ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は6月4日ということで「虫の日」です。
子供の頃は刺される虫や噛まれる虫以外は
結構、何でも触ってたし捕まえたものですが
いつからか虫って触れなくなってしまいますよね。。。
今でも写真を撮っていて昆虫を見つけると
写真に撮るために追い掛け回しますが
捕まえようとか触ろうなんてこれっぽっちも思わなくなりました。
大人になったんだなぁ(笑)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
フォトミックファインダーは全部で5種類ありますが
今回は一番最初に発売された
無印のフォトミックファインダーが装着されています。
非Aiで指針式の露出計を装備します。
LED式のフォトミックS、SB、ASはメンテナンス上
修理不能の場合もやはりありますので
無印やAi対応の「フォトミックA」あたりが個人的には好みです。
アイレベルファインダーもシンプルでカッコ良いですが
やはり露出計が使えるフォトミックは便利です。
さらに露出計云々よりもフォトミックファインダーを装着すると
SSも絞り値もファインダー内で確認することができるのですね。
こっちの方が利点かと思います。
Ai化されたフォトミックAやASだと絞り値はレンズに刻印された
絞り値を拡大してみることになるのですが
非Aiのフォトミックだとファインダー内に装備された絞り表示を
カニ爪との連動で表示を行います。
こちらのほうが表示も大きく明るくて見えやすいのですね。
そんな理由からフォトミックであれば無印が
個人的にはお勧めです。

今回、お預かりしているF2フォトミックは
露出計がどうにも不安定で指針が安定しません。
加えて、「T」露出が全効きません。普通に切れてしまいます。
F2の「T」露出は少々独特で
SSダイヤルとは別個にシャッターロックダイヤルでセットを行います。
基本的にSSダイヤル側はバルブにしておいて
シャッターロックダイヤルで「T」にしておき
シャッターをレリーズすれば開きっぱなしになり
ロックダイヤルを「T」から通常に戻せばシャッターが閉じます。
このときにセルフタイマーをセットしておけば
セルフのセット量によって2秒~10秒の
スローシャッターを切ることができます。
これはF2の大きな特徴ですね。

露出計不安定の原因はファインダー内にある
大きなリング状の摺動抵抗の汚れでした。
「T」に関しては「T」動作を制御している
アーム類の固着が原因でした。
それ以外にも全体的に動作部の動きはやはり悪く
シャッタースピードにも影響が出ていましたので
スローガバナやミラー駆動部、シャッター幕軸等々の
徹底的な清掃と注油を行っています。
巻上も含めて非常にスムーズに動作するようになりました。

同時期のライバルといえば「キヤノンF-1」ですが
F-1のようなスマートさやスタイリッシュさはF2にはありません
しかしながらこの無骨な塊感は何とも迫力あっていいですね!
アイレベルならシルバーもスマートでいいですが
フォトミックは黒が似合うような気もします。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は6月3日。。。何かしら語呂合わせで
記念日がありそうなのですが
今日は大した記念日ないのですよねぇ(笑)
8月9日が正式に「ムーミンの日」に決まるまでは
語呂合わせで6月3日は「ムーミンの日」だったでそうです。
そういえば、子供の頃、「ムーミン」と「バーバパパ」は
楽しんで見ながらも「彼らはいったい何だろう???」
(何の動物かわからない。。。という意味で)と思っていました(^^;)

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
月に1台は必ず修理依頼のあるカメラです。
電子制御機を主流に大きく方向返還したペンタックスMシリーズにおいて
唯一の機械制御シャッター機であり
純粋な機械制御シャッター機ということでは
ペンタックスでは最後のモデルであるMXです。
そのコンパクトさも相まって現在でも非常に人気の高いモデルです。

MXはこの時期のペンタックス機らしく
内部にモルトやゴム製部品等々、劣化して
動きを妨げてしまうような素材が多く使われています。
全てそれが原因とは思いませんが
現存しているMXで未整備のものは
一見、普通に動作しているようでも
シャッタースピード等の精度が出ていないものがほとんどだと思います。
まずは高速シャッター時の露光ムラから始まり
症状が進むと高速シャッター時に写真の一部が黒くなってしまいます。
さらに進むと高速シャッターが開かなくなり
低速時にはミラーアップしたまま復帰しないという状態になります。

