フジカST801のカメラ修理

今日は「豆の日」だそうですよ。
陰暦の9月13日に「十三夜」として名月に豆をお供えし
ゆでた豆を食べる「豆名月(まめめいげつ)」という風習がありました。
日付は暦どうりの「十三夜」とすると毎年日付が大きく変動してしまうので
新暦の10月13日としたそうです。
ちなみになじみの深い「十五夜」では
新芋(サトイモ)の水炊きを供えたりすることから「芋名月」とも称します。
月見団子の風習はそれよりも後で江戸時代あたりから始まったらしいですね。
「豆の日」は便宜上新暦10月13日で今日ですが
本来の十三夜(旧暦9/13)は今年は10月27日です。
「片見月」は縁起が良くないので
「十五夜」にお月見をした方は「十三夜」も忘れずに…
話が「十三夜」のお話に偏ってしまいましたが
「豆の日」です。豆と言えばじいさんが好んでよく食べてて
ビールのつまみが枝豆や落花生なのは当然で
呑まないときも「いかり豆」や煎った豆やら殻付きの落花生とか
やたらと食べていた記憶があります。
よく灰皿が落花生の殻でいっぱいになってたなぁ(笑
私もそこは似たみたいでたまに無性に「いかり豆」が食べたくなって
ついつい買ってしまいますし、ナッツ類もよく食べますねぇ…
たまに煎りたて熱々の大豆を食べたくなるのですよねぇ…
なかなか家で豆を煎ることはありませんが…
休みの日にでも煎ってビールのつまみにしようかな…

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
「STシリーズ」としては第二弾のカメラとなりますが
先に発売された「ST701」はシンプルなM42ねじ込みマウントでしたが
この「ST801」で開放測光に対応するため
位置決めのピンと絞り情報伝達機構の付いた
「フジカSTマウント」のレンズと同時に発売され
ボディ側も「STマウント」に対応可能となっています。
「ST701」用だったM42マウントレンズももちろん装着可能で
その場合は絞り込み測光で対応します。
そしてこの時代としてはまだかなり先進的だった
LED式ファインダー表示の露出計を搭載しています。
さらに布幕横走りシャッターとしてはめずらしく
SS最高速1/2000を搭載しています。
横走りで1/2000といえばニコンF2やキヤノンF-1等の
フラッグシップ機をイメージしますが
これらのカメラは金属幕を搭載し幕速も速くして
1/2000を達成しています。
それに比べるとST801の1/2000は幕速は通常の布幕横走り機の速度で
スリットをとにかく狭くすることで達成しています。
そのためやはり1/2000をコンスタントに保つには
こまめなメンテナンスが必要ですし
スリットが閉じてしまうようなトラブルもをやはり多いようです。

お預かりしている「ST801」は一通り動作してはいるものの
やはり全体的には動きが悪く先述した1/2000は
やはり不安定で閉じてしまうことも多い状態です。
ご依頼者様のお話によると「レリーズできないことが多々ある」そうでしたが
受付時にも症状が確認できず
作業前にも長めにいろいろ確認したのですが
その症状は出ませんでした。
ただしレリーズ部やミラー駆動部にかなり動きの悪い部分が確認できたので
原因はこのあたりかと思われます。
そして露出計も動いたり動かなかったり非常に不安定です。
こちらは電池室からの配線ハンダ付けの劣化が原因かと思われます。

画像は一通り整備の完了した状態でのものです。
シャッターは安定して動作するようになり
最高速からスローまで精度的にも問題ございません。
全体的に非常に動きは軽やかになっていると思います。
露出計も安定して動作しており
こちらも精度も確保されています。
画像で装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
適度にコンパクトで軽量で端正なスタイリングで
非常に使いやすいカメラです。
ただしフジカのカメラは全体的にそうですが
少々華奢な部分もございますので
未整備で年月の経っているものは
まず間違いなく整備の必要な状態だとは思われます。
しっかり手を入れてやれば
また当分の間は安心してお使いいただけると思います。

