ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」だそうですよ。
いわゆる「善玉菌」です。腸内環境って大事ですよねぇ
善玉菌といえば「乳酸菌」もそうなのですが
腸内に住んでいる数が全く違うそうで
ビフィズス菌は乳酸菌の100倍から1万倍住んでいるのだそうです。
ビフィズス菌や乳酸菌といえば
やっぱりヨーグルトですよね。
ヨーグルトを食べることは良いことばかりで
一時期毎日食べるようにしていたのですが
あまり続きませんでした(汗)
またチャレンジしたいと思います!
ほんと、カメラのメンテばかりじゃなくて
自分の身体のメンテをもっと積極的にやらないと。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒット作ペンタックスSPから露出計を省略したカメラです。
少し前にキヤノンFPのブログでも書きましたが
この時代ではまだまだ「内蔵露出計」の信頼度は決して高くなく
(精度的に大きな問題があるわけではないですが)
本格的な撮影は単体露出計を使う。。。という考えが強く残っていました。
そのためあえて露出計を搭載していないモデルというのも
多く存在しました。SLもそんなカメラのひとつです。
今となっては古いカメラはCdSの劣化や抵抗の劣化で
トラブルを抱えているカメラも多く
それなら最初から露出計のないカメラのほうが良いという考えで
なかなか人気のあるカメラでもありますね。
確かにシンプルで潔くメンテナンス性も良いカメラです。
少々、話が逸れますが。。。
私も個人的には昔からあまり内蔵露出計って使わないほうです
それでもネガであれば内蔵露出計に頼りますが
ポジの場合はやはり外部露出計を使うことが多いです。
画面内で輝度差がある場合は特に。。。
昔はスポットメーターで輝度差のある場合はひとつひとつ丁寧に
計っていましたが今は露出計代わりにコンデジを使っています。
これも実は万能ではなくて背面モニターの再現性のクセや
コンデジそのものの露出傾向がある程度使い慣れていないと
大失敗することがあるのですが。。。
露出は突き詰めていくとなかなか難しいものですが
結果が安定して得られるのであれば
どんな形であれ自分にあった方法で良いかとも思います。

本題に戻ります。
お預かりしているSLは高速シャッターの精度が全く出ていません。
先幕・後幕のバランスが崩れていて
1/1000だとほぼ開きません。わずかに走り始め1/5くらいが開く程度です。
1/500でも開ききらないことが多く
1/250でやっと安定して開きますがもちろん両端で露出差がかなり出ている状況です。
先ほどの露出計の話ではないですが
いくらきっちり露出を計って正しい値を導いても
シャッタースピードやレンズの絞りが正しく調整されていなければ
何の役にもたちません。
SP系のカメラは発売されてからかなりの年数が経っていることもあり
未整備の個体だとシャッターは切れていても
まず高速シャッターの精度は出ていないのが当たり前だと思います。
全体的に狂っているのならネガであればまだ問題ないかもそいれませんが
写真の両端で露光差がある場合はネガだろうがポジだろうが
確実に影響が出てしまうので
やはり何年かに1回はシャッタスピード点検は行ったほうが良いと思います。
(こう言っておいて何ですが
あまり神経質になりすぎることもないとは思いますが。。。)

シャッター幕軸の清掃・注油でSSの問題はクリアできると思います。
もちろん一緒にミラー駆動部、巻上部等、各部の清掃も行います。
一緒にスーパータクマー50mmF1.4もお預かりしているのですが
レンズ側にはまったく問題はないのですが
ファインダー上でのピントが少しズレているようで
無限遠が出ないようです。
(フィルム面では問題なし)
合わせてこちらの調整も行っていきます。
露出計がないことも合ってSLは非常に整備性の良いカメラです。
機能もデザインもシンプルで非常に良いカメラだと思います。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日から12月ですね。
本格的な冬の到来ということもあり
本日は「カイロの日」なのだそうです。
カイロといえば今は使い捨てカイロが多いのですが
私は昔ながらの「ハクキンカイロ」を使っています。
これがとても暖かくて冬場には手放せません。
確かにベンジン入れる手間や多少の手入れは必要ですが
使い捨てカイロよりずっと暖かくて良いですよ~
使ったことない方は是非一度使ってみてくださいませ
一度使うと手放せなくなると思います!

