キヤノンFTbのカメラ修理

今日は春分の日でもありますが
ツイッターの誕生日でもあるのですね。
私もお店のアカウントしてFBとツイッターは
毎日更新していますが
特にツイッターは休日のちょっとしたことでも
投稿しやすくて楽しいです。
お客様の中にも
当店のツイッターをご覧になっていただいている方は
たくさんいらっしゃるし
ツイッターを見て当店のことをしていただくことも多く
ツイッターだけではないですが
SNSは本当に欠かせないものになっています。
あまりはまり込むと時間ばかり浪費してしまうので
少々注意が必要ですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年に発売のカメラで
同年にフラッグシップ機のキャノンF-1も発売されており
F-1のサブカメラもしくは中級機の位置づけとなっていました。
同年に発売されていますから
当然、F-1との共通点もかなり多く
細かい素材やコストのかかるところに違いはありますが
基本的仕様や考え方はF-1とほぼ共通です。
新システムでもあるFDレンズ群に対応し
開放測光が可能になりました。
F-1と同様の追針合致式の露出計は
一目で適正露出とのズレも判断でき
非常に使いやすいカメラだと思います。
2年後の1973年にマイナーチェンジが行われ
マイナーチェンジ後のモデルは
FTb-Nと呼ばれる場合もあります。
ファインダー内でシャッタースピード設定が確認できるようになり
巻上レバー、シャッターボタン、セルフタイマーレバーのデザインも
変更されています。

今回は同じ日に異なるご依頼者様から
偶然にも立て続けにFTb及びFTb-Nの修理依頼が入りましたので
一気に2台、整備していきます。
2台共に露出計が動きません。
電池室は比較的キレイなので裏側のハンダか
SW部の接触不良だと思われます。
加えて2台ともシャッター幕軸は油切れのようで
シャッター音も高周波を多く含んだ耳障りな状態で
シャッタースピードも不安定且つ
先幕・後幕のバランスが崩れています。
FTb-Nのほうは頻繁にミラーアップしたままになってしまいますが
これも元を正せばシャッター幕走行不良が原因と思われます。

左が前期のFTbで右側がFTb-Nです。
オーソドッグスながら飽きの来ないデザインですね。
しっかり整備された個体は
キヤノンFシリーズらしい非常に歯切れの良い
シャッター音を聴かせてくれます。
今回は大丈夫でしたが
F-1やFTbも含むFシリーズは
シャッター幕ブレーキのトラブルが比較的多いカメラです。
特にF-1やFTbはこの幕ブレーキの素材が
少々脆く、ここに不具合が発生すると
いろいろなトラブルが発生します。
代表的なものがシャッター幕バウンドで
走り終わったシャッター幕がその勢いで
少し跳ね返りそして再び戻っていくというものです。
見た目の動きでは全くわかりませんが
撮影したフィルムで見たり測定機で計ってみると明らかで
視野の端(走り終わり部分)のみ露出量が極端に少なかったり
反対に極端に多かったりします。
これが出ていると少々修理の難易度が上がります。

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