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キヤノン7Sのカメラ修理

今日は「コロンブス・デー」だそうですよ。
1492年10月12日にコロンブスが率いる
スペイン船隊が新大陸アメリカに到達したことを
記念した日だそうです。
コロンブスはまだ地球球体説が根付いていないこの時代に
西廻りの航海が可能だと考え
『東方見聞録』にある黄金の国・ジパング(日本)や
インドを目指して出発しました。
コロンブスは最初の到達地がインドだったと
亡くなるまで信じていたのだそうです。
ちなみに「コロンブス・デー」はアメリカでは
多くの州で祝日なのですが
もともと「コロンブス・デー」は10月12日だったものが
1970(昭和45)年より月曜休日統一法によって
10月の第2月曜日となっているのだそうです。
日本でいうハッピーマンデー制度で
「体育の日(スポーツの日)」の変遷と同じような感じなのですね。
ところで私の場合…新大陸発見はおろか
都内でも行ったことないエリアが
結構あったりするのですが…
個人的未開の地の開拓へとたまには出かけなければ…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノン7S」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
時代の主流は完全にレンジファインダー機から
一眼レフ機へと移行してしまった時期に
キヤノン最後のフォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機として発売したカメラです。
既にこのジャンルの高級レンジファインダー機を作っていた
国産メーカーはキヤノンだけとなっていました。
1934年の「カンノン」から始まった
キヤノンの創成期を支えたレンジファインダー機の歴史が
この「キヤノン7S」で最終となってしまったわけです。
「7S」はそれまでの「7」のマイナーチェンジ版といえるカメラです。
露出計はセレン光電池を使用したものから
CdSを使用するものに変更されています。
露出計自体も従来より小型化することができ
アクサリーシューが装備されています。
まさにキヤノンレンジファインダー機の集大成ともいえるカメラです。
ちなみにライバルともいえるニコンは
「7S」登場の6年前の1959年には「F」が発売されています
「7S」登場の1965年には「FフォトミックT」が発売され
中級機では「ニコマートFT・FS」が発売されています。
キヤノンも一眼レフではこの頃には「FX」が発売されていますし
「ペリックス」が「7S」と同年に発売されています。
しかしながらやはり一眼レフへ本格的に注力できるのは
この後のことになってしまいました。

お預かりしている「7S」はまずシャッターが全く切れません。
シャッター幕が完全に閉じきらない位置で止まってしまっていて
レリーズもできず巻上もできない状態です。
もちろん無理に動かすと間違いなく何かを破損してしまうと思われるので
決して無理な操作は行わず何はともあれ分解を始めて
内部の状況を確認していきます。
分解してる途中で突然「シャコン」と幕が最後の位置まで
走りきり巻上も可能になりました。
何が起こったのか確認するために慎重に内部を確認すると
何かが内部で転がっているような音がしています。
慎重に分解を進めていくと中から出てきたのは小さなネジ…
当然ながらどこかネジが外れている箇所があるはずなので
じっくりと各部と確認していくと
レリーズ部とセルフタイマーがリンクする部分のネジが外れて
内部を転がりシャッター駆動部に挟まってしまったようです。
ネジは本来の位置へしっかると取り付けて
動作確認を行うとシャッターは切れるようになりましたが
やはり幕軸の汚れ等もありシャッタースピードの精度は
おせじにも良いとはいえない状態でした。

画像は一通りの整備が完了し確認を行っている段階です。
装着されている50mmF1.8レンズは当店のテスト用レンズです。
露出計にもそれなりのズレがありましたが
こちらも調整を行い問題ない状態になっています。
シャッターや巻上は非常にスムーズに気持ちよく動作しています。
もちろん精度も全く問題ございません。
外装もできる限り磨き上げましたが
こうして眺めているとやはり高級感ありますね。
動きが完全に馴染むまでもう少し様子見を行ってから
最終テストを行い問題なければ完成となります。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「スポーツの日」で祝日ですね。
ハッピーマンデー制度で当時の「10/10・体育の日」が
10月第二月曜日になってから20年以上
「体育の日」が「スポーツの日」になってから3年。。。
まだまだしっくりとはきませんねぇ(笑
長年親しんだ「10/10・体育の日」だから
もう一生しっくりとはこないでしょうねぇ(苦笑)
「体育の日」といえば「秋の大運動会」ですよねぇ
運動会自体は大好きでしたし
たいして速くもなかったですが「徒競走」も好きだったし
騎馬戦や玉入れ、棒倒し、綱引き…
そして毎回なぜか組み込まれているフォークダンスも
楽しみでしたねぇ~
でも唯一嫌いだったのが運動会の1か月近く前から
何度も何度も繰り返される「入場行進・開会式」の練習…
あれは本当に面倒くさくてイヤだったなぁ
自分じゃよく見えないから行進が乱れていようと
整列が曲がっていようとどうでもよくって
全くやる気のなかった記憶が…
まぁ集団行動やチームプレイが苦手なのは
子供の頃からですね(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」の
カメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
「Aシリーズ」の最初の機種となる「AE-1(1976年)」を
ベースにプログラムオートを追加した後継機です。
ただ最初の「AE-1」登場から5年経過していることもあり
単なる機能追加にとどまらず
特に電子回路関連では大きく進化しています。
機械的なシャッター・ミラー駆動部や巻上機構の
基本的構造こそ「Aシリーズ」に共通した
初代「AE-1」と大きくは変わりませんが
それを制御する電子回路に関してはもう全くの別物です。
「AE-1P」の内部と見比べると「A-1」あたりの内部回路も
かなり古臭さを感じます。
実際にファインダー内表示あたりをみても
明らかに当時の最先端であることを感じます。
AE-1の頃にはまだ残っていた糸連動ももちろんなくなっています。
A-1ではまだ存在したコンデンサレンズも「AE-1P」では廃止されており
コンデンサレンズなしでも従来のモデルより
格段に明るいファインダーが実現されています。

