ニコンEMのカメラ修理

今日は「たまごの日」だそうですよ
「卵」という漢字が数字の「6」と「9」に似て見えることと
盛夏の前に卵を食べて
健康増進を図ってもらいたいとの願いからだそうです。
現在の食生活だと意識して取らなくても
いろんなものに卵が使われているのですが
やはりたまごが明らかに使われている料理や
たまごそのもの(ゆでたまごや卵焼きや目玉焼き)は
やはり美味しいですよねぇ
大抵のものが卵でとじてしまえば
美味しいというのもすごいですよねぇ
。。。とここまで書いて。。。
何か割と最近似たようなことを書いた気が。。。と思い
調べてみると5月22日が「たまご料理の日」だったのですね(苦笑)
たまご、大好きですし
ゆでたまごなんて準備さえしておけば
5~6個くらい平気で今でも食べてしまうと思いますが
今の私の身体でそんな無駄に多くたまごを食べると
あとでとんでもないしっぺ返しを食らうので
たまごは1日に1個までにしておきます。。。(苦笑)
たまごに限ったことではないのですが
食べたいものを食べたいだけ食べても
何も問題がなかった頃っていうのは
実はかけがえのないものだったのですねぇ
今、一時の感情で気持ちよく暴飲暴食すると
確実に数時間後か翌日にかなり気持ち悪くなりますのものねぇ(笑)

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年にデビューしたカメラです。
同じ年にフラッグシップである「F3」がデビューしており
フラッグシップとエントリー機、どちらもジウジアーロのデザインで
同時期にデビューとなったわけです。
ニコンというと「F一桁機」と言われるトップモデル
そしてそれに続く中級機はニコンらしく堅牢なイメージで
セールス的にも成功していましたが
いわゆるエントリークラスとしてはこのEMが初めてのカメラです。
この時代には物品税の関係もあり
ボディ本体4万円以下の「絞り優先オート専用機」が
各メーカーラインナップされていましたが
このEMでニコンもその市場に割って入ったわけです。
しかしながらプラボディで割り切った機能とした「EM」は
国内市場ではそれまでの「ニコン」のイメージとの落差からか
意外と苦戦します。
それでもそれなりにはもちろん売れていて
現存台数も多く今では逆に中古市場でも非常に人気のモデルです。
当時の国内市場では「EM」が意外に苦戦したことで
(海外市場ではなかなか好調だったそうです)
ほぼ同じボディにフルスペックの機能満載にした
「FG」を早々と追加投入することになりました。
現行発売中はそんな感じで国内市場でなかなか苦戦を強いられた
EMでしたがその秀逸なジウジアーロデザインや
他のニコン機にはない軽量コンパクトさ
割り切った機能とその使いやすさで
生産が完了した後に人気が出る形となってしまいました。
なかなか皮肉なものですね。
愛称は「リトルニコン」
Aiレンズ連動爪が固定式のため非Aiレンズの装着は不可能です。
たまに無理矢理非Aiレンズを取り付けている個体を見かけますが
オートも効かないしそのうち連動爪が破損します。

お預かりしている「EM」は
おそらく結構な長い間使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
保管環境は悪くないようで装着されていた
Aiニッコール35mmF2.8レンズにはカビもなくなかなか良い状態です。
ただし、ボディ側はいろいろ問題があるようです。
まずは電源が安定しません。
電池室は一見キレイなのですが電池を入れても
バッテリーチェックランプも非常に暗くしか点灯しません。
電池室裏側ハンダ劣化とSW部の接触不良のようです。
で、そこを改善しても今度は露出計が非常に不安定です。
EMはフィルムカウンターが1枚目にならないと
露出計SWも入らずシャッターはM90固定で切れるような仕様になっていますが
1枚目になっても露出計が全く動かないことが多々あります。
たまに思い出したように動き出したと思ったら
今度はその指針の動きが非常に不安定です。
これも今度はカウンター部、レリーズ部のSWの接触不良かと思われます。
露出計が安定していてもオートはまた別の問題で
少々不安定なので接点や摺動抵抗、マグネット関連も含めて
全体的に整備が必要な状態だと思われます。

80年デビューの電子制御カメラなので
中身はフレキで完全に覆われています。
何をするにもまずこのフレキを取り外すことから始まります。
はんだごてが大活躍するパターンですね。
露出計のついてないような50年代のカメラの場合は
はんだごてを全く使わないこともめずらしくはないのですが
この年代になるとはんだごてがないと何もできません
こうして考えると50年代のカメラと80年代のカメラでは
同じカメラとは思えないほど修理・整備に対する
アプローチが異なります。
とはいえまだ「EM」は整備性がかなり良いほうです。
それに修理不能になる可能性もゼロではありませんが
かなり低いほうだと思います。
ニコン機でこんな洒落たコンパクトなカメラ一眼レフは
この「EM」しかないと思いますので
今でもやはり人気が高いのはわかるような気がします。

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ミノルタレポSのカメラ修理

今日は「緑内障を考える日」なのだそうです。
「りょく(6)ない(7)」(緑内)と読む語呂合わせが由来です。
緑内障についての正しい理解と
一年に一度は検診を受けるように呼びかけているのだそうです。
目の病気といえば白内障と緑内障でしょうけど
緑内障は基本的に進行を遅らせることはできても
治すことはできないですものね。怖いですよねぇ
ほんとね。この歳になってくると
いつまでしっかり五体満足でいられるか。。。なんてことを意識します。
私は糖尿病な上に昨年、頭がイカレてしまってからは
左目の瞳孔の動きが悪いので2ヶ月に1回は眼科にも通ってて
半年に1回は視野検査も行うのですが
一度視野検査で問題の少ないはずの右目が引っかかっているのですよねぇ
ただ、過去に頭がイカレてる人は視野検査も正確ではないみたいで
とりあえず眼圧の傾向をみながら様子見なんてことになっていますが。。。
もうここ数年、身体にいろんな不調が出ていてイヤになりますね(苦笑)
まぁ、そういってもできる限り生きていかなくてはいけないので
いろいろ気を配りつつ無理の少ない生活をしてきたいと思います。。。

