フジカST801のカメラ修理

年度末ですねぇ。。。
…とはいっても先月の確定申告が終わってしまえば
個人的にはあまり関係なく単なる月末ですね。
今日は「オーケストラの日」だそうですよ。
「み(3)み(3)に一番」
「み(3)み(3)にいい(1)ひ」(耳に良い日)と読む
語呂合わせが由来だそうです。
なかなかこれも強引ですね(笑
おそらく私は比較的音楽は広く浅く聴いているほうだと思うのですが
(ただ新しいものは全くダメで若いころ聴いたものを
ひたすら反芻しているのですが…)
クラシックも多少は聴いています。
基本的にはピアノ曲が好きなのですが
オーケストラもいいですよねぇ
少しだけ良いオーディオ環境でじっくり聴くと
その音や構成、旋律の奥深さに聴き入ってしまいます。
でも生演奏でオーケストラを聴いたことはいまだにないのですよねぇ
1回くらいは行ってみたいのですが
さすがになかなか敷居が高い気が…
まぁなんでもひとりで行ける人なので
そのうちちゃんと調べて一度くらいは行ってみようと思います!

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
「フジカ」というブランド名もいつのまにか
すっかり過去のものになってしまいましたね…
「”富士”フイルムの”カ”メラ」ということで
「フジカ」ですね。
STシリーズはもともとねじ込み式ユニバーサルマウント
「M42マウント」の一眼レフだったのですが
最初のST701とその後登場したST605以外のカメラは
開放測光に対応するためレンズ側に装着位置固定のためのピンと
(単なるねじ込みマウント(M42・L39等)は
構造上、装着位置(締め込み位置)かなりアバウト)
絞り情報をボディに伝達させるための爪と連動部が
追加されていてフジカSTマウントという独自のマウントとなっています。
開放測光に対応しようとするとこうなりますよねぇ
従来のM42マウントレンズをST801以降のボディに装着して
絞り込み測光で使う分には大きな問題はなさそうですが
(それでも他社製M42マウントレンズ仕様は自己責任でお願いします)
STマウントのレンズを他のM42マウントカメラに
装着しようとすると絞り連動爪等が干渉する可能性が高いので
STマウントはM42マウントとは別物と考えたほうがよさそうです。
ST801は1972年発売のカメラで
そのSTマウント対応の最初のカメラとなります。
当時としては先進的なLED式の露出計を搭載し
布幕横走りシャッター機としては非常に珍しい
1/2000シャッターを搭載します。
(他の横走り機で1/2000搭載のカメラは大抵が金属幕)

お預かりのST801は一応一通りは動作しているのですが
やはり汚れや古い油脂類の影響で幕軸の動きが悪く
高速シャッターの精度は全く出ていないような状態です。
先幕・後幕のバランスが完全に崩れていて
自慢の1/2000シャッターでは幕が開かず
写真は未露光となってしまう状態です。
それでいて1/1000は今度は開きすぎで
実質1/400くらいの露光量になってしまっています。
正直なところ
布幕横走りで1/2000は相当に無理があると個人的には思っていて
それでも新品の頃なら何とか出ていたのでしょうが
製造から50年経過する現代ではなかなか苦しいものがあります。
それでも開かないのは大問題ですし
できるかぎりの整備で精度を追い込んでいきたいと思います。

画像は一通りの整備が完了した状態でのものです。
幕軸や調速カム周りの動きをよくする整備を入念に行い
何とか1/2000も納得できる精度が出るようになりました。
もちろん中速域から低速シャッターまで全く問題ない状態です。
それ以外にもミラー駆動部、巻上機構周り
あちこちで動きが悪い部分もあり
全体的にかなりリフレッシュされた状態になりました。
非常に軽快に巻き上げて気持ち良くシャッターの切れる状態です。
もともとこの時代の一眼レフとしては
コンパクトにできていて意外と軽いのです。
フィールドでの取り回しの良いカメラだと思います。
ただしフジカブランドのカメラは全体的にそうですが
少しばかり華奢な部分もあるので
しっかりとした整備が必要なカメラだと言えます。
今回のST801はこれで当分安心して
しっかり快適に使えると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。