ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「百人一首の日」です。
1235(文暦2)年のこの日に
公家・歌人の藤原定家によって
『小倉百人一首』が完成されたことに由来しています。
。。。「ちはやふる」っ競技カルタを題材にした
大人気コミック(アニメ化も実写化もされている)があって
数年前にめちゃくちゃはまって今でも読み続けています。
。。。で影響されやすい私は当然のごとく
「やってみたい!」と思って
今更ながら百人一首きちんと覚えようと思って
資料等々も出に入れたのですが。。。
あれから早くも2年。。。まぁ頭壊れたり
いろいろあったせいもありましたが
全く覚えられていません。
1/3くらいまでは覚えたのだけど
それも今や忘れそうです。
そろそろもう一度チャレンジしてみようかと思います
10代前半の頃ならこのくらいすぐに覚えられたし
その頃覚えたものはなかなか忘れないのになぁ
なんでその頃に覚えておかなかったのだろう(苦笑)
単に「かるた」がやりたいだけなら決まり字と下の句の一部だけ
とりあえず覚えればいいのでしょうが
いろいろ調べていると一句一句が非常に美しく
日本語が本来持つ美しさを感じられるし
その歌が詠まれた情景もわかってくるので
ちゃんと意味も踏まえて覚えてみたいなぁ。。。と考えています。
はてさて、いつのことになるのやら。。。(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
1973年に発売されたカメラです。
初代エレクトロからの流れを汲む本流があるとするならば
「GL」はその本流を受け継ぎつつも
時代に合わせて小型化されたカメラです。
「GSN」(基本的な部分が初代と同じ大柄なモデル)から
「GL」登場までに広角レンズの「CC」や目測の超小型の「MC」が登場しますが
これらはやはり派生モデルといった位置づけになり
本流の後継機はこの「GL」なのではないかなぁと思います。
電池もエレクトロ定番の「HM-4N」だし。。。(苦笑)
おそらくコニカC35等の小型で気楽に持ち歩けるカメラが
大ヒットしていることを意識せざるを得なかったのだと思いますが
超小型路線は「MC」に任せて
「GL」は「GSN」に比べると随分小型化されましたが
それでもある程度のボリュームは保っています。
エレクトロシリ-ズならではのF1.7大口径レンズを搭載するため
バランスを考えるとこのくらいなのかな…と思います。
「GSN」までは装備されていた「バルブ」がなくなっているので
夜景撮影等で長時間露光をする方には残念な仕様になってしまいました。
かなり少数派だとは思いますし
これまでのエレクトロのバルブは電子制御で電池もかなり消耗しますから
ないならないで問題ないかとも思います。
ただ、私の立場で言うと
レンズの状態がその場で確認しにくくなりました(苦笑)
他は基本的に従来のエレクトロと同じような仕様です。
いろいろ細かい変更はされていますが
相変わらずのコパルエレクシャッターで最高速1/500も変わりません。

お預かりしている「GL」はまず電源が安定しないようです。
同じ明るさの光源に向けていても
オートが効いてみたり効いてみなかったり…
バッテリーチェックも元気よく光るときもあれば
妙に薄暗かったり。。。
電池室は一見キレイで問題なさそうなのですが
電池室裏のハンダや配線に問題がありそうです。
さらにオートが効いているときは効いているときで
問題がないわけではなく異様にオーバ-目の制御をしているようです。
ASA100・LV15・絞りF16設定で1/125で切れて欲しいのですが
黄色ランプ(スロー警告)が点灯して明らかなスローシャッター(1/8)程度で
大オーバーだったかと思いきや
今度は同じ環境下で「赤ランプ」(露出過多)が点灯し
最高速(1/500)で切れてかなりアンダーなんてことになったります。
要は不安定でハチャメチャです。
接点や抵抗の汚れが原因ではないと思われます。
加えて元々妙に青くて暗めの「GL」のファインダーが
汚れて曇ってしまっていてさらに暗くなってしまっています。
これでは元々見えやすいとは言い難い「GL」の二重像が
かなり見えにくい状態です。
ここはできる限りの清掃でクリアにしていきたいと思います。
レンズもかなりカビが生えています。

まずはまともに動作しないと話にならないので
電池室からの配線交換とシャッター周りの接点の清掃や
シャッター駆動部の整備等を行います。
もちろん羽根洗浄やレンズ清掃も並行して行います。
結果から先に言うと
問題なく安定して適正露出が得られるようになりました。
やはり積年の汚れはかなり悪影響があったようです。
レンズは後玉のカビがかなり酷く
若干のカビ跡が残りましたが実撮影に影響はない程度だと思います。
ファインダーは問題なくクリアになりそうです。

エレクトロ35シリーズは初代から最終のGXまで
大人気!というほどではないですが
根強いファンが一定数いて
そのモデルもそこそこ人気があるのです。
やはり搭載されているレンズの良さによるものが大きいのでしょうね
私は前期だけではなくどのモデルも
妙に懐かしさを感じるそのボディデザインに非常に魅力を感じます。

今回の「GL」も何とか問題ないレベルに仕上げることができそうです。
エレクトロ35シリーズは稀に修理不能のものもあるので
ある程度、結果が予想できる状態になるまでは
毎回ちょっとドキドキものです(苦笑)

