コニカオートS2のカメラ修理

今日は「世界渡り鳥デー」なのだそうです。
地図も何もなしに自分の翼だけで
非常に遠いところに移動する渡り鳥ってすごいですよねぇ。。。
これからの季節の日本だと
北からやってくるカモやハクチョウ、ツルあたりが有名ですよね。
渡り鳥の中でもキョクアジサシ(北極圏と南極圏を白夜を求めて渡る)
ハシボソミズナギドリ(オートラリアから北太平洋を1周して戻ってくる)
とかになると1年の総移動距離が3万キロを超えるそうです。
すごいですよねぇ。。。
でも日本語の例えだと渡り鳥って「根無し草」と一緒で
あまり良い意味で使われないことも多いのが
ちょっと残念です(笑)

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
ベースとなった「コニカSシリーズ」にシャッタースピード優先AEを
搭載したカメラです。
最初に登場したのが「オートS」でその翌年(1964年)に
登場したのが今回の「オートS2」です。
レンズはヘキサノン45mmF1.8が装着され
受光体(CdS)はレンズの上に移動されました。
これによりフィルターを使った場合とかにも
露出倍数を気にしなくてよくなったわけですね。

お預かりしている「オートS2」は
巻上レバーはロックしたままの状態で
レリーズボタンを押してもうんともすんともいいません。
おそらくガッチリとシャッター羽根が
固着しているのではないかと予想します。
絞り羽根も同様で最小絞りのまま
絞りリングを動かしても全く羽根は動きません。
以前に何度も書きましたが
こういうときは絞りリングをこれ以上動かすのは危険です。
リングは最小絞りに合わせておいて作業に取り掛かりましょう
露出計も電池を入れても全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
露出計に関してはこういう場合は
電池室周りの腐食とか断線が最も多い原因ですが。。。。

まずは露出計不動の原因を探っておきます。
電池室は電池も抜いて保存してあったようで
キレイな状態です。
電池室周りのハンダ付けやSW類にも問題は見当たりません。
CdSも細かい精度はともかく抵抗値にさしたる問題は見当たりません。。。
。。。ということは。。。テスターを使って
露出計本体に直接電圧をかけてみますが
全く反応がありません。。。
うーん、メーター本体内部の断線のようです。
このタイプのカメラで露出計不動の原因の8割以上は
電池室からの電源が本体に供給されないことが原因なのですが。。。
最近、露出計本体のトラブルが妙に多いですねぇ。。。
今回は部品取用の個体からメーター本体を移植して対応します。
シャッター、絞りの不動は予想通り羽根固着のようです。
これからレンズボードを外して羽根清掃を行っていきます。

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