ヤシカフレックスのカメラ修理

一昨日、4月23日に元広島カープ選手の
衣笠祥雄さんが亡くなりました。
私が小学校~中学校くらいまでの
いわゆる「カープ黄金期」の主役でもあった名選手です。
テレビでも球場でもいつも豪快なスイングで
私たちを本当に楽しませてくれました。
「鉄人」の名で呼ばれる衣笠さんですが
印象に残っているのは倒れるくらいの死球を受けた後でも
マウンド方向に「大丈夫だよ」という風に
軽く手を上げて何事もなかったように一塁に走っていく
その姿が鮮明に焼きついています。
心よりご冥福をお祈りいたします。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
ヤシカフレックスは同じ名前でいろいろなモデルがあり
判別になかなか苦労するモデルです。
修理そのものにはあまり関係ないのではありますが。。。
今回、お預かりしているヤシカフレックスは
フィルター取付部がバヨネットであること
シャッターユニットがコパルMXV(最高速は1/500)
フィルム装填はスタートマーク式、
シャッタースピード、絞り設定がノブ式であること等から
B型後期(新B型)だと思われます。
レンズはヤシコール80mmF3.5です。
セルフコッキングまでは装備されていませんが
非常に使いやすく質感も高いカメラです。
現在、手に入る二眼レフの中でも比較的お求め安いモデルで
これから二眼レフを始めてみる方にも
お勧めできるカメラです。

お預かりしているヤシカフレックスは
シャッターは切れているものの
定番のミラークモリにシャッター羽根にも
少々粘りが見受けられます。
加えてフィルム装填時の巻き止めが効かず
どこまでも巻き上げることができてしまいます。
裏蓋を開けた際にカウンターは「S」マークに戻るのですが
それも随分行き過ぎた場所まで戻ってしまいます。

写真ではカウンターに隠れて見えないのですが
巻き止め部品の先端のツメが見事に折れていました。
「S」マークで止めるピンも歪んで取れかかっています。
何かしらの強い力が加わったようですね。
どちらも中古部品との交換で対処いたします。

部品交換の可能性が高いと思われたので
今回は巻上部の整備から取り掛かりました。
巻上部修理後にシャッターユニット周り、
さらにファインダー部の整備に取り掛かります。

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マミヤNC1000Sのカメラ修理

今日は「シジミの日」だそうですよ。
シジミの味噌汁。。。美味しいですよねぇ
そういえばアサリも含めて貝のお味噌汁なんて
長らく味わっていないような気がします。。。(苦笑)
あ、インスタントくらいなら食べたかな。。。
実は子供の頃、
お味噌汁を普通に飲むことってあまり好きではなかったのですね。
おかずがなくなった頃に、ご飯を入れてお茶漬けのように
食べるのは大好きだったのですが。。。
そんな子供時代にも貝汁だけは普通に飲んでた記憶があります。
あぁ~無性に美味しい貝汁飲みたくなってきた(笑)

さてさて

本日は「マミヤNC1000S」のカメラ修理を行っています。
マミヤというと中判カメラのイメージが強いですが
シャッター優先AEを備えた35mm判電子制御シャッター機です。
マミヤ初の電子制御シャッター機でもあります。

軽量コンパクトで操作感も良く
デザインもなかなかカッコ良いですし
もっと売れてもおかしくないカメラだと思うのですが
マミヤ35mm一眼はマウントがなかなか固定されず
新製品が出るたびに二転三転するような状況でした。
このNC1000Sも専用マウントでデビューしましたが
2年後にZEシリーズが出るとまたマウント変更が行われました。
さらにNC1000Sが発売された1978年は既に前年に
ミノルタXDが登場しており
同じ年にはキヤノンA-1がデビューします。
タイミング的にちょっと地味過ぎた部分もあると思います。
そんなことは関係なく単体で見れば
オーソドックスでなかなか良いカメラです。