お預かりしている「AE-1P」は
シャッターが開いたまま、ミラーが上がったままの状態で
固着してしまっています。
この状態でもはや何もできない様子です。
ご依頼者様のお話によるとこうなる前までは
一通り使えていたとのことです。
まずは強制的にシャッターを動作させて
通常のリリース状態に戻してみます。
その状態で何度かシャッターを切ってみると
やはり同じような状況で固まってしまいました。
シャッター駆動…というよりは電磁石の吸着に問題があるようです。
そして何度か動作させているときに症状が出ていましたが
お決まりのシャッター鳴きがかなり酷い状態です。
シャッターが固着しなくても
このままではミラー動作が不調となってしまいそうです。
そしてオート時の絞り操作レバーの動きも悪く
オートが不安定な動きとなっています。
全体的にかなり動きの悪い状態と言えます。

画像はまだ上カバーを外しただけの状態ですが
さすがに80年代の電子制御カメラということもあり
プリズムも含めてぎっしりとフレキと基板で覆われています。
さすがに整備性は良いとは言えませんが
それでもこの類のカメラの中ではAE-1Pは
機械的部分へのアプローチが比較的しやすいカメラです。
もちろん静電気は大敵ですので
こちらも準備と体制を整えてから
慎重に分解整備を行っていきます。
電気的接点やマグネット周りの入念な清掃整備と
全体的な機械的駆動部の整備を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックSのカメラ修理

今日は「盗難防止の日」だそうです。
「とう(10)なん(7)」(盗難)と読む語呂合わせからですね。
空き巣も多いみたいですし
自動車やバイク、自転車の盗難も多いみたいですね。
空き巣は昔からある程度はあったのだと思われますが
自動車やバイクの盗難は
外国人が組織立って行っているようで
油断も隙もないイヤな世の中になってきたような気がします。
それでも少し前の話ですが
駅の券売機の前にうっかり置き忘れてしまった財布が
中身も現金もそのままに返ってきたこともあって
この国らしい良心も残っているのかなぁ…とも思います。
いずれにせよある程度の自衛は必要ですよね。
しかし、私は田舎育ちのせいもあってか
子供の頃は余程長い時間の外出でないと
家に鍵をかける習慣がなかったのですよねぇ
窓や縁側も開いたままだったし…
まぁ盗られるようなものもほとんどなかったですが…
今からすると考えられない状態でしたねぇ

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックS」のカメラ修理を行っています。
プロ仕様の最高級機「ニコンF2」に
「フォトミックSファインダー」が組み合わされたモデルです。
露出計が内蔵というのはフォトミックファインダー共通の機能ですが
「フォトミックS」は露出計ファインダー表示がLEDになっています。
このLED表示がちょっと問題で
他のカメラでもそうなのですがLED表示の露出計は
LED制御部に部品レベルの問題がある場合
当店では修理不可になることが多いのです。
今回の「フォトミックS」は精度は少しオーバー目で
少々不安定ではありますが
表示制御自体はできているのでおそらく通常整備+調整で
問題ない状態にできるかと思います。

F2フォトミックファインダーと言えば
露出計内臓だけではなく
アイレベルファインダーにはない
設定しているSSや絞り値がファインダー内に表示される機能があります。
これはかなり便利ですね。
で、今回のフォトミックSはそのうちのSS表示が
「B~1/2秒は連動するのでするのですが
それよりも高速側にダイヤルを回しても
1/2(表示は「2」で)止まったままになってしまいます。
表示板はシャッターダイヤルと連動糸でリンクしています。
一部とはいえ動くので糸は切れていないのだとは思われますが
詳しくは中身を見てみないとわからないですね

