オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「日本三景の日」だそうですよ。
松島、天橋立、宮島ですが
このうち実際に行ったことがあるのは
地元・広島の宮島だけです。。。(汗)
松島と天橋立、行ってみたいですねぇ。。。
そういえば宮島と言えば
毎年恒例の「水中花火大会」は8月25日だそうです。
何度か撮影に行きましたが
近いところから見ると本当に大迫力です。
音が鳴った瞬間に風を感じるほどでした。。。
これもまた行ってみたいですね!場所取りが大変なのですが。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
ペンDも修理依頼の多く、ここのブログでの登場回数も多いカメラです。
ペンDの「D」はデラックスの「D」です。
その名前にふさわしく搭載するレンズは
F.ズイコー32mmF1.9の大口径です。
ベーシックなペンは28mmF3.5、
シャッタースピードはB+4速で最高速は1/200
その後、高級版のペンSが発売され
30mmF2.8(後に28mmF3.5も追加される)に
B+6速(最高速は1/250)となり
さらにペンDの登場で32mmF1.9(D3ではF1.7)
露出計が搭載され
シャッタースピードの最高速は1/500になりました。

今回、お預かりのペンDはシャッタースピードリングが
今にも外れてしまうのではないかというくらい
グラグラになってしまっています。
加えてレンズにはびっしりカビが生えており
全体の各部点検整備一式ということで
お預かりいたしました。

ペンDのセールスポイントのひとつである
露出計はセレンの劣化のため
やはり大幅にオーバー気味となってしまっています。
調整箇所がほとんどないので
今回はできる限りの調製ということで承りました。
(結果から言うと若干、改善した程度です
ただ、どのくらいズレているのかがわかっていれば
撮影時に対処はし易いとは思います)

どのレンズでも大抵はそうなのですが
カビが最も生えやすいのは前後の表面、
次いで絞りの前後です。
要は密閉されていないところから生えていきます。
今回の絞りの前後(前玉ユニットの最後部、後玉ユニットの最前部)に
カビが集中して生えていました。
シャッター羽根・絞り羽根も固着するほどではないですが
やはり粘りが少々あり動きはあまりよくありません。
まずはシャッターユニットから整備に取り掛かります。

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コニカSのカメラ修理

今日は「土用の丑の日」ですね。
何年かに1回は夏の土用(7/19-8/7)の間に
2回、丑の日になることがあり
今年がそうで今日(7/20)と8/1が
土用の丑の日になります。
本来、「う」の付く食べ物を食べると良いとされていますが
「うなぎ」があまりにも定番になっていますね。
私、夜中に近所の「スーパーマルエツ」に寄る事が多いのですが
そこの生鮮コーナーで少し前から
マルエツオリジナルだと思われる「うなぎの歌」が流れていて
そのメロディーが頭に残って離れません(笑)
「うーなぎ♪うなぎ♪うーなぎ♪うなぎ♪どーようのうしかーばやき~♪」
youtubeにもアップされているのでご興味のある方は
「マルエツ うなぎの歌」で検索してみてください(笑)

さてさて

本日は「コニカS」のカメラ修理を行っております。
コニカのレンズ固定式カメラは
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型と進化していき、その後
「コニカSシリーズ」にバトンタッチされました。
それまでのフォルムとは全く別の直線的なデザインとなり
セレン光電池を使用する露出計も内蔵されました。
シャッターもコパルSVEに変更されています。
レンズはコニカⅢと同様のヘキサノン48mmF2を搭載します。
発売開始は1959年です。

外観が全く別物になり、シャッターユニットが変更されたとはいえ
レンズシャッター式のレンジファインダー機ですから
基本的な構造にはあまり変わりありません。
今回、お預かりしている「コニカS」は
レンスシャッター機の宿命ともいえる
シャッター羽根の粘りが発生しています。
もちろんシャッター羽根だけではなく絞り羽根にも油シミがかなりあり
おそらく羽根が動きにくい状況で絞りリングを動かしたのだと
思われますが絞り羽根が2枚ほど脱落してしまっています。
これはどのカメラ、レンズでもそうですが
動きの悪い絞り羽根や絞りリングが重い場合は無理をするのはやめましょう
ただ単に外れただけならまだ良いのですが
絞り羽根を留めているピン(ダボ)まで脱落すると
復旧にかなり手間がかかってしまいます。
特にコニカのレンズシャッター機は絞り羽根脱落を
よく見かけるような気がします。

