日別アーカイブ: 2023年8月4日

ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は8月4日…イメージしやすいですが
「橋の日」だったり「箸の日」だったりしますね。
「橋」といえば…
私、小さな頃から気がつけばじいさんばあさんとの
3人暮らしだったのですが
じいさんがよく「お前は橋の下で拾ってきたんじゃよ」と
もちろん笑いながらその頃の私でもわかる冗談で
言っていました。懐かしいですねぇ(笑)
うちのじいさんはそういうブラックジョークから
ダジャレまで冗談を飛ばすのが好きな人でしたが
私が中学生になった頃でも
家にかかってきた私宛の電話に
「あー!今、ゆきひろはニューヨークに行っちょるよ!」と
(実際は「ニューヨーク」→「入浴」=「銭湯」)
豪快に決めてくれて
電話かけてきたクラスメートの女の子が
めちゃくちゃ混乱してたのを思い出します(笑)
今思いだすと毎日なんだかんだ笑えることがあったような気が…
「橋の日」とは関係ない話になってしまいました。
とりあえず来週のお盆は墓参り行ってくるか~

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売開始のカメラです。
モデル名からするとミノルタ初の一眼レフカメラと
イメージしがちですが
実際はSR-1登場の前年にトップモデルの「SR-2」が
発売されておりこちらがミノルタ初の一眼レフです。
「SR-1」は「SR-2」から1/1000を省略したのみの
普及機的位置づけですが
1/1000がないこと以外は中身的にも「SR-2」と同一です。
1/1000を省略しただけでは
さしてコストダウンにはならないとも思いますが
差別化するのが目的だったのでしょうね。
当時は数字が大きいほうが上位モデルという考え方もあったので
それの基づいて先に出たトップモデルが
「SR-2」だったのだと思われます。
ただ少々ややこしいのはその後、トップモデルは
「SR-2」は「SR-3」、「SR-7」へと名前も変えながら
モデルチェンジするのですが
「SR-1」は中身だけそのときのトップモデルとほぼ同一なのに
名前は「SR-1」のままで生産発売されます。
なので名前は「SR-1」でも「SR-2」ベースだったり
「SR-3」ベースだったりするモデルが存在します。
ややこしいことに同じ「SR-1」でもボディ形状だけでも
4種類の「SR-1」が存在します。

お預かりしている今回の「SR-1」は
外部露出計取り付けのためのソケットが付けられています。
加えてフィルムカウンターが巻上側にあることから
1963年型の「SR-7」ベースの「SR-1」かと思われます。
SR-7では巻き戻し側に露出計が組み込まれるため
SR-3までは巻き戻し側にあったフィルムカウンターが
移動してきているわけですね。
とりあえずはシャッターは動作している状態でしたが
かなり動きの悪い状態で幕速のバランスも大きく崩れています。
1/500だとシャッターは途中で閉じてしまうようです。
先幕の動きが明らかに悪いようです。
加えて何回か切っているとたまにミラーアップの状態で
シャッターは切れずに固まってしまいます。
ファインダーにも装着されている55mmF108レンズにも
盛大にカビが生えていて全体的に曇りも見られます。
おそらくガラス変質による曇りではないと思われます。
そしてSR-1,2,3ではお馴染みですがプリズムの腐食が酷いです。
SR系のプリズム腐食はモルト等の影響による劣化ではなく
単純に蒸着の劣化によるがほとんどです。
こちらは腐食のない中古プリズムとの交換で対処します。

基本的にはかなり丈夫なカメラです。
造りもシンプルなので整備性も良いカメラです。
ただ現存する未整備のもののほとんどは
何らかの動作不良を抱えているとは思います。
今回もシャッターや巻上、ミラー駆動部を中心に
入念に本来の動きを取り戻す
整備清掃をこれから行っていきます。

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