ボディ本体側にも高速シャッターの精度不良だったり
巻上やミラー駆動部に油切れの兆候が出ているので
後で一通りの整備調整を行いますが
まずは原因が気になるファインダー側から分解整備を行っていきます。
表示板の連動糸のテンションがゆるゆるになっていて
B~1/2までは引っ張れるのですが
それ以外は連動糸がたるんだままで表示板を回すことができません。
さらに回転式の表示板の軸も汚れ等により動作不良のようです。
おそらくですが…普通に動いていた回転表示盤が動作不良で
引っかかってしまいその状態でさらに糸を緩めたせいで
プーリーから糸が外れてテンションが掛からなくなったのだと思われます。
糸を掛けなおしてテンションを復活させ
ところどころで引っかかってしまう表示板の動きを
軸の清掃等でスムーズに動くようにしたところ
問題ない状態に改善できそうです。
それほど大したことではなくて助かりました。

それでは露出計接点等の清掃をしたうえで露出計調整
ファインダー内の清掃を行い
その後、ボディ側の分解整備を行っていきます。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は特にこれといった記念日はないのですよねぇ
ただ…10月6日はエドワード・ヴァン・ヘイレンの命日ですね。
ついこの間の話だと思っていたら
もう3年経つのですねぇ
中学~高校くらいの頃にレコードやテープが擦り切れるほど
ヴァン・ヘイレンの楽曲は聴きましたし
ロクに弾けやしませんでしたが
エディーのギタープレイも比較的簡単なものを
必死にコピーしました…若かったですねぇ(笑
ヴォーカルがデイヴだった頃の作品は特に好きで
いまだに初期の作品を中心に結構な頻度で聴いています。
エディだけではなくて
自分が感受性豊かだった頃に感動させてくれた
音楽を作ってくれたりプレイしていたアーティストが
ここ近年、亡くなることが増えているのですよねぇ
しかたのないことですが何だか寂しいですねぇ…

さてさて

実は今日も「オリンパスペンEES」のカメラ修理です。
昨日の個体とは全く別の話で
偶然、2台続けて全く別のご依頼者様から同じ日に立て続けに
「ペンEES」の修理依頼があったのです。
同じ機種が比較的短期間に集中的に入ることは
なぜかしら割と多くあるのですが
同じ機種が2台連続はめずらしいですね。

昨日のブログでも書いたので
「ペンEES」に関する特徴とかは割愛しますが
いずれにしても今でも非常に人気の高いカメラです。
加えて新品時にも「EEシリーズ」は
どのモデルも大ヒットしているので
現存する台数が多いことも人気の要因ですね。

お預かりしている「EES」は
シャッターはチャージされていると思われますが
シャッターが全く切れません。
昨日の個体のように「赤ベロが出てシャッターロックできれない」ではなく
オートだろうがフラッシュモードだろうが切れません。
赤ベロも出てきません。
機械的にはレリーズして切ろうとしているのですが
シャッターユニット側でシャッターが動かない感じです。
予想はしていましたが
後で分解してみてわかたのはレンズシャッター機によくある
「シャッター羽根の固着」です。
羽根の重なり合っている部分で汚れにより
貼り付いてしまっている状態です。
レンズシャッター機にはよくある症状ですが
「ペンEE系」には特に多い症状です。
…というのも「ペンEE系」はいわゆるビハインドシャッターで
フィルム室側から見るとシャッター羽根が露出しているので
比較的汚れがたまりやすいということもあると思います。
今回も他のレンズシャッター機でよくある
シャッターユニット側からの油脂類の滲み等が原因ではなく
明らかに「外部から入った小さなゴミ・汚れ」が原因と思われます。
長い間未整備だとフィルム室の劣化したモルトゴミ等も
発生しますし羽根が露出しているビハインドシャッターだと
やはり影響は受けやすいと思われます。