さてさて

本日は「ミノルタレポS」のカメラ修理を行っています。
いわゆるハーフカメラです。
ハーフ判と言えばやはりメジャーなのはオリンパスペンシリーズで
次にリコーオートハーフというところでしょうか。。。
昨日のブログでEE17を紹介したキヤノン・デミシリーズも有名ですね。
それらに比べるとミノルタレポシリ―ズは
少々マイナーな存在かもしれません。
マイナーなのにも理由があって
ミノルタはハーフ判カメラへの参入がちょっと遅かったのですよね。
そのためレポシリーズも無印のレポと今回のレポSとの2機種しかありません
その辺りをは発売したところでハーフ判ブームは去ってしまったのですね
当然、現存する台数も他のメジャーなハーフカメラに比べると
少ないと思います。特に高級版ともいえる「レポS」は
意外に市場にも少ないと思われます。
レポシリーズは35mm判で同じ時期にコンパクトさを売りにしていた
ミノルチナPをベースに開発されたようです。
通常のレポは手動プログラムシャッターで
露出計の指針に連動指針を合わせて露出を合わせますが
絞りとシャッタースピードの組み合わせは
プログラムで決まっていて選べません
それに対して「レポS」ではマニュアルでシャッターと絞りの組み合わせは
任意で選べますが露出計指針との連動はあくまで
絞りリングで行い、その後SSを変更すると絞りも連動して変更され
要はLVを維持したまま設定が変わるという方式です。
マニュアル的に使おうとすると少し慣れが必要です。
レポSはその他にもベースのレポに対して
グレードアップされている箇所が何か所かあり
まずレンズは5群6枚ロッコールPF32mmF1.8の大口径が搭載されます。
さらにノーマルレポもそうですがハーフカメラの巻上は
ダイヤル式(写ルンですと同様のタイプ)が多いのですが
レポSはちゃんとレバー式です。
これは個人的には非常にポイントの高い部分です。
しかも巻上の感触もなかなかのものです。
(デミほどではないですが)
それにしても無印レポも市場にあまりう出てきませんが
レポSはそれ以上に出てこないですね。
今回、露出計本体に予想外の問題があったので
急遽部品取りを探したのですが
入手するのにかなり苦労しました。。。

お預かりのレポSはそういうわけで露出計に大きな問題があります。
心配されるセレンそのものはそれなりに起電していて
問題はないのですが露出計本体になぜか分解歴があり
指針がおかしな位置関係になっていて修復が困難な状況です。
見た目には常に真ん中付近に指針があって
ものすごく明るいところに持っていくと少し反応するのですが
それ以外は常に指針が真ん中付近で固定されている状態です
うーん、イチかバチかで露出計本体の修復も考えたのですが
ここはおとなしく中古良品と交換することを選択しました。
自然と壊れたのではなくて分解によってこうなっているようなので
これを直すのはリスクが高いと判断した感じです。
露出計も問題ありでしたが、それ以前にシャッターが全く開きません
これは単純にシャッター羽根の固着と思われるので
通常のシャッタユニット整備+羽根清掃で改善できるかと思われます。
レンズには多少の拭きキズが前玉表面にそれなりにあるものの
カビはほとんどなくわずかにカビ跡が見られることから
やはり以前に分解されて手を入れられている個体だと思われます。
しかしながら露出計の件以外は
それほど大きな問題はなさそうです。

先にシャッター周りの整備を行っておいて
露出計回りの修理・整備にこれから取り掛かるところです。
先程も書きましたが露出計の部品確保にちょっと苦労したので
実はシャッター周りは少し前に完成させたまま
部品待ちになっていたのです。
この後、露出委本体の交換を行って調整を行いましたが
セレンの調子が思っていたよりもよく
なかなか良い状態で仕上がりそうです。ホッとしました。
今回も実はかなりお待たせしてしまいましたが
やっと自信をもってお渡しできる状態になりそうです。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」なのだそうです。
なぜこの3つかというとこの3つの記念日
由来がどれも共通で
「習い事・芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という
言い伝えからきています。
小学校1年生の6月ということですね
確かにそのくらい…いやジャンルによってはもっと早くからのほうが
いいかもしれませんねぇ…私も早く楽器か何か初めて
「絶対音感」がほしかったなぁ…(笑
習い事に何を始められるかは幼い頃だと
環境にかなり左右されるでしょうし
自分の意思ではなかなか選べないでしょうし
果たして何に向いているのかもわからないでしょうし
なかなか難しいでしょうねぇ
私も実は何か幼いころから始めていれば
才能が開花するようなものがあったのかなぁ…
いや、どう考えてもないな(苦笑)何をとっても凡人以下です…
逆に中途半端に才能なんてもし持っていたなら
私の性格から考えてその才能に振り回されて
正しい道を踏み外しそうなので
凡人でよかったのだと思います(笑
まぁ、そんな大げさに考えなくても
何か楽しめる習い事があるのはいいでしょうね
フィルムで写真撮るなんて適度に難易度もあって
奥深くて気持ちよくていいと思いますよ~(笑
ところで…
カメラ・写真フリークとしては今日は「6x6の日」でしょうね
ブローニーの真四角写真は画質も良くてこれまた良いですね!