とりあえずシャッターユニット分離まで分解した状態です。
絞り羽根、シャッター羽根とも清掃して組みなおす感じですね。
レンズシャッター機では定番の整備です。
これからシャッターユニットの本格的整備に取り掛かります。
もちろんその後、組みなおしながら
露出計、ファインダー部の整備も行っていきます。

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コーワSWのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
すっかり桃の季節ですねぇ。。。
山梨産の桃は美味しいですよね!
山登りに頻繁に行っていた頃は
八ヶ岳や南アルプス方面に行った帰りには
通りすがりの果樹園や道の駅で
必ず山梨産の桃を買って帰っていました。
先日もスーパーで1個買ってきて
ぺろりと食べてしまいましたが
季節モノですし、今のうちにたくさん味わっておかなくちゃ(笑)

さてさて

本日は「コーワSW」のカメラ修理を行っています。
キャベジンコーワのコーワですね。
医薬品メーカーとして非常に有名なコーワですが
今でもデジタル用の交換レンズ等を作っていたりと
光学機器メーカーでもあります。
過去には二眼レフや中判カメラからコンパクトカメラまで
色々なカメラを製造していました。

今回、お預かりしているのは「コーワSW」
SWは「スーパーワイド」の略だそうです。
その名の通り28mmF3.2の広角レンズを装備し
露出計も距離計もないシンプルなカメラです。
28mmレンズが装備されたレンズ固定式のカメラは
ありそうでなかなかないですよね。
ピントも目測なのでF8~F11くらいに絞って
距離リングは3mに固定して素早くスナップを撮るには
もってこいのカメラだと思います。
外観もシンプルで非常にスタイリッシュだと思います。
シャッターユニットはセイコーシャSLVで最高速は1/500です。

お預かりしているSWはシャッター羽根が全く開きません。
レンズシャッター定番の羽根固着です。
シャッター羽根、絞り羽根ともに汚れが結構付着しているようです。
羽根清掃を行いつつシャッターユニットの整備を行います。
シャッターユニット内には金属粉が非常に多く
全体的に動きが悪い状態でした。
ファインダーもそれなりに汚れていましたが
このコーワSWのファインダー、距離計も何もない
ケプラー式実像ファインダーですが、
プリズムを多用し非常に凝った作りをしています。
そのため状態の良いものだと非常にクリアなファインダーです。
倍率は0.4倍で実際よりかなり小さくファインダー内では見えるのですが
個人的な感覚ですが普通に被写体を目で見るより
ファインダーを通したほうが明るくクッキリ見えるほどです。

本当にシンプルだけど質感の高いカメラです。
このファインダーだけでも個人的に欲しくなってしまいました(笑)
28mmF3.2レンズも非常に写りの良い評価の高いレンズです。
うーん。。。自分用に本気で探してみようかな。。。

写真は一通り作業が終わったところで撮ったものです。
あとは最終チェックを行って完成です。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「光化学スモッグの日」だそうですよ。
昔ほど聞かなくなったような気がするのですが
80年代後半からまた増えているのだそうです。
おりしも今日・明日は日差しが強い上に風がなく
光化学スモッグの発生しやすい天気だそうです。
この暑さな上に光化学スモッグまで発生しそうなのでは
不要な外出は控えたほうが良いかもしれませんね。。。
私も昨日の定休日は日中は店に引きこもっていました(笑)

さてさて

本日はまたもや「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今回も巻上周りのトラブルで
シャッターはチャージしているもののレリーズすることができません。
一昨日のブログでも少し触れましたが
巻上に連動する底部三連ギアの位置関係が狂っています。
チャージ完了時に所定の位置に戻らないと
レリーズできないような仕組みになっているのですが
これが正しい位置に戻らないためレリーズがロックしてしまっている状況です。