お預かりしているMXは典型的なパターンで
1/1000、1/500は全く開かず
1/250も写真の左右で1段以上露光差がある状態です。
加えて低速時には頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
内部の劣化したモルトを交換し
幕軸やミラー駆動部を清掃し注油することで
正しい動きを取り戻すように整備していきます。

一通り整備は完了し組み上げた状態です。
もちろん現在、シャッタースピードの精度は
問題ない状況ですがまだ油断はできません。
少し時間をおいて計測すると値が激変してしまうことがあるからです。
動作部分の清掃・注油を行っているので
ある程度馴染んで動きが安定してから
最終的な微調整を加えます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は6月2日ということで
「路地の日」(6・2)ということらしいです。
昔ながらの狭くて迷路のような路地は
最近、めっきり少なくなりましたね。
子供の頃は今考えると
「ここ通っていいのかな。。。」と思うような
家と家の隙間のような路地を
走り回っていたことを思い出します。
レトロな路地を撮り歩くなんていうのも楽しそうですね。

さてさて

本日はオリンパスOM-1のカメラ修理を行っています。
毎度同じようなことを書きますが
それまでの大きく重く騒々しい一眼レフのイメージを
一変させたカメラです。
現在でもその軽量コンパクトさから高い人気を誇るカメラです。

その小さく軽いボディを実現するために
少々デリケートな部分もあり
気持ちよく使い続けるには定期的なメンテナンスの
重要性が高いカメラでもあります。

今回、お預かりしているOM-1は
ご依頼者のおじいさんが使われていたカメラとのことです。
おそらくかなり長い間、使われずに保管されていたものと思われます。
まずは1/1000と1/500はシャッターが全く開きません。
スローも不安定な状態です。
露出計は電池を入れても全く動かない状態です。
付属するレンズもかなりカビ・汚れが確認できますので
レンズ清掃も行います。

まず電池室周りからチェックしていきます。
今回のOM-1は水銀電池ではなく
LR44が装着できるような仕様になっているものです。
電池室の形状もLR44に合わせて変更されており
マイナス側端子の先には電圧を変換するための
小さな抵抗が組み込まれています。
しかしながら端子部のハンダ、抵抗、リード線
どれも腐食のため電気を通さない状態です。
加えて、この時期のOM-1では定番の
端子留めの樹脂ネジが折れてしまっており
端子もグラグラな状態です。
樹脂ネジは新品と交換し、
リード線はボディ上部まで丸ごと交換します。

シャッター関連のトラブルは幕軸の汚れと
電池室の横にある3連ギアの動きが悪いものと思われます。
全体の整備と合わせて重点的に清掃・注油を行っていきます。

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ペンタックスS3のカメラ修理

今日、6月1日は「写真の日」です。
時代はフィルムからデジカメ、スマホへと
写真を撮る形は時代によって移り変わりますが
別に上手い写真が撮れなくたって
写真は本当に楽しいですよね!
撮ったときだけではなく
時間が経って忘れかけた頃に
また見返すことによってさらに楽しめます。
フィルムであろうとデジタルであろうと
何でもない写真が意外と思い出になったりしますから
撮った写真は撮りっぱなしにせず
是非しっかり保管しておいてくださいね!

さてさて

本日は「ペンタックスS3」のカメラ修理を行っています。
昨日は「SV」でしたがその前のモデルですね。
発売は1961年です。
昨日のブログで
「この時代のカメラはシャッター幕が劣化で
既に使用できないものも多く。。。」なんて一文がございましたが
今回のS3はシャッター幕が硬化してしまい
波打っているような状態です。
さすがにこの状態では普通にシャッターが動作できません。
今回はシャッター幕交換を含めた各部点検整備一式です。

