今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
「処」という漢字は音読みで「しょ」
訓読みで「ところ」などの読み方があり
「その場にとどまる」や「一つの場所に落ち着く」などの意味があります。
転じて「暑さが止む」という意味から「処暑」とされています。
厳しい暑さが峠を越して、落ち着く頃である。
昼間はまだ残暑が厳しい地方もあるが
朝夕には涼しい風が吹き始める…と言いますが
まだまだ暑いですねぇ…
私、ほぼ毎日リハビリのために夜中にウオーキングしていますが
ほんのわずかに風に涼しさが出てきたような気もしますが
まだまだ夜中でも暑いです…
それから先日、4日間ほど広島・呉に帰省してきたのですが
同じような35℃前後の猛暑日でも
向こうは都内のようなまつわりつくような空気自体の熱さは
あまり感じないのですよね。多少の風と湿度、
そして海が近いからかと思われます。
都内中心部のむわっとした暑さは本当に体にこたえます…
早く朝晩ひんやりとした秋になってほしいものです。
さてさて
本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノンの誇るプロ向けフラッグシップ機であり
一眼レフの分野でもキヤノンを
トップメーカーに押し上げたカメラでもあります。
1971年発売開始のカメラです。
このF-1が登場するまではキヤノンの一眼レフには
いわゆる「プロ向けの最高級器」といったモデルがなく
その分野ではニコンF・F2の独壇場となっていました。
キヤノンはレンズ交換式レンジファインダー機の分野でも
国内トップシェアを誇るメーカーでもあり
そちらにも開発力を割かねばならず
一眼レフの分野では少し開発に立ち遅れた部分もありました。
それまでの遅れを一気に挽回し
この分野で先行するニコンに追いつき追い越すために
開発されたともいえるのがこのF-1です。
キヤノンの狙い通りこの分野のカメラとしては大ヒットになり
このカメラの登場から長らく続くニコン・キヤノン2大メーカーの
熾烈なシェア争いが何十年も続くことになるわけです。
お預かりしている「F-1」はご依頼者様が
かなり長い間使われている個体かと思われます。
全体的に大きな問題はないのですが
さすがに長い間未整備ということもあって
動きの悪いところがいくつか見られ
高速シャッター等の精度も少しズレてしまっているようです。
今後も長く使っていただくためにも
リフレッシュを必要としている時期かと思われます。
高速シャッターの問題は測定器できちんと測定してみないと
なかなかわかりにくい部分ですが
明らかに先幕・後幕のバランスが取れていない状態です。
加えてファインダー内露出計指針の先の〇い指針は
レンズの絞りに連動して動くのですが
この〇指針の動きが非常に悪く
頻繁に上に張り付いたまま
降りてこないような状況になってしまいます。
この〇指針のトラブルはF-1に割とよく見られる症状で
小さなバネ力で押しもどすのですが
積年の汚れ等で粘ってしまうことが多々あります。
ミラーボックスを外した際に徹底的に清掃して
スムーズに動作するようにしていきます。
画像はボディ側の整備が一通り終わって
ファインダー側の整備に取り掛かる際のモノです。
干渉防止用の座布団モルトが見えますが
これも完全に劣化していてボロボロです。
このまま放置しておくと確実に大きなプリズム腐食の
原因となってしまいます。
もちろん交換で対処いたします。
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