今回は何故ギアの位置関係が狂ってしまったも予想がついています。
三連ギア自体の動きは悪くないのですが
チャージ完了後に動作する巻上ロックの動きが悪く
巻き上げた後も巻上レバーでいくらでも巻き上げることができる状況でした。
これを行うとどんどん三連ギアの位置はズレていってしまいます。
結局、どこかひとつが動作不良を起こすと
他の部分にまで影響は波及していってしまいます。
巻上部、シャッター周り、ミラー駆動部、動作する部分を全て
整備していきます。

露出計は、これもある生産時期のOMに使われている
電池室端子留めの樹脂ネジが破損しており
接触不良のため露出計が安定しない状況です。

ネジ交換で露出計は安定したのですが
どうにも露出計が6段以上オーバーです。
CDS(受光体)は問題ない抵抗値が出ています。
今回、電圧変換型電池アダプタをご依頼者様が用意されていたので
それを使って測定していたのですが。。。。
どうやら犯人はその電池アダプタのようです。
1.5Vから1.3Vへ変換するアダプタですが
今回、0.8Vしか電圧が出ていません。
電池アダプタも登場してから長い期間販売されていますが
古いものだと劣化してしまっているものもあるようです。
これもテスタできちんと測定しないとダメですね。

ちょこちょこと色々なトラブルがありましたが
どれもOM-1定番のトラブルばかりでした。
現在はシャリシャリと心地よい巻上で快調にシャッターが切れています。
これもまた少し様子見を行った上で最終チェックを行い完成です。

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キヤノンA-1のカメラ修理

今日は「海の日」ですね!
瀬戸内海沿岸で育ったので海は身近な存在ですが
さすがにこの年齢になると
夏の海に行くことはなくなりましたねぇ。。。(笑)
人も少なくて海もキレイな晩秋か春先の海が好きかな。。。
都内からだとキレイな透き通った海を見に行こうとするとなかなか大変ですが
秋には人の少ないキレイな砂浜を
のんびり歩いてみたいですね!

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
カメラロボットの愛称で当時非常に人気のあったカメラです。
キヤノンの電子技術をフル活用した5モードAEを始め
当時の最先端のカメラでした。
発売は1978年、当時の価格はボディのみで83,000円でした。
それなりに高額なカメラでしたが大ヒットしました。
機械的部分のベースはAE-1と共通する部分が多いのですが
インターフェイスや電子システムは全く別物です。
基準がよくわからないのですが手元の資料によると
「AE-1の約3倍に相当する電子化を実現」となっています。

これだけ電子化が進むと正直なところ修理ができない箇所も多いです。
とりあえず動いているものであれば
調整・整備は可能といったところでしょうか。。。。
今回、お預かりしているA-1は
キヤノンAシリーズ定番の「シャッター鳴き」に加え
オート露出は2段以上オーバー、付属のNew FD50mmF1.4は
絞り羽根が固着してしまっていてまったく絞れない状態です。
やはり長い間未整備の個体と思われますが
各部の油キレやプリズムやコンデンサレンズにクモリも見られます。

よく見ると前から見てもわかりますが
この時代に多く装着されていたデータバックが装着されています。
接点不良で最初は発光しなかったのですが
接点清掃で復活しました。
この頃のキヤノン機はどのカメラを見てもスタイリッシュですが
A-1もカッコ良いですよねぇ。。。
昔、憧れたカメラだから尚更そう思うのかもしれませんが。。。

現在、一通りの整備は完了して少し様子見の段階です。
時間を置いてから最終チェックを行い完了です。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