布幕シャッターの場合、布の部分と遮光するための
ゴムの部分で幕はできています。
劣化してしまうのはやはりゴムの部分で
何らかの原因で一度溶けかかったものが再度固まったりとか
様々な要因で固くなりゴワゴワな状態になってしまいます。
新品と触り比べると非常にわかりやすいのですが
固くなったシャッター幕は当然、スムーズに走行することはできません。
波打ってしまっているものとかは見た目でもわかりますが
一見、キレイでも結構硬くなってしまっているものもあります。

既に一通り作業は終わっていて後は最終チェックを残すのみです。
今回はプリズムに腐食も見られましたので
プリズム交換も同時に行っています。
当たり前ですが幕交換時に幕軸の清掃・注油
巻上機構部の整備等々も行っていますので
本当に生まれ変わったような状態に仕上がっています。
もともと外装はキレイな状態でしたが
外装も磨き上げたのでより良い状態になっていると思います。

露出計のないシンプルなカメラですが
写真を写す機能としてはこれで十分なんですよね。

今日は「写真の日」ですし
私もシンプルなカメラで出かけたくなりました。
(まぁお店があるので行けませんが。。。(苦笑))

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は5月30日ということで
「ゴミゼロ(530)の日」ということです。
さらに「掃除機の日」でもあるみたいです。
掃除はキライではないのですが
取り掛かると徹底的にやりたくなるタイプで
時間がかかってしまってしかたありません(苦笑)
大雑把に最低限の掃除をしておく。。。というのがちょっと苦手です。
「徹底的にできないのならまた今度にしよう。。。」
なんてことになりがちなので
できるだけ部分的にでも
こまめに掃除をするように気をつけています。

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
S、S2、S3と続いたアサヒペンタックスSシリーズの末裔ですね。
SVのあとはSPとなって露出計も装備され
内部構造もかなり変更されているので
S~SVまででひとつのシリーズと考えて良いかと思います。
SVの「V」はセルフタイマーを表しています。
ドイツ語でセルフタイマーを意味するVoraufwerkの頭文字だそうです。
この時代のレンズシャッター機等にも
セルフタイマーのレバー部に「V」と書かれているカメラも多いですね。
この「SV」のセルフタイマー、ちょっと変わったところに付いていて
操作は巻き戻しクランクの下にダイヤルが付いています。
これは予備知識がないと一見わからないですよね
通常、一眼レフでセルフタイマーというと
前面部左側をイメージしていまいますものね。

ペンタックスSVといえば
経年劣化によってシャッター幕の傷みが酷いものが多く
幕張替えを前提として修理見積をすることも多いのですが
今回、お預かりのSVは幕は何も問題のない状態です。
硬化しているわけでもなくしなやかな状態を保っています。
おそらく。。。なのですが最近ではなく昔の話だとは思いますが
一度、幕交換を行われているのではないかと思われます。

幕の状態は良いのですがシャッタースピードの値が
非常によろしくない状態です。
高速ではムラがある状態で、
低速ではよくあるガバナの粘りではなく設定が少しおかしいようで
スピードが速過ぎる状態です。
わかりやすいところでは1秒が0.6秒で切れてしまうような状態です。
他、フィルムカウンターの動きが少々おかしいようで
ちゃんとカウントしたりしなかったりするようです。

シャッター幕が無事で一応は動作しているので
全体をスムーズに動くようにリフレッシュした上で
調整を行ってやればかなり快適に動作するものと思われます。
市場に出回っているSVは
中身以上に外観が傷んでいるものも多いのですが
今回のSVは非常にキレイな外観を保っています。
状態の良いペンタックスS系も随分少なくなってきたような気がします。
これから本格的に分解整備に取り掛かり
各部点検整備一式を行います。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は「花火の日」ということらしいです。
本格的な花火の季節には少し早いですが。。。
打ち上げ花火も手持ち花火も
面白い被写体ですよねぇ。。。
昔は毎年、夏にはどこかしらの花火大会で
いろいろ試行錯誤しながら撮りましたが
この仕事を始めてからはさすがにほとんど行けなくなりました。
打ち上げ花火の場合は場所取りで
ほぼ写真の出来が決まってくる部分がありますから
花火大会の当日のお昼くらいには場所を確保したいのですよねぇ。。。
今、撮るとまた昔と違うアプローチもできそうだから
機会があればまたチャレンジしたいです。

