ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日はスペースシャトル「チャレンジャー号」の事故があった日ですね。
1986(昭和61)年のこの日に
アメリカのスペースシャトル「チャレンジャー号」が打ち上げ後
わずか74秒で大爆発を起こし、乗務員7人全員が死亡する惨事となりました。
全世界に中継中の出来事でした。
中継をリアルタイムで見ていたわけではないですが
その日のニュースはこのショッキングな映像で溢れていて
かなり強烈に記憶に残っています。
もう38年前なのですねぇ…
そりゃそっか、私もまだ当時、高校生でした。

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
ここのところ「F2フォトミック」の修理多いですね。
タイミング的なものでたまたまだとは思いますが…
露出計レスのベーシックなF2アイレベルと同時に
1971年に発売されています。
前モデルの「F」の時代には露出計内臓の「フォトミックファインダー」モデルは
オプション的な扱いで派生モデルのひとつといった印象でしたが
F2ではフォトミックファインダー装着モデルが
もはや標準モデル的な扱いでデビューしました。
TTL測光内蔵露出計が当たり前になっていくちょうど過渡期だったと思われます。
「F」の時代のフォトミックは開発時期も全く異なり
既にベースのFが出来上がっている状態での開発だったと思われ
取ってつけた感が正直なところかなりありますが
F2は開発当初からフォトミックファインダーを装着することが
前提として考えられていて
デザイン的にも随分と一体感が増しましたし
スペースをとる電池室もボディ側に設けられ
ファインダー側の小型化にも成功しています。
そしてF2フォトミックはファインダー内に設定SSや絞りの表示もされるようにあり
個人的には露出計内臓よりもこちらの機能が重宝しそうな気がします。

フォトミックファインダーは露出計の形式(指針式、LED式)や
レンズ連動(非Ai(カニ爪)連動、Ai連動)
受光素子の違い(CdS,SPD)の違いで5種類のモデルが存在しますが
今回のフォトミックは最もベーシックな「DP-1」装着モデルです。
当店にやってくるフォトミックのほとんどがこのモデルです。
(LED式のフォトミックは修理不可という理由もありますが)

お預かりしている「F2フォトミック」は
まずその最大の特徴である露出計が全く動作しません。
ボディ側から電源が供給されていないようです。
F2は電池室のマイナス側端子基部が破損するトラブルが多く
これが原因で接触不良を起こし露出計不動というパターンが多いのですが
今回はマイナス側端子はしっかりとしていて問題なさそうです。

本格的な分解に入る前にトラブルの洗い出しと
あそのトラブルの原因が特定できるようなら確かめておきたいのですが
露出計不動の原因は巻上レバーと連動する底部SW部でもなく
簡単にわかる部位ではないようです。
とはいえ回路はシンプルなので
おそらく電池室裏側のハンダ劣化か配線腐食だとは思われます。
(結果的にはハンダ劣化でした。)
加えて露出計はファインダー側にも問題を抱えていて
内部の摺動抵抗のブラシ部が絞りと連動してうまく動作しないようです。
実はこちらのほうが一部部品が破損していて対処が大変でした。
さらに機械的な部分ではシャッタースピードの精度が全く出ておらず
1/2000や1/1000は開いていない状態です。
今回は単なる幕速バランスの崩れとか幕軸の汚れ等だけの原因でなく
調速カム周りや幕ブレーキに問題があるようです。
ちょっと手のかかる修理調整が多い作業となりそうです。
本格的にはこれからですが
不具合を一つ一つ慎重に対処していきます。

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