コニカオートS2のカメラ修理

はい!2023年は本日から通常営業いたします。
いろいろとややこしい世の中ですが
コツコツと地味に仕事をしていきますので
よろしくお願い申し上げます。

今日は「ホームセキュリティの日」だそうですよ。
昔から空き巣とかは確かにあったけど
ほら最近はバイクとかクルマとか
特に再販価値のあるものを持っていると
組織的にゴッソリやられるじゃないですか…
あーゆーのは昔はなかったですよねぇ
まぁ昔は自宅にそんな価値のあるものがなかった時代ですが…
以前にもここで書いたことがあるような気がしますが
私が子供の頃は
在宅していれば家に鍵が掛かっていないのは当たり前…
ちょっとした買い物で30分くらい家空けるっていっても
鍵を掛けずにそのままでかけちゃうというのも普通でしたねぇ…
で、例えば子供の私が友達の家に遊びに行って
家に誰もいなくて鍵が開いてたら
いちおう「あがりますよー」と声はかけて
勝手に上がり込んで待ってたりするのも普通でした。。。
まぁこれは子供だから許されていたのか…(笑
それに比べると今は在宅していても鍵かけるのは必須で
寝るときに鍵かけないなんてありえないですものねぇ…
夏なんて窓から縁側から玄関から全て網戸だけで
フルオープンでしたねぇ…(苦笑)
いや、ホントに今の世の中、戸締りだけはキッチリやりましょうね…
昔と違って怖い人多いですからねぇ

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
最近、オートS系の修理何だか多いですねぇ
レンズ固定式レンズシャッターの距離計カメラです。
CdSを利用した露出計を搭載し
指針挟み込み式でシャッタスピード優先オート露出も行えます。
ASA感度、SS設定に機械的に連動して
CdSに光を導入する窓の大きさを変化させ
露出計指針を連動させます。
オート時はもちろんのことマニュアル時にも露出計は動作し
露出計の値を参考にしながら
絞り値を設定することで意図的なマニュアル露出の設定が可能です。
シャッターユニットはコパルSVAで最高速は1/500
B・1Sまであるので三脚を使った長時間露光にも対応できます。
レンズはこの時代でも評価の非常に高いコニカヘキサノンレンズで
45mmF1.8を搭載します。
時代的にレンズ一体型カメラとは言え少し大柄ではありますが
その分しっかりホールドもでき整備性も良好です。
全ての設計に少し余裕が伺えます。

お預かりしている「オートS2」は
随分長い間使われずに忘れられた存在になっていたようで
保存環境もあまりよくなかったようです。
まずシャッターは固着で全く切れず
絞り羽根も固着して動きません。
電池は水銀電池が入ったままになっており
新しい電池を入れてもBC・露出計共に全く反応がありません。
ファインダーはカビクモリが酷く、レンズも同様です。
…一言で言えば…全てダメ…ですねぇ(苦笑)
ただ、何かがショックで破損しているとかではないので
一つずつしっかり整備していけば何とかなるかと思います。

今回は外装もだいぶくたびれています…
参考までに上カバーもお預かり時にはこんな感じでした
(画像クリックするとデカい画像になります)


まぁこの年代のカメラではありがちですが
年末に少しだけ取り掛かったので本格的整備の前に
上カバーだけ先に徹底的に清掃しました。
そうすると…


なかなか気持ちよくキレイになりましたねぇ
キズや凹みは修復不可ですが
お金かけて整備するのですから
このくらいはキレイにならないといけませんよねぇ

上カバーはともかく今日からは中身の整備に本格的に取り掛かります。

露出計不動の原因はいつもの電池室周りか配線かSWだろうと
思っていたのですが…今回は露出計本体内部断線のようです。
さすがにこれは中古良品の露出計本体と交換で対応します。
あとはひたすら本来の動きを取り戻せるように
清掃整備を入念に行います。
もともとしっかりできているカメラなので
ちゃんと整備すればまだまだバリバリに使える状態になると思います。
おそらくまともに撮影に使われるのは
数十年ぶりだと思われますが
新しい時代の景色をそのヘキサノンレンズを通して
フィルムに焼き付けていただきたいと思います。

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