今日は「台風襲来の日」だそうですよ。
統計上、台風襲来の回数が多い日で
過去に大きな被害をもたらした台風が襲来しているそうです。
今年は全国的に穏やかな天気ですね。
少し心配された台風19号ははるか東に去っていきました。
自分の感覚だけでいうと
今年は夏にゲリラ豪雨が何度かあったものの
あまり台風が来そうな感じがしないですねぇ…
次の20号もフィリピンあたりに既にいるようですが
このまま穏やかな秋晴れが続いてほしいものです。
できるだけ…いや、ずっとでもいいのですが
過ごしやすい秋が続いてほしいですね(笑
さてさて
本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1967年に発売されたカメラです。
ニコマートが担う中級機のクラスには
これ以前にニコレックスシリーズが存在しましたが
OEM供給が品質的にもうまくいかず
商業的にもあまりよろしくない結果に終わりました。
ユニットシャッタであるコパルスクエアを採用して
コストは抑え、過去の失敗を踏まえ
ニコン基準の品質を維持するために開発製造はニコンで行われています。
その甲斐もあってかニコマートシリーズはかなりのヒット作となりました。
「ニコマートFTN」は最初のニコマートである「FT」の改良版で
開放F値補正操作を採用し
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
「フォトミックFTN」等でもお馴染みの「ニコンのガチャガチャ」です。
加えて測光方式は平均測光から中央部重点測光へ変更され
ファインダー内に設定SS表示機能も追加されています。
使い勝手を中心によりブラッシュアップされたカメラです。
ニコマートシリーズの中ではこの「FTN」が
最も現存数の多いカメラだと思われます。
それだけ市場にも好評だったということですね。
お預かりの「FTN」はやはりかなり長い間使われずに
眠っていた個体だと思われます。
電池はキチンと抜いて保管されていたようで
電池室にはダメージはありません。
電池室からの配線にもダメージはないようです。
比較的トラブルの多い露出計は動作はしていますが
その挙動が安定しません。
マウント部にマイラー抵抗と呼ばれる摺動抵抗があり
それをブラシが接触することで
露出計の制御を行っているのですが
ここにどうやら汚れが溜まっているようです。
マイラー抵抗の抵抗体自体の劣化や剥離でも
指針が振り切ったり挙動の不安定さが出るのですが
抵抗体自体の劣化ではないようです。
ちなみに抵抗体自体が劣化・剥離していると
部品が基本的には手に入らないため修理は困難となります。
シャッター自体は動作しているものの
こちらもやはり金属幕の汚れの影響で
高速シャッターとなると少々測定値が不安定です。
巻上に油切れの兆候もありますので
そのあたりの機械的駆動部の整備も入念に行っていきます。
F一桁機ほどではないもののニコマートFT系は
基本的に非常に丈夫なカメラです。
特にコパルスクエアシャッターは頑丈で
少々のことでは不動となることがないような気がします。
他のカメラにも搭載されることが
多いシャッターユニットですが
ニコマートでは巻き上げやミラー駆動部の頑丈さと相まって
非常にタフなカメラに仕上がっています。
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