ミノルタXEのカメラ修理

今日は「左利きの日」だそうですよ!
日本には独自に2月10日が
「左利きの日」あるいは「左利きグッズの日」というのもあるのですが
世界的にはこっちなのだそうです。
えっと。。。お会いした方はお気づきだと思いますが
私も左利きなのです。
お箸も書くこともほぼ全て左です。
でも確かに世の中は右利きを基本に色々なものが
作られていますから多少「あれ?」と思うこともありますね。
(そんなに大した問題じゃないことがほとんどですが)
例えば定食屋さんとかで配膳される
食器の並びとかも右利き前提で並べられています。
ちょっと食べにくいから並びをひっくり返したりしていますが。。。(笑)
小学生の頃にじいさんばあさんが一生懸命
右利きに直そうとあれこれしてくれたのですが
残念ながら手遅れだったようです(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
ちっと久しぶりの登場ですね。
1974年に発売された中級機です。
ライツ・ミノルタ・コパルの3社で共同開発した
コパルライツシャッターと呼ばれる
縦走り金属幕シャッターを搭載し
当時からその操作性の評価が非常に高かったカメラです。
何といっても一番の特徴は
巻上レバーの滑らかさだと思いますが
その巻上の素晴らしさもライツコパルシャッターの構造が
大きく作用しています。
当時のミノルタのトップモデルはXシリーズ第一弾となる
X-1ですが使い心地の面でXEはX-1を凌駕していると思います。
発売から2年後にこのXEをベースとしたライカR3が発売されました。

XEといえば最大の困ったトラブルが
プリズムの腐食です。
酷いものになると
ファインダー視野内下1/3が真っ黒になってしまいます。
プリズム前面にモルトが貼られている為
加水分解でプリズムの蒸着を剥がしてしまうのです。
正直言って腐食の全くないプリズムを探すのが
大変困難になってきました。。。
SRTシリーズは同じ場所に腐食しない素材を使っています。
ここはXEも同様にしてほしかったところです。
ちなみにSRTシリーズを含む他機種との
プリズム互換性はありません。

今回、お預かりしているXEは
幸運なことにプリズム腐食はほぼありません。
。。。とはいえ、プリズム前面には加水分解の始まった
モルトが残っておりこのままにしておくと
いずれプリズム腐食が始まってしまいます。
(正確に言うと既に外側の塗装は腐食が始まっています。)
今回はこれ以上、腐食が進まないように対処いたします。

加えてこれも大半のXEで問題となっている
露出計のトラブルです。
今回はまだマシなほうなのですが
レンズの絞りを動かすと露出計が非常に不安定な動きをします。
原因は巻き戻しクランク下の摺動抵抗です。
円盤状になっており上面がフィルム感度に対応した抵抗
下面が絞り・SSに対応した抵抗となっています。
劣化するのは大抵下面で
これも酷いものになると露出計指針が上に振り切ったままになってしまいます。
軽度なものは清掃で復活しますが
重症になると交換しか手段がありません。
今回は清掃で問題ない状態に復活させることができました。

さらに、これもXEで定番のX・B以外の電子制御シャッターで
ミラーアップしたままになってしまうというトラブル
今回は常時ではなく
たまにミラーアップしたままになってしまうという状態です。
このトラブルの原因は各接点の接触不良だったり
基板内トラブルだったり色々な原因が考えられるのですが
(修理不能の場合も結構な確率であります)
今回は基板へ供給される電圧の不足が原因です。
ハンダ付けの劣化で電圧が低下し
電池切れと同じような状態になることが原因のようです。

致命的なトラブルはなかったものの
定番トラブルの初期症状がいろいろ出ている状態のXEでした。
この段階で処置しておけば当分は安心して使えると思います。
余談ですがXEのペンタプリズムカバーは樹脂製です。
その下にメインの基板が鎮座し放熱性を高めるためだそうです。
ボディカラーが黒だと普通ですが
シルバーだとツートンカラーになります。
それもまた何ともカッコ良いのですが。。。
個人的にも好きなカメラで自分用に4台確保しています。
最近使っていないので
もう少し涼しくなったらまた活躍させようと思います。