お預かりしている「NC1000S」は
まず高速シャッター(1/1000)が開きません。
他のSSも全体的に速過ぎる状況です。
しかしながらオートは2段近くオーバーになってしまいます。
そのうえオート時の動作が妙に不安定です。
SS優先AEなので絞り制御の設定が狂っていると思われます。
電子制御機でオート不良が出ると
なかなか修理としては難しいものがあるのですが
今回は何とかなりそうです。
写真は用意できなかったのですが
NC1000Sの電子基板は昔ながらのガラエポ基板です。
既にフレキ全盛の時代の中ではちょっとめずらしいですね。
今となってはこちらのほうが修理はしやすいのですが。。。
電気接点部の清掃とシャッター幕軸・ミラー駆動部の清掃等々
機械的部分も電気的部分もしっかり清掃して
再調整すれば正しく動くと思われます。

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オリンパスワイドのカメラ修理

4月22日。。。調べていると。。。
1996年のこの日にAPS(アドバンスフォトシステム)が
世界同時に販売開始となっていますね。
現在でも首都圏の写真屋さんでは
期限切れのAPSフィルムを取り扱ったり
現像を受け付けていただけるようです。
フィルムそのものが小さいので
カメラも相当コンパクトになり
フィルム装填も簡単です。
残念ながら実質的には終焉を迎えたシステムです。
今や、APSというとデジカメのセンサーサイズのことだとしか
知らない方もきっと多いのでしょうね。。。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
オリンパスワイド。。。あまり修理依頼の多いカメラではないのですが
一昨日、別の個体の修理をご紹介したばかりですね。
めったに来ないカメラが一台入ると
何故か何台か続くことが多いのです。不思議ですねぇ。。。

今回の「オリンパスワイド」は
シャッターを切っても「カチッ」とシャッター音はするものの
シャッター羽根がわずかに「ピクッ」と動くだけで
全くシャッター羽根が開きません。
絞り羽根に油シミも見受けられるので
レンズシャッター定番の「油汚れ付着による羽根固着」だと
考えていましたが。。。

分解してみると羽根には動きを妨げるほどの
汚れはなく羽根そのものが原因ではないことがわかりました。
シャッターユニットを細かく見てみると
羽根を駆動させるための部品がサビと磨耗で
まともに動かない状態でチャージされた状態から
ほとんど動かないことが発覚しました。
部品のサビを落とし磨くことから始めましたが
一度、サビてしまった部品は完全に元の状態には戻りません。
レンズシャッター機はフォーカルプレーンシャッターに比べると
かなり小さな力でシャッターを駆動します。
動きの悪くなった部品の復活はなかなか困難です。
今回はたまたま部品取り個体から同じ部品が確保できたので
トラブルを起こしている部品及びその周辺の部品ごと
移植することにしました。
これからまた長く使うことを考えるとそのほうがベターだと思われます。

写真は一通りの整備・修理が終わった後に撮ったものです。
外観は相当使い込まれた感がありますが
中身は非常に快適に動作するようになりました。
レトロ感と当時ならではの高級感が
良い感じにブレンドされていると思います。

そういえば、先日のワイドを紹介したブログで
このカメラならではの「ガラス圧板」のお話をしましたが
写真を撮り忘れていて画像ナシだったのですが。。。

これがガラス製の圧板です。といっても
写真だと普通の金属製とあまり変わらない感じですが。。。
ちなみに水玉状の小さな突起は
フィルムが吸着しないように付けられているそうです。
ライカM3も最初はガラス圧板だったのですが
静電気発生のリスクを考慮して金属製に変更されました。
オリンパスワイドもある時期から金属製に変更されています。

