に結構強烈な胸やけが起こります(苦笑)
他の揚げ物(天ぷらや唐揚げ)だとそこまでではないし
たくさん食べなければ平気なのですが
メンチカツはダメですねぇ…なぜなんでしょう???
まぁ、何にしろ胃腸が衰えているのは間違いですね(苦笑)
その点、「さかな」は美味しく食べられますねぇ
少し前までは「刺身」が一番で
ご飯のおかずとしてはなく「酒の肴」として大好きだったのですが
最近はご飯のおかずとしての「焼き魚」とかが最高です。
普通のアジやサバでいいのです。
焼き魚があると御飯がいくらでも食べられるような気がします。
あ、それはそれでまたマズいのですが…(苦笑)
干物もいいですよねぇ…気軽に食べられますし
スーパーに行くと最近はいろいろな干物が手に入りますし
もちろん酒の肴としても最高です。
これも油断すると日本酒がいくらでも飲めるので
気をつけないとついつい深酒になってしまいます…
やっぱり日本人は肉より魚ですかねぇ
いや脂が少なければやはり肉も最高ですが…(笑

さてさて

本日は「リコーフレックスダイヤL」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスシリーズといえば
プレスボディで軽量かつシンプルな機能の
「リコーフレックス」が大ヒット商品で本流ですが
途中で追加された「ダイヤシリーズ」は
ダイキャストのしっかりとしたボディを持ち
巻き止め機構や
操作性の良い振り子式のピントレバーを持つ高級機です。
最初に「ダイヤ」が発売となり
その翌年にはフィルター枠にバヨネットが採用され
巻き止め機構もボディ内部にスマートに内蔵された
「ニューダイヤ」にマイナーチェンジされます。
その「ニューダイヤ」にセレン光電池使用の
露出計を搭載し露出設定を当時多かったLV方式にしたのが
今回の「ダイヤL」です。
1957年の発売となります。
シャッターユニットは当時最高級の
セイコーシャMXLで最高速は1/500
レンズはリケノン80mmF3.5で
ビューレンズはF3.2になっています。
セルフコッキングこそ非搭載なものの
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットで
巻き止め解除は巻上ノブ内側を押すタイプで非常に使いやすい形状です。
ダイヤ系のセールスポイントのひとつでもある
振り子式のピントレバーも非常に使いやすく
フレネルレンズを搭載した二眼レフとしては
明るいファインダーとの組み合わせで
非常に気持ちよくピント合わせが行えます。

本来の姿であれば非常に高機能で使い勝手の良い
「リコーフレックスダイヤL」ですが
お預かりしている個体はいろいろと問題を抱えていて
全く撮影に使える状態ではありません。
まずシャッターはチャージできてレリーズできるものの
「カチッ」と音がするだけで
シャッター羽根は全く開きません。
さらにSS設定レバーが激重です。
絞り設定レバーに関してはビクとも動きません。
ファインダーもかなり汚れていて
非常に見えは悪く、レンズにも盛大にカビが発生しています。
唯一、救いなのは劣化していることの多い
セレン光電池がかなり元気で
ほぼ正常な起電ができていることです。

まずシャッター羽根はいつものパターンで固着ですが
その貼り付き具合がかなり強力です。
これからシャッターユニットを降ろしていきますが
これはかなり大変そうです。
絞り設定が動かないのも羽根固着かと思っていましたが
これは予想が外れ
上画像で外している設定レバー側の問題でした
リコーフレックスダイヤはミノルタオートコードとかと同じく
露出設定(SS値・絞り値・LV値)をビューレンズ上部の窓で
一目で確認できる非常に優れた機能を持っていますが
その確認窓のプラスチック製窓がまず変形し
絞り設定表示に密着します。
そして熱等で溶けた絞り値表示の文字が
(SS・LVは刻印ですが絞りのみプリント)
接着剤の役目となり窓と表示板を強烈に接着します
これで絞り設定はビクとも動かなくなっていたわけです。
SS設定側が異様に重いのもこれの影響です。
うーん、何とか復旧させますがこれは困ったな…