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日は「東名高速道路全通記念日」だそうですよ。
1969年のこの日に神奈川県足柄上郡大井町の
大井松田IC~静岡県御殿場市の御殿場ICが開通し
東京から小牧まで346kmにおよぶ
東名高速道路(東名高速)が全線開通したのだそうです。
うーん、私が生まれてから2ヶ月くらいなのですね
そう考えるともう随分昔の話ですねぇ
4年前の1965(昭和40)年に開通していた
名神高速道路(名神高速)とも小牧ICで接続し
東京と西宮の536kmが高速道路で結ばれ
関東・中京・関西を結ぶ日本の大動脈となりました。
私的にはここからがなかなか進まなかったイメージで
生まれ故郷広島が結ばれる「中国縦貫道」が全線開通するのは
1983年のことなのですね。さすがにこれはしっかり覚えています(笑
高速道路があるとやはり便利ですよね
私、今はクルマ持っていませんが
高速で100km先って言われてもそんなに遠く感じませんが
下道で100km先って言われたら「遠いなぁ」って感じますものね
。。。それよりも常時渋滞している平日昼間の都下23区内の
「20km先」のほうが遠く感じるかも。。。(笑

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のミノルタ中級機です。
このX-700の登場以降、ミノルタのマニュアルフォーカス一眼レフは
いわゆるX3桁シリーズになっていくのですが
X-700はオートフォーカスのαシリーズ発売後も生産し続けられ
登場から18年間に至って生産が続けられました。
まさにミノルタのマニュアルフォーカス機末期を代表するカメラです。
さすがに細部に渡ってコストダウンも行われ
外装はプラスチックとなりXDあたりと比べると
質感や巻上フィーリングでは劣る部分もありますが
内部の電子制御回路はかなり熟成され
XDやX-7に比べてもその安定性は段違いです。
さらにミノルタお得意のアキュートマットスクリーンは
さらに熟成されファインダー倍率の高さ(約0.9倍)も相まって
ファインダーのキレの良さ、ピントの山の掴みやすさでは
この時代のカメラ№1だと思います。
ミノルタ機は昔からファインダーの見やすさには定評がありますが
その頂点ともいえるのがX-700だと思います。
オーソドックスな横走り布幕シャッター機であり
XE、XDで採用していた縦走りをあえて手放し
横走り機をユニット化することにXG系で成功している
ミノルタらしい選択だと思います。
X-700はそのXG系からさらに進化したフレームとして
内部から根本的に新開発された新フレームです。
布幕横走りなのでSS最高速は1/1000とこの時代としては控えめですが
それよりも確実性・安定性を取ったのだと思われます。

非常に長く生産されたカメラなので
その程度やコンディションも個体によってバラバラです。
電子制御機としては安定して動作するカメラだとは思いますが
それでも回路上のトラブルで修理不可能なものも
中には存在します。
今回お預かりしているX-700はこれまで長らく普通に使えていたそうですが
撮影中にミラーアップしたまま戻らなくなったようです。
ミラーアップしたままなので電源周りがどうなのかも確認できません
X-700は緊急用の機械シャッターを全く持たないカメラなので
いったんトラブルと状態の確認もそのままではできないことが多いのです。
それでも何とか強制的にミラーダウンしてみると
電気的な問題はないようです。
機械的にシャッターが動作した後のミラーダウンが
上手く行えないことがあるようです。
多くの電子制御機がそうですが
トラブルの大半は機械的動作のトラブルです。
次に多いのは接点・マグネットの接触不良です。
致命的な回路上のトラブルはかなり少ないのではないかと思われます。
ただし、分解整備できるものこのX-700あたりが限界で
これより新しいものになるとファインダー内や
カバー部に液晶が採用され始めます。
こうなるとメーカーサポートのない現状ではもはや何もできなくなります。

まだ上カバーを外しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この時点での眺めで
ここからの作業が大変なことは容易に想像できるかと思います(苦笑)
今回はミラー駆動部、シャッター連動部の
機械的なトラブルが原因ですから
そこのメンテナンスができるところまでは最低でも分解します。
そこまでいくとシャッター幕軸の清掃整備もできますので
一通りの整備を行うことができます。
後から発覚しましたが高速シャッターの精度が
ずいぶん狂っておりその対処も行いました。
環境による個体差もずいぶんありますが
X-700はまだまだしっかり使えるカメラだと思います。
当店のツイッター等をご覧になっていられる方はご存じだと思いますが
私が最近、主に使っているのもX-700です。
使いやすくて大き過ぎず非常に良いカメラだと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「菌活の日」だそうですよ
菌活ってビフィズス菌とかそういうものかと思ったら
きのこの「菌」ですね
確かに「菌」っていう字は訓読みで「きのこ」なんですよ
「きのこ」は、菌そのものだけを食べる唯一の食材であり
「菌食材の王様」と呼ばれているのだそうです。
きのこかぁ~美味しいものが多いですよねぇ
マツタケ、ホンシメジ、シイタケ、エリンギ、
マイタケ、ブナシメジ、ナメコ、エノキ、ヒラタケ
単独で焼いたり茹でても美味しいし
いろいろな料理の具材としても美味しいですよねぇ
そういえば昔会社勤めだった頃に
私の周りにやたらと「しいたけ」が苦手だった方が多かったのですが
割と一般的にも苦手な方多いんかな?
確かに独特の食感と香りがありますよねぇ。。。
私も実は子供の頃、あの「ぬめらっ」とした食感が苦手で
その頃、大好きだった近所の出前のざるそばの薬味に
入っていたしいたけをよけてた記憶があります(笑
でも大人になるうちにいつの間にか大好物になったんですよねぇ
スープやみそ汁の中に入っていても美味しいし
鍋物の具材には欠かせないですよねぇ
肉厚なものは食べ応えもあって旨味のかたまりいですね!
あぁ。。天ぷらとかもいいですよねぇ
ちゃんとした天ぷら屋さんで目の前であげてもらった熱々を
日本酒と一緒にいただきたいですなぁ・・・
早く普通に外食できるようにならないかなぁ…