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ペンタックスSPのカメラ修理

もう来週末はGWなのですね。
まだまだ4月は始まったばかりだと思っていたら。。。(汗)
ちなみに。。。トップページでも既にお知らせはしていますが
当店のGWは4月29日・30日は通常営業、
5月1日~5月5日は休業とさせていただきます。
5月6日以降は通常営業でございます。
まぁ、特にどこに行くでもなく
ほとんどお店にこもっているような気もしますが。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
今回は適度に使い込まれた感のあるブラックモデルです。
世の中に出回っているほとんどのSPが
シャッターの動きに問題を抱えているのではないかと思いますが
今回もシャッター幕の動きが悪いことが原因で
ミラーアップしたままになってしまいます。
よくあるパターンは低速シャッター時のみ
ミラーアップするとことが多いのですが
今回は1/1000から1秒までどのシャッタースピードでも
ミラーアップしてしまいます。
シャッターを切った後の後幕の位置を見ても
明らかにきちんと走りきっていないことが確認できます。

ここからさらにミラーボックスを外して
シャッター周りの整備から行っていきます。
もちろんミラー駆動部の整備も行います。
今回はSPによく見られるプリズムの腐食はございません。
ただし、ファインダーはカビ・汚れで
かなり曇ったような見え方をしているので
スクリーン、コンデンサレンズを外して入念に清掃します。

この時代のカメラのトラブルの大半は
シャッター関連で、一眼レフの場合は次いでミラー駆動部、
露出計があるカメラの場合は露出計、といったところでしょうか。。。
フレキが使われているような電子制御機となると
もっとトラブルは多岐にわたりますが
機械制御のカメラの場合は比較的シンプルです。
。。。とはいえ、経過年数が50年越えのカメラも多いので
単純に清掃・注油のみではなかなか
思ったようにいかない場合も多いです。
ちょっとした汚れや部品の磨耗で
簡単に動かなくなることもあり
つくづくカメラは精密機械であることを再確認させられます。

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オリンパスワイドのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「穀雨」ですね。
「田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨が降るころ」
ということですが、
今日は全く雨の予感のしない良い天気です。
一昨日あたりの雨が「穀雨」っていう感じですかね。。。
次の節気はもう「立夏」(5月5日)です。
春も駆け足で通り過ぎて行きますね。

さてさて

本日は「オリンパス・ワイド」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラです。
この頃のレンズ固定式カメラは
45mm~50mmのレンズを搭載するのが普通でしたが
このオリンパスワイドは35mm広角レンズを搭載し
当時、ワイドカメラブームの火付け役となったカメラでもあります。
オリンパスワイドシリーズも無印のワイド、ワイドE
ワイドスーパー、ワイドⅡ等々ございますが
今回、お預かりしているのは無印のワイドです。
ズイコーF.C3.5cmF3.5レンズを搭載し
シャッターはコパルMX、最高速は1/300です。
広角レンズ搭載のためだとも思われますが
シャッターがレンズ後玉より後ろに配置される
ビハインド・シャッターになっています。
ピントは目測式ですがブライトフレーム表示のために
採光用の窓。ハーフミラーを装備します。
巻上げ・巻き戻し、共にノブ式です。

構造そのものはシンプルなカメラですが
さすがに60歳越えのカメラなので
あちこちに経年劣化が見られます。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
ファインダーのクモリとレンズのクモリ・カビですが
ここはできる限りの清掃で対応したいと思います。
クモリ・カビ跡は少々残るものと予想しています。
シャッターは動作はしているのですが
やはり若干の粘りが確認できていますので
羽根清掃を入念に行います。
他、動作部分の清掃・注油、ピント調整、等々
各部点検整備一式を行います。

写真を撮るのを忘れてしまいましたが
この頃のオリンパス機はフィルム圧板に
ガラスを使っているカメラがいくつかあります。
このワイドもそのひとつです。
通常の圧板より平面性を保ちやすいそうですが
静電気が発生しやすく、発光して写真に写りこむこともあるようです。
頻度は低いですが、通常の金属製の圧板でも
まれに静電気発光が写りこんでしまうことがあります。
。。。とはいえ、今となってはこのガラス圧板も
オリンパスワイドの魅力のひとつですね!