さてさて

そんなブローニー判の話を少ししておきながら
今日のカメラ修理はハーフ判の「キヤノンデミEE17」です。
基本的な無印のデミに対して
電池を使用するCdSを受光体とし大口径F1.7のレンズを搭載
シャッタースピ―ド優先オートで撮影するカメラです。
1966年のデビューですが
実はこの前年にほぼ同じスペックでラピッドフィルム用の
デミラピッドというカメラが出ていて
実は「EE17」はこの「デミラピッド」の35mmフィルム版ともいえます。
大口径F1.7レンズに目測ピントなので
開放付近でのピント合わせはちょっと厳しいものがあるでしょうが
まだ標準感度がASA100のこの時代に光が足りない場面でも
とりあえず撮影できるための大口径レンズという位置づけだと思います。
それは「デミEE17」に限らずこの時代の大口径搭載の
レンズ固定式カメラは全てそういう考えだと思われます。
デミシリーズ共通の美点でもある気持ちの良い巻き上げと
見えの非常に良いファインダーがやはり大きな魅力だと思います。

お預かりの「デミEE17」はシャッターが全く切れません…
というより全く開きません。
結構強烈にシャッター羽根が固着してしまっているようです。
2枚羽根のシンプルなシャッター羽根ですが
シャッター羽根の清掃が必要な状態です。
露出計はとりあえず動作していますが少々不安定なようです。
露出計の指針は比較的正しい値を指すのですが
それに対して実際のオート露出はかなりアンダー目です。
状況によっては2段くらいアンダーになるようなので
これも調整が必要かと思われます。

ノーマルデミのように裏蓋と一体になったモナカ構造ではありませんが
やはり同じように前板が上下カバーの一部を兼ねるタイプです。
ただ、上下2分割構造となっています。
シャッタユニットをこの後、脱着してシャッタ羽根周りの整備から行います。
もちろん並行して露出計周りの配線チェック等も行います。
実はこのデミEE系って前面の貼り革を剥がすのが
なかなか大変なのです。アルミボディに両面テープで
接着されているのですがその組み合わせに問題があるのか
とにかく年月の経った粘着質がキレイに剥がれないのです。
あまり無理をすると貼り革を傷めてしまうことになりますし
エタノールを流し込みながら慎重にはがしていきます。
剥がしたら剥がしたでボディ側、貼り革裏に残った
粘着質を慎重にはがしていきます。
これをキレイに取っておかないと次に貼ったときに凸凹になってしまいます。
。。。というわけでまだ具体的な修理には入っていないのですが
革剥がしで一仕事終わった感じです。
お茶一杯休憩してこれから本格的に修理・整備に取り掛かっていきます。

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ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「芒種」です。
芒(のぎ 、イネ科植物の果実を包む頴(えい)
すなわち稲でいう籾殻にある
とげのような突起)を持った植物の種をまくころだそうです。
実際の現在の種まきはこの時期ではなく
もっと早いですよね
二十四節気が決められたのは紀元前の中国内陸部での
お話なのでなかなか現在の日本で
そのままあてはまるものばかりではないですよね
でもずっと長い間使われているものなので
実際の感覚とのズレも含めて微妙な季節感を表していると思うので
このままでよいのかなと思います。
日本では基本的な二十四節気に加えて「雑節」などもありますし。。。
芒種の次はいよいよ夏至ですよ
梅雨らしい天気の合間に初夏を思わせる日差しも出てきていますが
例年多い「ゲリラ豪雨」なんてのがないといいですね
やっぱり梅雨はしとしとと適度な雨が降り続くのが
情緒あふれてていいですね

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っています。
「SR-7」そのもののデビューは1962年ですが
「ニューSR-7」のデビューは1965年です。
ネーミングは同じく「SR-7」ですが
中身。。。だけではなく外装も含めて全くの別物です。
スペックだけは同じようなものなのですが
根本的にダイキャストが変更されており
「ニューSR-7」のダイキャストは次モデルの「SR-T101」と共通のものです
これだけ異なるモデルなのだからモデル名ごと
変えても良かったのではないかと思うのですが
モデル名はあくまで「SR-7」なのです。
モデル名と言えば「SR-7」の前は「SR-3」で
なんでいきなり「7」なのかというと
ハイマチック7と同じで
初代ハイマチックOEM品のアンスコオートセットが
フレンドシップ7に載って宇宙に行ったことが由来となっているそうです。
さらにマイナーチェンジを含めると7代目の一眼レフということもあるそうですが
それはちょっと無理矢理かな。。。(笑
従来の「SR-7」と「ニューSR-7」の違いは
ダイキャストの変更による小型化もそうですが
ユニット化されたミラー駆動部と一体化された横走りシャッター機構も
従来のダイキャスト側に設置されるシャッターに戻っています。
修理する立場とすればやはりこっちのほうがやりやすいかな…
外光式の露出計自体はそのままですが
感度切り替えが背面からマウント脇に移動されています。
さらにSR-Tと同じ底面にBC-OFF-ONのSWが設置されています。
露出計周り以外は初期のSR-T101とやはりかなり似ています。

お預かりしている「ニューSR-7」は
ちょっとめずらしいブラック塗装です。
ところどころ地金が出ていて
適度に使い込まれた感がなかなかステキです。
外観はそれなりに良いのですが
まずはこのSR-7、全く巻上ができません。
巻上ロックが完全に噛みこんでいるようで
巻上レバーはビクとも動きません。
もちろんこの状態で無理に動かそうものなら
破損させてしまうのが関の山なので
無理は絶対にしません。
シャッター幕の位置を見てもリリース状態なので
シャッターが切れないわけではなくて
巻上ができない状態のようです。
原因は。。。さすがに分解してみないとわからないですね
どこかの部品が固着して巻上ロックが
解除されないのだとは思われますが。。。
シャッターが切れないので現状で確認できる箇所は限られますが
露出計も問題があり非常に不安定な上に
3段以上オーバー傾向です。
チェックしている間にバッテリーチェックも含めて
完全に動かなくなってしまったので
どこかの接触が悪い、あるいは断線かと思われます。

