キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「作業服の日」だそうですよ。
「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」(作業服)と読む
語呂合わせからだそうです。
私の仕事も油断していると結構汚れますから
作業服までは着ませんがデニム地の前掛けだけ着用しています。
作業着だとしてもそうですが前掛けも含む
仕事中に着る服はやはり汚れやすいので
ガンガン何度洗っても大丈夫な丈夫なものがいいですねぇ
油脂類や溶剤を扱うのでシミになってしまうことも多いので
あまり上質なものはもったいなくて着れません(笑
でも私の仕事で何で一番汚れるかって
やはり劣化してボロボロになったモルトプレーンですねぇ
それも粉状になっているものはまだいいのですが
粘着質にベタベタになってしまっているものは本当にたちが悪いです…
気が付けば指先が真っ黒になっていることも多く
作業しているだけでなく来客もあるため
頻繁に汚れた指を溶剤で洗い流しています。
で、こういうときに指に傷があったりして
それを忘れて溶剤に指を浸けると浸けると激痛なのですね(汗)
もはや全然作業着の話ではなくなってしまいました。
刃物やガラスを扱うことも多く
古い油脂類で汚れたものの清掃等も多いので
今日も清潔安全に作業を進めていきたいと思います!

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
1978年に登場したマルチモード機です。
前年に登場した「ミノルタXD」に
両優先オート(絞り優先・SS優先)搭載こそ先を越されたものの
両優先オート搭載に加えプログラムオートを搭載した
まさにこの時代の最新の電子制御を組み込んだカメラです。
こういう先進的なのはキヤノンの得意とするところですね。
ただし電池がなければシャッターも何も動作させることができない上に
結構な電池食いのカメラで当時から高価だった4SR44電池を
使い方にもよりますが数ヶ月で消費するという短所もあるカメラです。
それでも高級感に加え最新鋭でスタイリッシュなイメージは
戦略的にも大成功を収めF-1に続く高級機で高価なカメラですが
大ヒットとなりました。
私も当時のイメージは
「A-1=ぶちかっちょええカメラ」というイメージでした。

お預かりしている「A-1」はシャッターを切ると
ミラーアップしたまま降りてこなくなってしまいます。
「Aシリーズ」でよくある「シャッター鳴き」と同様に
ミラー駆動部の油切れに伴う動作不良が原因です。
これだけであれば「A-1」は上カバーを開ける際に外す部品が
こまごまとしていて少々面倒ですが
整備性自体は悪くないので一通りの整備を行えば解消されるはずでしたが
ミラー駆動を改善した上で電気的な確認をいろいろ行ってみると
やはりいろいろ細かな問題があり
結果的にはかなり苦労することとなりました。
詳細は今回は割愛しますがやはり「カメラロボット」は手ごわいカメラです。

最終的には露出計・オート・SSの精度も含めて
全く問題ない状態に仕上がりました。
これから最終テストを子なって問題なければ完成となります。
F-1とはまた違ったテイストでカッコよいカメラですよね
眺めているだけでもなんだか嬉しくなるカメラです。
A-1が活躍していた時代をまだ子供でしたが
実体験していて当時カタログも持っていたので
なんだかA-1を眺めていると感慨深い気持ちになりますね。
ブラック一色なのもキヤノンらしくていいですね。
正直言って整備する立場から言うとなかなか一筋縄で
いかないカメラでもありますし
修理不能と判断せざるを得ないことも多いカメラなのですが
魅力的なカメラであることは間違いないと思います。

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