そういえばこの時期は
東京・横浜ではお盆なのですね。
いわゆる「新盆」ですね。
旧暦のお盆の日付をそのまま新暦に当てはめたものです。
首都圏に来るまではお盆といえば
8月13日~16日だと思いこんでいたので
これを知ったときにはちょっとしたカルチャーショックでした(笑)
8月13日~16日のお盆は
新盆(7/13~7/16)だと農作業の忙しい時期に重なるので
月遅れのお盆として8/13~8/16にしてゆっくり過ごしたということです。
全国的にはこれが主流ですね。
もちろん旧暦のお盆(旧暦の7/13~7/16、現在の8/20前後)に
お盆の行事を行っているところもあるようです。
日付の話をしていると新暦・旧暦に関わる話も多いですが
お盆期間も地方によってまちまちでなかなか難しいですね。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
最近、OM-1の修理が多いですね。。。
もちろん元々人気の高いカメラなので
修理依頼の多いカメラではあるのですが。。。
非常に効率的に作られていて
これまでにはない軽量コンパクトさを実現した偉大なカメラです。
しかしながらさすがにその軽量コンパクトさと引き換えに
幾分、華奢な部分があるのも事実だと思います。

OM-1は巻上関連のトラブルが比較的多いと思います。
今回、お預かりしているOM-1も巻上が全くできません。
巻上レバーが回せるのですが手応えが全くなくスカスカです。
レバーを動かしてもスプロケットもシャッター幕も全く動きません。
シャッター幕は巻上途中の中途半端な位置で止まっており
OM系の修理でよく話題になる底部三連ギアのタイミングも
おかしな位置になっています。
まず底部3連ギアを一旦取り外しシャッター幕の位置をリセットし
3連ギアの位置関係を正しくして組みなおします。
これでスプロケットを強制的に手で回せば
シャッターチャージができるようになりました。
しかしながらまだ巻上レバーはスカスカなままです。
巻上軸のギアの破損のようで軸交換しないとダメなようです。

写真に写っているのが交換された巻上軸です。
軸を交換した段階で何とかシャッターは切れるようになりましたが
おそらくシャッターが切れなくなってから
長い間そのままだったようで
高速シャッターのバランスは崩れておりスローシャッターは
粘り気味です。このあたりはいつものことですが
動作部分の清掃と若干の調整で対処いたしました。
加えて定番のプリズム腐食もありましたので
プリズムを交換、付属の50mmF1.4のレンズは
カビやクモリが酷くできる限りの清掃を行いました。

ちょっと余談ですが
このOM用G.ズイコー50mmF1.4は
一部レンズ枠(後玉・中玉)が接着剤でガッチリ固定されていて
分解に毎回苦労するレンズです。
今回も中玉を外すのに1時間少々かかりました(苦笑)

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「ひまわりの日」だそうですよ。
とはいっても、ひまわりの花にまつわる記念日ではなくて
日本初の気象衛星「ひまわり」が1977年のこの日に
アメリカ・ケネディ宇宙センターから打ち上げられたことの
記念日なのだそうです。
気象衛星の話はともかく夏といえばやはり「ひまわり」ですよね。
元気の象徴と言っていいイメージですし
やはりこの季節はひまわりの写真、撮りたくなります。

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
一眼レフとしては比較的初期のカメラで
ちょっとレトロな外観ですがこのあたりのカメラになると
その後、発展を遂げた一眼レフと比べると
変わりなく使うことができます。
ただし露出計はついていないので
そこは外部露出計に頼ることにはなりますが。。。

SVは非常によく売れたカメラなので
現存している個体数も多いのですが
正直な話、程度の悪いものが多いです。
発売開始から60年近く経過するカメラなので
ずっと未整備の個体であれば
程度が悪くて当たり前ではありますね。

今回、お預かりしているSVも
かなり長い間、使われずに保管されていたようです。
全体的に動きが悪く
シャッターを切ってみるとミラーアップしたままになってしまいます。
フィルム室から見てみると後幕が走りきらずに
左側に少し隙間が開いた状態で走行が終わってしまっています。
これではミラーダウンしないのは当然ですし
写真も撮れない状態です。
SVの場合はシャッター幕が劣化・硬化しているものも非常に多く
そのためにまともにシャッター幕が走行しないものも多いのですが
今回はシャッター幕そのものには問題ないようです。
幕軸の油切れや汚れの付着のため走行不良となってしまっているようです。