それからファインダーにゴミの混入もそれなりにあるのですが
コンデンサレンズがかなり曇っていて
ファインダー全体が妙に低コントラストです。
もちろん清掃でクリアにしていきます。
上の画像は取り掛かったばかるの段階のものですが
巻上周り及びシャッター周りは
1ヶ所のトラブルではなくあちこちが強烈に固着していました。
溶剤で根気よく洗浄した後に最小限の注油を行い
何とか通常の動きを取り戻すことができました。
露出計は電池室~SW部の配線が完全に腐食して
ほぼ導通していない状態でした。
確認できているトラブルの処置は一通り行えたので
後は各部の確認を行いながら通常整備+調整を行います。
分解するまで状況がはっきりしなかったので
少々不安でしたが何とかなりそうで少し安心です。

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コニカⅢAのカメラ修理

今日は6月4日。。。
これはわかりやすく「虫の日」ですね。
子供の頃は大抵の虫を捕まえたり
触ったりも平気だったのですが
いつの間にか全くもって触れなくなりましたね(笑)
カブトムシやカナブンでさえ
触れなくはないけれど
あまり積極的に触りたくはないですねぇ
いつからこうなってしまったのか。。。
「虫」と書くとイメージされるのは昆虫類で
あまり抵抗のないグループをイメージしますが
「ムシ」と書くとムカデやクモとか
子供の頃でもちょっと触れないような
怖いものが入ってくるような気がします。
で、「蟲」ともなると
もう生き物でないようなものや
超常現象まで含まれるような気がします
いつも書きますがこのよの不思議なことは
たいていが「蟲」が起こしているのだと思っています(苦笑)
日本語って難しくて面白いですねぇ
そういえば去年のこの頃に
「ろくむし」の話をしたような気が。。。(笑)
1年経つのは早いですねぇ

さてさて

本日は「コニカⅢA」のカメラ修理を行っています。
コニカスタンダードから始まるコニカ最初の35mm判カメラのシリーズです。
「スタンダード」は対米輸出および米軍PXでのみ発売されたモデルのため
国内一般向けではないですが
そのスタンダードを国内一般向けにしたものが「コニカⅠ」です(1948年)
その後、細かいモデルチェンジや派生モデルを加えながら
「Ⅱ」、「Ⅲ」へと発展し
初期のコニカ35mm判レンズシャッター機の集大成ともいえるのが
今回の「ⅢA」だと思います(1958年)
従来の「Ⅲ」に当時「生きているファインダー」と呼ばれた
パララックス/画角自動修正機能付等倍ファインダーを備えたモデルです。
大型のプリズムを贅沢にあつらえたファインダーで
パララックス補正も立派ですが
何といってもその見え方が素晴らしいファインダーです。
等倍なので右目でファインダーを覗きながら
両目で見ると普段見えている視界の中に
ぽっかりとブライトファインダーが浮かび写る範囲がわかります
当然、そのまま二重像でピント合わせも行い
シャッターチャンスを待つわけですね
等倍ファインダーを両目で使うのには少し慣れも必要ですが
これに慣れると本当に便利です。
通常ならファインダー視野外となる部分も容易に確認できます
シャッターは通常の「Ⅲ」と同じく
当時の最高級シャッターでもある「セイコーシャMXL」です
最高速は1/500で1秒までのスローシャッターと「B」を備えます。
レンズはヘキサノン48mmF2搭載機と50mmF1.8搭載機が存在します。
他は「Ⅲ」とほぼ同一で
巻上は独特のマウント部から生えているレバーを押し下げて行います。
軽快なダブルストロークです。
使い心地や質感の高いデザインも含めて
かなり良いカメラだと個人的にも思っています。

お預かりしている「ⅢA」はご依頼者様が某ネットオークションで
最近んご購入されたものだそうです。
動作確認済、しかしながら現状渡し・保証なしという
この手の販売ルートにありがちな販売方法ですが
いきなりシャッターが切れなくなったそうです。
拝見してみるとレンズシャッター機では
定番のシャッター羽根固着です。元々粘りがあったものかと思われます。
この手のルートで入ってきた来た個体は
無茶な扱いを受けている場合もあるので
まずはシャッター羽根や絞り羽根の状態を慎重に確認しておきます。
羽根の破損や変形があると工数が全く異なってくるからです。
交換部品の問題も出てきますし。。。
いつも書きますが特に絞り羽根には注意が必要です。
粘った状態で動かし続けていると
比較的簡単に変形・破損が起こります。
シャッター羽根よりも高い確率です。
今回は何とか羽根そのものには問題はなさそうです。
羽根洗浄およびシャッターユニット清掃整備で
シャッター周りは問題ない状態にできそうです。
最大のセールスポイントでもあるファインダーは
かなりのカビや汚れが見受けられ距離計も全く合っていませんでしたが
プリズム自体は良好でプリズム周りの清掃で
十分にクリアな状態になりました。
もちろん距離計も調整いたします。

