日別アーカイブ: 2023年8月7日

ニコマートELのカメラ修理

今日は8月7日…
語呂合わせの記念日が多い日ですね。
「花の日」「鼻の日」「バナナの日」
「花火人の日」「ハテナの日」等々。。。
でも今日は「月遅れ七夕」なのですよね。
七夕は本来旧暦の7月7日の年中行事なのですが
明治の改暦以降は新暦の7月7日や
月遅れの8月7日に行われます。
月遅れ七夕で8月7日だと比較的旧暦の7月7日に近いのですが
正確には今年の場合旧暦の7月7日は
8月22日でもう少し先ですね。
新暦の7月7日だとまだ梅雨の真っ最中ですし
彦星(アルタイル)も織姫(ベガ)も
20時頃だとまだ東の空に昇り始めた頃なのですね。
旧暦7月7日だと21時にはほぼ南中ですし
天気も安定して晴れている頃で
天の川観測には適しているかと思います。
でも残念ながら今日の天気は台風の影響もあって
夜には曇ってしまいそうですが…
七夕云々はともかくとしても
天の川が大きく夜空に広がる季節です。
街中ではなかなか見ることができませんが
思い切って空の暗い地域に行って
夜空をゆっくり眺めてみたいものですね。

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のニコン初の絞り優先AE機です。
ニコマートと言えば当時のニコンの中級機ブランド名ですが
機械制御シャッターのFTの登場から
7年遅れての電子シャッター制御機の登場となりました。
後のFEの前身にあたるモデルです。
シャッターユニット自体はFT系と同じくコパルですが
シャッター制御を電子制御としたカメラです。
シャッタスピードの範囲は1/1000~4秒ですが
オート時は無段階で制御します。
非Aiレンズでオート露出が可能なのは
このELとワインダー対応のELWのみとなっています。
初期の電子制御機ということで
それなりに電子制御トラブルの多いカメラではありますが
それでも同時期の他メーカー機に比べると
電気関係のトラブルは少ないほうかと思います。
これがAi対応のEL2になると中身的にはほぼFEと同等になっています。

お預かりしている「EL」はまず巻上が中途半端な位置で
ロックしてしまっており巻上はそれ以上できず
シャッターはリリース状態で当然切ることはできません。
巻上ロック機構の不具合等ではなく
原因はわかりませんが巻上機構そのもので
何かおかしな嚙み合わせになっているものと思われます。
まずはこれを何とかしないと
電気的に何か問題を抱えているかどうかもわかりません。
いずれにせよ分解しながらいろいろ確認していく感じになりそうです。

画像は分解の取り掛かり始めの段階でのものです
基盤を見るとやはり時代を感じますね。
もう数年後になるとどのカメラも本格的に
フレキに置き換わっていくのですが…
結論から先にいうと巻上は噛み合わせの
トラブルで固着していていったん嚙み合わせを外して
正しい位置関係に戻してやることで解消されました。
元々の原因はやはり古い油脂や汚れ等による
動作不良かと思われます。
電子制御的にはそれなりに調整は必要なものの
大きなトラブルはなく一安心といったところです。
機械的にはとにかく全体的に動きを良くする整備を行い
電気的には接点や一部のハンダのやり直しを行い
調整を行って精度を出していきます。
問題なく使用できるレベルに何とか無事に仕上げられそうです。

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