全体的に動きがよくなるように洗浄・注油で対処いたします。
その上でシャッタースピード調整を行いますが
変にいじられたことのない個体であれば
しっかり動くようにしてしまえばシャッタスピードは
微調整程度で十分に精度は出るはずです。
付属のス^-パータクマー55mmF1.8は
レンズにカビがかなり発生しているため
レンズ清掃、ヘリコイドグリス入替等々を行います。

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ニコンF3のカメラ修理

今日は13日の金曜日であることに加えて
「オカルト記念日」でもあるのですね。
「オカルト記念日」は「エクソシスト」の日本公開に
関連した記念日ですが
重なると何だか不気味ですねぇ~
ただ、個人的には洋画ホラーよりも
邦画ホラーのほうが好きです。
劇場の大画面で強烈に怖い映画、たまには観たいですね!

さてさて

本日は「ニコンF3」のカメラ修理を行っています。
ニコンF一桁機の3代目にあたるカメラですね。
キャッチフレーズは「スーパーニコン」です。
F3ではついにシャッターが電子制御化され
絞り優先AEも搭載されます。
しかしながらシャッター機構は従来どおりの
チタン幕横走りシャッターです。
発売当初は電子化されたことによる賛否両論ありましたが
時代の流れ的には当然かな。。。とも思います。
発売開始は1980年ですが2000年まで20年間生産され続けました。
F4が生産完了となってF5が発売されている時期まで
現役であり続けたわけですね。
個人的な話ですが子供の頃から憧れていたF3が
当時、生産完了となると聞いてあわてて新品を買いに行きました。
いろいろあってそのF3は手放したのですが
昨年、またもや手に入れてしまいました。
巻上感触の良いカメラに個人的に弱いのですが
F3の巻上げは本当に巻き上げるたびに
「あぁ~良いカメラだなぁ。。。」と思ってしまうほどです。

1980年発売の電子制御機ということで
正直言って修理できない箇所もたくさんあります。
やはり電子基板関連のトラブルはどうにもお手上げです。
特にファインダー内液晶が薄くなってしまったものについては
当店では修理不能です。
お預かりしているF3はシリアル130万番台で
1981年の生産だと思われます。
まずフィルムカウンターがめいっぱいの40枚目で固まったまま
裏蓋を空けても戻ってきません。
この症状、F3でよく見かけるトラブルです。
カウンターが動かないだけだとまだ良いのですが
F3の場合、カウンターとシャッター動作が関連付けられている部分もあり
カウンターの不調が原因でシャッターが切れなくなることもあります。
今回はカウンターとは別問題だと思われますが
シャッターレリーズができないことがたびたびあるようです。
レリーズボタン押しても何も反応しない状態です。
おそらく電気接点の劣化及び汚れかとは思います。
汚れは清掃で対処できますが接点そのものの劣化だと
完全には元通りにならないかもしれません。

一通りの整備を行って組みあがった状態です。
シャッタースピード、オートにもズレが結構あったので調整を行っています。
パンケーキレンズのAi-s50/1.8もなかなか似合いますね。
レンズは絞りの固着が見受けられたので
絞り羽根洗浄・調整、レンズ清掃等々を行いました。
少し時間をおいた後に最終チェックを行って完成です。

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コニカFPのカメラ修理

今日は「人間ドックの日」だそうですよ。
個人的な話ですが私、数年前に大病を患っているので
1年に1回はCT検査を必ず行っています。
でも、やっぱそれだけじゃダメでしょうねぇ。。。
主治医に先日、相談したら
内視鏡検査くらいは別途にやったほうがいいですよ。。。とのこと
うーん、ついつい面倒で後回しになってしまいます。。。
カメラのメンテも大事ですが
自分の身体のメンテナンスしなくちゃいけないですねぇ(汗)
人間ドックか。。。前向きに検討します。。。