レンズのカビやファインダーの汚れは
全く問題なくクリアとなりそうです。
このカメラはセルフタイマーがシャッターユニット外に
独立して配置されているちょっとめずらしいパターンですが
セルフタイマーもがっちり固着していたので
こちらもしっかり整備しておきます。
いろいろ問題は抱えていますが
何とか問題なく快適に使える状態には仕上がりそうです。

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マミヤオートメトラⅡのカメラ修理

今日は「世界一周記念日」なのだそうですよ
1967(昭和42)年のこの日に
日本航空の世界一周西回り路線の営業が始まりました。
記念すべき第1便は12時30分に小雨の羽田空港を出発したのだでそうです。
しかしながらこの世界一周路線
(東京→香港→バンコク→ニューデリー→テヘラン
→カイロ→ローマ→フランクフルト
またはパリ→ロンドン→ニューヨーク→
サンフランシスコ→ホノルル→東京という路線)
5年後には様々な事情で廃止になってしまうのですね。
現在では乗り継ぎ路線での世界一周は可能ではありますが
乗り継ぎなしの世界一周路線は日本にはありません。
若い頃なら海外も含めていろいろ行ってみたいとは
思っていたこともあったけど
もう今更、世界は広すぎますねぇ(笑
日本国内ですら埼玉・茨城・長野より北に
行ったことないのに…(苦笑)
もっといえば都内近郊ですら行こうと思って
行くことのできていない場所がたくさんあるのに…
人間自体がちっぽけなもんですし
人生は思った以上に短いですから
世界も国内も広すぎますよねぇ…

さてさて

本日は「マミヤオートメトラⅡ型」のカメラ修理を行っています。
…以前も何度かここでも書きましたが
1950~60年代のヵメラはモデル名が付いているのにも関わらず
そのモデル名がボディに刻印されていないことも多く
モデル名や機種の判別が非常に難しいものが多いのですが
この一連のマミヤ35シリーズはその典型的なパターンです。
35Ⅰ・35Ⅱから始まり数字やアルファベットのモデル名だったのが
クラウン、エリカ、メトラ、ルビー等の
ペットネームが付くようになったものの
ボディにその刻印は全くナシ…(苦笑)
まぁ私は修理屋なので機種名が具体的に分かっていなくても
分解整備するための構造がわかってさえいれば
モデル名が何であろうとそれほど関係がないのですが
カメラ屋さんは大変でしょうねぇ
私は資料を引っ張り出して確認しないと
この辺りのモデルはぱっと見には全く判別できません…(苦笑)

で、今回、お預かりしているのは
ご依頼者様のお教えとこちらでも調べてみた結果
「オートメトラⅡ型」のようです。
先に画像出しておきます。

この時代、各メーカの主力分野ともいえる
35mm判レンズ固定式レンズシャッターの距離計連動機です。
オートと名前が付きますがいわゆる自動露出の類はありません
ただセレン光電池使用の露出計が搭載されており
鏡胴の絞りリングと連動して露出を合わせるタイプです。
もうひとつのリングでLVを保ったまま
絞りとSSが連動して変更できるタイプです。
この時代に多い設定方法ですね。
個人的にはシンプルにSSと絞りが
独立して動作できるほうが楽ではありますが…慣れの問題でしょうね
シャッターはコパルSVKで最高速は1/500
レンズはセコールF.C.48mmF1.7の大口径レンズです。
これがなかなかの迫力で見ていると吸い込まれそうな感覚です
非常にガッチリと造られた質感の高いカメラです。

お預かりしている個体は一応一通りの動作はしているのですが
若干のシャッターの粘り、ファインダーの汚れ
レンズのカビ等々、細かなトラブルをいくつも抱えているような状態でした。
それでも1960年代初めのカメラということを考えると
かなり状態の良いほうだと思います。
一通りの整備を行いリフレッシュすることで
さらに安心して使っていただける状態になったと思います。

やはりこの時代のカメラはどれもしっかり作られていて
質感も高くていいですね
カメラがまだまだ実用品というよりも
嗜好品である香りを残している時代と言えると思います。

既に整備は完了して時間もおいてある状態で
これから最終チェックを行い問題なければ完成となります。

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