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理です。
今月もOM-1が何台か入ってきています。
一般的な中古カメラ市場でも人気№1かと思われるカメラです。
当店での修理依頼台数も
ここ数年おそらくぶっちぎりのトップかと思われます。
軽量コンパクトで使い心地も良くて静かな一眼レフです。
最初の登場は「M-1」として発売された1972年です
意外と新しいといえば新しいほうですね。
同じ時代の他メーカはニコンはフラッグシップはF2で
中級機ではニコマートELが出た年ですね。
キヤノンはその前年にF-1が出て中級機はFTbですね
ミノルタはSR-T101の末期で翌年にSR-TスーパーやX-1が出てきます。
ペンタックスは前年にESが出て翌年にSPFやES2が出てくる頃ですね。
時代としては少しずつ機械制御オンリーの時代から
じわじわと電子制御のものも出てきている時代…といった感じです。
でも今あげた他メーカーの一眼レフはどれも
OM-1より圧倒的に大きくて重いカメラばかりです。
本当にこの軽量コンパクトさは
当時、度肝を抜くほどのインパクトがあったと思います。
他メーカができないことを実現しているわけですから
当然、独自性も高く、現行モデルの頃には問題なかったとしても
50年経過した現在ではさすがに経年劣化で
華奢になっている部分があるのも事実です。
その辺りも修理・整備依頼が多い原因かもしれません。

お預かりしているOM-1は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの隙間を埋めるように貼られたモルトが
加水分解を起こしプリズムの蒸着を剥がしてしまうことで
起こるトラブルです。
いったん剥離したプリズムは基本的には元に戻すことはできません。
幸いOM-1は腐食のない中古プリズムが手に入りやすいほうなので
当店では交換で対応いたします。
もちろんトラブルはそれだけではなく
これも定番ですが露出計が全く動きません。
今回のOM-1はいわゆる中期のMD対応モデルで
上カバーに「MD」のシールも貼ってある頃のものです。
この時期のものだと電池室の端子留めに
樹脂ネジが使われているものが多く
それが劣化で折れてしまい接触不良を起こすものが多いのですが
根気あのOM-1は樹脂ネジではなく金属ネジに絶縁スペーサーが
噛まされているタイプです。
しかしながら水銀電池が長く入れたままになった時期があったらしく
電池室端子のハンダは劣化しており
軽くリード線をピンセットでつまんだだけで切れてしまいました。
さらにこのリード線も中身に腐食が進んでおり
とても再ハンダだけで再利用できる状態ではないため
電池室⇒上部SWまでの配線は丸ごと交換します。
他、幕軸の汚れによる高速シャッターの精度不良等も見受けられます。

まだ分解途中での画像です。
これからミラーボックスを分離し
シャッター・巻上周りの整備と
配線の交換を行います。
いろいろデリケートな部分の多いカメラなので
毎回、何度同じことをやっていても
それなりの緊張感を感じながら作業を行います。
他のカメラでも同じような感じではありますが…
仮配線でチェックした感じでは
CdS等には大きな問題はないようです。
それだけでも少し安堵できますね(苦笑)

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「世界亀の日」ということみたいです。
今日のような梅雨の(まだ関東は梅雨入りしていませんが)
間の晴れ間には池の石の上で甲羅干ししている亀が
良く見られますよねぇ。。。
あんな姿を眺めていると何とも癒されますね。
それにしても亀ってその甲羅があまりにも特徴的なために
他の爬虫類とは扱いがちょっと異なりますよね。
縁起物や長寿の象徴とされたかと思えば
動きの遅いものとして侮辱的な表現に使われたり
かと思えば動きが遅くても着実に進む
いわゆる「勤勉さ」の象徴として扱われたり
でも気持ちよさそうに日向ぼっこしている亀を見ていると
人間のそんなあれこれなんてどこ吹く風といった感じで
飄々とマイペースでいいですね
私も歩みの早い遅いは気にせずに
自分のペースで残り1/3くらいの(1/3もないかも?(汗))
人生を歩みたいものです(笑