外装もできる限り清掃して仕上げました。
やはりクリアな等倍ファインダーの見え心地は良いですね
巻上も預かり時より明らかに軽快になったと思います。
これならこれから安心してガンガン使っていただける状態と言えると思います。
まぁ、なかなかネットオークション等で買って
そのまま安心して使えるものはなかなかないと思います。
最初から整備前提で入手される分には良い場合もありますが
修理不可能な状態のものもゴロゴロありますので
やはりある程度のリスクはあるかと思います。
でも今回の「ⅢA」は最初少し心配しましたが
妙な分解品でもなく通常整備で見違えるほどよくなりました。
随分お待たせしてしまいましたが
ご依頼者様には存分にこれから楽しんでいただければと思います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「測量の日」だそうですよ。
1949(昭和24)年のこの日に
測量を正確、円滑に行うことを目的とし
基本測量や公共測量の定義などを定めた
「測量法」が公布されたことに由来しています。
あれれ?測量と言えば伊能忠敬が測量に出発した日に
由来した記念日を最近何か書いた気が。。。と思ったら
それは「地図の日」(4月19日)でした。
おお、もう2か月近く前なのねぇ
そういえば、なぜか昔、実家にゼンリンの住宅地図があり
(業務用の呉市内全域をカバーする大きな冊子で
おそらく買うと結構な値段。。。)
小学生の頃にヒマなときはそれをめくって見ているのが好きでした。
家の側を流れる吾妻川。。。上流はどこまで行けるの???とか
逆に海まではどこを通っていくの?とか
クラスの名簿を引っ張り出しては
「あの子の家はどの辺?うちからはどうやって行くの?」とか
「呉市の一番端っこってどこ?」とか
結構、飽きもせずに延々といろいろ調べてたなぁ。。。
おかげさまで地図にはちょっと強くなったかな
未だに実家の近所の道をイメージすると
その住宅地図のイメージも出てくるし。。。
本当にあの頃、覚えたことは忘れないですねぇ
ずっと小学生~中学生の記憶力だったらいいのに。。。(笑
登山に行くようになってからは1/25000地形図の出番です。
これも奥が深いんですよねぇ
見慣れてくると斜面や勾配の様子とかもだいたいイメージできますし
よく行く南アルプス北部や奥秩父、八ヶ岳エリアは
今でも一通り持っています。
まぁ今では実際に現地で見る時はともかく
家にいるならネットで見たほうが早いのですが。。。
何にせよ、地図を見ているのは今も昔も楽しいです。
地図ではありませんが今だとグーグルアースなんて見始めると
これがまた止まらなくなりますものねぇ。。。仕事中は厳禁です(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
「SP」もコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
社会現象となるくらいに売れまくったカメラなので
現存数も圧倒的に多いのだと思います。
当店に修理に入ってくるものは
「中古で買って使ってるもので。。。」というものもそれなりに多いのですが
やはり「SP」の場合は
「家でずっと使われずに仕舞い込まれていたものなのですが。。。」という
パターンが圧倒的に多いです。
今回もそのパターンかと思われます。
レンズマウントというのは多くの場合、そのメーカー独自の仕様で
互換性はないものなのですが
SP…というかこの時代のペンタックス機は
ユニバーサルマウントでもある「M42マウント」を採用し
オールドレンズに少し詳しい方、興味のある方はもちろんご存じでしょうが
世界中のいろんなメーカーのM42マウントのレンズを
そのまま使うことができます。
当然、ユニバーサルマウントなので非常にシンプルなマウントです。
はっきり言えば単純な大きなネジです。
「M42」というのもネジ径の寸法のことです。
普通にドライバーで締めるネジだとM2のネジとか
M5のネジとかいいますがあれと同じです。
ネジ径に加えて絞り羽根動作連動が付いているだけです。
自動絞りでなければ絞り羽根連動もありません。
そういうシンプルなマウントなので
当然、露出計はTTL(ファインダー内測光」といえども
絞込測光となり実際に撮影時の絞りに絞り込んで測光します。
絞りが開放あるいは開放に近い値だとそれほど問題はないですが
F8とかF11とかに絞り込むと当然ファインダーはかなり暗くなり
そのままでのピント合わせは不可能です。
そのあたりが唯一の使いにくい点なのかなと思いますが
M42マウントというユニバーサルマウントを使っている以上
致し方ない部分かと思います。
実際、ペンタックスも後継のSPFでは開放測光に対応しますが
それはM42マウントに絞り伝達機構を追加した
SMCタクマーレンズ使用時のみです。
ややこしいことになるし従来のM42マウント(特にペンタックス以外)
使用時におけるリスクもあるので
やはりM42マウントは絞込測光が潔いと思います。

話が随分逸れてしまいました。
お預かりしている「SP」はその露出計がほぼ不動です。
SWの接触不良及び配線やハンダの導通不良が原因と思われます。
まぁ、いつものパターンです。
そしてこれも定番ですが幕軸の汚れのため
シャッター走行がスムーズではなく
高速時を中心にシャッタースピードの精度は全く出ていません。
今のところ、ミラーアップしたままになったりとまでは
いきませんがこのまま放置していると
間違いなくミラーアップトラブルも出てくると思います。
もうひとつ定番のプリズム腐食は今回はありませんでしたが
やはりプリズムをぐるりと囲む遮光材の加水分解はかなり進んでいて
これももう少し放置しているとプリズムの蒸着まで
剥がし始めていくところだったと思われます。

既に一通りの整備は完了した状態です。
装着しているレンズは当店のテストレンズです。
かなり洗浄を念入りに行い注油もしたので
少し動きが落ち着くまで様子見の段階ですが
ここまで特に問題なく非常にスムーズに動作するようになりました。
外観もできる限り磨き上げました。
経年劣化や油切れ・汚れは当然ながらかなりあったのですが
基本的には保管状態も悪くなく
かなりの部分で当時の姿を取り戻せていると思います。
おそらくご依頼者様にも満足していただける状態に
仕上がっていると思われます。

