ミノルタオートコードLのカメラ修理

今日は「こどもの日」でもあり
二十四節気でいうところの「立夏」でもありますね。
暦の上では夏到来です!
。。。とはいえ昨日から今朝にかけては
妙に冷え込みましたねぇ。。。
自宅では毛布がいまだ大活躍です。
(実は真夏でも冷房かけて毛布使うのですが。。。。(笑))

さてさて

本日は「ミノルタオートコードL」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフの最高峰とも言われるカメラですね。
オートコードも生産時期によって何種類かあるのですが
今回、お預かりしているのは
セレン光電池式露出計を装備した「L」です。
基本的には前期型オートコードと共通です。
発売は1955年です。

お預かりしているオートコードLは
シャッターの粘りにスロー固着、といった
レンズシャッター定番のトラブルに加え
フィルムカウンターの動作が少々おかしいようです。
オートコードはスタートマーク合わせ式のセミオートマットで
カウンターは自動復元式です。
これがリセットされることもあればされないこともあるようです。
さらにカウンターそのものも動作したりしなかったりです。
カウンター周りの部品の動きがどうも悪いようです。

今回の修理が何が大変かというと
ほんの少しでも油断すると破れてしまう貼り革剥がしですね。。。
今回はうまくいきましたが
基本的に二眼レフやスプリングカメラは革を剥がす場合は
貼り替え前提となります。
やはりカウンターをロックする部品の動作不良が
今回のトラブルの原因でした。

ところで、少々話が逸れますが
オートコードのカウンターリセットについて書いておきます。
意外と知らない方も多いのではないかとふと思ったので。。。。

まずフィルム装填時には
カウンターは必ず「▼」マークになっていなければいけません。
ここで「▼」になっていないと1枚目にうまく合わせられず
最悪の場合、高価な120フィルムを
全て巻き取ってしまうことにもなりかねません。

で、カウンターリセットの方法なのですが
その前のフィルムを正しく取り出していれば必ず
「▼」マークに自動復元されているはずです。

フィルムを正しく巻いているときは
12枚目(最後のコマ)が終わるとカウンターは「◎」マークになり
どこまでも巻ける状態になります。
フィルムを全て巻き取ったら

「最後に必ずクランクを逆に1回転させて格納位置に戻します」

これで裏蓋を開けるとカウンターは「▼」にリセットされるはずです。
(機械的に正常な状態であれば)
クランクの位置が格納位置でなかったり
最後に逆転させていない場合はリセットされません。
今回、念のためオートコードの説明書も出してみたのですが
説明書にもそう書いてあります。
ネット上でクランク脇にある多重露光レバーが
カウンターリセットを兼ねている。。。なんて書かれている場合がありますが
多重露光レバーでカウンターリセットできる場合もありますが
それは本来の使い方ではなくリセットされない場合もあります。
カウンターがリセットされていない場合は
裏蓋を閉めてクランクを1回逆転させてから再度裏蓋を開けましょう。
それよりもその前にフィルムを取り出す際に
必ず1回逆転させておきましょう。

説明書もなく中古で使い始めた方は
きっと知らない方も多いかと思います。
と言っている私も
祖父のオートコードを使い始めたばかりの頃
これを知らなくて何本かフィルムを無駄にしたことがあったので。。。(汗)

さて、話が随分、逸れてしまいました。
巻上部の問題はクリアになったので
これからシャッターユニットの分解整備に取り掛かります。

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