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年にフラッグシップのF-1と
新マウントのFDレンズが発売され
その技術をフィードバックした中級機というポジションで
発売されたのがFTbです。
基本的仕様はF-1との共通点も多く
非常に良くできたカメラです。
基本的にはFDレンズとの組み合わせで開放測光を行いますが
従来のFLレンズとの組み合わせでも絞込み測光が可能です。
F-1と同様にコンデンサレンズの後方に
CdSを配置して中央部部分測光となります。
この時期のキャノン機お得意のクイックローディングも装備し
フィルム装填も簡単に行えます。
セルフタイマー部はF-1と同様に
絞り込み機能やミラーアップ機構も組み込んだ独特の仕様です。
当店でも修理依頼の多いカメラですが
基本的には非常に丈夫なカメラです。

お預かりしている「FTb」は
まず1/1000、1/500でシャッターが開きません。
先幕の幕速がかなり遅いようで
後幕とのバランスが大きく崩れていることが原因です。
1/250でやっと開きますが
その場合でも写真両端でかなりの露出差が出てしまっています。
原因は幕軸の汚れ、油切れによる動作不良と思われます。
露出計は動作してはいますが全く精度は出ておらず
今回は使用電圧を1.5Vとして調整しなおします。
同時に50mmF1.4と28mmF3.5のFDレンズもお預かりしているのですが
こちらもかなりカビが発生しているので
レンズ清掃を行い、ピント精度等の調整・整備も行います。

まずはボディ側の整備から取り掛かります。
キヤノンFシリーズもプリズム腐食の多いカメラで
今回はお預かり時にファインダーを覗いたときには
大丈夫かと判断していたのですが
プリズムを降ろして改めてチェックしてみると
やはり縦方向に流れるような腐食が見つかりました。
それほど酷いものではないのですが
この機会ですから交換で対応します。
FTbはFXやFPに比べると腐食のない中古プリズムの入手が容易です。
それから今回は大丈夫でしたが
キヤノンFシリーズは幕ブレーキの劣化を原因とする
シャッターバウンドが発生していることが多いカメラです。
幕ブレーキ部分も入念にチェックを行います。

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コニカFTAのカメラ修理

今日は「鏡の日」らしいですよ。
ちなみに11月11日も「鏡の日」だったということです。
毎朝、鏡は見ますし、お店にも大きな鏡があるので
比較的、頻繁に自分の姿を鏡を見ますが
見るたびに自分の劣化具合にがっくりきますね(苦笑)
年齢による劣化はしかたがないですが
これ以上何とか口角が下がらないように
鏡を見るたびに口角を上げるように抵抗しています(笑)
しかしここ数年で白髪が増えました。。。
気がつくとセラミックピンセットで目立つものは抜いていますが
キリがありません。。。
まぁ、自分なりに若い時代は十分楽しんだのだから
これ以上求めるのは贅沢ですね。
慎ましく他人に迷惑かけないように余生を楽しみたいと思います(苦笑)

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
1968年に発売されたカメラです。
(ブラックは翌69年に追加設定)
当時のコンパクトカメラでコニカが得意としていた
露出計指針挟みこみ式のシャッタースピード優先オート露出を搭載します。
指針挟みこみ式の影響もあって幾分レリーズストロークは長めですが
絞り優先AEでは実現できない機械制御シャッターでの
オート露出を実現しています。
シャッターユニットはコニカ一眼レフ定番のコパルスクエアSです。
結構大柄なボディで重量もありますが
非常にしっかりできており信頼性の高いカメラです。

FTAには背面にon/offスイッチのある前期型と
露出計スイッチがレリーズ部に組み込まれた後期型がありますが
今回、お預かりしているのは後期型のブラックです。
ご依頼者さまの義理のお父さまがお使いになられていたカメラとのことです。
シャッターはほぼ問題なく切れていますが
露出計の精度が大幅にアンダーにズレていて
それに連動してオートもアンダーになってしまっています。
それからこれはFTAの定番トラブルですが
接眼レンズが酷く曇ってしまっています。
FTAの接眼レンズは現存してる個体のほとんどが
曇っているのではないかと思われますが
これは合わせレンズのバルサム部分が曇っているためで
清掃では完全には改善されません。
今回もできる限りの清掃で対応いたします。
結果からお話しすると通常の使用には問題ないほどには
改善しましたが厳密に見ていくとやはり曇りは残念ながら残っています。