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
FE/FMシリーズはニコマートシリーズを前身とする
ニコンの中級機シリーズです。
ニコマートの時代にはかなり大柄で重いボディでしたが
FE/FMにモデルチェンジされて随分スマートになりました
(それでもそれなりに重量感はありそれが堅牢性に繋がっていますが)
特にニコマートEL時代には電気系のトラブルも比較的多かった
電子制御周りはFEになって格段の進歩を遂げることとなり
信頼性・安定性という意味では全く別次元のカメラになったと思います。
ニコマート時代であればFTとEL、どちらかを…と言われれば
迷わずFT系を選びますが
FE/FMであれば少し悩んでFEを選ぶかな…と思います
(あくまで個人的好みです)
FMと比べてFEが有利なのはやはりそのファインダー内情報です。
二針式のアナログメーターは現在の設定と露出計が示す適正露出との差が
瞬時に見極めやすく露出補正やマニュアル時に
あえて露出をコントロールする際にも非常に使いやすい仕様です。
それに加え電子制御シャッターの恩恵で
絞り優先オート露出が使えるのはやはり便利です。
電子制御機ということでトラブルを心配されることも多いと思いますが
FEのトラブルの大半は機械的トラブルです
確かに稀に電子基板内トラブルで修理不可能な場合はありますが
その頻度はFMでLED制御の露出計が修理不可能になる頻度と
あまり変わらないほど少ないと思います
(ちなみにFMでLED制御周りがトラブルとほぼ修理不可能です)

お預かりしているFEは
まずシャッターが切れません。
電子制御シャッターだけでなくM90やバルブ(機械制御シャッター)も
全く動作しません。
…ということはに何はともあれ機械的トラブルを直さないことには
電気的トラブルがあるかどうかもわかりません。
とりあえずバッテリーチェックは点灯しますし
露出計も動作しているようです。
いろいろチェックしているとどうやらシャッターが切れない原因は
巻上軸が巻上完了後に元の位置に戻らないことが原因のようです。
そのためレリーズロックが解除されずレリーズできないのですね。
試しに底部ワインダーリンク部からコイン等で
強制的に巻上軸を戻してやるとシャッターがとりあえず切れました。
でもまた巻き上げると同じ状況に戻ってしまうため
巻上軸が汚れ等で粘っていることが原因のようです。
で、巻上軸を仮に応急処置した後に動作チェックを行ってわかったのですが
露出計の値はまずまず良いのですが
オート露出は1.5段以上アンダーのようです。
ネガであれば何とか救えるでしょうが
1.5段アンダーはあまりよろしくないですね
もちろん一緒に整備を行っていきます。
SSも全体的に少し早すぎるので(1/3段程度)整備の上調整を行います。

写真は一通りの整備が完了した状態で
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
巻上・レリーズは非常にスムーズに動作するようになりました
SS・オートも申し分ない精度を確保できています。
ただ、各部注油や接点・摺動抵抗清掃も行いましたので
少し時間をおいて動きが安定しているかどうか
様子見を行います。
この後、最中チェックと
必要であれば微調整を行い完成となります。
FEは電子的な部分とまだまだアナログ的な部分が
混じりあった時期のカメラですが
その程よいアナログ感が
何とも良い使いやすさになっているのではないかと思います。
フィルムカメラをこれから始める方だとしても
FEはお勧めできる1台です
ただししっかり整備・調整済みのものに限ります。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「たまご料理の日」ということですよ
たまご料理。。。比較的簡単で身近なものが多いですが
奥が深くて美味しいものばかりですよねぇ
目玉焼き、玉子焼き、オムレツ、ゆで卵、茶わん蒸し、親子丼…
シンプルで美味いのはやはり「たまごかけご飯」でしょうか
麺類にもたまごは欠かせませんよねぇ
ラーメンに煮たまごはもちろんですし
うどんにも、そばにも、パスタだってカルボナーラは定番です
何でも卵でとじちゃえば美味しいですものねぇ
あ、忘れちゃいけない、牛丼やすき焼きにも欠かせません
こうやってみてみると
本当にたまごって毎日の食事に欠かせないですよねぇ
でもこうやって書いていると
やっぱりTKGが食べたくなりますね
(糖質制限中なのに。。。(苦笑))
熱々ごはんに卵の組み合わせは最強です。
あ、濃い味のたまごに少し醤油にこだわると
さらに美味しさがアップします
あぁ、いけん、いけん
年とってくると美味しいものは身体に悪いものだらけだ(汗)
。。。食べ過ぎなければいいのですけどね(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
最近、また修理依頼が多いような気がしますね。
いつも書きますが非常にオリンパスらしい独創的なカメラです。
ハーフ判でありコンパクトに作れることを最大限に発揮するため
ミラーは横置きとし光路も正面向かって左側に展開し
第二反射面にプリズムを使用しボディ上面で
第三反射面のミラーで折り返し
第四反射面の小プリズムとの間にルーペを置き
ファインダー像を拡大させます。
こんな構造のファインダーは他のカメラでは見ることができません。
さらにシャッターもめずらしいロータリシャッターを採用
パックマンのような一部が欠けたチタン製円盤状の
シャッター幕がくるんと1回転することにより露光されます。
何も抵抗を掛けずに1回転するのが最高速の1/500で
当然、最高速でも瞬間的に全開なので
全速でフラッシュがシンクロ可能です。
1/500以下のシャッタースピードでは全速で
ガバナーが介入しシャッタが全開した状態で一瞬動きを止め
シャッタースピードを調整します。
なのでSS調速機構はガバナーが生命線です。
巻上はストロークが短くて済むダブルストロークを採用し
整備済みの本来の状態だと非常に軽快な巻上フィールです。
これだけ独自性の強いメカニズムが詰まっていると
それだけで手元に1台持っておきたくなるカメラだと思います。
私も整備すれば使えるペンFを1台キープしてはいるのですが
整備して使うのはいつになるのやら…(苦笑)