ちなみに昨日のブログでトラブルの原因になっていた
「シャッター駆動部を連結してる部分の3か所のネジ」は
今回も外れてはいないものゆるゆるでした。
上の画像では今回は赤く頭が塗られている部分ですね。
ここのネジは「ペンEE系」の整備の際には
増し締め+ロック処理は必須です。
今回も外れてはいなかったのでこれを原因とするトラブルはなかったですが
これをこのまま放置していると近いうちにトラブルの原因になります。
もちろん今回もできるだけ緩まないように対策を行っておきます。
そしてシャッターが切れるようになって発覚したのですが
オートが随分オーバー目に制御されてしまっているようです。
これも露出計の調整及び絞り制御の調整を行い
適正な精度が安定して確保できるように調整を行っていきます。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「教師の日」だそうですよ。
小中高と何人もの学校の先生にお世話になりましたが
担任の先生はさすがに皆さん
お顔と名前がすぐにまだ浮かびますねぇ…
特に中高の担任の先生にはお世話になったというより
迷惑ばかりかけてて今思うと本当に申し訳ない…(苦笑)
特に高2・高3と続けて担任してもらったS先生には
結構な世話をかけてしまった気が…
当時、学校には来ているのに
学校やその周辺で遊びまわってばかりで
ロクに授業に出ない私を頭ごなしに怒るわけではなく
「しょうがないやっちゃのーおまえはー」と
いろいろとご指導いただいたことは今も忘れません…
私はおかげさまで子供の頃の周りの大人たちには
かなり恵まれていたほうだと思いますが
まぁこうして何とか元気にやっていることを
皆さんに感謝しなくてはいけませんねぇ
最近、やたら昔のことを思い出し始めると
止まらなくなっちゃうんですよね…これも年齢のせいか…(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズの中でも特に依頼される台数の多い
ペンEEシリーズの一員です。
初代ペンEEの派生モデルで
固定焦点から3点ゾーンフォーカスに変更したカメラです。
ゾーンフォーカスになっている以外にも
レンズが変更され3cmF2.8のレンズを搭載します。
それら以外は「ペンEE」とほぼ同様です。
露出制御はセレン光電池使用の露出計に連動し
プログラムオートで制御されます。
シャッタースピードは1/30。1/250の2速切替式となります。
ハーフカメラらしく非常にコンパクトで
露出オートで撮影も気軽に行なえるカメラです。
さらにかわいらしいレトロな外観も魅力の一つで
現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ペンEES」は
光量不足の際に出る赤ベロが明るさに関わらず
常に出てしまう状態で
オートだとシャッターが切れません。
赤ベロ制御されなくなるフラッシュモードだと
なんとかシャッターは切ることができます。
オート制御は定番の露出計指針を挟み込むタイプで
露出計指針がある程度振れていないと
赤ベロが出てシャッターロックがかかる仕組みです。
つまりこの状態だと何らかの原因で
露出計が明るい場所でも全く振れない状態だと考えられます。
…となるとやはり考えられるのはセレンの劣化で
明るい場所でも全く起電されない…ということを予想するのですが…
経験上、比較的ペンEE系のセレンは
そんなに全く起電しないほど劣化しているものは多くないのですよねぇ
もしかしたら露出計本体の断線かなぁ…と思いながら
分解に取り掛かろうとしたのですが…
何だか妙に鏡胴(シャッターユニット)が
ぐらついているのに気づきました…
フィルム室側からシャッターユニットを留めているネジを確信しましたが
ここはまったく緩みなくしっかり固定されています。
「あーこれはもしかしていつものあそこかー」と
緩んでいる箇所の想像がついたので
うっかりシャッター羽根が外れないように慎重にばらしていくと
シャッター羽根駆動部を支える部分のネジ3本中2本が
外れてどこかに消えてしまっています。
残った1本もゆるゆるです。
ここのネジはペンEE系はよく緩むのです…
ここが完全に外れてしまうと
シャッター羽根も外れてしまいます。

画像はシャッターユニット側やレンズの整備を終えて
再組立てする前の段階でのもので
既にネジはしめてありますが
ネジの頭に白い塗装がされている3本のうちの
2本が外れていた状態でした。
で、ここのネジは外れても外にまでは出て行かないはずなので
内部を捜索すると1本は磁力で
メーターの外枠にくっついていて
もう1本は見事にメーターの内部にまで入り込んでいました。
…ということで露出計指針が動かないのは
この入り込んだネジが指針の邪魔をしていたせいでした。
露出計はコイル部に磁力を持っているから
外れたネジが集まるのですね…
このパターンもよくあることなので
ネジが外れているのを発見した時点で
おそらく露出計の中にいるな…と慎重に捜索して取り出しました。
精度はともかくとしてこれで何とか露出計は無事に動き出しました。
その後、一通りのシャッター周りの整備を行い
ネジはしっか締めた上で軽くロックして組み上げます。
それなりに精度の狂いは当然ながらありましたので
露出計の調整、絞り制御の調整を行って
自動露出に関しては問題ない状態になりました。
しかしながらペンEEのここのネジは本当によく外れています。
困ったものです…

