ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「啓蟄」ですね。
大地が温まり冬眠をしていた地中の虫が
春の陽気に誘われて穴から出てくる頃と言われています。
春本番まであと少しという感じですね。
確かに随分暖かくなりましたが
まだ寒の戻りもあるようですし
寒暖差で体調を崩さないように気をつけましょう
次の節気はいよいよ「春分(3月20日)」で
この頃になると正に春真っ盛りになるはずです。あと少しですね。
ついこの間、お正月だと思っていたら
もう3月…月日の経つのは本当に早いですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-T101も毎月コンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ミノルタSRシリーズでおそらく最も売れたカメラで
最も長く作られたカメラです。
ミノルタ初のTTL測光の露出計を装備したカメラです。
はっきり調べたわけではありませんが
SR-Tの「T」はTTLからきっと取ったものだと思われます。
では何で「101」なんでしょうねぇ
ちなみにそれまでのモデル名の変遷は
SR-2、SR-3、SR-7(並行してSR-1)といった感じです。
TTL開放測光を採用したことにより
レンズ群も絞り伝達機構を持つ「MCロッコール」に一新したので
これまでのネーミングの流れとは
異なるものにしたのかもしれません。

お預かりしているSR-T101は
このカメラにしてはめずらしくシャッターが切れません。
SRシリーズのシャッターは非常に丈夫に作られていて
油切れで動きが悪かろうがなんだろうが
精度はともかくとしてもとりあえずはシャッターは
動作しているものが大半かと思われます。
動きのしんどいところを
健気に動いているだけではあるのですが…

今回のSR-Tは幕の位置から判断した感じでは
シャッターはチャージされている状態です。
レリーズボタンは押せる状態ですが
うんともすんとも何も動きません。
上の写真でも良く見ればわかるのですが
レンズ連動部の絞込レバーが絞込の位置で
止まっています。でもミラーアップはしていないのですね…
ちなみにマウント横にある絞込ボタンは押しても
元に位置に戻ってきます。
この絞込ボタンは正常の状態でも
ミラーチャージがされていないと絞込にすることはできません。
つまり巻き上げているときだけ有効なボタンです。
以上の現象から判断すると
おそらくシャッターはチャージされているのに
ミラーチャージがされていない状態だと思われます。
で、レリーズはしたのですがミラーがチャージされていないので
ミラーアップされずシャッターも動かない状態かと思います。
おそらく底部から強制的にミラーチャージしてしまえば
シャッターはとりあえず切れるかと思われます。
(実際にこの後、とりあえず切ることはできました)
ミラー駆動部の動作不良でミラーチャージロックが
できなかったことが原因かと思われます。
ミラー駆動部の整備を行わなければ
なんどでも同じことが起こると思われます。
シャッターが切れるちょうになったところで
とりあえずシャッタースピードの精度も現状チェックしたのですが
やはり幕軸の動きも悪く高速シャッターでは
先幕・後幕のバランスが全く取れておらず
結構な露光ムラが出るような状態です。

問題点と対処法がある程度、わかったところで本格的に
修理・整備に取り掛かります。
今回のように分解に入る前に原因と対処法が
ある程度わかっていいる状態であれば
比較的、整備は順調に進められます。
これが電子制御機等で
分解しながら原因と対処法を探る場合は
時間もかかるし手探りで大変な作業になりがちです。
そういう点でもSR-Tあたりは整備性の良いカメラで
露出計周りはともかく機械的部分で
予想外のトラブルが起こる可能性の低いカメラです。

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