お預かりしているペンFは
定番のミラーアップしたままになるトラブルですが
レンズを付けた時にだけその症状が出ます
それもシャッターが作動した後、ミラーダウンができないわけではなく
ミラーアップするだけでシャッター作動までに至りません
…ということはレンズ側の絞り固着ではないかと思ったのですが
今回はレンズ側の絞りは十分に軽快に動作していても
レンズを装着すればほぼ100%ミラーアップしてしまうようです。
ミラー駆動部のトラブルというよりは
ボディ側絞込レバーの動作不良のようです。
ここに少しでも抵抗がかかると(レンズ装着により)
もうミラーアップさせることだけでギリギリ精一杯で
シャッターを動作させるまでには至らないようです
どちらにしてもミラーボックス周りの清掃注油調整が必要です。
さらにシャッタースピード調整の生命線である
ガバナにも粘りがあるようで
スローシャッター時だと途中で止まりかけてしまうようです
高速時には今のところ問題はなさそうですが
これも放っておくと大きなトラブルに発展するので
今回の分解時にしっかりガバナやシャッター周りの整備を行います。

分解自体はそれほど難しくはないカメラですが
各部の整備調整はオリンパスらしくデリケートで面倒です。
これからシャッターユニットの脱着を行って
整備を行い再組立てを行ったのですが
今回の整備で少し重かった巻上も
ペンFらしい軽快な状態に改善することができました。
ここに関して言えばシングルストロークで
巻上角が大きくストラップ留め具に引っかかりがちな
FT・FVよりも「F」の方が数段快適です。
FT系はゴリゴリ感も強いですし…
再組立て後はミラーアップの症状はもちろん出なくなりました。
…とはいえ少し時間をおいて様子見してから
最終チェックを行います。

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ヤシカミニスターⅡのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小満」です。
「万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ」と言われ
この頃に麦畑が緑黄色に色付き始めます。
人々の生活の糧(かて)である麦などに穂が付き
ほっと一安心(少し満足)という意味から
「小満」になったという説もあるそうです。
まぁ確かに都内でも梅雨入りはまだですが
毎日のようにシトシト雨が降り
いろんな植物が育ってきそうな気がしますね
。。。でもまだ5月なのです
もう少し五月晴れが続いてもいいのでは???
そんなことを思いながら
店の入り口から濡れた道路を眺めています。
静かな雨の日は外に出なければ意外と嫌いではないです(笑

さてさて

本日は「ヤシカ・ミニスターⅡ」のカメラ修理を行っています。
初代のミニスターが1960年に発売され
その続編となる「ミニスターⅡ」は1962年に発売されます。
初代と同じくLV表示・非連動のセレン式露出計を装備し
露出の設定もLVリングを使って設定します。
少々慣れは手間は要しますがSSリング・絞りリングで
LV関係なく設定することも可能です。
この「Ⅱ」からはボディダイキャストが
リンクスと共通化されています。
そのため外寸は一回り小さくなりました
距離計は初代のハーフミラー仕様と異なり
プリズムを使用して作られています。
レンズは4.5cmF2.8でスペック的には初代のものと変わりませんが
3群4枚と少しシンプルなものになりました
シャッターは初代と変わらずコパルSVLで最高速は1/500です。

お預かりしている「ミニスターⅡ」は
随分長い間眠っていた個体と思われます。
全体的に程度は悪くなく
心配されるセレン光電池もしっかり起電しているようです。
ただ長期間全く動かしていない影響はいろいろ出ていて
LVリングをはじめとする鏡胴のリング類の動きは固く
シャッター・絞りにも少しばかりの粘りが見られます。
巻上のフィールも今ひとつです。
ファインダーはプリズムの表面と接眼レンズに
随分汚れがありますが
ハーフミラーではないのでおそらくキレイになると思われます。
プリズムに目立つ腐食等はなさそうです。
レンズは意外とカビは少なくこちらも清掃で
十分にキレイになりそうです。

まだ取り掛かったばかりですが
一通りの整備を行っていきます。
程度は良い方だとは言えども
いろいろと動きの悪いところ汚れの多いところ等々あるので
一通りの整備を行うことで
当分の間、快適に使える状態になると思います。
それでもやはり定期的に使ってやらないと
調子を崩していしまうこともあるので
整備後も1ヶ月に1回は優しく「ある程度」は
動かしていただければと思います。

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キヤノンEXEEのカメラ修理

今日は「森林の日」だそうですよ。
ここでいう「森林」は「もり」と読むのだそうです。
5月20日である由来は「森林」の中に
「木」が5つ入っていることから
20日は「森林」の総画数が20画であることからだそうです。
岐阜県美並村など、村名の頭に「美」の字がつく村
10村で結成した「美し村(うましさと)連邦」が制定した記念日です。
山深い森林っていいですよねぇ
登山で森林限界超えるまでは
鬱蒼とした森林を歩くことが多いのですが
やはり印象深いのは苔むす北八ヶ岳エリアですかね。
薄暗くて湿度も高くて
不快指数は高いはずなのだけど
空気が美味いからか妙に快適なのですよねぇ
あまり気温が高いと参ってしまいますが…
ここ数年、体調が優れないこともあって
あまり人里離れたところに行くのは不安があるのですが
ほんの入り口だけでも森を歩いてみたいですねぇ
あ、ただ色んな生き物が生活しやすい環境なので
秋冬以外は虫はどちゃくそいますよ(苦笑)
そうそう八ヶ岳エリアってなんであんなにアブが多いんでしょうねぇ
立ち止まるとすぐにかならず数匹くっついてくる(苦笑)

