日別アーカイブ: 2025年8月20日

コニカⅢのカメラ修理

今日は「蚊の日」だそうですよ。
まさに蚊の季節真っ盛りですものねぇ…と思ったら
季節は関係なく
1897(明治30)年のこの日に
イギリスの細菌学者ロナルド・ロスが
羽斑蚊(ハマダラカ)類の蚊の胃の中から
マラリアの原虫を発見したことに由来しているのだそうです。
蚊に刺されただけでも痒くて本当に困りますが
蚊はマラリアやフィラリア、日本脳炎、デング熱、
黄熱、ジカ熱などの感染症を媒介します。怖いですよねぇ…
蚊が媒介する病気で亡くなる人は
1年間で約80万人以上ともされ
蚊は地球上で人を最も殺している生物でもあるそうです。
先日、山の中にある墓参りに行きましたが
やはり結構刺されました…気をつけなければいけませんね。
仕事場も全く無警戒にしていると
意外とと蚊が出るので夏の間は蚊取り線香は欠かせません…
蚊取り線香の香りは風情があっていいのですが…

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っております。
1956年発売のカメラですね。
前作の「Ⅱ」から「Ⅲ」モデルチェンジされて
鏡胴は完全に固定になりましたが
ついにセルフコッキングが搭載され非常に使いやすくなりました。
フィルムカウンターも自動復元です。
巻上レバーは鏡胴から生えている少し変わったレイアウトです。
これを2回巻上でシャッターチャージとフィルム送りを同時に行います。
現座オンする個体では未整備で巻上が重いものが多いですが
本来は非常に軽やかな動きの巻上レバーです。
これをリズミカルに2回巻上して撮影するのはかなり楽しいと思います。
搭載されるレンズはヘキサノン48mmF2です。
非常に優れた写りをするレンズです。

お預かりしている「Ⅲ」は正確には露出設定にLV設定が導入され
それに伴いシャッターユニットもセイコーシャMXLに変更された
「コニカⅢL1」です(1957年発売)
「Ⅲ」でよく見かけるのはほぼこの「L1」か
さらに露出設定リングが小変更された「L2」で
初期の「Ⅲ」を見かけることはあまりないかと思います。
今回の「Ⅲ」はセルフタイマーがかかった状態で
タイマーが完全に固着していてどうにも動かない状態です。
セルフタイマーのトラブルは比較的「Ⅲ」に多いですね。
セルフタイマー機構はシャッターユニット内ではなく
ボディ側に配置されています。
そしてその整備性が非常に悪いです(苦笑)
その上、セルフタイマー自体が破損していると
その部分の交換は非常に困難です。
かなり強烈に固着していて少々のことでは動かない状態でした。
何とか固着は改善してやっとシャッターが切れるようになったものの
今度はシャッター羽根がいつものごとくかなり粘っていて
話にならない状態でした。ここはまぁ予想通りですが…

既に一通りの整備が完了した状態です。
シャッターは非常にスムーズに高速から低速まで動作します。
ファインダーの二重像ズレも解消され
レンズも非常にクリアになっています。
これから最終チェックを行って問題なければ完成となります。

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