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日、4月19日は「地図の日」だそうですよ。
地図を見るのは子供の頃から
今でも結構好きかも知れません。
子供の頃は学校で使う地図帳やら
家にあった住宅地図なんかも良く見ていました。
今でもちょっと気になることがあると
グーグルアースや地図アプリで調べてしまいます。
もちろん、登山のときに使う地形図も見ていて楽しいです。
そういえば、先日も「新宿区って中野区と接しているところもあるけど
どこからどこまでが新宿区なの?」と思って
延々、地図アプリを眺めていました(笑)

さてさて

本日も「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
昨日はシルバーのモータードライブ対応タイプでしたが
本日はブラックのモータードライブ非対応モデルです。
OM-1も長期にわたって生産され続けたモデルなので
細かい小変更が何度も行われています。
大きく分けると先述のMD対応・非対応のモデルがあり
MD非対応の中でも
フィルム室にスタッドが4本立っている極初期のモデルと
スタッドが2本のモデルが存在します。
スタッドが4本のものはそれに合わせて
フィルム圧板も短くなっています。
MD対応モデルは外観上は大きな違いはありませんが
生産時期により露出計SWの構造が全くそれまでと違うものがあります。
どのカメラもそうですが同じモデルでも
小変更は毎年のように行われていて
それによって部品も異なる場合が多いのです。
部品取りを確保していてもなかなか合わないことも多く
なかなか苦労させられます(苦笑)

お預かりしているOM-1は
なかなか使い込まれた感のあるブラック塗装の個体です。
定番のプリズム腐食が発生しています。
加えて高速シャッターにはムラがあり
スローガバナーは固着気味で
1秒でシャッターを切るとシャッターが
開きっぱなしで固まってしまいます。

一通り整備を終えて少し様子見をしている段階です。
横においてあるのは交換した腐食プリズムです。
わかりにくいですが白く光っている部分が腐食部分です。
定番のモルトが接している部分に加え
中央縦方向にも腐食が発生していました。
もちろん現在はキレイなプリズムを搭載し
ファインダーは非常に快適な見え心地となっています。
やはり一眼レフのファインダーの見え方というのは大事ですね。
ピントの合わせやすさはもちろんですが
見え心地が良いと写欲が高まりますものね!

これから最終チェックを行えば完成です。
キレイになったファインダーで
いろいろな景色を見ていただければと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は4月18日
4(よ)1(い)8(は)ということで
「よい歯の日」だそうです。
歯は大事ですよね。歯が悪いと美味しく食べられないし
美味しく食べられないということは
身体全体に影響してしまいますものね。
私は比較的、虫歯になりにくい体質のようで
歯医者にはこれまでの人生で数回しか
お世話になっていないのですが
(それも親知らずの抜歯とか差し歯のメンテとか)
歯磨きだけはしっかり行うようには心がけています。
いつまでも何でも美味しくいただきたいですものね!

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
最近、OM-1の修理が多いですね。
実はこの後の修理も「OM-1」だったりします。
この時代の一眼レフは大きくて重いものばかりですが
OM-1はずば抜けて軽量コンパクトですし
今でも人気が高いのは納得できます。
80年代あたりになって電子制御シャッター全盛期になると
同じくらいコンパクトなものも増えてくるのですが
70年代のカメラで露出計もシンプルで
メンテナンスしやすい指針式ということになると
OM-1くらいしか存在しないのではないかと思います。

お預かりしているOM-1は
一通り動作しているものの
スローシャッターに粘りがありSS1秒時に
3秒くらいかかってしまいます。
その他、ファインダーにゴミ、キズ多数あり
露出計も激しく針が上下し不安定なことがあります。
その露出計ですが今回はご依頼者様と相談して
1.5Vの電圧で調整することになりました。
OM-1は本来、水銀電池使用が前提なので
1.3Vで露出計は駆動します。
現在は水銀電池はもう入手不可なので
電圧変換型の電池アダプターを使ったり
無変換のアダプターやスペーサー等で
大きさを合わせて1.5Vで使用されている方も多いと思います。
たった0.2Vの差ですが露出計はその0.2Vの差で
OM-1の場合、約1.5段の差が出ます。
ネガだとあまり問題にならない差ではありますが
やはり少々気になりますよね。

