キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「山の日」ですね!
気がつくとながらく山にも登っていませんね。。。
昨年夏と秋に千畳敷カールには行きましたが
これは山登りというほどではないから。。。
昨年GWの雲取山が最後かな(苦笑)
この季節に2000m以上の山に登ると
風が爽やかで本当に気持ちよいのですよねぇ。。。
歩いている最中はさすがに暑いのですが
それでも下界の暑さに比べりゃ心地よい汗です。
すっかり体力落ちてしまっているから
身体作りから始めなきゃダメかもしれません(汗)

さてさて

本日はキャノンA-1のカメラ修理を行っています。
「カメラロボット」と言われた当時の最先端の電子制御技術を
惜しげもなく積み込んだ高級機です。
開発に関して当時のカメラ開発部門のみならず
計算機事業部やキヤノン電子からも技術者が参加したそうです。
発売は1978年です。
これだけの電子制御カメラなので
正直言うと修理不能な場合も多々ございます。
ファインダーない液晶にエラーが出てしまうような個体だと
当店では残念ながらお手上げです。

今回、お預かりしているA-1は
Aシリーズ全モデル共通の定番トラブルである
シャッター鳴きが起こっています。
シャッター鳴きといいますが正確には
ミラー駆動部のギアの油切れによって起きる症状です。
放置しておくとミラーの動作がだんだん遅くなり
最後にはシャッターが切れなくなってしまいます。
シャッター鳴きの始まった個体は
早めに対処しておいたほうがよろしいかと思います。
原因のギアに清掃して注油を行えば直るのですが
すぐそばに電気接点もあるのでここには油厳禁です。
よくわからないなままに原因のギア周辺に
注油を必要以上にしてしまうと
電源が一切入らなくなることもございます。
シャッター鳴きの対処方法はネット上にもたくさん溢れていますが
もしご自分で挑戦する場合は
くれぐれも注油する場所と量にご注意ください。

お預かりの個体はそれだけではなく
露出計、オート共に随分オーバー目に狂ってしまっています。
2段前後といったとことろでしょうか。。。
これもA-1に多い症状ですね。
酷いものになると3段以上オーバーというものも見かけます。

当時、最先端の電子制御機とはいえ
発売開始から今年で丁度40年です。
電子基板そのものはまだ問題がない場合でも
各接点や機械部分のトラブルも多くなってくる時期です。
一通りの分解を行って
機械で動作している部分は清掃・注油
電気接点は清掃でこちらは油分が付着していれば
徹底的に取り除きます。

写真は整備完了後です。少し様子見をしてから
最終チェック及び調整を行います。
シャッター、巻上、ミラー、
それぞれ非常にスムーズに動作するようになりました。
露出計・オートもバッチリ精度が出ています。

いかにもキヤノンらしいカッコよさですね。
当たり前なのですが
やはりA-1にはNewFDレンズが似合います。
A-1が発売されたのは私が小学生の頃ですが
中学生の頃に「カッコいいカメラだなぁ。。。」と思っていたのを
今でも覚えています。それほどインパクトのあるカメラでした。

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