オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」です。
「しょうせつ」です。「こゆき」だと
よしこがモノマネしている女優さんになってしまいます。
いや、本物の小雪さんは非常に綺麗な方で
その話題でも全然いいのですが。。。。
「しょうせつ」は「わずかながら雪が降り始めるころ」ということですが
そもそも二十四節気は中国の内陸部の気候がベースとなっているので
関東地方で当てはめようとすると少しズレがありますよね。
雪どころかここのところは妙に暖かい日が続いていて
今日も日差しがさせばかなり暖かそうな天気です。
まだ11月ですものね、冬というよりはまだ晩秋です。
本格的に寒くなるのは年明け以降でしょうから
それまではお店の暖房もなるべく入れずに頑張ります。
(もちろん今シーズンはまだ入れていません)
エアコン入れてオイルヒーターまで入れる時期になると
光熱費が跳ね上がるのですよねぇ。。。(苦笑)

さてさて

本日はオリンパスOM-1のカメラ修理を行っています。
今月は。。OM-1の修理は2回目ですかね。
今回もブラックの精悍なOM-1です。
生産時期としては前期の後期というべきか。。。
MDモデルになる前のモデルですが最初期モデルではなく
フィルム室のスタッドは2本で圧版も横長のタイプです。
かなり多くの数が生産されたタイプですが
この時期のブラックも比較的少ないのではないかと思います。
OM-1も1Nが出るまで長く生産されたカメラですので
生産時期によって細かい変更がかなりされています。
余談ですがこの辺りの仕様をある程度はわかっていないと
部品交換を部品取り個体から移植しようとしても
合わないなんて事態が発生します。

お預かりしているOM-1はご依頼者様が
最近、入手された個体のようです。
ブラック塗装のボディのコンディションは比較的良い状態で
お預かり時の時点でもかなりキレイです。
定番のプリズム腐食もなく
若干のゴミの混入や多少の接眼レンズ・プリズムの汚れはありますが
ファインダーもまずまず良い状態です。
シャッター・露出計共に一通り動作していますが
幕軸や底部三連ギアの汚れによる若干の粘りだと思われますが
高速シャッターの精度が悪い上に
シャッターを切るたびにかなりのばらつきがあり不安定です。
あとは細かい部分ですがセルフタイマー基部の樹脂部品に割れがあり
とりあえず接着してあるとのことです。
ここは樹脂が劣化していて割れやすいのですよねぇ
ネジを少し締めすぎると簡単に割れてしまいます。
今回は中古良品の部品と交換で対応いたします。
この時代の樹脂がそもそもそうなのかコストの問題でそうなったのか
ちょっとわからないのですが
OMの樹脂類はニコンやキヤノンに比べると
少し脆いのではないかと思われます。
いや、もちろん、現行機種だった頃は全く問題ない強度だったと思われますが
経年劣化で少し脆くなりやすい材質なのではないかと思います。
話が逸れますがフジカST系も同じような時代のカメラですが
こちらはさらに樹脂類が脆く整備時にかなり神経を使います。

プリズムは一度腐食して交換されているようです。
腐食対策に加水分解しにくい材質の遮光材に交換もされています。
OMは基本的にはしっかりできているカメラなのですが
その軽量コンパクトさを実現するために
少々、まめにメンテナンスを行わないとならない部分もございます。
よく整備に入るカメラはトラブルの起こりやすい場所も
大体わかってくるのでお預かり時にはちゃんと動作していても
「せっかくバラすのだから
あそことそことここはチェックしておかないとな」みたいな部分があるのですが
そのチェック箇所がOMは他のカメラ比べても
正直言って多いです。
もちろん、そのチェック箇所やウィークポイントをしっかり押さえておけば
独特の官能的な使用感も含めてまだまだ楽しめるカメラでもあります。
今回も申し分ない状態に仕上げることができそうです。
安心して使える状態でご依頼者様には
存分に楽しんでいただきたいと思います。

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