オリンパスXAのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「啓蟄」ですね。
「大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃」ということです。
言葉だけ聞くと
土の中からあらゆる虫がうごめきながら
這いずり出てくる。。。というような
気持ち悪いイメージしかわかないのですが。。。(苦笑)
いよいよ春本番ということです!
昨日は定休日だったので
新宿御苑にカメラを抱えて行ってきたのですが
寒桜や河津桜にメジロやヒヨドリが集まって
早くも一部では春爛漫の雰囲気でした。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
オリンパスらしい独創的で非常に軽量コンパクトなカメラです。
その後、同じようなカメラもたくさん出てきましたが
レンズバリアーが装備された石鹸箱のような
愛くるしいデザインはXAが元祖です。
このスライド式レンズバリアのおかげで
レンジファインダー機でありがちな
レンズキャップを付けたまま撮影してしまうこともなく
ケースも不要なため、カバーをスライドするだけで
素早く撮影体制に入れます。
XAには今回の初代XAの他にXA1~4が存在しますが
レンジファインダー機なのは初代XAのみです。
(絞り優先AE機なのも初代XAのみです)
さらに35mmフルサイズカメラなのに
ハーフ判のペンと同じくらい小さく
またレンズの出っ張りもほとんどないため
本当にポケットにすっぽり収まってしまいます。
個人的にも定期的に欲しくなるカメラですが
何だか巡り合わせが悪くて
未だに手に入れてないカメラでもあります(苦笑)

お預かりしている「XA」は
ご依頼者様のご自宅に眠っていたものだそうです。
まずはシャッターが全く切れません。
もちろん新しい電池を入れても同様です。
ただし、電源が入っていないわけではなく
ファインダー内露出計は反応していますし
バッテリーチェックも作動しています。
こういう場合、軽く押すだけでシャッターが作動する
フェザータッチのシャッターボタンの接触不良が考えられるのですが
シャッターを切ろうとボタンに触れると
わずかにファインダー内露出計が反応するので
シャッターボタンは問題ないと考えられます。
分解してみてわかったのですが
ソレノイドに連動して動くシャッター軸の固着が原因でした。
XAは電子制御シャッター機なので
修理不能の場合も正直ございます。
(一例ですが明るさに関わらず
シャッターが一定速度でしか切れないものは修理不能です)
その他、電池室の端子の不具合や
露出計、オート精度の調整等々
一通りの整備を行い完了となりました。

ハードケース付です。非常に大事にされていたようで
外観はもともと非常に良い状態です。
専用フラッシュ(写真のA11が最もとよく見かけますが
A16、A9も存在します)も問題なく発光します。
フラッシュを付けると少しばかり大きくなりますが
あればやはり便利です。
普段は外しておいて軽快に撮り歩き
必要なときだけ取り付けるほうが良いかもしれません。
いずれにしても魅力的なカメラです。

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