さてさて

本日はキヤノンEXEEのカメラ修理を行っています。
EXシリーズはキヤノンFシリーズの一員でもありますが
ちょっと異端児的なモデルです。
シャッターユニット等はFシリーズの基本構造と同じなのですが
レンズの後玉部分をボディと一体化して固定し
前玉を交換するのみでレンズ交換を行います。
標準は50mmF1.8ですが
35mmF3.5、90mmF3.5レンズが用意されていました。
その後、マイナーチェンジが行われ
レンズの開放値設定を行わないでよい「EXオート」になるのですが
そのタイミングで125mmF3.5が発売されます。
モチロンEXEEにも使用可能です。
基本的にシャッタースピード優先AEで撮影するカメラです。
オート機構はこの時代お馴染みの指針挟み込み式で
露出計には電池が必要なもののオート機構そのものは機械的に
露出計指針の位置によって制御されます。
マニュアル時には強制的(機械的)に露出計指針を動かすことによって
指針挟み込み機構を使って絞りを制御します。
そのためマニュアル時にファインダー内に支持される絞り値は
露出計の値ではなくマニュアル設定する絞り値を表します。
これもなかなか他のカメラでは見られない構造です。
さらにそのファインダーも変わっていて
いわゆるマット面を持たない空中像式ファインダーです。
ピント合わせはファインダー中央のマイクロプリズムで行い
それ以外の周辺部はほぼ素通しでピント合わせは行えません。
レンジファインダーの二重像がマイクロプリズムになったようなイメージです。
ほぼ素通しのファインダーなのでとにかく明るいです。
。。。という感じでいろいろと普通ではないカメラですが
なかなかおもしろいカメラです。

お預かりしているEXEEはまず露出計が全く動きません。
電池室にもかなり緑青が発生しており
電源も露出計まできちんと電圧がかかりませんが
それ以前に露出計本体も内部で断線しており不動のようです。
露出計は中古良品と交換で対応いたします。
その上で配線交換、電室端子のさび落とし再ハンダ等々を行い
普通に導通する状態に修理していきます。
シャッターは動作していますが
Fシリーズで油切れが起こっているとき特有の
「ギャイン」といった高周波の音がシャッター音に混じっています。
この音が出ているときは、まずシャッター精度はボロボロですが
今回もまともに精度は出ていない上に非常ぬ不安定です。
幕軸や調速カムの清掃・注油を行っていきます。
そしてファインダー・レンズ内はカビだらけです。
プリズムにも少し腐食が見られますが
FX/EX系のプリズムは既に腐食のないものの入手が非常に困難なため
腐食はそのままで再利用します。
ただ、腐食はわずかでそれほど気になるレベルではありません
それよりもプリズム・接眼レンズ・コンデンサレンズ
撮影レンズ後玉部、50mmレンズ前玉部。。と
あらゆるレンズ部ガラス部にカビが大量に発生しています。

一通りの整備を要する状態ではありますが
致命的なトラブルはありません
経年劣化的なものばかりで物理的に壊れているところは
ないのは不幸中の幸いです。
きちんと整備されたEXEEはその明るいファインダーも武器になり
なかなか軽快に撮れるカメラです。
交換レンズ群は少々使いにくい面もございますので
個人的には50mm固定で使う方がストレスないかな…とも思います。
ちょっと風変わりな一眼レフですが
ご依頼者様には存分にお楽しみいただきたいと思います。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「セメントの日」だそうですよ
1875年5月19日に官営深川工場で
日本初のポルトランドセメントができたことが由来となっています。
それまでのセメントは輸入に頼っていて
かなり高価なものだったのだそうです。
全く話が変わりますが
うちのじいさんは私と違って起用で何でもこなす人で
家のことも大抵のことは日曜大工でやってしまうのです。
で、玄関や勝手口の土間もセメントで塗り固めて
キレイに仕上げてしまうのですね。
乾く前にちょっとだけ踏んでみたくて
しかたがなかったのですが
そんなことした日にゃ烈火のごとく怒られるのが
目に見えているので我慢していました。
じいさんの家庭内セメント塗り業務の対象は
そのうち家から急坂を1時間以上歩いて行かなくてはならない
灰ヶ峰の中腹にある墓所に向けられます。
私は当時小学校低学年だったので大して手伝ってはいないのですが
くっそ重いセメント袋や川砂
雨水をためるためのドラム缶等々、作業に必要なものを
じいさんが背負子に担いで墓所に登っていくのに
ついていっては「じいさん、熊みたいだなぁ」と思っていました。
巻き込まれるばあさんはかなり不満を言っていましたが(笑
その頃のじいさんの苦労の甲斐あって
墓所敷地内はキレイにコンクリで固められていて
微妙に傾斜もついているので水もたまりません
さすがにあれから40数年経つので
コンクリの割れや隙間から雑草は生えてきますが…
もう私しか参る人もいないし
甲斐性ナシの私のせいでもう入る予定の人もいないし
また枯葉で埋まっているだろうなぁ…
少しでもコロナが落ち着いたら墓掃除に行かなくては…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
結構なバリバリの電子カメラです。
前身のAE-1と比べても機械的な基本部分は共通ですが
さらに電子制御が進んでいます。
AE-1ではまだ存在した糸連動もなくなり
リード線の数もずいぶん減っています。
でも機械的動作部分の構造はAシリーズすべてに共通の
最初のAE-1がベースですから
やっぱり定番のシャッター鳴きは起こるのです。
今回お預かりの個体もシャッターを切ると
「ギャイン」と非常に耳障りな音を発します。
音の問題だけならまだ良いのですが
シャッター鳴きの起きている個体は
ミラーの動きも悪くゆっくりです。
ミラーがゆっくりとしか動かないということは
シャッターレスポンスが悪く
レリーズボタンを押してから実際にシャッターが切れるまで
一瞬タイムラグが出てしまいます。
動きモノを撮影するには致命的な症状です。
さらにシャッター鳴きを放置しておくと
そのうちミラーそのものが全く動かなくなり
シャッターが切れなくなります。こうなると末期症状です。