写真は分解に取り掛かり始めの時点でのものですが
これからシャッターユニット、ミラー駆動部等々
各部点検整備に取り掛かっていきます。
シャッターは動作してはいますが
やはり羽根汚れのせいか高速シャッターの精度がいまひとつなので
シャッター羽根の清掃も行います。
写真には写っていませんが一緒にお預かりしている
ARヘキサノン52mmF1.8レンズはカビがかなり発生しているので
こちらの清掃も行います。
写りの評価の非常に高いヘキサノンレンズなので
完成後は是非その写りを楽しんでいただきたいと思います。
それにしてもブラックのFTAは非常に精悍な上に
ちょっと無骨なのがすごくカッコ良いですね。
久しぶりにキレイなFTAブラックを見て惚れ直しました。

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フジカST-801のカメラ修理

今日は11月29日。。。
語呂合わせで「いい服の日」、「いいふぐの日」
「いい文具の日」。。。いろいろあるのですが。。。
なんていっても「いい肉の日」ですよね!
牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉。。。いずれにしても肉は美味し!です。
そういえばまたしばらく焼肉行ってないなぁ。。。
ロースとホルモンと生ビールでお腹一杯になりたいです(笑)

さてさて

本日は「フジカST-801」のカメラ修理を行っています。
フジカSTシリーズは本来M42マウントを採用したカメラですが
シリーズ第二弾となるST-801で独自の開放測光を採用したため
厳密な意味ではM42マウントではなくSTマウントとなります。
ST-801にM42マウントレンズを装着はできますが
その場合は開放測光ではなく絞込み測光となります。
STシリーズ用の交換レンズも絞込み測光用のM42マウントと
開放測光用のSTマウントが存在しますので注意が必要です。
ST-801は1972年の発売開始ですが
当時としてはまだめずらしいLED式の露出計を搭載します。
そして布幕横走りシャッターで1/2000を実現したのは
当時ではST-801だけなのではないかと思われます。
(チタン幕であればF2やF-1が存在しますが)
ちょっと地味なイメージのST-801ですが
なかなか先進的なカメラだったわけです。

その1/2000シャッターですが
現存している個体でも未整備のものはまず精度が出ていないと思われます。
とりあえず開いていれば実質あまり気がつかないかもしれませんが
個体によっては開かない、開ききらない、ということも多いと思います。
お預かりのST801もとりあえず開いてはいます。
ただし、測定機でしっかり計ってみると
シャッター走り始め付近(写真でいうと左端)の露光量はほぼ1/2000ですが
写真中央部分では1/800程度
シャッター走り終わり付近(写真でいうと右端)は1/400くらいになってしまっています。
写真両端で露出が1.5段くらい異なってしまうわけです。
全体的に露光量が多い(SSが遅い)とか少ない(SSが早い)とかであれば
ネガであればあまり気にならないと思いますが
1枚の中で露光量が異なるとネガでもポジでも影響は出ると思います。
特に単一の明るさの被写体を撮影すると顕著に出ると思われます。
シャッター幕軸の汚れ、油切れが原因と思われますが
おそらく調速カムの動きも悪いと思われます。
スローガバナーも若干粘っているようです。
ちなみにSTのスローガバナーは底部にあり
底板を外すと簡単にアクセスできます。

まだ取り掛かったばかりですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
シャッターはもちろん、ミラー駆動部、巻上部の整備
ファインダー清掃、露出計調整等々
各部点検整備一式を行います。

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オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「フランスパンの日」だそうですよ。
トーストすると外側はカリカリで歯ごたえがあって
内側はモチモチで美味しいですよねぇ~
一番に思い浮かぶのはガーリックトーストかな。。。
バゲットをサンドイッチにして食べるのもいいですよねぇ。。。
日本で売られているフランスパンの多くは
食感が本家フランスよりモチモチしているそうです
そういえば昔、バゲットを丸々1本買って帰るのが
すごくオシャレだと思っていた時期があって
何度か買ってきたのですが
さすがに一人だと持てあましちゃうのですよねぇ(笑)
でもトーストしたてのフランスパンが無性に食べたくなってきました。
今度、買ってこようかな。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
最初のOM-1(M-1)が発売されたのが1972年で
1Nの発売は1979年です。
改めてみると意外新しい(?)のですね。
基本的な構造はOM-1とほぼ変わりません。
7年後のモデルチェンジでも基本構造が変わらないということは
やはり最初の設計が非常に優れていたということですね。
目に見える変更はアクセサリーシュー4と専用フラッシュ使用時に
レディランプと発光確認ができるようになったことですが
これも今となっては大きな違いというほどではありません。
それよりも基本的な構造は変わりなくても
中身が意外と改善されていてそれまでのOM-1で
接触不良の多かった露出計SW部は全く違う構造になり
接眼レンズがフレームごと交換可能になったり
(それまではメーター基部と一体で交換が非常に困難)
整備性は非常に良くなっていると思います。