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
ペンEEのデラックス版あるいはペンDをEE化したものとも
言えるでしょうか。。。
でもその外観は「ペンEE」にも「ペンD」とも全く違う
独自の雰囲気を醸し出しています。

他のペンを含むハーフカメラと比べても
少々大きめのボディで角ばったデザインです。
すごく頑丈そうに見えます。
「D」ですのでレンズはF1.7の大口径です。
32mmF1.7ですからペンD3と同じかと思いきや
異なる設計のレンズだそうです。
基本的にはプログラムオートで撮るカメラです。
シャッター音もちょっと独特で「シャコーン」といった感じです。
シャッターそのものは機械制御ですが
オート時には露出計がある程度振れていないと
赤ベロが出てきてシャッターロックがかかります。

で、今回、お預かりのペンEEDは電池を入れて
明るいところに向けても赤ベロが出てしまい
シャッターが全く切れない状態です。
(フラッシュ使用時のためのマニュアルモードでは切れます)
電池室をよくよく観察してみると
わずかに緑青が付いていますので
おそらく内側のハンダ付け或いはリード線が腐食して
断線してしまっていると思われます。
非常に外観もキレイでレンズの状態も悪くないので
露出計さえ復活させて露出計やオートの調整を行えば
気持ちよく使えるのではないと思われます。
もちろん、何にしてもかなり分解しなくてはいけないので
シャッターユニット等の整備もこれから行っていきます。

ペンEEDのデザインって何か他のカメラと違って
何かしら違和感があるなぁ。。。と以前から思っていたのですが
このカメラ、セルフタイマーが向かって右側についていて
そのせいかレンズ自体も左にオフセットしているのですね。
一般的な一眼レフ等がセルフは左側に付いていて
レンズは右にオフセットされているものがほとんどなのですが
通常と逆だからちょっと見慣れない感じがするようです。
(コンパクトカメラはオフセットせず真ん中にレンズがあるものも多いです)
先程、セルフを動かしていて初めて気がつきました(苦笑)

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「小松菜の日」だそうですよ。
小松菜の旬は確か冬なのに何故今日が記念日?
と思って調べてみると、「5・27」(コ(マ)ツナ」で
ちょっと無理のある語呂からなのですね(笑)
小松菜っていうとお雑煮かおひたしのイメージですが
鍋なんかに入れても良さそうですよね。。。
あぁ、少しは野菜食べなくては。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
ミノルタX-1に続く「Xシリーズ第二弾」のモデルですね。
X-1がいわゆるフラッグシップ機で
チタン幕の横走りシャッターなのに対して
このXEは金属羽根縦走りで
ライツ・コパル・ミノルタの3社で開発した
「コパルライツシャッター」を搭載します。
ライカR3のベースとなったカメラでもあります。
魅力は何と言ってもその巻上の軽やかさだと思います。
個人的な見解ですが横走りシャッター機で
巻上が最も気持ちよいのはニコンF3だと思っていますが
縦走りシャッター機ではこの「XE」が一番気持ちよいと思っています。

ただし、初期の電子制御機なので
電子シャッター関連のトラブルが多いのも事実です。
今回、お預かりしている「XE」は
そのあたりは現状チェックした感じだと問題なさそうです。
ただし、オートはかなりアンダー目に狂ってしまっています。
加えて「XE」では定番のプリズム腐食です。
今回のプリズム腐食はXEでありがちな
下半分の腐食ではなく上部が黒くなってしまっています。
ちょっと珍しいパターンです。
ご依頼者様に聞いたお話によると
随分昔に一度プリズムの再蒸着を行っているのだそうです。
とりあえずプリズムを降ろしてみると
通常、プリズム腐食の起こるプリズム前面は非常にキレイなのですが
絞り表示を行うためにプリズム本体にくっついている
小さいプリズムの接着面から少し腐食が起こっていて
それが視野の上部に黒い影となって写ってしまうようです。
ほんの少しなのですが非常に惜しい感じです。