もう少し電池の話を続けますが
多くの方が使われるLR44(アルカリ電池)は
新品時には1.6V程の電圧があり
使用するうちに電圧がどんどん下がっていきます。
経験上の感覚ですが1.5Vをキープできている期間は
意外と長くなく1.2V~1.4Vの期間が長いように感じます。
これをカメラの電池に使うと最初のうちは良いのですが
露出計の値はオーバー側にどんどんズレて行くことになります。
カメラの電池はできるだけLR44ではなく
電圧の安定したSR44(酸化銀電池)を使用したほうが良いですね。

写真は一通り整備が終わり、最終チェックを残すのみの状態です。
今回は付属する50mmF1.8レンズのレンズに
かなりのカビが見受けられましたので
レンズ清掃も行いました。
余談ですが整備前に現状チェックでSR44電池を使用して
露出計をチェックしてみたところ
正しい値から2.5段アンダーを示していました。
2.5段アンダーはネガといえどもちょっとマズイですよね。

もちろん、現在は露出計は正しい値を示し
全体の動きもかなり軽やかになったと思います。
ご依頼者様に使っていただくのが楽しみな1台になりました。

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ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

今日は4月16日ですね。
当店の最寄り駅は西武新宿線の「新井薬師前駅」なのですが
1927年4月16日に
旧西武鉄道・高田馬場-東村山間が開業しています。(村山線)
これが現在の西武新宿線になるわけですね!
90年以上の歴史のある路線ですが
現在、新井薬師前駅も含む中井-野方間で
地下化工事が行われています。
完成するのはまだまだ先ですが
駅前の風景は全く違ったものになりそうですね。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
1966年に初代エレクトロ35が発売され
多くのモデルが発売され
進化を続けてきたエレクトロ35シリーズですが
1975年発売のこの「GX」がシリーズ最終モデルとなります。
初代に比べると随分と小型化され洗練されたイメージです。
初代から統一されている電子制御シャッターによる
絞り優先AEによる露出、
おなじみの黄色と赤の矢印による露出ガイドも
最後まで引き継がれました。
コンパクトで高級感あるボディに
40mmF1.7の大口径カラーヤシノンを搭載します。

お預かりしている「GX」は
ご依頼者様いわく明るさが変わっても
ずっと同じシャッタースピードで切れてしまうということです。
現状チェックを行ってみると
電源が全く入っていない状況のようです。
「GX」は前述したように電子制御シャッターですが
電源が入っていなくても最高速でシャッターは切れます。
しかしながら電源が入っていないと
露出制御も何も行えません。
電池室をチェックしてみるとやはりそれなりに緑青が
発生しています。一番の原因はこれだと思われます。

電池室側から緑青が確認できるということは
当然、裏側のハンダ付けは腐食で断線していました。
まずは腐食がリード線を伝ってどこまで広がっているかを確認します。
上の写真では既にレンズは取り外してありますが
分解する前に見た感じでは比較的レンズはキレイかと思っていたのですが
(バルブがないので透かしては見ていなかったため)
外してみるとかなりカビが発生していました。
シャッターユニットの整備の後、もちろんレンズも清掃します。

シャッターユニットそのものは何とか動作しているようです。
ただ今のところ動作が不安定なので
まずは接点を清掃するところから始めていきます。

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ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「東京ディズニーランド開園記念日」だそうですよ。
1983年のことなんですね。今年で35歳になるわけです。
気がつくと私も首都圏に長らく住んでいますが
1回しか行ったことないのです(汗)
うーん、ひとりで行くようなところでもないし
これからもちょっと縁がないかもなぁ。。。(笑)

