日別アーカイブ: 2017年6月8日

オリンパスXAのカメラ修理

今日は「ヴァイキングの日」と聞いて。。。
まずはホテルとかの朝食でよくある
「バイキング」を真っ先に思い浮かべましたが
そうではなくて「北欧の海賊」のほうの「ヴァイキング」ですね。。。(笑)
どれだけ食い意地張ってるのやら。。。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1979年。オリンパスにはコンパクトで
独創的なカメラが多いですが
このXAも「クラムシェル」と呼ばれた
スライド式のレンズカバーが非常に特徴的なモデルです。
このカメラ以降、スライド式レンズカバーのカメラが
たくさん出てきましたね。

XAには今回の初代XAから
XA1、2、3、4とシリーズ化されるわけですが
この初代XAのみがレンジファインダー(距離計)を備えます。
やはり目測よりは距離計があったほうが便利ですよね
距離計を備えて、ハーフではなく通常の35mmフォーマットで
この大きさというのは本当に画期的だと思います。
同社のハーフ判カメラ「オリンパスペン」よりも
ほんの少し小さいほどです。

お預かりしたXAはピントレバーが固着してしまい
全く動きません。この症状、XAには比較的多いトラブルです。

ところでXAは絞り優先オートで露出を行い
現在、セットされている絞りに対応する
SSをファインダー内に表示するのですが
このファインダー内の露出計は
実際にオートを制御する露出計とは別物です
オートを制御のためのCDS(受光部)は別にあって
その抵抗によって変化する電流によって
シャッターユニットを駆動しSSを決定します。

オート制御に関しては調整がきちんとできる構造になっているのですが
ファインダー内露出計に関しては調整ができるようになっていません。

さらにこのファインダー表示用露出計?のためのCDS(受光部)は
ほとんどのものが劣化してしまっているようです。
(感覚的に5台チェックすると正常なのは1台あるかないか。。。)
正常なCDSを見つけることが非常に困難なため
この部分に関しては修理不能とさせていただいております。

今回お預かりしているXAもファインダー内表示は
1.5段ほどオーバーになってしまっています。
もちろんオートは調整いたしましたので
正しい露出では動作するのですが
ファインダー表示だけが少しズレている状況です。
不思議なことにオート制御用のCDSが劣化しているものは
あまり見かけません。
おまけにファインダー表示用とオート制御用のCDSは特性が違っているため
入れ替えることもできません。

ファインダー内表示の件は残念ですが
他の部分に関しては各部点検整備一式で
非常に快適に動作するようになりました。
デザインも良く、この大きさで
プログラム露出でなく、絞り優先AEが使え
距離計も搭載。。。。普段カバンに忍ばせて
常に持って歩くカメラとしては最適なスペックを備えていると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。