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コニカC35FDのカメラ修理

今日は「徒歩の日」だそうですよ。
「と(10)four(4)」(徒歩)の語呂合わせからということです。
なかなか強引ですねぇ(笑
由来はともかくよく歩くことは健康の基本かと思います
私の場合は3年半ほど前に脳梗塞をやってしまってから
歩きが少しばかり不自由になってしまいましたが
ほぼ毎晩リハビリでそれなりの距離を歩くようにしています。
まぁ完全にはもう治らないのはわかっていますが
それでもやらないよりは確実に効果はあるようで
3日サボると明らかにより歩きにくさを感じます。
…ということは毎日必ず続けていないと
現在の少し不自由な状態さえ維持できないのでしょうねぇ
もうこればかりはしかたないです。
リハビリ云々はさておき適度な運動もしておかないと
確実に太りますし…そうなるとまた新たな不健康ネタを
呼び寄せてしまいますので
いずれにしても毎日のウオーキングは欠かせません。
今夜も仕事が終わった後で天気が酷くなければ
いつものコースを歩いてきます!

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
当時「じゃーに~コニカ」として大ヒットした
ベーシックな「C35」の上級機にあたります。
レンズは大口径のヘキサノン38mmF1.8を搭載し
露出設定も通常のC35のプログラムオートではなく
CdS使用の露出計に連動する
シャッタースピード優先オートを搭載しています。
それに伴ってシャッターユニットもコパル製に変更されており
ボディ形状や巻上機構は通常のC35と共通するものの
もはや別物のカメラに仕上がっています。
さすがに大きなレンズを搭載するので
通常のC35ほどのコンパクトさはありませんが
それでもスペックを考えれば十分にコンパクトかと思います。
距離計を搭載する「C35」は
この「FD」が最後のモデルでもあります。

露出制御は先述した通りシャッタースピード優先オートで
それ自体は通常のC35と同様に
露出計指針を挟み込むことでその指針位置に連動し
絞りをコントロールする手法です。
キヤノネット等と同じような構造です。
このタイプのシャッタスピード優先オートは
非常に小さなバネ力で絞り羽根を開放にし
露出計に連動して絞り込むわけですが
羽根の汚れ等で簡単に絞り羽根が
粘ったり固着したりしてしまいます。
今回お預かりしている「C35FD」も
シャッター羽根がほぼ問題なく動作しているのですが
絞り羽根が粘ってしまっていて
F5.6あたりから解放側へ開かないような状態です。
「C35FD」は絞り羽根がシャッター羽根より前にあるので
レンズ前面からもよく見えますが
レリーズボタンを押したとき以外は
常に開放になるはずの絞り羽根が
絞りF5.6くらいの位置で止まってしまっています。
露出計の値によってそれ以上に絞る場合は
絞る方向には動くのですが開放には戻れません。

まだ取り掛かり始めで分解していく途中ですが
これからシャッターユニットを降ろして
絞り羽根の清掃から始めていきたいと思います。
もちろん並行してシャッター羽根の清掃
シャッターユニットの各部整備、レンズ清掃も行います。
それでシャッターユニット単体での動作をある程度確認してから
巻上周りの整備を行い再組立て
露出計、オートの調整
ファインダーの清掃、距離計調整を行っていきます。
コンパクトなボディに所狭しと各駆動部が配置されていますが
整備性は比較的良好なカメラです。

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キヤノンⅡS改のカメラ修理

今日は「望遠鏡の日」だそうですよ。
1608年のこの日に
オランダの眼鏡技師ハンス・リッペルハイが
凹レンズと凸レンズを組み合わせると
遠くの物が近くに見えるという望遠鏡を発明し
特許を申請するためにオランダの国会に
書類を提示したことが由来となっています。
しかし、原理があまりにも単純で
誰にでも作れそうだという理由で
特許は受理されなかったそうで
その代わりにオランダの政府から
報酬を得ることができたのだそうです。
カメラの望遠レンズも原理としては同じですね。
望遠鏡といえば私がまだ幼稚園児だったころに
ある日、突然なにを思いついたのか
じいさんがビクセンの6cm天体望遠鏡を買ってきて
家の窓から灰ヶ峰の頂上とかを見せてくれました。
展望台に上っている人の姿まで見えて感動したのをよく覚えています。
夜になると月とかを見せてくれたなぁ…
ばあさんは「なんでこんな小さい子に望遠鏡なんよ!高いのに!」って
随分ご機嫌斜めでしたが…(笑
その天体望遠鏡のおかげで小学生高学年の頃には
星空を見上げてはいろいろな天体や惑星を追っかけてました。
ただ当時の赤道儀は全くもって使いこなせませんでしたねぇ(笑
まず極軸合わせすらできなかったし…

