日別アーカイブ: 2025年10月20日

キヤノンFXのカメラ修理

今日は「頭髪の日」だそうですよ。
「とう(10)はつ(20)」(頭髪)と読む語呂合わせからで
毎月18日も「とう(10)はつ(8)」(頭髪)と読む語呂合わせで
同じく「頭髪の日」となっているそうです。
関連して「ヘアブラシの日」でもあるようです。
中学生や高校生の頃は髪ばかり
四六時中気にしてましたねぇ(苦笑)
髪型決まったからってたいしたことなかったのに…
手鏡と小さなヘアブラシは
常に制服のポケットの中に入ってましたし
高校生になると背伸びして美容院に行って
髪立たせるために根元パーマして
ヘアマニキュアとか入れましたねぇ…
これもたいして変わらんのに(笑
まぁ思春期だからしょうがないですね
それに比べると今は気にしなさすぎでマズいですね…(苦笑
さすがに白髪が増えてきてこれは気になるので
白髪染めだけは自分でしていますがそのくらいです。
いつまで頭髪があるかも怪しいので
もう少し気にかけて
大事に付き合っていきたいと思います…

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
数多くの名機を生み出した
「キヤノンFシリーズ」の初代機です。
FLマウントの1号機ともいえますね。
1964年発売のカメラです。
後に出てくるFDマウントの「F-1」や「FTb」も
巻上やシャッター駆動部等の機械的部分は
この「FX」がベースになっています。
前シリーズの「Rシリーズ」であまり成功したとは言えなかった
キヤノンが巻き返しを図る1歩目となるカメラです。
マウントはFLマウントですが後のFDマウントは
開放測光に対応するためなので
レンズ装着自体はFLマウントも
FDマウントも互換性があります。
露出計が内蔵されますがまだTTLではなく
外光式で巻き戻し側の肩部分に受光窓があります。
High/Lowの感度切り替えが可能です。
シャッタースピードダイヤル連動の露出計指示を見て
絞りを合わせる方式です。

お預かりしている「FX」は
今回もかなり長い間使われずに
しまい込まれていたものと思われます。
保存環境もあまりよくなかったようで
外装にも錆びや緑青が見られます。
電池室には当時の水銀電池が入ったままで
電池室蓋もかなり強烈に固着しています。
シャッターはとりあえず切れますが
レリーズするとミラーがゆっくり上がろうとして
途中で止まってしまいます。
指で押してやると何とかミラーアップして
シャッターが切れるような状態です。
シャッター音も明らかに油切れの耳障りな音がして
巻上も油切れでギシギシしている感じです。
不思議なことにこの状況でも
「FX」の大半で発生しているプリズム腐食が
あまり進んでいません。
「FX」のプリズム腐食は「FT」や「FTb」のように
プリズム抑えのモルトに起因するものではなく
(プリズム抑えにはコルクが使われています)
蒸着の劣化が原因ですが
8割がた以上の個体で視野の大半を邪魔する
腐食が見られます。
今回の「FX」は今のところ
わずかな点腐食のみにとどまっています。
個体差なのでしょうね。

画像は取り掛かり始めのモノです。
露出計指針表示の窓に絞り値表示板があり
これがシャッターダイヤルに連動して動くのですが
シャッターダイヤルを回しても
表示板が動きません…
「これは…まぁそうだろうな…」とは思いましたが
上カバーを開けてみると
シャッターダイヤルと表示板を繋ぐ銅の帯が外れてしまっていました。
連結は単純にハンダ付けで行われているので
ハンダの劣化で外れることがまれにあります。
帯自体は切れていないのが不幸中の幸いでした。
機械的駆動部のいたるところに動作不良が見られる状態ですが
入念に分解整備を行っていきます。
何かが破損してるわけではないので
キチンと清掃整備調整すれば
問題なく気持ちよく使える状態に仕上がると思います。

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