ペンタックスSPのカメラ修理

今日は8月12日、語呂合わせで
「ハイジの日」だそうです。
「アルプスの少女ハイジ」のことですね。
今でも某家庭教師のCMで
ハイジはもちろん、クララやおんじやゼーゼマンがを
頻繁にテレビで見かけますね。
1974年に放映されたアニメですから
私が5歳のときなのですが毎週欠かさず見ていました。
さすがに記憶は途切れ途切れになってしまっていますが
とにかく白パンとチーズが美味しそうだったのが
強烈に記憶に残ってるなぁ(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPも修理依頼の多いカメラですね。
当時めちゃくちゃ売れたカメラであり
現存台数が多いことに加え
シンプルで使いやすくM42マウントということもあり
ペンタックス製だけではなく色々なレンズが使え
現在でも非常に人気の高いカメラです。

ただし発売開始は1964年です。
もう既に50年以上が経過しています。
当然のことながら当時から全く未整備のものは
まず間違いなく何らかのトラブルを抱えています。

多いトラブルとしてわかりやすいのは
まず、プリズム腐食でしょうか。。。
ファインダー視野内の横方向に黒い線が見えるようになります。
これはプリズムをぐるっと囲むように貼られている
モルトプレーンの加水分解が原因です。
次にシャッター幕の走行不良。。。
これが原因でミラーアップしたままになってしまうことも多いです。
軽いものだと測定機にかけてみないとわからないようなものもありますが
酷いものだと高速シャッターが開かない
写真の片方だけ暗くなるあるいは片方だけ写らないなんてことになります。
シャッター幕軸の汚れ等でシャッタースピードが狂ってしまうことが原因です。
あとはSPに限ったことではないですが
やはり露出計関連のトラブルが多いと思います。

今回、お預かりしているSPは
シャッター幕の走行不良です。
1/1000だとシャッターがほぼ開きません。
走り終わり寸前にかろうじて1/3000くらい開くといった感じです。
1/500だと何とか開くのですが
走り始めが1/1000、真ん中で1/800、走り終わりで1/250といった感じです。
写らなくはないでしょうが写真の両端で2段違うと
明らかに明るさに差がでてしまうと思います。
後幕の速度が異常に遅いことが原因ですが
無理に後幕のテンションだけ上げても根本的な解決にはなりません。
シャッター幕やバネに負担をかけて寿命を短くしてしまうだけです。
幕軸の汚れをなくし、適度な注油を行えば改善すると思われます。

写真は分解途中のものですが、この後、ミラーボックスを外して
シャッター機構の整備を行いました。
幕軸を中心に動作部分を清掃し注油していくわけですが
この作業だけでシャッタースピードは劇的に改善しました。
もちろん最終的にはテンション調整も行い
精度を上げていくのですが
必要以上にはテンションを上げないように注意します。

並行してミラー駆動部、巻上部、ファインダー清掃
露出計周りの整備を行います。
少し時間をおいて動きが安定してから
最終調整を行って完成となります。

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