お預かりしているOM-1Nは
高速シャッターの精度が全く出ていない上に非常に不安定で
酷い場合には1/1000や1/500でシャッターが開ききらない現象がでています。
もちろんその場合、写真の端が黒くなってしまいます。
露出計も多少オーバー気味なものの動作してはいるのですが
これもたまに非常に不安定な動きを見せ
同じ明るさのものを見続けているのに
指針がフラフラと不安定に動いてしまいます。
シャッターは幕軸の汚れ及び底部三連ギア部の動作不良だと思われ
露出計は接点の汚れが原因かと思われます。
分解して隅々までしっかり清掃することで改善すると思われます。

写真にも露出計SW部が見えていますが
このあたりは「1N」になって大きく変わった部分です。
以前に分解歴のある個体なのは間違いないのですが
(巻上レバー化粧板に明らかに外した際のキズが。。。)
おそらくプリズムを交換しただけではないかと思われます。
幕軸や巻上部、ミラー駆動部、スローガバナー等々
稼動部分は全て清掃していきます。
それで現在の不具合はほぼ:解消されると思われます。
もちろんそうした上で細かな調整を最終的に行います。

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キヤノンFPのカメラ修理

今日は「組み立て家具の日」なのだそうです。
ここでいう組み立て家具は
昔、大ヒットした合板でできたカラーボックスのことだそうです。
私も昔、使ってました。
私の実家は長屋で狭かったのですが
畳二畳の物置が付いていて(おそらく途中で増築したもの)
私が生まれた頃はそこは曾婆さんの部屋だったのです。
(入り口は玄関とは別の本当に取ってつけたような小部屋)
そこを中学生になった頃に自分の部屋にしていいということになったのですが
さすがに2畳では何も置けなくて色々考えた結果
高さ60cmのカラーボックスを左右に並べて、その上に大きな板を乗せ
2階建て構造にして上にはちゃぶ台とラジカセ1台という状態で
それなりに快適に過ごしていたことを思い出します。
(さすがに高さが足りず立てなくなりましたが)
入り口が別途で出入り自由ということで
すぐに毎晩誰かが遊びに来るたまり場になってしまいましたが。。。(笑)
懐かしい思い出です。。。

さてさて

本日は「キヤノンFP」のカメラ修理を行っています。
1964年の4月に「キヤノンFシリーズ」最初のモデルでもある
「キヤノンFX」が発売され、その半年後の1964年10月に追加されたのが
「キヤノンFP」です。
簡単に言えば「FX」から内蔵露出計を取り払ったものが「FP」です。
当時のカメラはまだまだ「本格的な撮影を行う場合は外部露出計使用」とされていた時代で
内蔵露出計は「余計な装備」と考えられることも多かったのだそうです。
加えてFXの露出計は外部測光式でTTL式に比べると
使い勝手の悪い部分もあり、露出計レスのFPが
プロやハイアマチュア向けとして追加されたとのことです。
今となっても古いカメラはシンプルなほうがトラブルは少ないので
露出計は割り切って別途で使う。。。という考え方もありですね。
露出計以外の部分はFXと全く変わらず
キヤノンらしいアタック強めの歯切れの良いシャッター音が気持ちよいカメラです。

お預かりしているFPはまず巻上げができません。
シャッター幕の位置を確認してみるとリリース位置なので
巻上ロックがかかったままの状態だと思われます。
さらにレリーズもロックがかかった状態で押せません。
通常、リリーズ状態ならレリーズは押せる状態のはずなのですが。。。
加えてこれはシャッターが切れないから
いろいろ動かしたものとみられますが
セルフタイマーが妙な位置で留まってしまっています。
(レリーズ直前の位置)
一旦、巻き上げようにもロックされることなくその場所に戻ってきてしまいます。

