日別アーカイブ: 2025年9月25日

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「骨董の日」だそうですよ。
美術的な価値ある骨董品は知識もないですし
興味もあまりありませんが
その時代のならではの道具とか製品には
心惹かれるものがありますよねぇ…
特に自分が生まれ育った時代に
普通にあったもので今ではあまり見かけなくなったものには
懐かしさもあってついつい手に入れてしまうものも多いです
(もちろん価値的には低いものばかりですが(笑))
何事も現在は進化していると思うので
新しいものが便利で使いやすくて性能も優れているのは
重々にわかってはいるのですが
それでも手間暇かけて使いたいものってありますよね。
フィルムのカメラもそんな部分が大きいと思います。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
これこそもう現在では決して同じようなものは
出てこないカメラかと思います。
当時でも既に孤高の存在であるハーフ判一眼レフで
交換レンズの種類も豊富に存在します。
そしてハーフ判の一眼レフである利点を
最大限に生かすために通常の一眼レフとは異なり
様々な独自の構造を搭載したカメラです。
いつも書いているので詳細な内容は省きますが
その構造ゆえの一眼レフらしからぬ
ペンタプリズムの出っ張りがないボディデザインは
今見ても非常に魅力的です。

オリンパスらしい小型化を最優先した構造で
非常によくできたカメラですが
そのせいもあり多少華奢な部分もあるカメラです。
致命的な問題はありませんが
整備を怠ると割と動作不良が起きやすい部分も存在します。
そのひとつがミラーアップしたまま固着といった状況で
今回おあずかりの「ペンF」もその状態で
当店にやってきました。
ミラー駆動部がこれまた他のカメラではお目にかかれない
少々独特な構造をしていますが
ここが比較的動作不良を起こしやすいカメラです。
もちろん本来の状況ではそういうことも起こりませんが
経年劣化や汚れや古い変質した油脂類の蓄積
反対に油切れ等でこの症状が起こりやすくなります。
とにもかくにも分解して一度キレイに洗浄して
組みなおして最低限の注油を行うことで
本来の動きを取り戻します。
当然ながら動作のおかしな状態で無理して使い続けると
修復不能な大きなトラブルを呼びかねないので
早めの整備が不可欠です。

独特の構造が多く初見では
なにがなんやら…という部分もありますが
基本的には整備性も良いカメラです。
「ペンF」は構造上、ミラーアップしている状態では
通常の一眼レフと違って指でミラーを引き下げることも
できないので受付時にはファインダーの確認ができず
プリズムの状態が少々心配でしたが
今回はプリズムに腐食もなく
ファインダーも清掃でクリアになりそうです。
ロータリシャッター駆動の肝ともいえる
ガバナ部に若干の粘りがあったので
その辺りも含めて入念に整備を行っていきます。

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