写真はプリズムを降ろす前に撮ったものです。
プリズムは腐食のない中古品と交換で対処いたします。

XEの整備のうち大きな部分を占めるのは
たくさんある接点の清掃とハンダ付けのやり直しです。
電子制御シャッターに難のあるものもこれで直ることが多いのです。
まずはこれから本格的に分解に取り掛かり
シャッターユニット周りから整備を行っていきます。

 

ミノルタSR101のカメラ修理

今日は「東名高速道路全通記念日」だそうですよ。
1969年5月26日に大井松田-御殿場間が開通し
東京から愛知県小牧市までの東名高速が全線開通となったのですね。
私の生まれた約1ヵ月半後のできごとです。
電車での旅も楽しいですが自分で運転して
高速で遠くまで走り続ける旅も楽しいですよね。
時間はかかりますが自分の気分でいくらでも予定変更できるし。。。
少し前までは実家のあった呉までクルマやバイクで
帰省したことも何度もありましたが楽しかったです。
(渋滞さえなければ。。。(笑))
高速だと真夜中のSAが何とも心地よいのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR101」のカメラ修理を行っています。
「SRT」ではなく「SR」です。
私もこのカメラを知ったばかりの頃はよくわかっていなかったですが
同じような機種名のカメラが多いのでちょっとまとめておくと。。。

・ミノルタ初のTTL測光機で開放測光に対応した
「MCロッコールレンズ群+SRT101」がデビュー(1966年)

・SRT101をベースにした後継機「SRTスーパー」が発売(1973年)
(SRT101は小変更を行い生産継続(SRT101改とも呼ばれる)

・SRTスーパーの後継機「SR505」が発売
SRT101の後継機「SR101」が発売(1975年)

こんな感じですが基本的にな構造は
ほとんど変わらず作り続けられました。
それだけ基本設計は優れていたということですね。
1973年にはXシリーズ最初のモデルである
「X-1」が発売されていて
その後、ミノルタは電子制御シャッター機に
大きく舵を切っていくので
機械制御シャッター機としては
今回ご紹介する「SR101」や「SR505」が最後のモデルとなります。

今回お預かりしているSR101ですが
シャッター、露出計は動作していますが
やはり精度は出ておらず調整が必要です。
ファインダー内のSS表示も1/500まではきちんと動作するのですが
1/1000までは動ききらないようです。
ちょっと不可解なのが絞りを動かすと
ファインダー内の〇指針はきちんと動くのですが
SSダイヤル動かしたときにはほとんど動きません。
少しばかりは動くので連動糸が切れているわけではないと思いますが
糸を巻いている箇所に問題があると予想します。
他、動作しているとはいえ、全体的に油切れの兆候があり
動作音、操作感ともに本来のスムーズさではない感じです。

これから本格的に分解整備に取り掛かり
各部点検整備一式を行っていきます。

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キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「伊達巻」の日だそうですよ。
私、関東に住み始めてからこちらで
伊達巻食べたことがないのですが
こっちの伊達巻はすごく甘いのだそうですね?
個人的には伊達巻って「かすかに甘い蒲鉾」というイメージなのですが
これも西日本と東日本では全く違うのだそうです。
甘い伊達巻食べてみたいなぁ。。。
お正月料理の定番だから年末には見かける気がしますが
どこかに売ってないかな。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
1961年から始まったキヤノネットシリーズの
最終モデルとなるカメラですね。
発売は1972年です。初代に比べると随分コンパクトになり
凝縮感も高く非常に魅力的なデザインです。
機能的には初代から受け継がれた針挟み込み式の
シャッタースピード優先AEを搭載し
これも初代同様にマニュアル露出も可能です。
(ただし、マニュアル時には露出計は動作しません)
小さなボディに大口径の40mmF1.7レンズを搭載します。
シャッターはコパル製で最高速は1/500です。
現在でも非常に人気の高いレンズです。