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ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「路地の日」だそうです。
日付は「ろ(6)じ(2)」(路地)と
読む語呂合わせからだそうです。
私が子供の頃には妙な路地が近所にも
たくさんあったなぁ。。。
うちの実家もそうだったけど長屋が多くて
その通路がまた細かく入り組んでいて
1日中、日の当たらない路地もたくさんあったし
そういう路地ってなんだか独特な匂いがするんだよねぇ
で、中には、これ本当に通っていいの?みたいな
家の間を縫うような路地も多かったなぁ
またおまけに私の生まれ育った辺りは
平地も少なく斜面に家が建っているような地域だったので
路地に石階段もセットになっているんですよね
またそこが格好の遊び場になるのです。
絶対クルマは入ってこないから意外と安全なのかな(苦笑)
でも階段転がり落ちると逆に大変なことになるのかも。。。
私の生まれ育った町もすっかり人口が減ってしまって
よく遊んだ路地や階段が雑草で覆われて入れなくなってたりとか
そもそも子供が全くいないから
路地で子供が遊んでいる姿なんて見なくなりました。
時代。。。というか時間は移ろいゆくものなのですねぇ
誰もが歳を重ねるとそうかもしれませんが
あの頃の空気感はもう味わえないのでしょうねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
それまでのM42マウントを一新し
Kマウントを採用し生まれ変わったペンタックスの一眼レフシリーズが
「Kシリーズ」です。
1975年6月に「K2」、「KX」、「KM」の3機種が同時発売されて
Kシリーズはスタートしました。
このうち「K2」は完全新設計の金属羽根縦走りシャッターの電子制御機で
「KX」、「KM」がオーソドックスな布幕横走り機械制御のカメラです。
「KX」はM42時代のSP系のカメラをより進化させ
より使いやすく煮詰めていったようなカメラです。
露出計の受光体はSPDに変更され、より反応性が良くなり
ファインダー内露出計表示も2針式で
現在設定されているSS設定と露出計指示値が一目で確認できます。
さらに絞り値もレンズ側の絞り刻印を直読できるようになりました。
メータードマニュアル機としても非常に使いやすい仕様です。
細かいことですがSP時代にはアルミ蒸着だったプリズムが
K2,KXは銀蒸着になりました。
次のMシリーズの登場が比較的早い上に電子化小型化が一気に進んだため
「Kシリーズ」はシリーズ全体としても短命で
ちょっと地味なイメージなのですが
「KX」は非常に使いやすい隠れた名機だと思います
確かにちょっと大きくて重いのが玉に瑕ですが。。。

お預かりしている「KX」は
かなり長い間使われずに仕舞い込まれていた上に
その保管状況もあまりよくなかったようで
いろいろと問題を抱えています。
まず装着されているM42時代のタクマーから
Kマウント化された55mmF1.8レンズは
全てのレンズにびっしりカビが生えてしまっています。
ただ不幸中の幸いはほとんどのカビが菌糸状で
小さく濃く固まったようなものや
クモリを併発しているほどのものではないので
清掃でかなりの部分が除去できるのではないかと思います。
ヘリコイド等は比較的状態が良いようです。
。。。ということはやはり保管場所の湿度は高めだったのでしょうね
カメラ本体側はまずシャッター速度の精度は全く出ておらず
高速域では特にその傾向が顕著に見受けられます。
さらにミラー駆動部の動きが粘りがちで
ミラーがゆっくりとアップしていくような感じです。
つまりレリーズしてから実際にシャッターが切れるまでに
かなりタイムラグがある状態です。
これも放っておくとそのうちミラーが上がらなくなり
シャッターが切れなくなってしまうと思われます。
さらに露出計は電池を入れても全く動かず
ファインダー内SS設定も連動して動きません
(ずっと1/1000の位置のまま)
おまけに絞り直読窓も全く見えません。
うーん、ひとつひとつはありがちなトラブルですが
いろんなことが一通り起こっている感じです。

まだ現状を確認したのみで何も行ってはいないのですが
画像を見てもわかるとおり外観は比較的キレイなのです。
ケースに入れたままだったようなので
湿気もため込んだままだったのかもしれません
使われなくなってからは仕舞い込まれたままで
相当の年月が経っていると思われますが
使っていた頃はかなり丁寧に大切に
使われていたのではないかなぁと思われます。
動きの悪い部分や接触の悪い部分は
しっかり整備すれば治ると思われます。
新品には戻せませんが
現役で使われていた頃と同じような感覚で使えるように
しっかりと整備していきたいと思います。

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ニューキヤノネット28のカメラ修理

今日は語呂合わせで「ごみゼロの日」。。。で
それに関連して「古民家の日」なのだそうです。
古民家の再利用や古材の活用を推進したいとの想いから
「ごみゼロの日」と同じ日にしたということと
「こ(5)みん(3)家=おうち(0)」の語呂合わせということです。
今はネットで何でも調べられるから
私も一時期。古民家に住んでみたいなぁ…と思っていろいろ調べたのですね
古民家は程度によっては比較的気軽に買えそうな価格のものも
存在するのですが、そういうものはまず修復が大変そうです。
それ以外のものも含めて維持費は相当にかかりそうです。
そして何よりも若くて体力があればともかく
いちいちいろいろなことに手間がかかり
当たり前ですが立地が非常に不便です(苦笑)
。。。よく言うじゃないですか
歳とったら田舎でのんびり暮らしたいとか。。。
それ実際に歳とってくるとわかりますが
都会生活に慣れた身体は田舎に簡単には適応できないと思います。
人間関係だってなかなか面倒そうですよ(苦笑)
私だったら強いて言えば生まれ育った呉くらいであれば
何とか暮らしていけるかもしれませんが
未知の田舎に住むなんてもう無理ですねぇ(汗)
風通しの良い縁側とか囲炉裏のある古民家に
あこがれはあるのですが現実はなかなか厳しいようです…
まぁ私はこの仕事をしている限り
東京から離れることはまずないとは思いますが…(笑

さてさて

本日は「ニューキヤノネット28」の」カメラ修理を行っています。
初代キヤノネットの登場は1961年で
当時から大口径レンズにシャッタースピード優先オート搭載の
レンズ固定式カメラという点では基本的に
シリーズを通じて共通です。
ただ時代が進むにつれて小型は当然のように進んでいき
1969年のニューキヤノネット系の登場で
機能はそのままに大幅に小型化されます。
今回の「ニューキヤノネット28」も
いわゆる「ニュー」になってからの派生モデルです。
基本的にはボディは「ニューキヤノネットQL17」のものをベースとして
レンズが40mmF2.8に変更され
露出はマニュアルが不可(フラッシュモード時にSS固定で絞り変更は可)となり
プログラムオート専用となりました。
SS設定も含めてカメラにお任せということです。
さらにQL(クイックローディング)も省略となっています。
本流のキヤノネットをよりシンプルに仕上げたカメラという感じです。
スペックに余裕のある40mmF2.8レンズの写りが
個人的には非常に気になります。