さてさて

本日は「キヤノンⅡS改」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「バルナックコピー」と言われるカメラですね。
キヤノンの始まりも1930年代にこのタイプのカメラからです。
1950年代にかけてキヤノンの独自性も盛り込みながら
いろいろなモデルが発売されています。
ただこれがモデル刻印等も本体にはなく
非常に判別が面倒なカメラです。
修理する立場で言えば構造的にはどのモデルもそれほど
大きくは変わらないのでモデル名はなんでもいいのですが…

今回お預かりしているのはおそらく1955年発売の
「ⅡS改」だと思われます。
このタイプのキヤノン機で最高峰とされる
「ⅣSb改」の普及モデルという位置づけのカメラです。
基本的な構造・仕様は「ⅣSb改」と同様で
SS最高速が1/1000から1/500へと変更され差別化されています。
かなり高価だった「ⅣSb改」に比べ1割程度お安い設定だったそうです。
仕様が「ⅣSb改」と同様ということで
SS最高速こそ1/500ですがスロー側は1秒まで搭載し
いわゆる倍数系列となっています。
もちろん「B」「T」も装備します。
ファインダーは一眼式でキヤノンお得意の
可変倍率ファインダーを搭載しています。

お預かりしている「ⅡS改」は
まずもってシャッターが全く切れません。
この時代のフォーカルプレーン機は大抵の場合がそうですが
やはりシャッター幕が激しく劣化+硬化しており
シャッターは全く動けない状態のようです。
何はともあれシャッター幕を交換しないとどうにもならない状況です。
もちろん幕軸を始め各部の動きも悪いですが
巻上軸にも問題があり
巻上が空回りしてしまっている問題もあるようです。

画像は一通りの修理整備が完了した後のモノです。
巻上からレリーズに至るまで非常にスムーズに
動作するようになりました。
低速から高速までシャッターの精度も全く問題ございません。
ファインダーも非常にクリアで
距離計の精度も問題ない状態です。
このタイプのカメラはフィルム装填等に面倒な部分もございますが
そういう部分も含めて使っていて非常に楽しいカメラだと思います。
キチンと整備されてスムーズに動作する機体だと
尚のこと撮影を楽しめると思います。
今回のご依頼者様にも存分にお楽しみいただければと思います。

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オリンパスペンD3のカメラ修理

今日から10月ということで
10/1にはたくさんの記念日が制定されています。
衣替えの日、日本茶の日、メガネの日
東京都民の日、土地の日、ネクタイの日、
香水の日、醤油の日…等々まだまだたくさん…
そんな中に「日本酒の日」もありますねぇ
お酒は全般的に好きですが
やはりその中でも日本酒が好きですねぇ
一概には言えない部分もありますが
日本酒そのものの香りや味をじっくり味わうのなら
磨き上げた大吟醸、和食を引き立てるのであれば
純米酒がいいですねぇ…
私の場合、日本酒好きになってから
それまで苦手だった食べ物で
美味しく食べられるようになったものも多いのですよね
佃煮系とか煮魚とか酢の物とか…
少しは大人に成長したのか…(笑
季節的にはサンマの塩焼きとかがいいですね
純米酒に合わせると最高の組み合わせです。
お互いの味を引き立てあって至高の味わいになりますよねぇ
今夜あたりちょっと良い日本酒と美味しいサンマで
じっくり楽しみたいですねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスペンD3」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラの代名詞ともいえる「オリンパスペン」ですが
いくつかのシリーズに大きく分けることができます。
最初に出てきたベーシックな「ペン」そして
それの高級版と言える「ペンS」
セレン露出計と連動し露出をオートとし
撮影操作をとにかく簡単にできるようにした
「ペンEE及びEESシリーズ」
そして最上級モデルとして登場した今回の「D3」を含む
「ペンDシリーズ」です。
「ペンDシリーズ」は基本はペンSと同じくマニュアルカメラですが
大口径レンズと露出計を内装しています。
露出計は内臓はされるものの直接連動する部分はなく
露出はあくまでもマニュアル操作です。
最初の「ペンD」はセレン光電池使用の露出計が搭載され
「D2」でCdS使用の露出計に変更されています。
そして「D3」では搭載レンズがそれまでのFズイコー32mmF1.9から
32mmF1.7へとグレードアップされています。
大口径レンズを搭載するため他のペンシリーズと比べると
少しだけ大きくずっしりとしていますが
その分、高級感に溢れたカメラです。