お預かりしているG-Ⅲは写真だと
かなりキレイ目に見えるのですが
汚れも随分たまっていて
ファインダーガラスは割れてしまっています。
最も問題なのが絞り羽根の動きが非常に悪いことです。
G-Ⅲの絞り羽根の動きは少々変わっていて
例えばオート時にF16(最小絞り)でシャッターが切れたとします。
すると次に巻き上げるまでは絞りは絞り込んだままです。
巻き上げた時に一旦、開放に戻り
それからシャッターを押したときに露出計の針の位置により
絞りを決定し絞り込んでいくような動きをします。
これがお預かりしているG-Ⅲは
巻き上げてもなかなか絞りが開放に戻ってくれません。
しばらく待っていても戻らず、軽く揺すってみると
少しずつ開放に戻っていきます。
絞り羽根自体は見える部分はキレイなのですが
根元付近に汚れあるいは油滲みがあると予想します。

毎回、ニューキャノネット系を紹介するたびに書きますが
レンズ前玉のコーティングが傷んでいる個体の非常に多いカメラです。
一見、カビかクモリのように見えるのですが
大抵の場合がコーティングの劣化です。
こうなっているレンズは清掃では全く状況が変わりません。
幸運なことに今回のG-Ⅲのレンズは
比較的キレイな状況です。できる限りの清掃ももちろん行います。

現状チェックが一通り終わったところです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は「ラブレターの日」でさらに「キスの日」らしいですよ。
まぁ、この歳になるとどちらも縁のない話ですねぇ(苦笑)
「ラブレター」なんて中学生の頃に書いたことあるくらいかなぁ。。。
今だったら手紙ではなくてメール。。。でもないな
ラインやSNSのメッセージ機能なんでしょうねぇ
ラブレターはともかく、手紙や写真は
極力捨てずにとっておくようにしています。
見返すことなんてめったにないのですが
それこそ引越しや大掃除で目にしたときに
遠い過去のことを思い出すための
良いきっかけになるのですよね。

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
以前にも何度か書きましたが
フォトミックファインダーは受光素子、表示方法、
対応レンズの違いで5種類が存在します。
今回は一番最初の無印のフォトミックファインダーが
ついている個体です。

お預かりしているF2フォトミックは
随分長い間眠っていたらしく
あちこちに動作不良が見受けられます。
シャッターは切れているものの
高速シャッターではシャッター幕が全く開かないまま
走行してしまいます。幕軸に問題がありそうです。
スローガバナも粘り気味でSS1秒だとたまに
シャッターが開きっぱなしになったまま固まってしまいます。
露出計は全く動きません。
露出計本体ももちろん整備は必要だと思われますが
まずはボディ側から全く電源が来ていません。
電池室を見るとマイナス側端子がグラグラと不安定です。
これはF2によくあるトラブルですが
端子を支えている電池室のステーがプラスチック製のため
折れてしまうのです。こうなると電源は安定して供給できません。

現状ではとても撮影に使用できる状態ではございませんが
修理・整備で改善できるトラブルばかりです。
今回のF2はご依頼者様のお宅にもともとあったものだそうです。
かなり使い込まれてはいますが致命的な部品の破損が
あるわけではございません。
再び快適に撮影に使えるようにこれから分解整備に取り掛かります。

少々、話が横道に逸れますが
F2は基本的な部分はFと同様の構造ですが
より使いやすく改良された部分がいくつも見られます。

例えば巻き戻しクランクなのですが
二段階に引き上げられるようになっていって
1段目だとまだフィルムのパトローネは外れず
その状態で巻き戻しができます。
アイレベルファインダーを使っている場合だと
全く引き上げずにそのまま巻いても何も問題がないのですが
フォトミックファインダーだと1段引き上げないと
巻き戻す際にファインダーが邪魔になって巻き戻しにくいのですね。
さらに2段目に引き上げるとパトローネが外れ
フィルムが取り出せるようになります。
F2使いの方は既にご存知の方が多いとは思いますが
ちょっとしたことですがよく考えられていると思います。
他にもいろいろと使い勝手を考えられた変更がされています。

昔のフィルムカメラは普通に撮影するだけなら
それほど機種によって大きく基本的な使い方が
異なることはありませんが
当時の説明書を入手してしっかり読んでみると
知らなかった機能が意外と隠れているかもしれません。
これはF2に限らず他のカメラでも同様ですね。
コピーでも何でも良いのでお手持ちのカメラの説明書は
できるだけ持っておいたほうが良いと思います。

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