お預かりしているニューキヤノネット28は
長らく使われずに仕舞い込まれていたもののようで
いくつかの問題を抱えています。
まずはこのカメラはプログラムオート専用機なので
露出計がきちんと作動していないと
まともに露出ができませんが
新しい電池を入れても
全く露出計が動きません。
電池室内は一見キレイなのですが
お預かり時には古い水銀電池が入ったままになっていたので
電池室裏側端子や配線が
断線状態になっているのではないかと予想されます。
シャッターは一応切れてはいます。
レンズ後玉にはかなりのカビが確認でき
ファインダーもずいぶん曇ってしまっています。
さらに巻き戻しクランクは一部破損していて
クランクつまみ部分が脱落してしまっています。
もちろんモルトは全滅です。
露出計周りが一番大きなトラブルですが
それ以外にも一通りの整備を行わないと
まともに使えない状態です。

ニューキヤノネット系共通の
凝縮感のある良いデザインです。カッコ良いですね。
まだ現状を確認しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
キチンと整備して気持ちよく使えるようになれば
このコンパクトさも相まって
どこにでも連れていける良い相棒となると思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「こんにゃくの日」だそうですよ。
由来はこんにゃくの種芋の植えつけが5月に行われることと
「こ(5)んに(2)ゃく(9)」と読む語呂合せからだそうです。
食物繊維が豊富なことと低カロリーなことが有名ですねぇ
でも、普段はそんなに食べる機会は少ないかな。。。
「おでん」の季節だと「板こんにゃく」は外せない定番ですね!
子供の頃は煮物のおかずにやたらとこんにゃくが入っていたような気がします。
で、子供の頃はあまり好きではなかったのですよねぇ
でも、ばあさんに
「こんにゃく食べると体の中の砂が出ていくから食べなさい!」って
よく言われていました。
ただ、子供心に「いやいや、普段砂食べるわけじゃないし
身体の中に砂ないでしょ?」と思っていました(笑
砂。。。というよりは
体の中の老廃物を体外に出す作用があるのですよね。
こんにゃくもどちらかといえば大人になって
お酒飲むようになってから好きになった食べ物ですね
やはり「おでん」だと思うのですが
子供の頃は「だいこん」と「こんにゃく」は
あまり進んで箸をつけなかったです。
それがお酒飲むようになったら
「だいこん」と「こんにゃく」が
すっかり主役クラスになってしまいました(笑
でも今も昔もおでんの具の王者は
「牛赤身スジ肉」と「牛アキレス」です。(地域性でますね)
もう、どちらもたまらなく美味しいです!

さてさて

おでんの定番は「牛すじ肉」や「こんにゃく」、「だいこん」ですが
当店でカメラ修理の定番と言えばやはり「オリンパスOM-1」です。
今月も何台か行っていますが
カメラ自体が人気なことがまず依頼数の多さに繋がっているのだと思います。
前回も書きましたが
この大きさと作動音の静かさを実現したのは「OM-1」が最初です。
現在から遡ると同じような、あるいはOM-1よりもコンパクトな
一眼レフはないこともないですが
それらは実際にはOM-1よりずいぶん遅れて登場したカメラです。
さすがにこの軽量コンパクトさを実現するにあたり
当時の他メーカー一眼レフに比べると
少しばかりデリケートな部分だったり数十年経過した今見ると
少し華奢な部分もありますが基本的にはしっかりできたカメラなので
きちんと整備さえ行えばまだまだ現役で使えるカメラです。

お預かりしているOM-1はMD対応前の前期型です。
フィルム室のスタッドは2本のタイプで
圧板もそれに合わせて横長のタイプです。
でも内部を見るとOM-1の前期途中で省略された
「低照度自動警告スイッチ回路」が組み込まれているのですね。
このあたりはどのタイミングで省略されていくのか
なかなかはっきりわかりませんね
プリズムの留め具や巻上レバー等は
中期以降のOM-1の仕様です。
中身や外装の仕様はともかく現在の状況は
まず定番於プリズム腐食です。
プリズムと接眼レンズの間に当たる部分に
しっかり劣化したモルトが貼り付いて
プリズムの蒸着をすっかり」剥がしてしまっています。
もうこれはプリズム交換で対応するしかありません。
加えてやはり高速シャッターの精度は全く出ていません。
ただこれは単純に幕軸や底部3連ギアあたりの
動きが少しずつ悪くなっているだけと思われますので
安易にテンション調整などは行わず
まずは本来のテンションで軽く動けるように
各部を清掃して古い汚れを落としていくことから行います。
加えてこれも定番ですが
露出計がまともに動きません。
全く動かないというわけではなく
電池を入れてSWをオンにして
明るいところに向けると指針は反応するのですが
明るさは変わらないのに針が上に行ったり下に行ったり
踊ってしまっているような状態です。
回路をチェックしてみると
やはり電池室からのリード線は腐食気味で
ハンダ付けも劣化しており安定して導通していません。
電池室~SW部への配線交換で対処した上で調整を行います。