お預かりしている「D3」は一通り動作してはいるのですが
シャッターを始め各部に若干の動きの粘りがあり
レンズ・ファインダーには結構なカビが発生しています。
モルトはやはり全滅です。
露出計もそれなりに動いてはいますが
やはり配線や接点の問題で少々不安定で精度的にも調整が必要です。
致命的なトラブルこそないものの
快適に使うにはやはり全体的な整備が必要な状態です。

画像は一通りの整備を行った後の状態です。
シャッター羽根、絞り羽根の清掃及びシャッターユニットの整備
レンズ清掃、ピント調整、巻上機構部の整備
露出計及び電池室周りの清掃整備、ファインダー清掃
そしてモルト交換等々、全体の整備を行っています。
お預かり時よりも明らかにスムーズに動作するようになっています。
精度的にも全く問題ない状態になりました。
動きが少し馴染むまで様子見した上で
最終テストを行い問題なければ完成となります。
これでご依頼者様にも気持ちよく使っていただけると思います。

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ペンタックスS3のカメラ修理

今夜はいわゆる「中秋の名月(十五夜)」ですね。
都内の今夜の天気は雨が降ることはなさそうですが
曇りがちかもしれません…少しでも月が見えればいいですね。
たとえ月が見えなくても
中秋の夜に雲などで月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」
中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」と呼び
月が見えないながらも
なんとなくほの明るい風情を賞するものとされているそうです。
「中秋の名月(十五夜)」は
旧暦8月15日~16日の夜(八月十五夜)の月をいいますが
個人的にはまだ夏の空気が少し残るこの季節より
少し寒いですがより空気が澄んでくる
旧暦9月13日~14日の夜「十三夜(じゅうさんや)」のほうが
美しい月が見られるような気がします。(今年は10/27)
まぁでもそんなことを言ってないで
今日は「月見酒の日」で「洋菓子の日」でもありますし
月を眺めながら(見えなくても感じながら)
お団子もいいけどケーキでも食べて
甘いものにも合う強めのお酒を味わいたいですねぇ

さてさて

本日は「ペンタックスS3」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
Sシリーズは当初は普及機クラスとしての発売でしたが
S2→S3と進化していく中で
機能的にも構造的にも先行発売のトップモデル「K」を上回り
ペンタックスの主力機として定着していきます。
「S3」は発売当初から1/1000を搭載し
(S2では最初は1/500まで最終的には1/1000搭載)
スーパータクマーレンズ群との組み合わせで
完全自動絞り(レリーズに連動して
瞬間的に絞り込みところから開放に戻るまでを自動に行う)を
実現しました。
後の一眼レフでは当たり前の機能なのですが
「S2+オートタクマー」では
レリーズに連動して絞り込みは行うものの
開放はレンズ側で手動で行う形だったのです。
このあたりはこの時代に後の一般的な一眼レフと変わらない機能に
どんどん進化している過渡期にあたります。
少しレトロな外観と露出計こそ内蔵しませんが
マニュアルカメラとしての機能を一通り持つ
シンプルで使いやすいカメラです。

お預かりしている「S3」は
この時代のアサヒペンタックス系ではお馴染みですが
やはりシャッター幕の劣化・硬化が進んでしまっています。
巻上げてレリーズすると先幕は何とかズルズルッと走りますが
後幕はほとんど動くことができません。
先端が少しだけ出てくるのでそっと引っ張って助けてやると
なんとか最後まで走りきるような状態です。
先幕もそうですが後幕が出てきた状態で確認すると
シャッター幕はガチガチに硬くなっていて
波打ってしまっているような状態です。
ゴム引幕のゴムの層が完全に劣化してしまっている状態です。
破れや穴こそありませんが
こうなってしまうとシャッター幕は交換するしかありません。
未整備のAP,K,S2,S3,SVあたりはかなりの高確率で
シャッター幕交換を前提とした整備が必要になります。

まだ分解整備に取り掛かったばかりの状態です。
もちろん画像に見えている幕はまだ交換前です。
幕自体の劣化もそうですが
各部駆動部も積年の汚れや古い油脂のせいで
かなり動きの悪い状態です。
幕交換と並行して幕軸の洗浄整備
巻上部の清掃整備、ミラー駆動部の清掃整備を入念に行います。
その上で最終的に各部微調整を行い
シャッタースピード等の精度を出していきます。

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