今日は「東京の日」だそうですよ。
1868(慶応4)年のこの日(旧暦、新暦では9月3日)に
明治天皇の詔勅(しょうちょく)により
「江戸」が「東京」に改称されたことに由来しています。
「西の京」の「京都」に対して
「東の京」から「東京」という名前が付けられました。
これは「東にある都」という意味です。
表記は「東京」に決まりましたが
読み方については特に決まりがなく
初めは「とうきょう」ではなく「とうけい」と発音することも多かったそうです。
その後、国語の教科書で「東京」の振り仮名が「トーキョー」と表記され
混在はなくなったそうです。
しかしながら、この詔勅が発せられた年は
まだ戊辰戦争の最中であり、公卿が遷都に反対するなどもあり、
東京が名実ともに首都となったのは廃藩置県が行われた
1871(明治4)年のことだったそうです。
また、「江戸」から「東京府」、「東京市」と呼称が変わり
「東京都」となったのは、太平洋戦争中の
1943(昭和18)年のことだったそうです。
私も都内に住んで都内で仕事をしていますが
いろいろ長所短所ありますが
結局は東京は便利で住みやすいところだと思います。
どこに行っても人は多くて少々辟易としますが
人が多いからこそこれだけ便利な街になっているわけですから
しかたがないですね…
ただ家賃がとにかく高いのは困ったものですが…(苦笑)
さてさて
今日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
1964年の「FX」から始まる「キヤノンFシリーズ」を
代表するカメラですね。
同じタイミングでキヤノン初のプロ仕様一眼レフ機である
「F-1」も登場しました。
「F-1」「FTb」ではついに「開放測光」が採用され
それに伴い交換レンズ軍も「FLマウント」から絞り伝達機能を持つ
「FDマウント」へと変更されました。
レンズマウント接合部の形状自体は変わっていないので
従来の「FLマウントレンズ」も「FTb」に装着可能です。
ただしその場合は「絞り込み測光」となります。
細かい部分こそ改良されていますが
シャッターや巻上等の基本的機械駆動部は「FX」から
引き継いだものです。それ自体は「F-1」も変わりません。
前身となる「FT」からCDS受光体は外部の影響を受けにくく
精密な速攻のできるコンデンサレンズ背部へ配置されています。
その副産物でこの時代のキヤノンならではの
「中央部部分測光」も実現しています。
「F-1」とユーザー層が異なる上に裏ブタを交換するほどの
システム性の拡張もないことから「FTb」にも
キヤノンお得意の「クイックローディング(QL)」が搭載されています。
この時代ですから手動ですが
フィルム装填が非常に簡単に行えます。
総合的に非常に使いやすく基本性能の高いカメラだと思います。
お預かりしている「FTb」は
かなり使い込まれたものだと思われますが
ある時期から使われなくなり
かなり長い間しまいこまれていたものと思われます。
落下歴があるとみられ上カバーは結構な歪みが見受けられます。
それでも元が頑丈なカメラのため
それが原因となる動作不良はさほどないものと思われます。
シャッターは長年動作されていなかったこともあり
動きは悪く低速シャッターを使うとミラーアップしたままになってしまいます。
もちろん高速シャッターの精度も出ていません。
電池室の蓋は斜めにねじ入れてしまったらしく
おかしな入り方をしたまま取り外せなくなっています。
後で強引に取り外しますが電池入れ替えても
やはり露出計はSW部の接触不良もあり不動です。
やはり全体的に清掃整備が必要な状況です。
これも定番ですがやはりプリズムは腐食が進んでしまっています。
「Fシリーズ」のプリズム腐食の大半が
プリズム抑えに使用されているモルトの加水分解を起因とするものです。
モルトとプリズムの間にはプリズムカバーがあるにはあるのですが
隙間が空いていてそこから腐食が始まってしまいます。
画像にもありますがプリズム抑えのモルトと
プリズムカバーにはボロボロになったモルトが付着しています。
幸いながらFTbは交換可能なキレイなプリズムがまだ手配可能なので
今回は交換で対処していきます。
その前に分解を進めてまずか各機械駆動部位の整備を進めていきます。
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