ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「平成」改元の日ですね。
前日の昭和天皇の崩御から平成改元の
この2日間のことはよく覚えています。
日本中がいろいろと混乱しましたものねぇ…
このとき私は19歳9ヶ月、ここから平成は30年ちょっと続くこととなり
私の人生で一番多くの時間を占めるのは「平成」なのですが
やはり多感な10代を過ごした昭和末期の方が
記憶や感覚に残っているものがおおいのですよねぇ
昭和が終わって平成が始まったことで
「あ~、なんだか時代が変わったなぁ」とリアルに感じたことを
よく覚えています。
平成から令和に改元したときや
20世紀から21世紀になったときには「ふぅん」くらいで
あまり何も感じなかったのですが…(苦笑)
社会人になったと近いタイミングで平成が始まり
サラリーマン時代は全て「平成」だったので
思い返してみるとやはりいろいろありましたねぇ
令和がいつまで続くかわかりませんが
次の改元までは私がもたないでしょうし
やはり私の人生で一番多くの時間を占めるのは「平成」で
変わりないでしょうねぇ
そう思うと何だか「平成時代」も愛おしいですねぇ(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラで1937年の「ミノルタフレックス」の発売から続く
ミノルタ二眼レフの集大成・完成形ともいえるカメラです。
国内の二眼レフブームの真っただ中に発売となったオートコードですが
国産二眼レフ最高峰とも言えるカメラだと思います。
操作性の良いクランク式巻上にセルフコッキング
素早いピント合わせを可能にするハラキリ式のピントレバー
ピントの山の掴みやすいファインダー
フィルム平面性を重視して通常とは逆の「上から下」に巻くフィルム送り
安定した動作で堅牢性も高いシチズンMXVシャッター
SS・絞りの設定が撮影時ポジションのまま一目で確認できる
ビューレンズ上部の集中表示
そして何と言っても写りの評価の高いロッコールレンズ
どこをとっても良いとこばかり目立ちます。
うちのじいさんも一眼レフに移行する前はこのカメラがメインでした。
そのオートコードもありがたく引き継いで
私が使わせていただいています。
自分で使ってみるとよりわかりますが
写りが良いのは当然として操作性に本当に優れたカメラです。

お預かりしているのはいわゆる前期型のオートコードですが
フィルムマスクを使用した上でカウンター部の部品交換により
4×4・4×5も巻き止め対応で撮影可能とした「RA」かと思われます。
ただしメーカーでRA型への改造も当時行っていたことから
純粋たるRA型なのかどうかは私には判別できません。
お預かりしている状態ではマスクもなく
カウンター部も通常の6×6用なので
機能的には通常の前期型オートコードと変わりありません。
シャッターもシチズンMXVです。
ご依頼者からのご指摘で
ピントが少しずれているような気がする…とのことだったのですが
調べてみるとフィルム面でのピントは問題ないのですが
ファインダー上でのピントが少しズレてしまっているようです。
ピントレバー上の値で10mの位置で
ファインダー上では既に無限遠が出てしまい
無限遠の位置までレバーを持っていくと完全にオーバーインフです。
ただしその状態で実際にはフィルム面上ではピタリと無限遠です。
ファインダー上とフィルム面のピントがちゃんと合致していないと
絞りを開けた時にはモロに影響が出てしまいますね。
ファインダー整備の際にキチンと調整を行います。
加えてスローが粘り気味であることと
若干シャッター羽根にも粘りがあるようです。
さらにピントレバーが少し重めです。
このハラキリ型のピントレバー…オートコードの弱点でもあり
経年劣化で脆くなっていることが多く
少し無理な力をかけただけで折れてしまうことが多々あります。
なのでピントレバーはなるべく軽く動くように
ヘリコイドのメンテナンスを行っていきます。
細かいことを言えばレバーに少し変形もあるのですが
これを無理に修正しようとすると折れる可能性が非常に高いので
今回はそこには手を出しません。
レバーが折れてしまうとさすがに交換部品はございません。

まだ現状チェックを行っただけの段階です。
RA型の特徴でもあるカウンター部が見えるように
画像を撮ってみました。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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