今ひとつ原因がはっきりしないので
まずはミラーボックスを外して、動きのおかしいセルフタイマーを外してみます。
どうやらレリーズ部分の固着が原因のようです。
とりあえずシャッターは切れるようになりましたが
今度はシャッター幕(先幕)が少し残った状態で走りきらずに止まります。
これは油切れとシャッター周りの汚れが原因で動きが悪いことが原因です。
セルフタイマーはバネがダメになってしまっているようなので
部品取り個体から移植して交換します。
他、ファインダー内もカビだらけなのでしっかり清掃し
稼動部分は徹底的に清掃し注油を行います。

一緒にお預かりしたFL50mmF1.8レンズもカビだらけだったため
清掃しヘリコイドのグリスアップを行い
見違える状態になりました。
さらにFPメーター(外部露出計)も当初は不動だったのですが
こちらは接触不良が不動の原因だったのでこちらも修理いたしました。
精度も全く問題ないレベルで出ています。

おそらく何十年か使われずに眠っていたものと思われますが
再び快適に撮影に使える状態になりました。
これからはご依頼者さまのお子さまが使われるのだそうです。
世代を超えて引き継がれていくわけですね。
きっとこれからも大活躍してくれるものと思います。

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ヤシカエレクトロ35GTNのカメラ修理

今日は「いいえがおの日」だそうです。
「笑う門には福来る」と昔からいいますからねぇ
もちろん私もお店ではなるべく笑顔でいようと
心がけていますが(汗)
忙しくしてなってくると殺伐としてきますからね。。。気をつけます(笑)
そういえばプライベートでお腹抱えて笑うほどの
面白いことは最近ないような気が。。。
まぁ、基本単独行動ですから
ひとりで笑い転げているほうがよほどマズいような気が。。。
それなりに楽しんでいるほうだとは思っているので
とりあえずよしとしておきます。
仕事もプライベートもふてくされていることのないように
前向きに過ごそう!ってことですね。
うん、そのくらいなら十分クリアできてるかな(笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GTN」のカメラ修理行っています。
先日も書きましたが最近、初期のエレクトロの修理が多いですね
写りの評価の高いカラーヤシノンDX45mmF1.7の大口径レンズを
搭載する電子制御シャッターのレンジファインダー機です。
基本的な構造は初代エレクトロからそれほど変わっていませんが
このモデル以降のエレクトロは小型化されていくので
初代と同じ大きさのボディを持ったエレクトロとしては
このGTN(ブラック)とGSN(シルバー)が最終となります。
このモデルからホットシューも追加になっています。

お預かりしているGTNは非常にキレイなブラックボディです。
分解整備歴はないものと推測されるのですが
各部の状態も経年を考えれば非常に良いほうだと思います。
レンズ・ファインダーも若干のカビが発生していますが
清掃で取れる程度です。
電池室も蓋側に若干の腐食跡が見られますが
マイナス側は非常にキレイで
十中八九、腐食や劣化で断線状態のマイナス側裏端子のハンダも
非常にキレイな状態です。
エレクトロで良く問題になるレリーズ直下のゴムブッシュの状態の良好です。
ただし、接点の汚れあるいはハンダの劣化のせいかと思われますが
オート制御がしっちゃかめっちゃかで
たまに十分明るいところでスローシャッターを選択してしまうことがあるようです。
(もちろん黄色警告ランプも点灯します)
測定機で計ってみると制御が不安定なようで
シャッターを切るたびに+2段~-1.5段の範囲で外すようです。
絞り優先AEで絞り羽根はシャッターを切る前から一定なので
シャッタースピード制御が不安定なようです。

電子制御シャッター機の場合のオート不良は
電子基板異常の場合も確かにあり、その場合には修理不能ですが
エレクトロの場合は大抵の場合、接点の接触不良や
ハンダ不良が原因のことが多いです。
シャッタースピードやオートを調整するボリューム等があるわけではないので
良好な通電状態にすれば後は電子部品がきちんと働いてくれれば
ある程度の精度はでるはずです。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「鰹節の日」で「冬にんじんの日」で
「和食の日」なのだそうです。
何だか温かい煮物が食べたくなりますね。
年齢のせいもあるし、もともとがあまり濃い味のモノが得意でないこともあり
最近は少し薄味の和食が美味しく感じます。
。。。とはいってもタレたっぷりの焼肉とか
ソースたっぷりのお好み焼きも好きなので
単なる気分なのかも。。。(苦笑)
それはさておき。。。
煮物や焼き物であまり味噌味や醤油味で
こてこてに味付けしてあるものは
どちらかというと苦手です。
スーパーとかで出来合いの煮物とかを買うと
大抵の場合、味が濃すぎるのですよねぇ。。。
ほんのり味付けしてある里芋とかレンコンとかニンジンの煮物が食べたいですねぇ
もちろん合うのは日本酒ですよねぇ。。。
(結局、お酒を美味しく飲みたいだけだったりします(笑))

