オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は2月8日で「御事始め」ですね。
農作業が始まり1年の営みがj始まる日ということです。
ついこの間、「御事納め」(12月8日)のことを
書いたような気がするのですが
もうお正月を挟んで2ヶ月経つのですね。。。
農作業の営み的には今日が「御事始め」なのですが
関東の一部ではお正月の儀式を始める
12月8日を「御事始め」として
今日を「御事納め」とすることもあるそうです。
ちなみに12月8日や2月8日のいわゆる「事八日」に
針供養を行う地域も多いのだそうです。
なかなかこういう古来からの年中行事は
現在社会では存在意義が薄くなりがちですが
忘れないようにしたいですね。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
世界初のハーフ判一眼レフでもある「ペンF」に
内蔵露出計を取り付けセルフタイマーを装備し
巻上げも2回巻から1回巻上に変更されたモデルです。
基本的な構造はペンFと同様ではありますが
細かい仕様にはかなり変更点があり
使われている部品も意外と異なります。
露出計は本来通常のミラーが付けられている
大三反射鏡をハーフミラーとすることで
受光体(CdS)に光を取り込みます。
そのため通常のペンFよりは少しばかり
ファインダーは暗く見えてしまいます。
ファインダー内に露出計の指針が見え
それが指示する値はTTLナンバーと呼ばれ
対応するズイコーレンズの絞りリングに刻まれた
TTLナンバーを合わせることで露出を設定します。
内部の構造も使い方も独特なカメラといって良いと思います。

お預かりしている「ペンFT」は撮影中に
ミラーアップしたままになってしまい
そのまま何もできなくなってしまったようです。
ペンF系はミラー駆動部も構造が独特で
ミラーアップしたままになってしまうトラブルの多いカメラです。
大抵はミラー駆動部の動作不良が原因です。
今回はミラー駆動部の問題はもちろんですが
ミラーも外れかかっていたようで
それがトラブルの引き金にもなったようです。
お預かり時にミラーアップした状態だったので
ファインダーの見えはチェックできてなかったのですが
ハーフミラ蒸着面がかなり剥離してしてしまっていて
ファインダー内に黒い薄い点がたくさん見えるような状態だったようです。
今回はハーフミラー交換でそこも修理しています。

ルックスもかなり独特なカメラですが
先述したミラー駆動部やロータリーシャッター
独特の経路を通って接眼レンズまで光を導く
ファインダーだったり
通常の一眼レフとは全く構造の異なるカメラです。
ある意味、非常にオリンパスらしいカメラといえると思います。
写真は一通り整備が完了した状態で撮影したもので
少し時間を置いてから最終チェックを行い完成となります。
撮影真っ最中のトラブルでかなり困惑されたのではないかと思いますが
これからは安心して使っていただけると思います。

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