今回のAE-1プログラムはシャッター鳴きだけではなく
電源も非常に不安定です。
かなり長い間仕舞い込まれていた個体と思われ
あちこちの接点で接触不良が起こっているようです。
電源がある程度安定してきても
今度は露出計が安定せず
非常に明るい光源にレンズを向けているのに
露出計はF1.4を振り切ってしまうことが頻繁に起こります。
どうやらASA感度設定部の摺動抵抗部の汚れが原因のようです。
オート時の絞り連動レバーの動きもかなり重いので
オート露出も不安定です。
AE-1プログラムでありがちのトラブルが
致命傷レベルではないものの
少しずつすべて出ているといった感じです
一通りの整備が必要かと思われます。

シャッター鳴きの原因はすでに有名ですが
駆動のギア部です。
マウントネジ部から注油するなんて方法も有名ですが
ピンポイントで必要最小限の注油を行わないと
周辺部には電気接点もあるので
他のトラブルを呼び込む可能性もあります。
今回は…というより私はミラーボックスを降ろして
原因のギア部がちゃんと確認できる状態で
最小限の注油を行います。
こんかいはそんなことはなかったですが
たまにAシリーズのカメラで
開けてみると油だらけでどうしようもなく
でも肝心のギア部には油が届いておらず
シャッター鳴きはしているという最低な状態のカメラも
たまにみかけます。
自己整備・修理は自己責任ではありますが…(苦笑)

一通りの整備は行って
あとは微調整・清掃等々のみを残す状態です。
お預かり時に比べると全体的に操作も軽く行えるようになりました。
今回も快適に使っていただける状態になりそうです。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「お茶漬けの日」だそうですよ
最近は糖質制限であまりお米を食べないようにしているのですが
本来、お米大好きなので
最後の〆はお茶漬けなんてパターンは多いですねぇ
中学生とか高校生の一番よく食べてた時期は
おかずが足らなくなってでもまだ食べたい!ってときに
お茶漬け・味噌汁汁かけご飯・卵かけごはんの
どれかで〆てお腹いっぱい!ってことが多かったですねぇ
永谷園とかのお茶漬けの元を使うのも美味しいですが
シンプルに普通の緑茶をかけるだけが意外と捨てがたいのです
お供に広島菜なんてあるともう無敵です!
それだけで1合半はお米食べられそうです。(今は無理かな(笑))
夏は冷たい麦茶をかけることも多かったなぁ
これもお供に広島菜か野沢菜があれば文句ナシです。
久しぶりにお米お腹いっぱい食べたくなってきました(←ダメなのですが)
私はどちらかというと血糖値の方がヤバいのですが
今日は「高血圧の日」でもあるのですね。これまたイヤな記念日ですね(笑
私も毎朝、体温、血糖値と血圧を測るのはもうすっかり日課ですが
おかげさまで血圧は割と問題ないかな。。。
(対高血圧の薬は飲んでいますが)
イヤですねぇ…毎朝、体調の心配をしなくてはいけないなんて…
まぁこればかりはしかたないか…(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
このカメラもSP以前のM42ねじ込みマントの
ペンタックスを代表するカメラですよね
相当数売れたカメラで現存数もかなり多いと思います。
前モデルの「S3+スーパータクマー」で「完全自動絞り」を実現し
「SV」ではセルフタイマーと自動復元式のフィルムカウンターを装備しました
TTL露出計の実装は次のSPまで待たなくてはいけませんが
一応、一通りの近代一眼レフの装備は一通り揃ったカメラと言えると思います。
当時の露出計の元々の精度云々を考えると
装備されないほうが潔いと思われる方も多いと思われます。
私も個人的にはそう思います。
ただ、SVまでのM42マウントのペンタックス機は
シャッター幕がどうしよもなく劣化したものも多いのです。
酷いものになると幕同士でくっついてしまったり
破れてしまったり穴が開いてしまったり
ゴム引きのゴム部分の劣化が主な原因ですが
そこまでではなくても硬化が始まっていて
まともに走行しないシャッターのSVやS3、S2なんて本当によく見かけます。