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月コンスタントに数台は修理依頼があるカメラです。
最大の魅力は一眼レフとしては特筆すべき軽量コンパクトさですが
個人的には上品で耳障りさの全くないシャッター音だったり
シャリッとした感じの巻上が魅力だとも感じます。
もちろん他にもOM-1と同等の軽量コンパクトな一眼レフもあるのですが
そのほとんどがOM-1より随分後に発売されたものです。
ここはやはり軽量コンパクト一眼レフのパイオニアでもある
OM-1に敬意を払いたいところだと思います。

その軽量コンパクトさや静かな作動音を実現するために
内部にはいろいろ工夫を凝らされていて
基本的には機械制御シャッターで丈夫にできているのですが
さすがにこれだけ長い年月が経過すると
同時期の大きく重い一眼レフに比べると
多少華奢な部分が出てきていてもしかたがないと思います。
ただ、ほとんどのトラブルはしっかり整備することによって解消されますし
一度、整備を行えばまた長い間、問題なく動作します。

今回、お預かりのOM-1はいわゆるMD対応の後期モデルです。
プリズム腐食もなく(おそらく以前に対応済みと思われます)
シャッターも露出計も動作しているのですが
ミラー駆動部に動作不良が見られ
レリーズ→完全にミラーアップ→シャッター作動までの動作に
妙なタイムラグがあります。
動作を見ているとミラーの動きが妙に遅いのですね。
これだと静物を撮る分にはあまり問題ないですが
動きのあるものを撮ると明らかに撮影しにくいと感じるはずです。
加えて測定機できっちり計ってみると
シャッター速度、露出計の値にも狂いが見られます。
おそらく前回の整備から数十年は経っているものと見られ
さすがに各所に狂いや汚れ、油の劣化等による影響が見られる頃です。
もちろん各部の清掃、整備で再び快適に動作するようになります。

まだ分解に取り掛かったばかりの状態ですが
これからシャッター幕軸、ミラー駆動部、
OM-1ならではの底部三連ギアの清掃・整備から取り掛かります。
基本的には機械制御でシンプルな構造なのですが
実は調整箇所も多く独自性の高い構造からなっている部分も多いので
突き詰めていくと意外と整備の大変なカメラでもあります。
いつものことですが慎重に作業を進めていきます。

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リコーフレックスダイヤLのカメラ修理

今日は「ゲームの日」だそうですよ。
もちろん勤労感謝の日でもあるのですが
仕事や勉強の尊さをはっきり自覚しながら
ゆとりある遊びとしてのゲームを楽しみましょう!ということだそうです。
PS/PS2の時代の頃には結構色々なゲームやりましたし
ゲーセンにもわりと通った時期があったのですが
今はもうすっかりやらなくなりました。まぁ時間も取れないし(苦笑)
でも最新のゲームのレビューをチラッと見ると
めちゃくちゃ進歩してて面白そうですよねぇ。。。
きっとやり始めると仕事に影響が出るほどハマりそうなので
あまり近づかないようにしてはいますが。。。

さてさて

本日は「リコーフレックスダイヤL」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスといえばプレスボディで
ギア式のピント合わせ機構を持つシリーズが
爆発的に売れ、二眼レフとしては軽量で現在でも人気がありますが
ダイヤシリーズはそのプレスボディのリコフレとはまた異なる二眼レフです。
ダイキャストボディでヘリコイド式のピント調節機構を持ち
レンズボードの両側にあるレバーでピント調節を行います。
ダイキャストボディのためプレスボディのリコフレよりは
大きく重いですがその分、しっかりとした構造で質感も堅牢性も高いです。
今回の「ダイヤL」は1957年の発売でセレン光電池を使用する露出計も備えています。
しかしながら今回もそうですがセレン光電池が劣化して起電しない状態だと
残念ながら修理は不可能です。
レンズはリケノン80mmF3.5を搭載し
シャッターユニットはセイコーシャMXLで最高速は1/500です。
いつも書きますが1/500シャッターは通常とは別バネを使用するため
1/500を使う場合はシャッターチャージ前に1/500にセットして使います。
セルフコッキングはありませんが
フィルム装填はスタートマーク合わせ式のセミオートマットで巻止めも装備されています。

