ペンタックスSPのカメラ修理

今日は3月23日、特にこれといった記念日もないですが。。。
1951年3月23日に解散あるいは大洋(現・ベイスターズ)との
合併の道しか残されていなかったと思われた「広島東洋カープ」の
存続が決定しています。
この頃のカープは正に「貧乏球団」で選手の給料はおろか
試合のある甲子園まで行く交通費もなく
市民やファンからの強力で甲子園に行けたはいいが
宿泊費がなく甲子園のスタンド下の部屋で雑魚寝したとか
今では考えられないようなことがたくさんあったようです。
セ・リーグ連盟からも「プロ野球は金のないものがやるものではない」と
激しい叱責を受けていたようです。
いまや伝説となっている「樽募金」もこの年の出来事ですね。
私の生まれる前の話ですがカープがこのとき潰れていなくて本当によかった。。。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
ここのところまたSPの修理が少し多いですね。
お預かりしているSPは非常に外装もキレイで
過去に手を入れられているのかファインダー内にも
ほとんどゴミのない美品です。
ご依頼者様から現状をチェックしてほしいとのことだったのですが
正直「これなら何も問題なさそうだな。。。」と思っていました。
高速シャッタースピードも問題ない数値で
「このまま使っていただいて大丈夫ですよ」と言おうとして
最後にピントチェックを行ったのですが。。。
「あれ?すごくオーバーインフしちゃってる。。。」
レンズ指標上、5m辺りで無限遠が出てしまっています。
フィルム室から確認してみるとフィルム面では
正しい位置で無限遠は出ています。
レンズが悪いわけでなくボディ側に問題があるようです。

ファインダー上でのみピントが狂っている場合は
ファインダースクリーンの位置が狂っているか
ミラーの角度に原因があるかどちらかの場合がほとんどです。
SPは分解しなくてもミラー側から調整できるネジがあるのですが
そのネジはあまり触る部分ではない上、
そんなに調整範囲があるわけでもないので
勝手にこんなに狂ってしまうとは考えにくいです。
いろいろ調べた結果、ミラーの角度が
何らかの原因で狂っていることが判明しました。
さらにテストを重ねているとシャッターそのものの動きは良いのですが
スローガバナーが妙に不安定な動きをしていて
1秒時に1/8で切れたり、ミラーアップしたままになる現象が
ごく稀に出ることもわかりました。

というわけで、これからミラーボックスを外して
ミラー周りの整備調整、スローガバナの洗浄・注油を行います。
巻上はもともとSPらしい軽さではありましたが
巻上軸に少々油切れの兆候が見られるため
幕軸等々同様に清掃・注油を行っていきます。

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