さてさて

今日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
ニコマートというと当店の周囲以来で多いのは
圧倒的に「FTN」なのですが
「FT2」はその改良型になります。
発売は1975年です。
基本的な構造は最初のニコマートでもある「FT」と
ほぼ同様でシャッターユニットも信頼性の高い
コパルスクエアSは同一です。
それでも「FT2」は使いやすさの部分でいろいろ改良が見られます。
「FTN」と比較すると。。。
固定型ホットシューの搭載、
使用電池は水銀電池ではなく酸化銀電池(SR44)
シンクロソケットはX接点で統一。。。等々あるのですが
個人的には電池変更の点と
フィルム感度設定ダイヤルが使いやすくなったことが
本当に便利になったと思います。
FTNまでの感度ダイヤルは回しにくい上に
個体によってはかなり重いものも多く
難儀することも多かったのですが
FT2になるとシャッタースピードダイヤルレバー先端の
ロック解除ボタンを押したまま操作すると
非常に軽く感度を変更できます。

お預かりしている「FT2」はとてもキレイな
間違いなく美品と言えるブラックボディです。
全体的に一通り動作していますが
露出計は全体的に少々アンダー気味です。
今回は各部点検整備一式に加え
少しばかりキズの目立つ
ファインダースクリーンを交換して欲しいとのご依頼です。

先にシャッターユニット、ミラー駆動部の整備を行って
組み上げる段階でスクリーンの交換に取り掛かります。
ニコマートFT系のスクリーンを取り出す際には
ファインダー内に見えるシャッタスピード指示板と
露出計の針が邪魔になりますので
それらを上手く避けて取り出しを行います。
写真では露出計は一旦外しています。
露出計を外すためには巻き戻し軸も外す必要があり
FT2の場合は巻き戻し軸部分にある基板も外す必要があります。
(FTN以前はここに基板はありません)
もちろんこの際に接眼レンズ下にある座布団モルトと
メーター周りのモルトの交換も行います。

ニコマートに限ったことではありませんが
プリズムを降ろさないとファインダースクリーン清掃が
できないモデルはこの段階での清掃に
かなり神経を使います。
組み上げた後にファインダー内にゴミが見つかると
当然、またプリズムを降ろさないといけません。
この段階ではキレイでも最後にテストでシャッターを切っていると
どこからともなくゴミがまた落ちてきてガックリすることもあるので
周辺部も含めて入念に清掃を行います。

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オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日は「椅子の日」ということです。
私も仕事柄、1日の大半を座って過ごすので
椅子って本当はすごく大事なものだと思うのですが。。。
今、仕事場で使っている椅子は
通販で適当に買った安物です。。。(汗)
腰にも影響あるでしょうし
思い切ってちょっと良い椅子買ったほうがいいでしょうねぇ
ちょっと調べてみることにします!

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
露出はオート、ピントは固定焦点で
構えてシャッターを押すだけで良いという
非常に簡単に使えるカメラです。
ただ簡単に使えるだけでなくとても良く写ります。
出かけるときにはとりあえずカバンの中に
忍ばせておきたいカメラですね!
発売は1973年ですが後継機のペンEFよりも長く生産され
1986年まで継続生産されていました。
もちろんペンシリーズ全体でも最後まで生き残ったモデルです。
それだけよくできたカメラだったのですね。
もちろん今でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「EE-3」は
しばらく使われていなかったようですが
モルトが全滅なこと以外は
一応、一通り動作しているようです。
ただオートは随分ズレてしまっていることと
レンズにはカビがかなり発生しています。
さらにオートのテストをするために
繰り返しシャッターを切っていると
たまにシャッターが開きっぱなしになることも発覚しました。
やはり全体的に動きは良くないようです。

シンプルな構造ですが
よく考えられた造りをしています。
シャッター速度は2速ですが
露出計の針を挟み込むことでSSと絞りを決定します。
このタイプの針挟みこみ式のオートを使う
レンズシャッター機は数多くありますが
その構造と原理を知るにはこのペンEEシリーズや
トリップ35あたりはうってつけのカメラです。
私も修理を始めたばかりの頃は
これで散々勉強しました

心配されるセレンの起電力は問題なさそうなので
シャッターユニット整備、レンズ清掃
AE調整等々、各部点検整備一式を行っていきます。

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