画像でもプリズム腐食がはっきり見えていますね。
現状と原因、対処法がだいたい決まったところで
これから本格的に分解整備を行っていきます。
いくつかトラブルは抱えていますが
原因ははっきりしていますしOMでは定番のものばかりなので
それほど大変な状態ではありません。
これがトラブルシューティングを行いながら
分解するような事態になるとOMは本当に大変です。
今回はそんなことにはならないかとは思いますが
油断は禁物なので慎重に整備を進めていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「花火の日」だそうですよ。
1733(亨保18)年のこの日に
隅田川の両国橋付近で水神祭りの川開きが行われ
慰霊を兼ねた花火が打ち上げられたそうです。
この年は第8代将軍・徳川吉宗の治世で
全国的に凶作に見舞われ、大飢饉になったうえに
コロリ(コレラ)が大流行して多くの死者が出ました。
この犠牲者の慰霊を兼ねて打ち上げられた花火は
やがて庶民の楽しみとして定着したのだそうです。
コレラではないですが
コロナのせいで昨年から打ち上げ花火関連は
残念ながら良い話がありませんね。
典型的な人が密になるイベントですし
今後もなかなかムzkしくなると思われます。
私が昔、広島にいた頃は毎年のように
現地に見に行っていた「宮島水中花火大会」も
昨年・今年だけでなく、当面企画そのものが中止になりました。
いつかはまた復活してほしいものですねぇ
そうしたら何とか時間作って宮島に渡って鑑賞したいものです。
花火撮影も一時期はかなりこなしましたが
夜景とか星空とはまた異なる撮影方法が必要です。
まず明るいうちにピントは無限遠にセットして
テープか何かで固定しておきます。(特に大口径望遠レンズは注意)
花火は思ったよりも強烈に明るいので
ISO100のフィルムの場合で絞りはF8かF11にセット
シャッターはバルブで打ち上げのタイミングに合わせて
レリーズしますが一度、シャッターを開いたら
いくつかの花火が重なって写るように開きっぱなしにしておきます。
(一発ずつでは写真上で寂しいので)
この時、間隔が空くようだったら
あらかじめ用意しておいた黒い厚紙でレンズをふさぎます。
(余計な光が映り込まないように)
で、どのくらい重ねるかはもはや「勘」です。
あまり重ねすぎると重なった部分は真っ白に飛んでしまいます。
相反則不軌の問題やいつの間にか余計な光が入ったりするので
あまり長時間一コマ開けっ放しは良くないかとも思います。
そして慣れてくるとその中で
わざとピントをぼかした花火を入れたり
花火が開いてる最中にズーミングとかをして
幻想的な写真を狙って写していきます。
まぁ、慣れるまではわけがわかんないうちに終わります(笑
私もある程度思ったように撮れるまでに
かなり時間がかかったような記憶があります。
もう今は無理だろうな…長らくそんな撮影していません(汗)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売の「キヤノンAシリーズ」第一号となるカメラです。
世界初のマイクロコンピュータ搭載機で
従来の電子制御機と同等以上の性能を
コンピュータで実現し、部品も300点以上削減することに
成功したのだそうです。
その部品削減や組み立て作業の効率化は
もろにコストに跳ね返り
AE-1は当時の最新のカメラでありながら
FD50mmF1.4SSCの大口径標準レンズを付けて
81,000円というリーズナブルな価格で売り出されました。
当然のごとく大ヒットしました。
キヤノンはこういう節目節目でブレイクスルー的なカメラを
登場させ市場を一変させたことが過去にもありました。
初代キャノネットが登場したときですね。
その時ほどではないにしてもAE-1の登場は
他の各メーカーにかなりの衝撃を与えました。
キヤノネットの時と同じく
AE-1登場後にカメラの高機能化・高効率化についていけなくなった
メーカーが随分と35mm判一眼レフ市場から
撤退・縮小したと思います。

そんな当時は革新的なAE-1も大ヒットしたせいもあり
現存数は多く、市場価値的にはそれほど高くはありません。
おまけに電子カメラの常で壊れたまま放置されている
個体も多いのではないかと思われます。
確かに無茶な分解等をした個体には修理不可のものも良く見かけますが
自然に電子回路が壊れるなんてことは
それほどないのではないかと思います。
ただ、接点の汚れとか電池の入れっぱなしによる腐食とか
そういうトラブルは多いかと思われます。
さらにすべてのAシリーズのベースとなるAE-1ですので
当然のことながらAシリーズ共通の定番トラブルである
シャッター鳴きは多発します。
これも放っておくと異音だけではなく
ミラーがだんだん上がらなくなり
最後にはシャッターそのものが切れなくなる…ことにもなってしまいます。
登場から45年。。。さすがに未整備でも動作OKとは
いえなくなる時期でもあると思います。

お預かりているAE-1は保存状態は決して悪くなく
持病であるシャッター鳴きはほとんど起こっていません。
ただし、これもAE-1の泣き所ですが
電池室蓋のロック機構が破損しており
電池室が閉まりません。
さらに高速シャッターはさすがに精度不良で
露出計・オートはかなりオーバー目(+2.5段)と
やはり全体的に整備を行わなくてはならない状況です。
もちろんせっかく分解するので
持病のシャッター鳴きの予防処置も行っておきます。

シャッター優先AE時の絞り制御も行うので
ミラーボックス周りはかなり複雑になっています。
シャッター鳴きはこのミラー駆動部のギア部の油切れが原因ですが
ミラーを挟んで反対側にある絞り制御部も
動きが重くなっていたり異音が出ている場合が多いので
必ず清掃注油を行います。
これをしていないと露出計が正しくてもオート制御がおかしくなり
まともに露出できないことになります。(オート時)
世界初のマイクロコンピュータ制御カメラですが
意外と機械的な部分はまだ多いカメラです。
何といってもSSダイヤル連動はまだ糸連動も残っていたりします。
そのため整備必須項目は意外と多く
調整もややこしいカメラです。
AE-1Pになると電子化がさらに進み
手を出しにくいところもずいぶん増えてきます。
ただしAE-1はフレキが意外と脆いので
経年劣化もあり取り扱いには細心の注意が必要です。
フレキが切れた分解品を目にすることも多いです。
もちろん今回の個体はそんな心配もなく
安心して使っていただける状態にできそうです。
これから本格的に整備調整を行っていきます。

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