アイレスフレックスのカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910年(明治43年)のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが完成したのだそうです。
それ以前にも日本には「長屋」があったから
集合住宅自体はあったとは思いますが。。。。
ちなみに私が生まれ育ったのも3件が同じ屋根の下の長屋でした。
で、19歳から一人暮らしでずっとアパート暮らし。。。
うーん、一生、一戸建てには縁がないようです(笑)
まぁ、一人暮らしですからね。アパートで十分なのですが。。。
でも年取ると気軽に引越しできなくなるから
将来的に今の仕事ができなくなったら
地元でぼろい家を探して終の棲家とするのもいいかもしれません。。。
(でもきっと都内から離れられないだろうなぁ。。。)

さてさて

本日は「アイレスフレックス」のカメラ修理を行っています。
1950年代に「頭文字AからZまでカメラメーカーが存在した」といわれる時代に
発売されていた二眼レフです。
製造元であるアイレス写真機製作所は前身はヤルー光学というメーカーで
ヤルーフレックスという6x6判二眼レフや
ヤルー35というめずらしい35mm判二眼レフを製造していました。
アイレス写真機製作所は二眼レフのアイレスフレックスだけではなく
35mm判レンズ固定式カメラであるアイレス35シリーズや
レンズシャッター式一眼レフであるアイレスペンタ35等を製造していました。
アイレスフレックスもいろいろな種類があり
搭載レンズやシャッターユニットにもバリエーションがいろいろ存在します。

お預かりしているアイレスフレックスはおそらくU型だと思われます。
レンズはアイレス・コーラル7.5cmF3.5
搭載されるシャッターユニットはコパル製で
最高速は1/300です。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットで
セルフッコッキングはありません。
おそらくかなり長い間仕舞いこまれていた個体だと思われます。
シャッターは動作していますがシャッター羽根は粘り気味
絞りレバーも少し重いのでこちらも粘りだと思われます。
レンズにはかなりカビが発生しており
このまま使うとかなり画質に影響。。。どころか
まともに写らないのではと思われます。
ファインダースクリーンはクモリまくりで
お約束のファインダーミラーはやはり交換しないとダメなレベルです。
。。。とはいえ致命的なトラブルはない様子で
しっかり整備してやればきちんと使えるカメラになりそうです。

一番心配されたのはやはりレンズの状態ですが
もともとあった前玉の拭き傷は残ったものの
カビはキレイに除去できました。
これであれば通常の写真に全く問題と思われます。
酷い汚れだったファインダーも非常にクリアになり
ミラー交換の恩恵もあって快適にピント合わせが行えます。
シャッター、絞りも軽快に動作します。
巻止めもカウンターもしっかり機能しています。
ローライコードをお手本にした国産二眼レフは
このアイレスフレックスを含めてたくさん存在しますが
どれも個性があって非常にいいですね。
一眼レフを大量に集めたいとはあまり思いませんが
二眼レフはこうやって手をかけるたびに
集めたい衝動が湧き上がってきて困ります(笑)

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