さてさて

本日は「コニカFP」のカメラ修理を行っています。
コニカFシリーズの中級機にあたります。
中級機とはいえフラッグシップの「コニカF」は
当時としてもとんでもない価格だったようですし
(数が少ないので今でもとんでもない価格です)
実質的にこのFPや前身のFS、後継のFMあたりが
いわゆる売れスジだったと思われます。
Fシリーズのコニカはちょっと丸っこいデザインで
レトロ感満載です。
シャッターは他のカメラでも評価の非常に高い
「コパルスクエア」を採用しています。
大柄で重いのはこの時代の一眼は全てそうですが
なかなか使いやすく良いカメラだと思います。
発売開始は1962年です。

お預かりしているコニカFPは
まず巻上レバーを巻き上げても
シャッターもチャージされなければフィルムも巻き上がりません。
要は空回りしている状況です。
巻上ギアが一部欠けてしまっているようです。
中古部品取りから部品を一部交換することで対応します。
もともと油切れで相当巻上動作が重かったものと思われます。
そこへ無理に力をかけてしまい破損したのではと思われます。
巻上がそんな状態なのでシャッターユニットも含め
全体的に油切れの兆候がございます。
そのあたりはいつもそうですが清掃・注油を丁寧に行っていきます。

露出計回路もないので作りそのものはシンプルなカメラです。
付属のヘキサノン52mmF1.8レンズも
ヘリコイドグリスが固着気味でピントリングが
重かったり軽かったり非常に使いにくい状態です。
レンズにもカビがかなりあるので
こちらもボディの後で整備していきます。

フィルム室から見るシャッター羽根には
コパルスクエアの文字が。。。これ、ちょっとかっこ良いですよね。

動作箇所のほぼ全てに新しい油を注油したので
やはり安定するまでしばらく様子見です。
コニカのロゴといい全体的なデザインといい
何とも良い雰囲気を醸し出していると思います。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は7月11日とのことで
「セブンイレブンの日」だそうです。
セブンイレブン。。。当店の最も最寄のコンビニでもありますねぇ
特に変わったことがなければ朝と夜
1日2回は立ち寄っていますし
もはや私の身体はセブンイレブンでできていると言っても
過言ではないと思います。
全く自慢できた話ではございませんが。。。。(汗)
でも毎日、非常に楽しく利用させていただいてます!

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノンが社運を賭けて開発した
初のプロ用フラッグシップ一眼レフです。
この分野での一眼レフはニコンFが圧倒的な強さを誇り
その後継機F2とぶつかる形でF-1はデビューしました。
ここから現在にも通ずる「ニコン・キヤノン2強時代」が
始まったと言ってもいいと思います。
メーカーのプライドを賭けて作られたモデルなので
F-1はもちろん素晴らしいカメラで現在も高い人気を誇ります。
定期的なメンテナンスを繰り返しておけば
致命的なトラブルに見舞われる事態は非常に少ないと考えられます。

今回、お預かりしているF-1は
ご依頼者様の家でかなり長い間眠っていたものと思われます。
それも残念ながら保管環境はあまり良くなかったようで
外装・内部共にかなりサビが発生していました。
加えて何故かファインダースクリーンが欠品しており
(スクリーン枠やコンデンサレンズは装着されています)
露出計は当然動かず
シャッターも1/500以上は全く開かない状態です。
頻繁にミラーアップしたままにもなり
スローガバナも固着気味です。
付属の高級大口径レンズ、FD55mmF1.2も
ヘリコイドグリスの固着、レンズにはカビが相当発生していました。

とにかくできる限り分解し、部品を洗浄・注油し
根気よく調整していくしか手段はございません。
そんな状態でもさすがフラッグシップ機、
何かが致命的に壊れているという部分はございませんでした。
ただちょっと困ったのが
ファインダー内SS表示の連動ワイヤーが
ほんの少し引っ張っただけで切れてしまうほど劣化していました。
ここは他中古部品と交換することで対応いたしました。

レンズの若干のカビ跡やコーティング傷みは残りましたが
普通に撮影するぶんには問題のないレベルまで
何とか直すことができました。
修理前の写真がないので比べられませんが
外観も相当改善できたと思います。
もう少しだけ様子見をして最終チェックを行って完成です。

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