お預かりしているダイヤLは
おそらく随分長い間仕舞いこまれていたものと思われます。
シャッターに粘りもありレンズにカビも随分発生しています。
ファインダーもクモリとカビで鮮明には見えません。
もちろんファインダーミラーの劣化は激しくここは交換で対応します。
露出計は先述のとおり残念ながら復活できませんが
それ以外の部分は通常の整備一式で快適に動作するようになります。

左右に配置されたピントレバーが外観上の特徴ですが
このピントレバーの操作性は非常に良く
ノブ式のものよりスムーズにピント合わせができると思います。
お預かりの個体はこのピントレバーの片側が
変形してしまっていてボディに干渉していたのですが
できる限り修正してボディには干渉しないようにしてあります。
ちょっと変わっているのはセルフタイマーで
向かって右上のスライド式のボタンなのですが
通常レンズシャッターユニット内にセルフタイマーは装備されるものが
ほとんどなのですがこのカメラの場合はシャッターユニット外部に装備されています。
タイマーチャージはシャッターチャージと連動して行われ
常にボタンをスライドするだけでタイマーが起動します。
この時代の国産二眼レフは基本的にはローライのコピーなのですが
各メーカーいろいろと独自の工夫が凝らされ
質感も非常に高く魅力的なものばかりですね。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」です。
「こゆき」ではなくて「しょうせつ」ですね。
わずかながら雪が降り始める頃、ということですが
確かに一昨日あたりから急に冷え込んできたような気がします。
そうこうしているうちに12月になり
バタバタしているとあっという間に今年も終わるのでしょうねぇ。。。
あぁ、まだやり残していることが山ほどあるのですが。。。(汗)
そういえば昨日からお店の暖房をオンにしています。
今日は雨で乾燥こそないですが
風邪など召さぬように皆さまお気をつけくださいませ。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年に発売されたコンパクトカメラです。
コニカC35が発売され大ヒットした影響を受け
各メーカー、軽量コンパクトなカメラをラインナップしていくわけですが
ミノルタは従来のハイマチックシリーズの一員として
ハイマチックFを登場させました。
写りに定評のあるロッコールレンズ38mmF2.8を搭載し
シャッターユニットは電子制御シャッターであるセイコーESLを搭載した
プログラムオート露出専用機です。
もちろんレンジファインダーを搭載します。
少々深めなレリーズボタンは独特のフィーリングで
好みの分かれる部分はあるかとは思いますが
個人的にも非常に好きなカメラで一時期、私も使っていました。
気軽に持ち歩け非常に良い写りをするカメラです。
使用電池がNR52と呼ばれる水銀電池で
もちろん現在では入手不可能です。
LR44やSR44を2個使い電池アダプタ等で使用するのが無難です。

このカメラも電池室の腐食によるトラブルが多いのですが
お預かりしている個体は電池室は一見、非常にキレイです。
でも電池を入れても全く電源が入りません。
もちろんバッテリーチェックも点灯しません。
早速、電池室周りをチェックしてみると
マイナス側の電池端子に繋がっているリード線が
腐食して断線しています。
電池室がキレイでもやはり水銀電池から出るガスの影響なのか
配線は傷んでいるもが多いですね。
とりあえず応急処置で電源を入るようにして動作チェックを行ってみたところ
オートの精度が全く出ておらず
明るい場面では大幅に(2.5段以上)アンダーになってしまいます。
マグネットあるいは接点の汚れ等が原因かと思われます。
兄貴分のハイマチックEは基板や配線の手の付けられないトラブルが
非常に多く当店では既に修理は行っていないのですが
たった1年後なのにハイマチックFは基板関連のトラブルは非常に少ないと思います。
今回も電子基板そのものは問題なく
通常の整備で快適に使える状態になりそうです。

シャッターユニットの整備、各接点やマグネットの清掃
レンズ、ファインダーの清掃・調整等
一通りの整備を行います。
このハイマチックFご依頼者さまのお母さまが使っていたものだそうです。
残念ながらご本人さまは既に他界されているそうですが
お正月にご依頼者さまがこのカメラを使ってお父さまの写真を
撮りに行く予定なのだそうです。
おそらく数十年ぶりに撮影に使われるのだと思われますが
きっとステキな写真になることに間違いなさそうです。
気持ちよく使っていただけるようしっかり整備していきたいと思います。

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