日別アーカイブ: 2025年7月24日

ニコマートFTのカメラ修理

今日は「卒業アルバムの日」なのだそうですよ。
なぜこの時期に???と思ったら
「な(7)つ(2)かし(4)い」(懐かしい)と読む
語呂合わせからだそうです。
昔は学校の行事ごとに近所の写真屋さんの主人が
カメラマンとして大活躍していましたが
今はそういうのも形を変えているのでしょうねぇ
修学旅行とかにも同行していましたから
あれはあれで責任もあるし大変だっただろうなぁ…
その写真屋さんのところに私も子供の頃は
よく現像に出しに行っていたものです…確かに懐かしい…(笑
その写真屋さんが大活躍だった卒業アルバムも
小中高と家の押し入れの奥に眠っています。
実家を片付けたときに持ってきたのですが
たまには引っ張り出してみるか…

さてさて

本日は「ニコマートFT」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
「ニコマートシリーズ」の第一号機ですね。
これより前に普及機として「ニコレックスシリーズ」が
存在していたのですが外部に製造を委託したこともあり
個性的で面白いカメラが多いものの
ニコン製品としては正直なところイマイチで
商業的にも失敗といえる状況でした。
それを踏まえて「ニコマートシリーズ」では
シャッターユニットこそユニットシャッターである
「コパルスクエア」を搭載したものの
(コパルスクエアは非常にクオリティの高いシャッターユニットです)
開発組み立てはニコン社内で行い
クオリティ的にも劇的に進化した中級機となりました。
使い心地やシステム拡張の面ではF一桁機にかなわないのは
当然としてもニコンらしい堅牢性に非常に優れたモデルです。

…というくらいなので致命的なトラブルはかなり少ない
ニコマートなのですが
今回の「FT」はミラーアップしたままシャッターが切れません。
よくある汚れの蓄積によるミラー駆動部の粘りではないようです。
シャッターユニット自体はさすがコパルスクエアで
特に問題はないと思われます。
外から状況を見ても今回はよく原因がわからないので
まずは分解しながら内部の様子を伺っていきます。
露出計は完全に不動です。
これも露出計本体ではなく電池室からの配線腐食かと思われます。

当初のトラブルの状況を細かく説明すると長くなるので
割愛しますがミラーアップで固着なのは確かなのですが
その状況がよくあるパターンとは明らかに異なっていたので
何かおかしいな…と思いながら分解していったのですが
ミラーボックスを外してみたところでそれが判明しました。
プラスチックの異物がミラーダウンリンク部の足に
挟まって動きを完全に妨げていました。
内部のどこからか落ちてきたのか…とも一瞬思いましたが
そのプラスチック片を見たところ
明らかに内部で使われているようなものではありません。
一体どこから入り込んだのか…
そんな大きな隙間のあるカメラではないのですが…
原因ははっきりしたのでよいのですがその異物を挟み込んだまま
動作しようとしていたためリンケージ部の変形も多少あるようです。
正しくスムーズに動くように修理整備を行っていきます。
露出計不動の原因はやはり電池室からの配線が
腐食で断線してたことが原因のようです。
こちらも交換した上で露出計の調整を行っていきます。

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