今回お預かりのSVはシャッター幕に若干の硬化、劣化は見受けられますが
運よくまだ何とか当分は問題なさそうなレベルです。
ただし、それでもシャッターはまともに走らず
後幕の走行がキレイに完了しないため
ミラーダウンレバーが作動できずミラーアップしたままの
状態になってしまいます。
古い横走りシャッター機の定番の症状ですね。
当然、後幕がそんな走行状態ですから
シャッタスピードの精度も出てるわけもなく
1/1000に設定しても1/250も出ていないような状態です。
巻上やスローガバナー等々も含めて
駆動する部分の動きが全て動きが悪い状態です。
作られて50年以上経過しているカメラなので
当然といえば当然です。
とにかく分解して動作部分を徹底的に洗浄・清掃し
必要な部部分には最小限の注油を行います。

保管状況自体は悪くない環境だったのだと思われます。
というのも装着されていた55mmレンズにはカビもなく
ファインダー内も目に見えて大きなカビはなかったのです
それでもさすがに動かさずに
かなり長い間仕舞い込まれていたようなので
動作部分の固着や油切れはしかたないですね
それでもこの保存環境だったから
シャッター幕への悪影響は少なかったのだろうなぁ…と予想されます。
画像は分解途中で撮ったものですが
この亜sと、一通りの整備を行って再組立てしていきます。
やはり元々の状態は良いようで
その段階である程度のシャッタスピード等の精度は安定して出ています。
さすがにそのままでは少し問題ありそうなので
あとは微調整で通常の撮影に問題レベルにまとめていきます。
SVまでのペンタックス機はSP以降のものに比べても
何とも言えないレトロなデザインがステキですね
動きの良くなったSVでご依頼者様には
是非撮影をお楽しみいただければと思います。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
うーん、少し前までは頻繁にテント担いで
あちこちの山に登りに行っていたから
それがまさに自分の中では「旅」だったのですが
もう身体が言うこと聞かなくなったので
あまり「旅」って気分でもないなぁ
でもたまに広島に帰省(もう実家すらないから帰省でもないか)するのは
「旅」ってほどじゃないけど楽しみですねぇ
慣れ親しんだ美味しい食べ物や
懐かしい景色やバカ話しできる友人に会うこともできますし…(笑
それもこれもこの状況じゃ
すっかりご無沙汰になってしまっています。
今は新宿方面行くだけでもちょっとイヤですものねぇ
まぁ普段はすっかり引きこもり気味ですが
早く気兼ねなくお出かけできて
美味しいものを食べに行けるようになってほしいものです。

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初両優先オート搭載(絞り優先、SS優先)のカメラです。
その翌年になは両優先+プログラムオートのキヤノンA-1も発売され
いわゆる「マルチモード機」が全盛となっていきます。
今となっては両優先云々より
端正なスタイリングとミノルタらしい使い心地の良さが魅力のカメラです
またスクリーンには非常に明るい上にピントのキレも良い
アキュートマットスクリーンを装備しており
巻上の感触の良さやシャッター音の上品さ等も含めて
非常に官能的なカメラに仕上がっています。
ただし…XDは現行モデルだった頃から
電装系のトラブルが多いことで有名なカメラで
現在生き残っていて動作しているものには
致命的なトラブルを抱えているものは少ないとは思いますが
それでもシャッター制御等でトラブルを抱えているものは
修理不能なものも存在します。
おまけにミラーボックス脇のエアダンパーや
絞込レバー付近の動作不良で
シャッターレスポンスの異様に悪い個体が存在します。
これは修理・整備である程度は対応できますが
要はレリーズしてから実際にシャッターが切れるまで
妙な間がある状態ということです。
酷いものになるととても動きモノは使えない状態のものも見受けられます。
XDは元々、サイバーネーションシステム
(SS優先AE時にオート範囲外の露仏となる場合にSSを補正し
適正露出を得るプログラムオート的な機能)のせいで
シャッターレスポンスはそれほど良いカメラではないのですが
トラブルを起こしている個体は
そんな許容できるレベルではないものも多いのです。
。。。というわけでXDを預かったときには
整備前の現状チェックにもいろいろ時間や確認が多く必要なのです。

お預かりしているXDは
比較的トラブルの多いと言われる前期モデルですが
致命的なトラブルは抱えていないようです。
ただ、摺動抵抗の汚れかと思われますが
露出計、オートが非常に不安定な動きをしています。
それとは別の問題で
高速シャッターも少しばかり不安定です。
かなり長い間動かさずに眠っていた個体だと思われます。
おそらく電池も入れっぱなしだったらしく
電池室にもかなり緑青が見受けられます。
導通しない程ではないのですが
しっかり対処しておかないと後で接触不良が起こりそうです。
電池室裏側の端子ハンダ付けもかなり劣化しており
そのうち断線してしまいそうなので対処が必要です。

トラブルの起こりやすい部分や
今はとりあえず大丈夫でも
対処しておかなければいけない場所は
既に把握しているので
一通りの整備・調整を行います。
電子制御カメラはマグネット部分と各接点が
生命線なのでそのあたりの清掃も念入りに行います。
それでも今回のXDはまだかなり良い状況の個体です。
ただ、前期モデルの特鋼でもある
本革の貼り革はやはり縮んでしまって
そこに関してはどうにもなりません
整備のためにいったん剥がしますが
縮んだまま再貼り付けするしか術がございません
手触りは良くって「これもXDの使い込心地の良さのひとつ」では
あるのですが・・・
あまり縮んでいることを気にしなければ
実用上は問題ございません

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